フリーランスがよく使う14資産の法定耐用年数を一覧で確認でき、中古資産の簡便法計算まで3ステップで解説します。国税庁の耐用年数表をもとに、確定申告で迷わない判断フローを提供します。
この記事でわかること
耐用年数早見表でパソコン4年・軽自動車4年など主要14資産を即確認できます。中古資産は簡便法3ステップで新品より短い耐用年数を算出し、年間経費を最大化できます。10万円・20万円・30万円の閾値と青色申告の有無で処理方法が4パターンに決まります。
この記事の結論
フリーランスの確定申告で迷いやすい減価償却は、「10万円を超えるかどうか」と「法定耐用年数」の2点を押さえれば判断できます。パソコン4年・軽自動車4年・普通自動車6年など主要14資産の年数を早見表で確認し、中古購入時は簡便法で計算し直します。本記事の流れに沿って確認することで、確定申告当日に迷わず処理を完了できます。
今日やるべき1つ
今年購入した10万円超の資産を1つリストアップし、後述の早見表で耐用年数を確認してください(5分)。
状況別ショートカット
| 状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| 資産の耐用年数をすぐ確認したい | 耐用年数早見表は主要14資産で確認 | 2分 |
| 中古で購入した資産の年数を知りたい | 中古資産の耐用年数は簡便法で計算 | 5分 |
| 10万円超の備品の処理方法を知りたい | 減価償却の対象は取得価額10万円超が基準 | 5分 |
| 確定申告で処理方法を判断したい | 耐用年数の処理は4パターンで判定 | 3分 |
耐用年数早見表は主要14資産で確認
国税庁の膨大な一覧を毎回探し直す手間をなくすために、フリーランスが実務で使う資産に絞って確認できる表を用意しました。以下は国税庁「耐用年数(器具・備品)(その1)」と国税庁「耐用年数(車両・運搬具)」をもとに、使用頻度の高い14種類を抽出して整理しています。
パソコン・スマホ・カメラの耐用年数
| 資産名 | 法定耐用年数 | 国税庁区分 |
| パソコン(サーバー以外) | 4年 | 電子計算機(パーソナルコンピュータ) |
| スマートフォン | 4年 | 電話設備(携帯電話) |
| デジタルカメラ | 5年 | 写真機器 |
| プリンター・コピー機 | 5年 | 複写機等 |
パソコンは多くのフリーランスにとって最初に減価償却を経験する資産です。4年という年数は「48か月で取得価額を費用化する」ことを意味し、たとえば20万円のノートPCは毎年5万円ずつ経費に計上します。購入初年度だけでなく複数年の申告に影響するため、取得時点で耐用年数を確定させておく必要があります。スマートフォンの耐用年数と価格別の経費処理については別記事でも詳しく解説しています。

車・バイク・自転車の耐用年数
| 資産名 | 法定耐用年数 | 国税庁区分 |
| 普通自動車 | 6年 | 運送事業用以外の一般用 |
| 軽自動車 | 4年 | 運送事業用以外の一般用 |
| バイク(2輪・3輪車) | 3年 | 二輪自動車 |
| 自転車 | 2年 | 自転車 |
車両は普通自動車と軽自動車で耐用年数が異なります。軽自動車は4年、普通自動車は6年で、同じ100万円の車でも年間の償却費は定額法で軽自動車が約25万円(償却率0.250)、普通自動車が約16万7千円(償却率0.167)と差があります。事業と私用を兼用している場合は走行距離等の記録をもとに按分する必要があります。個人事業主が車を経費にする6つの仕組みでは、按分計算の具体的な方法を解説しています。

机・椅子・エアコンの耐用年数
| 資産名 | 法定耐用年数 | 国税庁区分 |
| 事務机・椅子(金属製) | 15年 | 主として金属製のもの |
| 事務机・椅子(その他) | 8年 | その他のもの |
| エアコン・冷暖房機器 | 6年 | 冷房用・暖房用機器 |
| テレビ・ラジオ | 5年 | テレビ受信機等 |
| 時計 | 10年 | 時計 |
| 金庫 | 20年 | 金庫 |
机や椅子は素材によって耐用年数が大きく異なります。スチール製デスクは15年、木製デスクは8年であり、購入時にどちらの区分に該当するかを確認してください。エアコンは個別購入した器具備品(6年)か建物に組み込んだ建物附属設備(15年)かで区分が変わるため、購入形態と設置状況を確認した上で判断します。モニター経費の勘定科目と金額による区分方法も参考になります。

CHECK
▶ 今すぐやること: 上の早見表から今年購入した資産の耐用年数を1つ特定し、取得価額 ÷ 耐用年数で年間償却費の概算を計算する(5分)
Q: スマートフォンはパソコンと同じ4年ですか?
A: はい、スマートフォンは電話設備(携帯電話)として4年が法定耐用年数です。業務とプライベートを兼用している場合は事業使用割合で按分してください。
Q: プリンターとスキャナーは何年ですか?
A: コピー機・プリンターは複写機等として5年が適用されます。スキャナー単体の場合は国税庁耐用年数表で該当区分を直接確認してください。
減価償却の対象は取得価額10万円超が基準
備品を購入したとき、減価償却が必要かどうかの判断起点は取得価額です。10万円・20万円・30万円の3段階で処理方法が変わるため、購入時点で閾値を確認しておくと申告前の作業が大幅に減ります。消耗品費と備品の違いと判断基準では、この区分をより詳しく解説しています。

10万円・20万円・30万円の3つの閾値
フリーランスが備品を購入したとき、処理方法は取得価額によって段階に分かれます。10万円未満のものは購入年度に全額を消耗品費等として経費化できます。10万円以上20万円未満のものは一括償却資産(3年均等償却)として処理を選択できます。20万円以上30万円未満のものは、青色申告者であれば少額減価償却資産の特例(年間合計300万円まで)を使って購入年度に全額経費化できます。青色申告を選択しているかどうかで、20万円台の備品の処理方法が大きく変わります。
法定耐用年数と償却率の関係
法定耐用年数が決まると、定額法の償却率も自動的に決まります。パソコン(4年)の定額法償却率は0.250、軽自動車(4年)も同じく0.250です。普通自動車(6年)は0.167、エアコン(6年)も0.167となります。償却費は「取得価額 × 償却率」で算出し、事業専用割合が100%未満の場合はさらに掛け合わせます。たとえば30万円の軽自動車を事業60%・私用40%で使う場合、年間の経費は「30万円 × 0.250 × 0.6 = 4万5千円」という計算です。エクセルで減価償却を自動計算する方法も参考にしてください。

国税庁の耐用年数表の探し方
国税庁の耐用年数表は区分ごとに複数ページに分かれており、フリーランスが参照するのは主に「器具・備品」と「車両・運搬具」の2区分です。国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」PDFをブックマークしておくと、毎年の確定申告時に一次情報を即座に参照できます。
CHECK
▶ 今すぐやること: 今年購入した10万円超の資産について、取得価額が10万円・20万円・30万円のどの閾値に該当するかを確認し、処理方法を決定する(5分)
Q: 青色申告をしていない場合、30万円未満の特例は使えますか?
A: いいえ、少額減価償却資産の特例(30万円未満全額経費)は青色申告者のみが利用できます。白色申告の場合は20万円未満の一括償却資産(3年均等)か、通常の定額法償却のいずれかになります。
Q: 10万円の判定は税抜きですか税込みですか?
A: 消費税の経理処理方法によって異なります。税抜経理を採用している場合は税抜価格、税込経理を採用している場合は税込価格で判定します。
中古資産の耐用年数は簡便法で計算
中古で購入した資産に新品の耐用年数をそのまま適用すると、実態より長い期間での償却になり、年間の経費計上額が過少になります。簡便法で計算し直すことで、新品より短い耐用年数を適用でき、年間の経費を増やせます。
中古資産の簡便法の3ステップ
中古資産の耐用年数は「簡便法」で求めます。
第1ステップは「法定耐用年数の残存年数を確認する」ことです。法定耐用年数がまだ経過していない資産は「(法定耐用年数 – 経過年数)+ 経過年数 × 0.2」で計算します。たとえば法定耐用年数6年の普通自動車を2年落ちで購入した場合、「(6 – 2)+ 2 × 0.2 = 4.4年」となり、端数切り捨てで4年が中古の耐用年数になります。
第2ステップは「法定耐用年数をすでに超過している場合の計算」です。法定耐用年数を超えた資産は「法定耐用年数 × 0.2」で計算します。6年の普通自動車で法定耐用年数経過済みのものは「6 × 0.2 = 1.2年」となりますが、最低耐用年数は2年と定められているため、計算結果が2年を下回る場合でも2年が適用されます。
第3ステップは「計算した耐用年数を定額法に当てはめる」ことです。中古資産の耐用年数が確定したら、新品と同様に「取得価額 × 定額法償却率」で年間償却費を計算します。中古購入のほうが耐用年数は短くなるため、同じ取得価額でも新品より短期間で多くの経費を計上できます。
中古パソコン・中古車の具体的な計算例
法定耐用年数4年のパソコンを3年落ちで15万円で購入した場合を確認します。経過年数3年で法定耐用年数4年はまだ経過していないため「(4 – 3)+ 3 × 0.2 = 1.6年」となり、端数切り捨てで1年ですが最低2年が適用されます。定額法償却率は2年で0.500となり、年間7万5千円の償却費です。新品4年(年間3万7千500円)と比較すると、中古のほうが2倍の経費を計上できる計算になります。一括償却資産の3年均等償却のやり方と組み合わせて判断することが重要です。

経過年数の証明と注意点
中古資産の耐用年数を簡便法で計算するには、実際に何年経過しているかを確認できる書類が必要です。車であれば車検証の初度登録年月で確認できます。パソコンや家電は購入時の領収書や製品シリアル番号から製造年を特定します。経過年数が確認できない場合は「法定耐用年数 × 0.2」で計算した年数を使用できます。
「少額特例や一括償却、中古資産の取り扱いを交えて、購入時の判断材料を得られた」と話すフリーランスもいます(フリーランスの少額特例・中古資産の考え方)。
CHECK
▶ 今すぐやること: 中古購入した資産があれば、購入時の書類から経過年数を確認し、簡便法で耐用年数を計算する(10分)
Q: 中古車の経過年数が不明な場合はどうすれば良いですか?
A: 「法定耐用年数 × 0.2」で計算した年数を使用できます。普通自動車(6年)なら「6 × 0.2 = 1.2年」、端数切り捨てで最低2年が適用されます。
Q: 個人間売買で中古PCを購入した場合も簡便法は使えますか?
A: はい、使えます。製造年やスペックが確認できる書類(購入時のやり取りを記録したもの等)を保管しておくと実務上の根拠になります。
耐用年数の処理は4パターンで判定
確定申告前に自分で判断するために、3分で処理方法が決まる診断フローを確認してください。
Q1: 購入した資産の取得価額は10万円以上ですか?
10万円以上の場合はQ2へ進んでください。10万円未満の場合はResult Aです。購入年度に全額を消耗品費等として経費計上できます。
Q2: 取得価額は30万円未満ですか?
30万円未満の場合はQ3へ進んでください。30万円以上の場合はResult Bです。法定耐用年数に基づく通常の減価償却が必要です。早見表で耐用年数を確認し、定額法で年間の償却費を計算します。
Q3: 青色申告をしていますか?
青色申告の場合はResult Cです。少額減価償却資産の特例(30万円未満)を使って購入年度に全額経費化できます(年間合計300万円まで)。白色申告の場合はQ4へ進んでください。
Q4: 取得価額は20万円未満ですか?
20万円未満の場合はResult Dです。一括償却資産として3年均等(年間1/3ずつ)で償却できます。20万円以上の場合はResult Bです。通常の定額法減価償却が必要です。
Result A: 全額消耗品費として処理
帳簿に「消耗品費」として記入し、翌年以降の処理は不要です。
Result B: 定額法で減価償却
本記事の早見表で耐用年数を確認し、「取得価額 × 定額法償却率 × 事業専用割合」で年間償却費を計算します。確定申告書の「減価償却費の計算」欄に記入が必要です。
Result C: 少額減価償却資産の特例で全額経費化
購入年度の確定申告で全額を経費として計上します。翌年以降の処理は不要ですが、青色申告決算書の「少額減価償却資産の取得価額の合計額」欄への記入を確認してください。
Result D: 一括償却資産(3年均等)で処理
取得価額を3で割った金額を3年間経費計上します。帳簿上は「一括償却資産」として記録します。
CHECK
▶ 今すぐやること: 今年購入した資産を4パターンのどれに当てはめるか判定し、帳簿への記録方法を確認する(3分)
Q: 中古で購入した場合も同じフローで判定しますか?
A: 取得価額の閾値判定は同じです。耐用年数については新品の法定耐用年数ではなく、簡便法で計算した年数を使います。
Q: 途中で廃棄・売却した場合はどうなりますか?
A: 減価償却途中で資産を廃棄・売却した場合は、その年の減価償却費を月割りで計算し、残存簿価を「固定資産除却損」や売却益・損として処理します。
耐用年数の誤りを防ぐ実務ハックは5つ
フリーランスの確定申告で損しないために、見落としやすいポイントを5つ整理します。
ハック1: 購入当日の資産ラベリングで確定申告を最速化
【対象】: パソコン・車・家電など年1〜3点程度備品を購入するフリーランス全般
【手順】: 資産購入日にスマートフォンのメモまたは会計ソフトの摘要欄に「資産名・取得価額・中古or新品・使用開始日」を記録します(2分)。次に本記事の早見表を参照して耐用年数と定額法償却率を同時に記録します(3分)。確定申告時に「減価償却費の計算」欄へその情報をそのまま転記して入力を完了します(5分で転記完了)。
【コツと理由】: 購入当日に耐用年数まで記録することで確定申告時の作業時間を削減できます。記憶が鮮明なうちに中古・新品の別や使途を正確に記録でき、後から書類を掘り返す手間がなくなります。会計ソフトへのリアルタイム入力を習慣化すると、申告前の「記録作業の山」が消えます。
【注意点】: 購入後に先送りにすると、3か月後に中古か新品か、用途が事業100%か按分かを正確に思い出すのは困難です。誤った耐用年数を適用するリスクが高まります。
ハック2: 事業専用割合の記録で按分ミスを防ぐ
【対象】: 車・スマートフォン・自宅エアコンなど事業と私用を兼用している資産がある方
【手順】: 車であれば運転日報(日付・目的・走行距離)をスプレッドシートで毎月記録します(月15分)。スマートフォン・通信費は月次の通話履歴や利用状況から事業用比率を算出し固定値として設定します(初回30分)。年間の按分比率を確定し、確定申告書の「業務使用割合」欄に記入します(5分)。通信費の按分割合の根拠作成術も参考にしてください。
【コツと理由】: 記録のある按分比率だけが税務調査で根拠として認められます。按分の根拠が記録として残っていない場合、税務調査で否認されると過少申告加算税(原則10%、過少申告額が期限内申告額または50万円のいずれか多い額を超える場合は超過部分について15%)が発生します。走行日報1か月分の記録習慣が将来の税務リスクを軽減します。
【注意点】: 実態と乖離した固定比率は税務調査のリスクを高めます。毎月の実績を記録して年末に集計する習慣が最も安全です。
ハック3: 器具備品か建物附属設備かの区分確認で耐用年数を正確化
【対象】: 自宅兼事務所にエアコンや照明を設置しているフリーランス
【手順】: エアコン・照明設備・インターネット配線工事などの購入・工事領収書を確認し、個別購入か建物工事の一部かを判別します(5分)。個別購入のエアコンは「器具備品(冷暖房機器)6年」、建物に附属する空調設備工事は「建物附属設備15年」として区分を確定します(5分)。会計ソフトの勘定科目を「器具備品」か「建物附属設備」の正しい区分で入力します(2分)。
【コツと理由】: 工事として取り付けたものは建物附属設備(15年)となるため、区分を誤ると修正申告が必要になります。15年と6年では年間の償却額が大きく異なり、誤った区分で過大計上していると指摘を受けるリスクがあります。正確な区分は国税庁「耐用年数表」の「建物附属設備」欄と「器具備品」欄を照らし合わせて確認できます。
【注意点】: エアコンの設置工事費を本体価格と合算して全額6年で処理すると、区分誤りとして指摘される可能性があります。工事費が本体価格と合わせて一体の資産として計上される場合は、設置工事の内容によって建物附属設備として区分する判断が求められます。
ハック4: 中古車購入時の耐用年数計算を購入当日に完了させる
【対象】: 仕事用に中古の軽自動車や普通自動車を購入したフリーランス
【手順】: 車検証の「初度登録年月」から購入時点での経過年数を確認します(1分)。簡便法「(法定耐用年数 – 経過年数)+ 経過年数 × 0.2」で中古耐用年数を計算し、端数を切り捨てます(3分)。計算結果と定額法償却率を会計ソフトの固定資産台帳に登録し、年間の事業使用割合と合わせて入力します(5分)。
【コツと理由】: 中古車は耐用年数が2〜4年と短くなるケースが多く、新品の耐用年数で誤って申告すると年間の経費が数万円単位で少なくなります。たとえば3年落ちの軽自動車(中古耐用年数2年、定額法償却率0.500)を誤って新品と同じ4年(償却率0.250)で計上すると、取得価額100万円の場合に年間25万円と12万5千円の差が生じます。
【注意点】: 新品なら4年の軽自動車も、中古の場合は簡便法で計算し直す必要があります。
ハック5: 会計ソフトの固定資産台帳を毎年1月に棚卸しして償却漏れをゼロにする
【対象】: 3年以上フリーランスとして活動しており、複数の固定資産を保有している方
【手順】: 毎年1月に会計ソフトの固定資産台帳を開き、前年末時点で減価償却が完了していない資産の一覧を確認します(15分)。償却が完了した資産(簿価が1円になったもの)を「備忘価格1円」として記録に残し、処分まで管理を継続します(5分)。新規取得資産が台帳に正しく登録されているかを確認し、漏れがあれば追加入力します(10分)。
【コツと理由】: 会計ソフトは正しく設定されていれば自動計算しますが、取得価額・使用開始日・耐用年数のいずれかを誤って入力していると積み重なった誤差が後から発見されます。1月の15分の棚卸しで、申告前の大規模な修正作業を防ぎます。
【注意点】: 確定申告直前にまとめて台帳を作成しようとすると、記憶が薄れた状態での後付け入力となり誤りのもとになります。
「パソコン4年、軽自動車4年など、個人事業主が迷いやすい資産の年数を具体例で整理している」と話す個人事業主もいます(個人事業主向け耐用年数一覧と実務解説)。
CHECK
▶ 今すぐやること: 今年購入した固定資産を1つ選び、ハック1の手順に従って「資産名・取得価額・耐用年数・使用開始日」を会計ソフトに登録する(10分)
Q: 自宅の一室を事務所として使っている場合、家賃や光熱費はどう処理しますか?
A: 家賃・光熱費は固定資産ではなく毎年の経費として按分計上します。専有面積比率や使用時間比率を根拠に事業使用割合を設定してください。減価償却の対象は購入した有形固定資産に限られます。
Q: 10万円以下のソフトウェアは減価償却が必要ですか?
A: 10万円未満のソフトウェアは消耗品費として一括経費化できます。10万円以上のソフトウェアはソフトウェア(耐用年数5年)として減価償却が必要です。
フリーランスの減価償却は6項目でチェック
確定申告前に6項目を確認することで、耐用年数の誤りや計上漏れを防げます。
購入時の確認事項
10万円以上の資産を購入したときにまず確認すべきことは、新品か中古かの別・取得価額(税込か税抜か)・使用開始日の3点です。中古の場合は購入日に簡便法計算まで完了させることが実務上の最優先事項です。取得価額の確認を誤ると以降のすべての計算が狂うため、領収書・請求書の金額を会計ソフトに入力する前に確認を済ませておきます。
耐用年数の区分確認
フリーランスが誤りやすい区分として「エアコンの器具備品 vs 建物附属設備」と「机の金属製 vs その他」の2パターンが特に多く見られます。本記事の早見表と国税庁耐用年数表を照らし合わせ、正しい区分で登録してください。区分を間違えると修正申告が必要になるため、不明点は税理士や税務署へ確認することをお勧めします。確定申告を税理士に丸投げする費用の相場も参考にしてください。

確定申告直前の最終確認6項目
取得価額が正しく入力されているか確認します。耐用年数が新品・中古の別で正しく設定されているか確認します。事業専用割合が記録に基づいて設定されているか確認します。使用開始日が実際の使用開始日になっているか(購入日ではない)確認します。前年からの繰越残高が正しく引き継がれているか確認します。少額減価償却資産の特例使用分が青色申告決算書に記載されているか確認します。
「青色申告の実務上のつまずきやすい点が補われていて、申告前の確認に使えた」と語る青色申告者もいます(青色申告の減価償却と注意点)。
CHECK
▶ 今すぐやること: 上の6項目を確定申告書作成前に実施し、1つでも未確認があれば会計ソフトの固定資産台帳に戻って修正する(15分)
Q: 使用開始日を購入日と同じにしてしまいましたが修正は必要ですか?
A: 購入日と使用開始日が同じであれば問題ありません。購入後しばらく使用しなかった場合は使用開始日が異なりますが、実務上は購入日=使用開始日として処理するケースが多くなっています。
Q: 確定申告後に耐用年数の誤りに気づいた場合はどうすれば良いですか?
A: 修正申告(税額が増える場合)または更正の請求(税額が減る場合)で対応します。更正の請求は法定申告期限から原則5年以内であれば可能です。誤りの内容と正確な金額を確認してから最寄りの税務署に相談してください。
耐用年数を正しく使う:今日から始める確定申告の最短準備
法定耐用年数はパソコン4年・軽自動車4年・普通自動車6年・エアコン6年が主要な基準です。中古資産については簡便法で計算し直すことで、新品より短い耐用年数を適用でき、年間の経費を増やせます。10万円・20万円・30万円の閾値と青色申告の有無によって処理方法が4パターンに分かれるため、購入時点で判定を済ませておくことが確定申告を迷わず完了させる最短経路です。
購入当日に耐用年数まで記録を完了させる習慣を作ることが、毎年の確定申告を最速化する確実な方法です。一つひとつの資産購入で5〜10分を使うことが、申告前の数時間の調査をゼロにします。
| 状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
| 今年初めて10万円超の資産を購入した | 早見表で耐用年数を確認し、会計ソフトに登録する | 10分 |
| 中古資産を購入した | 車検証・領収書で経過年数を確認し、簡便法を計算する | 10分 |
| 複数の資産を保有している | 1月に固定資産台帳を棚卸しし、漏れがないか確認する | 30分 |
| 区分の判断に迷っている | 国税庁の耐用年数表で該当区分を確認し、不明なら税務署に相談する | 15〜30分 |
耐用年数早見表に関するよくある質問
Q: スマートフォンをビジネスで使っている場合、耐用年数は何年ですか?
A: スマートフォンは電話設備(携帯電話)として法定耐用年数4年が適用されます。事業と私用を兼用している場合は実際の使用状況に基づいて按分してください。詳細は国税庁「耐用年数(器具・備品)(その1)」で確認できます。
Q: 個人事業主が青色申告で受けられる少額減価償却資産の特例の上限はいくらですか?
A: 1点あたり取得価額30万円未満の資産を年間合計300万円まで、購入年度に全額経費化できます。青色申告者のみが対象で、白色申告では利用できません。確定申告書の青色申告決算書「少額減価償却資産の取得価額の合計額」欄への記載が必要です。
Q: 耐用年数が過ぎた資産は帳簿から消去してよいですか?
A: いいえ、耐用年数が経過して残存簿価が1円になった資産も、実際に廃棄・売却するまでは「備忘価格1円」として帳簿に残します。廃棄した年度に「固定資産除却損」として処理するのが正しい手順です。