個人事業主住民税は所得割(課税所得×10%)+均等割(5,000円)の5ステップで計算でき、青色申告なら最大65万円控除で税負担が大きく変わります。この記事では計算手順から納付時期、節税ポイントまで解説します。

目次

この記事でわかること

この記事を読むと、住民税の正確な計算方法(5ステップ)を15分で習得できます。青色申告を選ぶだけで年間6.5万円以上の住民税が軽減できることも分かります。6月の納付通知が届いても慌てない資金計画の立て方も身につきます。

この記事の結論

個人事業主の住民税は「売上−経費−控除=課税所得」を出し、課税所得×10%+均等割5,000円で計算します。青色申告特別控除(最大65万円)を活用すれば課税所得を圧縮できるため、白色申告より年間で数万円単位の差が生じます。まず自分の事業所得を正確に把握することが、資金計画の第一歩です。

今日やるべき1つ

直近1年分の売上と経費の合計を手元で確認し、「売上−経費」で事業所得を計算してください。この数字があれば、この記事の5ステップで住民税の概算額が15分で出せます。

状況別ショートカット

状況読むべきセクション所要時間
計算式がわからない住民税の計算は5ステップで完了5分
青色と白色を比較したい青色と白色で住民税は年間数万円差5分
自分の税額を今すぐ確認したい住民税額を3分で診断3分
納付時期と資金計画を知りたい住民税は年4回・普通徴収で納付5分
実際の計算例を見たい住民税の実例は2パターンで比較5分
税負担を減らしたい住民税は5つの仕組みで節税7分

住民税の計算は5ステップで完了

個人事業主は住民税が自動的に差し引かれないため、自分で計算して資金を確保する必要があります。住民税の計算は複雑そうに見えますが、5つのステップで整理すれば誰でも概算を出せます。

住民税は所得割と均等割の合計で決まる

住民税は「所得割」と「均等割」の2種類で構成されています(個人住民税の概要|総務省)。所得割は前年の所得に応じて金額が変わる部分で、均等割は所得にかかわらず一律で課税される部分です。事業が好調な年ほど所得割が増え、均等割は原則として毎年一定額がかかります。

所得割の税率は原則10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%)で、均等割は合計5,000円(都道府県民税1,500円+市区町村民税3,500円)が基本です。なお、2024年度分(令和6年度)より森林環境税として1,000円が加算され、均等割相当の定額負担は実質6,000円となっています(総務省:森林環境税及び森林環境譲与税)。自治体によって均等割の上乗せがある場合もあるため、確定税額は居住する市区町村の窓口か公式サイトで確認してください。

この2要素の合計が「住民税の年間税額」です。この構造を押さえておくと、以下のステップが格段に理解しやすくなります。

5ステップの計算手順

個人事業主の住民税は次の順序で計算します。

ステップ1: 売上から必要経費を差し引いて「事業所得」を出します。事業所得=売上−必要経費です。経費の計上漏れがあると所得が過大になるため、領収書や帳簿の整理がこの時点で重要です。

ステップ2: 青色申告特別控除を適用します。青色申告(e-Tax提出または電子帳簿保存)なら65万円、青色申告(書面提出)なら55万円、白色申告なら0円です。この差が税額に直結します。

ステップ3: 所得控除を差し引きます。基礎控除(43万円)、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除など、自分が該当する控除をすべて反映します。

ステップ4: ステップ1〜3で求めた「課税所得」に所得割の税率10%をかけます。課税所得×10%=所得割額です。

ステップ5: 所得割額に均等割を加えます。所得割+均等割=住民税の年間税額です。

個人事業主が住民税の計算を間違えやすい最大の原因は、「売上=所得」と誤認してステップ2・3を飛ばすことです。売上から経費・控除をすべて引いた「課税所得」が計算の起点であり、売上そのものに税率をかけることはありません。なお個人事業主の所得税計算も同様の仕組みで行われるため、あわせて確認しておくと全体像が把握しやすくなります。

住民税がかかる所得の目安は43万円超

住民税の所得割は、課税所得が発生した時点から課税されます。課税所得=事業所得−所得控除(基礎控除43万円など)となるため、扶養家族がなく基礎控除のみの場合、事業所得が43万円を超えると住民税の所得割が発生します(住民税の計算方法|東京都主税局)。

ただし均等割は所得割よりも低い所得から課税される自治体が多く、非課税ラインは自治体によって異なります。「自分は課税されないだろう」という前提で資金計画を立てるのは避け、早めに自治体の窓口か公式サイトで確認するのが安全策です。

課税所得別の住民税目安

計算をイメージしやすくするために、課税所得別の住民税の目安を以下に示します。

課税所得所得割(×10%)均等割住民税合計
50万円5万円5,000円5.5万円
100万円10万円5,000円10.5万円
200万円20万円5,000円20.5万円
300万円30万円5,000円30.5万円
500万円50万円5,000円50.5万円

この表は基礎控除等の控除を反映済みの「課税所得」を起点にしています。均等割額は2024年度以降の森林環境税加算前の基本額(5,000円)を記載しています。実際の税額は調整控除(最大2,500円)、森林環境税(1,000円)、自治体独自の加算で変動します。

CHECK

▶ 今すぐやること: 直近の確定申告書または収支の記録を開き、「事業所得(売上−経費)」の金額を確認してください(5分)。この数字が住民税計算の出発点になります。

Q: 住民税の計算で「所得」と「売上」は何が違いますか?

A: 売上(収入)から必要経費を差し引いた金額が「事業所得」です。住民税はこの事業所得からさらに所得控除を差し引いた「課税所得」を基準に計算します。売上そのままに10%をかけることはなく、経費・控除を反映した後の数値が起点になります。

Q: 均等割は毎年必ずかかりますか?

A: 前年の合計所得金額が一定額以下の場合は均等割も非課税になります。非課税基準は自治体によって異なり、扶養人数でも変わるため、居住市区町村の公式サイトで確認してください。

青色と白色で住民税は年間数万円差

住民税の計算上、青色申告特別控除の有無は税額に直接響きます。「手間がかかる」という理由で白色申告を選んでいる場合、年間数万円単位の損失が生じているケースがあります。

青色申告特別控除が課税所得を最大65万円圧縮する

青色申告(e-Tax提出または電子帳簿保存)を選ぶと、事業所得から最大65万円を控除できます(国税庁:青色申告特別控除|No.2072)。白色申告はこの控除が0円です。課税所得の差が65万円になるため、住民税の所得割(税率10%)だけで6.5万円の差が生じます。所得税との合算で考えると、その差はさらに大きくなります。

青色申告65万円控除を利用するには、複式簿記での記帳とe-Taxによる電子申告または電子帳簿保存法に基づく電子帳簿保存が条件です(国税庁:青色申告特別控除|No.2072)。書面提出の場合は55万円控除となります。65万円控除を狙う価値は、多くのフリーランスにとって高いと判断できます。

青色vs白色の住民税比較シミュレーション

条件:売上500万円、経費200万円(事業所得300万円)、基礎控除43万円、社会保険料控除80万円で比較します。

項目青色申告(65万円控除)白色申告(控除なし)
事業所得300万円300万円
青色申告特別控除−65万円0円
基礎控除−43万円−43万円
社会保険料控除−80万円−80万円
課税所得112万円177万円
所得割(×10%)11.2万円17.7万円
均等割0.5万円0.5万円
住民税合計11.7万円18.2万円
差額+6.5万円多い

青色申告を選ぶだけで、この条件では住民税が年間6.5万円少なくなります。所得税の節税分も加えると、年間10万円以上の差になるケースも少なくありません。なお、このシミュレーションは概算であり、調整控除・森林環境税等の影響で実際の税額は変動します。

小規模企業共済・国民健康保険料も控除に活用できる

住民税の課税所得を圧縮する手段は青色申告特別控除だけではありません。個人事業主が活用しやすい控除として、小規模企業共済国民健康保険料があります。

小規模企業共済の掛金(月最大7万円)は全額が所得控除になります。年間84万円掛けた場合、住民税の所得割で最大8.4万円の軽減が見込めます。

国民健康保険料は全額が社会保険料控除の対象です。収入規模によって年間20〜50万円程度になることが多く、この金額が課税所得から差し引かれるため、住民税への影響は無視できません。

CHECK

▶ 今すぐやること: 昨年の確定申告書を確認し、青色申告特別控除の適用額を確認してください(3分)。未適用の場合は、来年度から青色申告への切り替えを税務署に相談してください。

Q: 青色申告の65万円控除と55万円控除の違いは何ですか?

A: e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存法に基づく電子帳簿保存を行った場合に65万円控除、書面申告の場合は55万円控除です。差額は10万円で、住民税の所得割だけで1万円の差が生じます。

Q: 開業1年目でも青色申告は使えますか?

A: 開業から2ヶ月以内(開業日が1月1日から1月15日の場合はその年の3月15日まで)に「青色申告承認申請書」を税務署に提出すれば、初年度から適用できます。開業届と青色申告の同時提出で手続きを効率化することも可能です。詳細は国税庁の公式案内でご確認ください。

住民税額を3分で診断

以下の3つの質問に沿って確認すれば、おおよその住民税の水準と対応方針が3分で判断できます。

Q1: 昨年の事業所得(売上−経費)は100万円を超えていましたか?

Yesの場合はQ2へ進んでください。

Noの場合は「住民税が少額または非課税の可能性」があります。基礎控除43万円を差し引いた課税所得が0以下であれば所得割はかかりません。ただし均等割については自治体の非課税基準を確認してください。

Q2: 青色申告特別控除(55万円または65万円)を適用していましたか?

Yesの場合はQ3へ進んでください。

Noの場合は白色申告または控除未適用の状態です。事業所得から基礎控除・社会保険料控除等を引いた課税所得に10%を乗じた額が所得割の目安です。青色申告への切り替えで課税所得を最大65万円圧縮できます。

Q3: 小規模企業共済やiDeCoなどの追加控除を活用していますか?

Yesの場合は、控除を最大限活用できている状態です。課税所得ベースで住民税を試算し、年4回の納付額を分割して資金を確保してください。

Noの場合は、追加の控除手段を検討する余地があります。小規模企業共済(月最大7万円)やiDeCo(個人事業主の場合、月最大6.8万円)の活用で課税所得をさらに圧縮できます。

診断結果まとめ

状況住民税の目安優先アクション
事業所得100万円未満数千〜数万円(または非課税)自治体の非課税基準を確認
白色申告・事業所得200万円約15〜17万円青色申告への切り替えを検討
青色申告65万円控除・事業所得200万円約8〜10万円小規模企業共済等の追加控除を検討
青色申告+追加控除フル活用課税所得次第年4回の資金計画を先行して実施

CHECK

▶ 今すぐやること: Q1〜Q3の答えを紙またはメモに書き出し、該当する「優先アクション」を1つ決めてください(3分)。

Q: 住民税の通知はいつ届きますか?

A: 個人事業主(普通徴収)の場合、毎年6月ごろに前年の所得をもとにした「住民税の決定通知書(納税通知書)」が市区町村から送付されます。この通知が届くまでの期間(1〜5月)は概算額を自分で見積もり、資金を準備しておくと安心です。

Q: 住民税の診断結果と実際の税額がずれることはありますか?

A: あります。調整控除(最大2,500円程度)、森林環境税(1,000円)、自治体独自の上乗せ均等割、扶養控除の有無などで最終的な税額は変わります。この診断は概算の方向性確認が目的です。

住民税は年4回・普通徴収で納付

個人事業主の住民税は、給与所得者のように毎月自動的に引き落とされるわけではありません。自分で資金を準備し、4回に分けて納付する必要があります。この仕組みを理解していないと、6月の第1期納付書が届いたときに資金が足りない事態になりかねません。

普通徴収の納付スケジュール

個人事業主は原則として「普通徴収」となり、市区町村から送付される納付書を使って自分で納付します(総務省:個人住民税の概要)。

標準的な納期は次のとおりです。

標準的な納期限
第1期6月末
第2期8月末
第3期10月末
第4期翌年1月末

年税額を4分割で支払う形です。ただし自治体によって納期限の日付がずれることがあるため、納付書が届いたら納期限を必ず確認してください。

資金積立の考え方

住民税の通知は6月に届くため、1〜5月の期間に資金が手元にない状態は避けたいところです。確定申告後すぐに住民税の積立を始めてください。目安として、月次の事業所得の10〜12%を別口座に積み立てておくと、6月の通知後に慌てずに済みます。

通知が来た時点で資金が足りなければ、一括または前半の2回分を用意する必要があり、事業資金を圧迫するリスクがあります。フリーランスのお金が貯まらない理由と改善策も合わせて確認し、資金管理の全体像を整えておきましょう。

納付方法は複数から選べる

普通徴収の納付方法は、市区町村窓口・金融機関での現金払いのほか、口座振替、コンビニ払い(バーコードがある場合)、スマートフォン決済アプリ、地方税ポータル「eLTAX」経由のクレジットカード払い(手数料あり)など複数あります。毎回の支払い手続きを省力化したい場合は、口座振替の手続きを市区町村で行っておくと便利です。

CHECK

▶ 今すぐやること: 今月の事業所得の10〜12%を計算し、住民税積立用の口座またはサブ口座に振り分けてください(5分)。毎月この習慣をつけるだけで6月の資金不足を防げます。

Q: 普通徴収と特別徴収はどう違いますか?

A: 普通徴収は個人が納付書で自分で支払う方法です。特別徴収は勤務先の給与から毎月天引きされる方法で、会社員が該当します。個人事業主は原則として普通徴収です。ただし副業の給与所得がある場合、勤務先に副業分まで特別徴収される可能性があるため、住民税を「普通徴収」に指定する欄が確定申告書にあります。

Q: 納付を忘れると何かペナルティはありますか?

A: 納期限を過ぎると延滞金が発生します。延滞金の割合は年度・期間によって変動するため、最新の利率は居住市区町村または国税庁のサイトでご確認ください。未納が続くと差押えの対象になることもあるため、資金が不足する場合は早めに市区町村の窓口に分割納付の相談をしてください。

住民税の実例は2パターンで比較

ケース1(計画的に準備したパターン)

フリーランスのAさん(Webデザイナー・30代)は、年間売上480万円、経費120万円で事業所得360万円でした。青色申告(65万円控除)を適用し、小規模企業共済に月5万円(年60万円)加入、国民健康保険料の控除も反映した結果、課税所得は約110万円、住民税合計は約11.5万円でした。

確定申告後すぐに住民税の積立を毎月1万円ずつ開始し、6月の納付書到着時点で11万円以上が口座に確保されていました。第1期から第4期まで滞りなく納付でき、事業資金に影響はありませんでした。

青色申告と小規模企業共済を組み合わせた個人事業主からは、税負担が想定より少なかったという報告があります(個人事業主の手取りと住民税の早見情報|flxy.jp)。

もし白色申告のまま控除を活用していなければ、課税所得は約175万円、住民税は約18万円と試算され、差額6.5万円分を資金として手当てする必要があったところです。

ケース2(準備不足で資金不足になったパターン)

フリーランスのBさん(ライター・20代)は、年間売上240万円、経費40万円で事業所得200万円でした。白色申告を選択し、基礎控除43万円のみ反映した課税所得は約157万円、住民税合計は約16.2万円でした。

住民税の通知書が6月に届いた時点で積立をまったく行っていなかったため、第1期分の支払いに困りました。第2期(8月)が重なり、国民健康保険料の支払いとも時期が重なったことで資金繰りが一時的に悪化しました。

フリーランス1年目に住民税の金額を把握しておらず、通知が届いてから対処することになったというユーザーの報告があります(個人事業主の税金計算シミュレーション|mmea.biz)。

もし事業所得の12%を毎月積み立てていれば、年間約24万円(住民税16.2万円+余剰分)が確保でき、6月の通知後も余裕をもって納付できた計算です。

CHECK

▶ 今すぐやること: 自分の事業所得(売上−経費)を確認し、その12%を住民税・国民健康保険料の積立目標として設定してください(5分)。

Q: ケース2のように資金が不足したらどうすればいいですか?

A: 市区町村の税務窓口に早めに連絡し、分割納付の相談をしてください。放置すると延滞金が加算されるため、資金難の場合でも連絡を先送りしないことが重要です。

住民税は5つの仕組みで節税

住民税の節税は「合法的な控除をすべて使い切ること」に尽きます。以下の5つのハックは、実務上効果が大きいものをインパクト順に並べています。

ハック1: 青色申告65万円控除で住民税を6.5万円削減

【対象】: 白色申告または青色申告55万円控除を使っているフリーランス全員が対象

【手順】: 税務署に「青色申告承認申請書」を提出します。新規開業の場合は開業から2ヶ月以内、既存の場合は翌年分から適用で今年3月15日までに提出します(所要時間:30分)。提出後、複式簿記で日常の収支を記帳します。会計ソフトの自動仕訳機能を使えば月1〜2時間に短縮できます。その後、e-Taxで確定申告を提出し、65万円控除を適用します(初回2〜3時間、2年目以降は1時間程度)。

【コツと理由】: 会計ソフト(freeeマネーフォワードクラウド確定申告)の自動仕訳機能を使えば、毎月の記帳作業は30分以内に収まります。65万円控除の効果は住民税の所得割だけで6.5万円、所得税(税率5〜20%)との合算では年間8〜15万円以上の節税になることが多いため、ソフトの月額料金(1,000〜2,000円程度)を差し引いても明確にプラスです。住民税は「前年の課税所得」に課税されるため、1回の申告方法の選択が翌年度の税額に丸ごと影響します。

【注意点】: 申告書の提出期限(3月15日)までに間に合わなかった場合は、その年分の65万円控除が適用できなくなります。早めの準備をしてください。

ハック2: 小規模企業共済で課税所得を最大84万円圧縮

【対象】: 老後の資金準備と節税を同時に進めたいフリーランス・個人事業主

【手順】: 中小機構のサイトで加入資格を確認します(所要時間:10分)。確認後、取扱金融機関または商工会議所の窓口で加入手続きを行います(所要時間:30〜60分)。月々の掛金を設定し(月1,000円〜70,000円)、確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」欄に年間掛金を記載します。

【コツと理由】: 小規模企業共済は掛金全額が所得控除になるため、月7万円(年84万円)を上限に課税所得を圧縮できます。住民税の所得割(10%)だけで年間最大8.4万円の軽減が見込め、将来的に事業を廃業または引退した際に解約手当金として戻ってくる積立性もあります。経費を増やして節税するより、所得控除を使って課税所得を下げる方が効果的かつリスクの低い手段です。

【注意点】: 加入後20年未満で任意解約すると元本割れになる可能性があります(中小機構:小規模企業共済制度)。長期継続を前提とした制度のため、短期的な資金繰りが不安定な時期には掛金を最低額(月1,000円)に設定してください。

ハック3: 国民健康保険料を社会保険料控除に確実に反映

【対象】: 国民健康保険に加入しているフリーランス・個人事業主で、確定申告書の記入漏れが心配な方

【手順】: 毎年1〜3月に自治体から送付される「国民健康保険料の納付済額通知書」または「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」を手元に用意します(所要時間:5分)。確定申告書の「社会保険料控除」欄に、国民健康保険料・国民年金保険料の合計額を記載します。会計ソフトのデータに反映し、控除後の課税所得で住民税を試算します(所要時間:10分)。

【コツと理由】: 国民健康保険料は自動的に控除されるわけではなく、確定申告書で自己申告することで初めて控除が適用されます。国民健康保険料は所得規模によって年間20〜50万円程度になることが多く、この全額が課税所得から差し引かれます。年間40万円の保険料を払っている場合、住民税の所得割だけで4万円が軽減されます。控除の申告漏れは、払わなくてよい税金を払い続けることと同義です。

【注意点】: 家族の国民健康保険料を支払っている場合、その分も社会保険料控除の対象になります。自分の分しか書かない状態にならないよう注意してください。

ハック4: iDeCoで課税所得を毎年最大81.6万円削減

【対象】: 老後の資産形成を考えており、住民税・所得税の両方を軽減したいフリーランス

【手順】: 金融機関(SBI証券・楽天証券等)でiDeCoの口座を開設します(所要時間:申込から2〜3ヶ月)。国民年金基金連合会から送付される「小規模企業共済等掛金払込証明書」を受け取ります(毎年10〜11月ごろ)。確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」欄にiDeCoの掛金額を記載します(個人事業主の場合、月最大68,000円が上限)。

【コツと理由】: 個人事業主のiDeCo上限は月68,000円(年816,000円)で、全額が所得控除になります。課税所得200万円のフリーランスが月2万円(年24万円)掛けた場合、住民税の軽減だけで年2.4万円、所得税分も加えれば年4〜5万円の節税効果が見込めます。60歳まで引き出せないという制約がある一方で、毎年の税負担軽減効果が積み重なることで手元キャッシュフローの改善が期待できます。

【注意点】: 運用商品の値動きによって将来の受取額が変動するリスクがあります。元本確保型の商品を選ぶことも可能ですが、長期運用の効果を期待するなら分散投資が基本です。節税だけを目的に高リスク商品を選ぶことは避けてください。

ハック5: 住民税シミュレーターで年間の税額を11月に試算

【対象】: 確定申告前(11〜12月時点)に住民税の概算を把握し、翌年の資金計画を立てたいフリーランス

【手順】: 弥生の税金計算シミュレーターまたは居住市区町村の公式シミュレーターを開きます(所要時間:2分)。当年の売上・経費・控除の見込み額を入力し、住民税の概算額を確認します(所要時間:10分)。住民税の概算額÷4で1回あたりの納付額を計算し、翌年6月・8月・10月・翌1月の積立目標を設定します(所要時間:5分)。

【コツと理由】: 確定申告(3月)から住民税通知(6月)まで約3ヶ月のタイムラグがあります。11月に試算しておけば、残り7ヶ月間で積立できるため、月次の積立額が小さくなり事業資金への影響を最小化できます。シミュレーター値より10〜15%多めに積み立てておくことで、実際の税額との差が生じた場合も余裕をもって対応できます。

CHECK

▶ 今すぐやること: 上記5つのハックのうち、まだ未実施のものを1つ選び、今日中に最初のアクション(申請書のダウンロード・シミュレーターへのアクセス等)を実行してください(15分以内)。

Q: 住民税の節税で「ふるさと納税」は効果がありますか?

A: ふるさと納税は住民税の控除(ワンストップ特例または確定申告での申告)に使えます。寄付額のうち自己負担2,000円を超える部分が住民税から控除される仕組みです。ただし控除上限額は課税所得によって変わるため、事前に上限額をシミュレーターで確認してから活用してください。個人事業主のふるさと納税確定申告の手順も参考にしてください。

住民税の計算と節税をまとめる:今日から始める5つのアクション

個人事業主の住民税は「課税所得×10%+均等割」という構造であり、課税所得の圧縮が最大の節税手段です。青色申告65万円控除・小規模企業共済・iDeCoを組み合わせれば、課税所得を大幅に圧縮でき、住民税だけで年間数万円以上の差が生じます。

計算方法を理解しても、実際に手を動かさない限り節税は実現しません。まず今日、自分の事業所得と課税所得を計算し、5つのハックのうち1つでも着手してください。資金計画は「通知が来てから考える」ではなく、「申告前の11〜12月に試算する」習慣が、フリーランスとして長く続けるための基盤になります。

状況次の一歩所要時間
まず計算式を確認したい売上−経費−控除の3つの数字を紙に書く5分
青色申告に切り替えたい税務署に青色申告承認申請書を提出30分
節税を増やしたい小規模企業共済の加入資格を確認10分
資金計画を立てたい住民税シミュレーターで概算額を試算15分
税理士に相談したい最寄りの税務署または商工会議所に電話5分(予約のみ)

住民税 個人事業主シミュレーションに関するよくある質問

Q: 個人事業主の住民税はいくらから発生しますか?

A: 所得割は、事業所得から基礎控除(43万円)等を差し引いた課税所得がプラスになった時点から発生します。扶養家族がなく基礎控除43万円のみ適用の場合、事業所得が43万円を超えると所得割が発生します。均等割は自治体によって非課税ラインが異なるため、居住市区町村のサイトでご確認ください(東京都主税局:住民税の計算方法)。

Q: 住民税と所得税はどちらが高くなりやすいですか?

A: 課税所得が低い段階(195万円以下)では、所得税率5%に対して住民税率10%のため住民税の方が高くなります。課税所得が増えると所得税の累進税率(最大45%)が上がるため、高所得では所得税の方が大きくなります。フリーランス初年度や低所得期には住民税が相対的に重い税負担になることが多いです。

Q: 副業のフリーランス収入にも住民税はかかりますか?

A: かかります。給与所得者が副業で事業所得を得た場合、副業の所得分も住民税(所得割)に加算されます。確定申告書に副業所得を記載し、住民税を「普通徴収」にする欄にチェックすることで、副業分の住民税通知が個人宛に届き、勤務先に副業収入が把握されにくくなります。

【出典・参照元】

総務省:個人住民税の概要 – 住民税の所得割・均等割の構成、普通徴収の説明

総務省:森林環境税及び森林環境譲与税 – 2024年度からの森林環境税(1,000円)の概要

東京都主税局:個人住民税の計算方法 – 非課税基準、課税所得の計算方法

国税庁:青色申告特別控除(No.2072) – 青色申告65万円・55万円控除の条件

国税庁:青色申告承認申請書の提出 – 青色申告承認申請書の提出期限・手続き

国税庁:延滞税について – 延滞税の計算方法・利率

中小機構:小規模企業共済制度 – 掛金の控除適用、加入資格、上限額、解約条件

弥生:個人事業主のかんたん税金計算 – 住民税・所得税の概算シミュレーター

個人事業主の手取りと住民税の早見情報|flxy.jp – フリーランスの税負担の実例・体験談

個人事業主の税金計算シミュレーション|mmea.biz – フリーランス1年目の住民税対応に関する体験談