目次

この記事でわかること

個人事業主ふるさと納税上限は「住民税所得割額×20%」が基準になります。事業所得500万円なら約6.1万円、700万円なら約10.8万円が目安です。5ステップの計算方法から確定申告の手順まで、超過リスクを防ぐ実践的な管理方法を解説します。

フリーランス・個人事業主のふるさと納税上限は、住民税所得割額の約20%が目安です。事業所得500万円なら約6.1万円、700万円なら約10.8万円が基準になります。この記事では上限の計算方法から確定申告の注意点まで5ステップで解説します。

この記事の結論

個人事業主のふるさと納税上限は、毎年5〜6月に届く住民税決定通知書の「所得割額」に20%を掛けた金額が目安です。ただし青色申告特別控除社会保険料控除など各種控除を反映した後の課税所得が基準のため、前年の住民税決定通知書だけを見ていると実際の上限とズレが生じます。年末が近づくにつれて利益見込みが固まるので、11月時点で一度再計算してから寄付額を確定させるのが最も損のない進め方です。

今日やるべき1つ

昨年届いた住民税決定通知書を手元に出して「所得割額」の欄を確認し、その数字に0.2を掛けてください。これが今年の寄付上限のおおよその目安になります(所要時間:3分)。

状況別ショートカット

状況読むべきセクション所要時間
まず上限の仕組みを知りたいふるさと納税の上限は住民税所得割額の20%が目安3分
自分で計算式を使って出したい個人事業主の上限額は5ステップで計算5分
自分のケースに当てはまるか確認したい個人事業主の上限を3分で診断3分
早見表で事業所得別の金額を確認したい事業所得別の上限目安は早見表で確認2分
失敗しない寄付の進め方を知りたい個人事業主の上限管理は5つの仕組みで解決5分
確定申告の手順を確認したいふるさと納税の確定申告は3項目で完了4分
よくある疑問をまとめて解消したいふるさと納税 個人事業主 上限 目安に関するよくある質問3分

ふるさと納税の上限は住民税所得割額の20%が目安

フリーランスとして働き始めた方がふるさと納税を調べると、「上限は所得の20%」「住民税の20%」といった説明を目にすることが多い。この2つは似ているようで意味が異なるため、最初に整理しておきます。

ふるさと納税の控除上限額は住民税所得割額が基準

ふるさと納税の控除上限額は、所得税と住民税の両方から控除が行われる仕組みですが、実際に上限額の大きさを決める主役は住民税の「所得割額」です。所得割額とは、均等割(多くの市区町村で年額3,500円、都道府県民税と合わせて概ね5,000円程度)を除いた、所得に応じて課税される部分を指します。

住民税決定通知書は毎年5〜6月ごろ市区町村から送付されます。個人事業主の場合は、確定申告後に自宅や事業所に郵送されます。通知書の中に「所得割額」または「税額控除前所得割額」という欄があり、その数字が計算の出発点になります。

「所得割額の20%」という目安は、後述する正式な計算式を簡略化したものです。計算式では所得税率や復興特別所得税も考慮しますが、まず自分の上限規模を把握するためには「所得割額×20%」で十分です。住民税決定通知書で所得割額が30万円と記載されていれば、上限目安は6万円ということになります。

なお、個人事業主のふるさと納税確定申告を5ステップで完了する方法も別記事で詳しく解説しているので、申告手順と合わせて確認しておくと安心です。

上限は家族構成と所得控除で変動する

同じ事業所得でも、上限額が人によって異なるのは所得控除の種類と金額が違うためです。社会保険料控除は国民健康保険料や国民年金保険料の実額が控除対象になるため、加入している保険の保険料水準や年度によって変わります。

配偶者控除扶養控除は家族構成に依存します。子どもの人数が増えると控除額が増加し、課税所得が下がるため住民税所得割額も減少します。その結果、扶養家族が多いほどふるさと納税の上限額は低くなる傾向があります。年の途中で扶養状況が変わった場合は、前年の住民税決定通知書の数字をそのまま使うと上限を過大に見積もるリスクがあります。

青色申告を選択している場合は、青色申告特別控除(最大65万円)が事業所得から差し引かれます。65万円の控除を受けるには、複式簿記での記帳かつe-Taxによる電子申告または電子帳簿保存が要件であり、これを満たさない場合は55万円または10万円となります。白色申告との差が大きくなるほど課税所得が下がり、上限額も変わります。これらの控除を含めた上で計算しなければ、正確な上限は出せません。

ふるさと納税の控除の仕組みは3つの税で構成

ふるさと納税の控除は「所得税の控除」「住民税の基本控除」「住民税の特例控除」の3つで構成されています。このうち住民税の特例控除が上限の核心部分で、住民税所得割額の20%が上限として設定されています(地方税法附則第7条)。

この20%上限を超えて寄付した分は特例控除の対象外となり、自己負担額が2,000円を超えて増加します。上限以内であれば、自己負担は実質2,000円に収まります。

最新の制度内容については総務省のふるさと納税ポータルサイトでご確認ください。

CHECK

▶ 今すぐやること: 住民税決定通知書を手元に出して「所得割額」の欄を確認し、その数字に0.2を掛けてください(3分)

Q: ふるさと納税の「自己負担2,000円」とはどういう意味ですか?

A: 寄付金から控除される金額は「寄付額−2,000円」が上限です。上限以内の寄付であれば、2,000円だけ実質的な手出しが生じます。上限を超えた部分は控除されず、その分だけ自己負担が増えます。

Q: 住民税決定通知書が見当たらない場合はどうすれば良いですか?

A: 市区町村の窓口で再発行を依頼するか、直近の確定申告データをもとに各種シミュレーションサイトで概算を出す方法があります。ふるさとチョイスやさとふるなど主要ポータルには個人事業主向けのシミュレーション機能があります。

個人事業主の上限額は5ステップで計算

所得控除の種類が多いフリーランスほど、簡易計算との差が数千円から数万円に広がることがあります。自分のケースで正確に計算したい場合は、以下の手順で進めてください。

計算式は住民税所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円

正式な控除上限額の計算式は以下のとおりです。

「住民税所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税率 × 1.021)+ 2,000円」

この式の構造は、住民税の特例控除上限と所得税控除を統合して「自己負担が2,000円になる寄付額」を逆算したものです。所得税率は課税所得に応じて5%から45%まで7段階に設定されているため、課税所得が変わると計算結果も変動します。

課税所得が500万円の場合、所得税率は20%です。住民税所得割額が40万円とすると、計算は次のようになります。40万円 × 20% ÷(90% − 20% × 1.021)+ 2,000円 ≒ 11万4,000円程度。ただしこれは計算例であり、実際の住民税所得割額は各種控除後の課税所得から算出されるため、確認には住民税決定通知書の実額を使ってください。

課税所得の計算は5ステップで進める

個人事業主が課税所得を確認するまでの流れを整理します。第1ステップは事業収入(売上)の確認です。第2ステップは事業経費の差し引きで、売上から経費を引いた金額が事業所得になります。第3ステップは青色申告特別控除の適用で、複式簿記で記帳かつe-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行っている場合は65万円、複式簿記かつ紙申告の場合は55万円、簡易帳簿の場合は10万円が控除されます。第4ステップは社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除基礎控除などの各種所得控除の合計額を算出します。第5ステップは事業所得から全ての所得控除を差し引いて課税所得を確定させます。

この課税所得を使って住民税所得割額を概算します。住民税の税率は一律10%のため、課税所得×10%が住民税所得割額の目安になります(調整控除等により実際とは若干異なります)。なお、個人事業主の住民税計算の仕組みについては別記事で詳しく解説しています。

青色申告特別控除は上限計算に直接影響する

青色申告を活用している場合と白色申告の場合で、課税所得に最大65万円の差が生じます。課税所得の差が65万円あれば、住民税所得割額の差は約6.5万円になります。この6.5万円に20%を掛けると約1.3万円分、ふるさと納税の上限額に差が出ます。

白色申告から青色申告に切り替えた年は、前年の住民税決定通知書の数字が実態より高く出ている可能性があります。切り替え直後の年は、新しい課税所得ベースで計算し直してください。青色申告特別控除の分だけ上限を低く見積もっておく方が安全です。

CHECK

▶ 今すぐやること: 直近の確定申告書の「課税される所得金額」欄を確認し、×10%で住民税所得割額の目安を計算してください(5分)

Q: 課税所得が330万円を超えた場合、所得税率は何%になりますか?

A: 課税所得が330万円超から695万円以下の場合、所得税率は20%です(控除額は427,500円)。ふるさと納税の計算式に使う所得税率は、この速算表の税率(超過累進税率)を適用します。

Q: 小規模企業共済に加入すると上限はどう変わりますか?

A: 小規模企業共済の掛金は全額が所得控除になります(小規模企業共済法第2条等)。年間掛金が84万円(月7万円)であれば課税所得が84万円分下がり、住民税所得割額も約8.4万円減少します。その結果ふるさと納税の上限も約1.7万円低くなります。加入している場合は掛金額を確認して計算に反映させてください。

個人事業主の上限を3分で診断

以下の設問に沿って確認すると、取るべき行動が整理しやすくなります。

Q1: 昨年または今年の住民税決定通知書を手元で確認できますか?

手元にある場合はQ2へ進んでください。手元にない場合はまず市区町村に再発行を依頼するか、確定申告書の「課税される所得金額」を確認してください。

Q2: 今年の事業所得(売上−経費−青色申告特別控除)は前年から10%以上変動しましたか?

変動していない場合は住民税決定通知書の所得割額×20%を目安として採用してください(Result A)。変動した場合はQ3へ進んでください。

Q3: 今年扶養家族の増減、または配偶者の収入状況の変化はありましたか?

変化があった場合は課税所得ベースで再計算が必要です。税理士かシミュレーションツールを活用してください(Result B)。変化がない場合は前年所得割額×20%から増減率を加味した試算を行い、より保守的な金額(試算の80〜90%程度)を上限として設定してください(Result C)。

Result A: 前年並みの所得が見込める場合

住民税決定通知書の所得割額×20%を上限目安として採用できます。年末(11月以降)に利益が大きく上振れた場合は超過リスクがあるため、12月初旬に一度確認してください。

Result B: 所得や家族構成が変化した場合

控除の種類と金額が変わっているため、前年の数字をそのまま流用すると上限を超える可能性があります。確定申告ソフトの試算機能か税理士に年内シミュレーションを依頼してください。

Result C: 所得が変動したが家族構成は変化なし

前年の所得割額に収入増減率を掛けて目安を更新してください。その数字の80%程度を寄付上限として設定すると、超過リスクを抑えられます。

CHECK

▶ 今すぐやること: 上記Q1から順に回答し、自分のResultを確認してください(3分)

Q: 年の途中でフリーランスになった場合、給与所得と事業所得はどう合算しますか?

A: 給与所得と事業所得は合算して総所得金額を計算します。給与所得は給与収入から給与所得控除を差し引いた金額です。それぞれの所得を合算した上で各種所得控除を引いた課税所得ベースで住民税所得割額が算出されます。

Q: 個人事業主はワンストップ特例を使えますか?

A: 原則として使えません。個人事業主は確定申告が必要なため、ワンストップ特例を提出しても無効になります。寄付金控除は必ず確定申告で申告してください。

事業所得別の上限目安は早見表で確認

同じくらいの所得でどの程度が寄付可能かを把握したい方のために整理します。

事業所得別の目安金額(単身・標準控除の場合)

以下は事業所得(青色申告特別控除後)から社会保険料控除・基礎控除等の標準的な控除を差し引いた概算に基づく目安です。家族構成や個別控除の状況で実額は変わります。各ふるさと納税ポータルのシミュレーション機能(ふるさとチョイス等)でご自身の状況に合わせた試算も可能です。

事業所得の目安ふるさと納税上限の目安
300万円約2.8万円
400万円約4.2万円
500万円約6.1万円
600万円約7.7万円
700万円約10.8万円
800万円約12.9万円
1,000万円約17.6万円

早見表の金額よりも低く見積もって行動するのが安全です。また、ふるさと納税限度額の詳細な計算方法については専用記事で解説しています。

上限を超えた場合の自己負担の増え方

上限を超えて寄付した場合、超過分は住民税の特例控除の対象外となります。上限が6万円のところ8万円寄付した場合、2万円分は特例控除されないため自己負担が2,000円でなく2万2,000円になります。返礼品の価値が高くても、この超過分の自己負担増を取り戻すことはできません。

家族構成の違いで上限がどれだけ変わるか

事業所得600万円で比較すると、単身者の上限目安が約7.7万円である一方、配偶者控除(38万円)が適用される場合は課税所得が38万円下がるため住民税所得割額も約3.8万円減少し、上限目安は約7万円前後まで下がります。さらに16歳以上の扶養家族が2人いる場合は追加で扶養控除が適用され、上限は6万円台前半になることもあります。なお16歳未満の子どもは住民税の扶養控除の対象外(所得税では適用あり)であるため、計算の際には注意が必要です。扶養家族が多いほど上限が下がる構造を理解しておいてください。

CHECK

▶ 今すぐやること: 早見表で自分の事業所得に近い行を確認し、その金額の80%を暫定の寄付上限として手帳やスマホにメモしてください(2分)

Q: 早見表の金額はどういう前提で計算されていますか?

A: 単身者で標準的な所得控除(社会保険料控除・青色申告特別控除・基礎控除)を想定した概算です。実際の上限は個人の控除状況により異なります。

Q: 返礼品の価値が高い自治体を選べば上限を超えても得ですか?

A: 得にはなりません。上限超過分は税控除されないため、超過金額がそのまま手出しになります。返礼品の還元率が30%であっても、2万円超過すれば損失の方が大きくなります。

個人事業主の上限管理は5つの仕組みで解決

上限管理を仕組みで運用することで、上限超過・過少利用のどちらの失敗も防げます。

ハック1: 住民税決定通知書到着直後に年間寄付計画を立てる

【対象】: 毎年「今年いくらまで寄付できるか」を把握できていないフリーランス

【手順】: 第1ステップは5〜6月に住民税決定通知書が届いたタイミングで所得割額を確認します(所要時間:3分)。第2ステップは所得割額×20%で暫定上限を算出し、その80%を年間寄付予算として設定します。第3ステップは年間寄付予算を12分割または四半期分割してカレンダーにメモし、予算内で返礼品を選ぶ優先順位を決めます。

【コツと理由】: 「返礼品の魅力で寄付を決める」という進め方では年間合計が管理しにくく上限超過につながります。「先に予算を決めて、その枠内で返礼品を選ぶ」順序にすると、上限超過を構造的に防げます。家計管理の「先取り貯蓄」と同じ原理で、意思決定の順序を変えるだけで行動が自然にコントロールされます。

【注意点】: 住民税決定通知書の数字は前年所得を反映したものです。今年の所得が大幅に増えているケースでは上限を低く見積もりすぎることがある一方、大幅に下がっているケースでは上限を超えるリスクがあります。届いた通知書の数字をそのまま使う場合、今年の利益見込みとの照合を省略しないでください。

ハック2: 11月時点で利益見込みを再計算し寄付上限を更新する

【対象】: 年間の売上変動が大きく、年末になるまで最終的な所得が読みにくいフリーランス

【手順】: 第1ステップは11月に入った段階で年初から11月末までの事業収入と経費を集計します(所要時間:15〜30分)。第2ステップは12月の見込み売上と見込み経費を加えた年間利益見込みを算出し、青色申告特別控除・社会保険料控除を差し引いて課税所得の概算を出します。第3ステップは課税所得×10%で住民税所得割額を概算し、×20%で上限を再計算します。残りの寄付可能額を確認し、12月に追加寄付するか見送るかを判断します。

【コツと理由】: 変動所得のフリーランスにとって年初の計画は精度が低く、実務では11月再計算が最も機能します。11月時点では年間収入の90%以上が確定しており、12月の変動幅が比較的小さいため試算精度が上がるからです。年初計画だけに頼ると、売上が想定より大幅に増えた年に上限を数万円分下回って機会損失となるケースがあります。

【注意点】: 12月に一括で大量寄付するのはリスクがあります。年末ギリギリに想定外の大型受注が入ると、その時点で再計算が必要になります。上限目安の80〜90%で止めておく方が安全です。「最後の10%は捨てても良い」と決めておくことで無用なリスクを避けられます。

ハック3: 課税所得の試算に確定申告ソフトの「試算機能」を活用する

【対象】: 控除の種類が多く、手計算での課税所得試算に自信がないフリーランス

【手順】: 第1ステップはfreeeマネーフォワードクラウド確定申告など使用中の確定申告ソフトを開き、現時点までの収入・経費・控除を入力します(所要時間:20〜30分)。第2ステップは「確定申告書の作成」画面で仮の数字を入力し、「課税される所得金額」欄を確認します。第3ステップはその金額に住民税税率10%を掛けて住民税所得割額を概算し、×20%でふるさと納税の上限を算出します。

【コツと理由】: ふるさと納税のシミュレーションサイトは各種控除の入力項目が少なく、実態より高く出やすいです。確定申告ソフトは実際に使う全控除を反映した上で課税所得が計算されるため、ふるさと納税の上限試算ツールとして最も精度が高くなります。個人事業主におすすめの会計ソフトについては別記事で比較しているので参考にしてください。

【注意点】: 確定申告ソフトの試算は入力した数字に基づく概算です。12月の収入・経費が未確定の段階では完全な精度は出ません。社会保険料の年間合計は11月時点では完全には確定しないため、想定より若干高めに見積もっておくと安全です。

ハック4: 家族構成が変わった年は前年データを使わない

【対象】: 出産・子どもの就職・親の扶養など家族状況が変化したフリーランス

【手順】: 第1ステップは今年の扶養状況を確認します。配偶者・子ども・親など扶養している人の人数と状況を整理します(所要時間:5分)。第2ステップは前年と今年で扶養人数または状況が変わっている場合、前年の住民税決定通知書の所得割額をそのまま使うことを避け、今年の控除額ベースで課税所得を試算します。第3ステップは試算した課税所得×10%で今年の住民税所得割額を概算し、×20%で上限を再計算します。

【コツと理由】: 扶養控除は1人あたり38万円〜63万円の範囲で課税所得を下げます(一般扶養:38万円、特定扶養16〜18歳:63万円)。子どもが生まれた年や、子どもが16歳になった年(住民税の扶養控除の適用開始)は住民税所得割額が数万円単位で変わります。前年データに頼ると、扶養が増えた年は上限を実際より高く見積もって超過リスクが生じます。

【注意点】: 16歳未満の子どもは住民税の扶養控除が適用されない点(所得税は適用あり)に注意が必要です。住民税と所得税で扶養控除の取り扱いが異なるため、ふるさと納税の上限計算では住民税ベースの扶養控除額を使ってください。

ハック5: 年間寄付実績を1枚のスプレッドシートで管理する

【対象】: 複数の自治体に分けて寄付しており、確定申告時に寄付金控除の申告漏れが不安なフリーランス

【手順】: 第1ステップはGoogleスプレッドシートまたはExcelに「寄付日・自治体名・寄付額・返礼品・受領証明書の受取確認」の5列を作成します(所要時間:10分)。第2ステップは寄付のたびに該当行を追記し、年間合計額を確認する列を設けます。第3ステップは年末に合計額を確認し、確定申告時に寄付金控除の申告に使用します。受領証明書の原本は一か所にまとめて保管してください。

【コツと理由】: 年間10件以上の寄付になると受領証明書の管理が煩雑になり、確定申告時に1件漏れが生じるケースがあります。スプレッドシートで一元管理しておくと、確定申告書の寄付金控除欄への転記が5分以内で完了します。管理の手間を初期10分に集約することで、年末の確認コストを大幅に下げられます。

【注意点】: 確定申告時の寄付金控除には受領証明書の添付または保管が必要です。郵便で届く受領証明書を紛失した場合は寄付先の自治体に再発行を依頼できますが、手間がかかります。年内に受領証明書が届いたタイミングで管理シートへの入力と原本の保管を同時に行う習慣をつけてください。

CHECK

▶ 今すぐやること: Googleスプレッドシートを新規作成し、「寄付日・自治体名・寄付額・返礼品・受領証明書確認」の5列を作って今年の寄付実績を入力してください(10分)

Q: 寄付先が5か所を超えると確定申告で何か変わりますか?

A: 寄付先の数が何か所であっても確定申告での申告方法は変わりません。確定申告では全ての寄付を合算して寄付金控除として申告します。

Q: ふるさと納税ポータルの「寄付履歴」で管理すれば十分ですか?

A: 複数のポータルを使っている場合は1か所に集約されません。受領証明書の受取確認もポータル側では管理されません。自前のスプレッドシートで一元管理する方が確実です。

ふるさと納税の確定申告は3項目で完了

ポイントを3項目に絞って整理します。

寄付金控除は確定申告書の「寄附金控除」欄に記載する

ふるさと納税の寄付金控除は確定申告書第一表の「寄附金控除」欄に、全ての寄付金額の合計から2,000円を引いた金額を記載します。各自治体から送付される「寄附金受領証明書」が申告の根拠書類となります。e-Taxで申告する場合は証明書の添付が省略できますが、5年間の保管義務があります。

確定申告ソフト(freee・マネーフォワードクラウド確定申告等)を使うと、寄付金控除の入力画面で寄付先・寄付日・金額を入力するだけで計算が自動化されます。手入力で対応する場合も、受領証明書の金額をそのまま転記するため計算は不要です。

個人事業主は原則として確定申告が必要

ふるさと納税を行った個人事業主は原則として確定申告で寄付金控除を申告する必要があります。事業収入がある場合はもともと確定申告義務がある方がほとんどのため、既存の確定申告手続きに寄附金控除の項目を追加するだけです。

ワンストップ特例制度は「確定申告が不要な給与所得者のみ」が対象です。個人事業主は事業所得がある以上、確定申告が必要なためワンストップ特例は使えません。ワンストップ特例を申請済みであっても確定申告を行った場合は確定申告の申告内容が優先されます。なお、ふるさと納税がいつから住民税に反映されるかについては、別記事で仕組みと注意点を詳しく解説しています。

控除は翌年の住民税と所得税に反映される

ふるさと納税の控除は、申告した年の翌年の住民税決定通知書と、申告年分の所得税の還付として反映されます。住民税は翌年6月以降の納付額が減額され、所得税は申告後に還付される形です。

控除が反映されるまでに数か月かかるため、翌年の住民税決定通知書が届くまで待つ必要があります。5〜6月に届いた通知書の「税額控除額」欄や「寄附金税額控除額」欄を確認することで、正しく反映されているかチェックできます。

CHECK

▶ 今すぐやること: 確定申告ソフトを開き、寄付金控除の入力画面に今年の寄付額を仮入力して控除額の概算を確認してください(5分)

Q: 確定申告の期限はいつですか?

A: 通常の確定申告期限は翌年3月15日です(所得税法第120条)。期限を過ぎた場合は延滞税が発生する可能性があるため、期限内の申告を心がけてください。最新の申告期限は国税庁のウェブサイトでご確認ください。

Q: 寄付金受領証明書を紛失した場合はどうすればよいですか?

A: 寄付先の自治体または自治体が委託しているふるさと納税ポータルに連絡して再発行を依頼できます。手続きに1〜2週間かかることがあるため、確定申告期限前に余裕を持って対応してください。

ふるさと納税の上限を活かす:個人事業主が押さえるべき5つのポイント

個人事業主のふるさと納税上限は、住民税所得割額の約20%が基本の目安です。事業所得500万円なら約6.1万円、700万円なら約10.8万円が目安ですが、青色申告特別控除・社会保険料控除・扶養控除など各種控除の影響で実額は変わります。5〜6月に届く住民税決定通知書で所得割額を確認し、11月に利益見込みで再計算してから年間の寄付額を確定させるのが、上限超過を防ぎながら控除を最大限活用する最も実践的な進め方です。

上限管理の基本は「住民税決定通知書が届いたら翌年計画を立て、11月に更新する」この2回の確認だけです。計算が複雑に感じる場合は、確定申告ソフトの試算機能を活用することで正確な金額を把握できます。

状況次の一歩所要時間
住民税決定通知書がある所得割額×20%を計算して暫定上限を設定3分
通知書がない確定申告ソフトで課税所得×10%で概算20分
今年の所得が大きく変動した11月に利益見込みで再計算30分
家族構成が変わった新しい扶養状況で課税所得を試算し直す15分
寄付後に確定申告が不安寄付金受領証明書を一か所にまとめて保管5分

ふるさと納税 個人事業主 上限 目安に関するよくある質問

Q: 住民税決定通知書の「所得割額」の欄が複数ある場合、どれを使えば良いですか?

A: ふるさと納税の上限計算に使う所得割額は「税額控除前所得割額」です。税額控除後の数字は各種控除(調整控除・寄付金控除等)が適用済みのため低くなります。通知書に「調整控除前」「税額控除前」と記載された欄を使うのが正確です。

Q: 事業所得と不動産所得が両方ある場合はどう計算しますか?

A: 事業所得と不動産所得は合算して総所得金額を計算します。両方を合算した上で各種所得控除を差し引いた課税所得をベースに住民税所得割額が算出されます。いずれか一方だけで計算すると実際の上限と大きくズレますのでご注意ください。

Q: 今年から個人事業主になった場合、1年目のふるさと納税上限はどう計算しますか?

A: 1年目は住民税決定通知書がない(または前年の給与所得ベースの通知書しかない)ため、当年の収入見込みから課税所得を試算して上限を概算します。課税所得の試算は確定申告ソフトに収入・経費・各種控除を入力することで行えます。1年目は年間所得の見通しが立てにくいため、保守的な見積もり(試算の70〜80%程度)を上限として設定することをおすすめします。フリーランス開業1年目の税金の全体像については別記事で解説しています。

【出典・参照元】

個人事業主のふるさと納税完全ガイド|上限額計算から確定申告まで – 上限額計算式・事業所得別早見表

個人事業主のふるさと納税控除上限額は?メリットや確定申告 – 控除の仕組み・確定申告手順の解説

個人事業主がふるさと納税をやるならいくらまで?控除上限額 – 家族構成・控除別の変動解説

個人事業主のふるさと納税、上限額の計算と注意点 – 年末の上限超過リスクと保守的設定の解説

個人事業主のふるさと納税限度額シミュレーション – 収入・控除別のシミュレーション機能

ふるさと納税の控除上限額・仕組み(総務省) – 特例控除の根拠法令・制度概要

確定申告の手引き(国税庁) – 確定申告期限・寄附金控除の申告方法