ExcelのSUMIFで複数条件を指定する場合、基本はSUMIFSに切り替え、OR条件はSUMIFSを足し合わせるか配列定数で解決できます。この記事ではAND条件・OR条件の書き分けから、フリーランスの売上・経費管理への応用まで3パターンで解説します。
この記事でわかること
3パターンの条件指定でExcel集計ミスをゼロにする方法がわかります。AND条件・OR条件の正確な書き分け方と即使える数式を習得できます。フリーランスの売上・経費管理に直結する5つの実務パターンをそのまま流用できます。
今の仕事について、一番近いものは?
この記事の結論
SUMIF関数は1条件専用のため、複数条件が必要な場面ではSUMIFSへ切り替えることが最短の解決策です。OR条件は「SUMIFSを条件ごとに足す」か「配列定数 {} を使う」かの2択で、AND条件はSUMIFSに条件を並べるだけで対応できます。この3パターンを押さえれば、フリーランスの案件別売上集計から経費の複数カテゴリ合計まで、大半の集計作業をミスなく仕上げられます。
今日やるべき1つ
手元のExcelを開き、集計したいシートで =SUMIFS(合計範囲,条件範囲1,条件1) を1つ入力して動作確認します(5分)。
状況別ショートカット
| 状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| SUMIFとSUMIFSの違いを整理したい | SUMIF複数条件はSUMIFSが基本 | 3分 |
| OR条件の書き方を今すぐ知りたい | OR条件は3パターンで書き分け | 5分 |
| AND条件とOR条件を組み合わせたい | AND条件とOR条件の組み合わせは4ステップ | 5分 |
| フリーランスの実務集計に応用したい | フリーランス向け実務集計は5パターン | 7分 |
| よくあるエラーを今すぐ解消したい | SUMIF複数条件は5項目でエラー回避 | 4分 |
SUMIF複数条件はSUMIFSが基本
SUMIF関数は構造上1条件しか受け付けないため、複数条件が必要な場面ではSUMIFSへ切り替えることが前提です。この違いを把握しておくと、条件が増えるたびに数式を作り直す手間がなくなります。
SUMIFとSUMIFSは引数の構造が異なる
SUMIF関数の基本構文は =SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲) で、条件を1つしか受け付けません(Microsoft サポート:SUMIF 関数)。一方、SUMIFS関数の構文は =SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, …) で、条件範囲と条件のペアを127組まで追加できます(Microsoft サポート:SUMIFS 関数)。引数の並び順がSUMIFと異なる点(SUMIFSは合計範囲が先頭に来る)が最初の混乱ポイントです。切り替え時は引数の順番を最初に確認してください。
AND条件とOR条件は仕組みが正反対
AND条件は「条件Aかつ条件Bを同時に満たす行の合計」を指します。SUMIFSに条件を並べるだけで実現できます。OR条件は「条件Aまたは条件Bのいずれかを満たす行の合計」を指し、SUMIFSをそのまま並べるだけでは対応できません。OR条件は「複数のSUMIFSを足す」か「配列定数を使う」かのいずれかで対応します。同じ「複数条件」という言葉でも実装方法が正反対のため、まず「ANDかORか」を決めてから数式を作る習慣をつけると、ミスの大半を防げます。
SUMIFSへの切り替えは3段階で完了
第一に、既存のSUMIF式の引数の順番を確認します(10秒)。第二に、合計範囲を先頭に移動し、条件範囲と条件のペアを追加します(1分)。第三に、Enterで結果を確認し、SUMIF時の値と一致するかをチェックします(30秒)。この3段階を踏むことで、既存の数式を壊さずにSUMIFSへ移行できます。
OR条件では、条件ごとにSUMIFを足し合わせる方法が示されています(SUMIF関数の使い方 / 条件設定の基本と応用)。COUNTIF関数の複数条件活用法も参照すると、条件集計の全体像をより深く理解できます。

CHECK
▶ 今すぐやること: 手元の集計シートでSUMIF式を1つ選び、SUMIFSへ書き換えて結果が同じになるか確認します(3分)。
Q: SUMIFとSUMIFSはどちらが新しい関数ですか?
A: SUMIFSはExcel 2007以降に追加された関数で、SUMIFより後に登場しました。現在のExcelやGoogleスプレッドシートであれば、どちらも問題なく使用できます。
Q: 条件が1つだけのときもSUMIFSを使っていいですか?
A: 問題ありません。SUMIFSは条件が1つでも動作します。将来的に条件が増えることを見越してSUMIFSで統一しておくと、修正コストを減らせます。
OR条件は3パターンで書き分け
OR条件を実現するパターンは3つあり、状況によって使い分けることで数式の長さとミスのリスクを同時に抑えられます。
パターン1: SUMIFSを足し合わせる方法(最も分かりやすい)
条件が2〜3個の場合は、SUMIFSを条件ごとに分けてプラスでつなぐ方法が最も可読性が高く、実務での修正もしやすい方法です。
書式: =SUMIFS(合計範囲,条件範囲,条件A) + SUMIFS(合計範囲,条件範囲,条件B)
具体例として、A列に取引先名、B列に売上金額が入っているシートで「A社またはB社の売上合計」を求める場合は以下のようになります。
=SUMIFS(B:B,A:A,”A社”) + SUMIFS(B:B,A:A,”B社”)
同じ行が複数の条件に一致する場合(例: A社かつB社の両方に該当する行)は二重カウントになります。ただしOR条件の実務データでこのケースが発生することはほとんどないため、まずこのパターンで書いて問題ありません。
パターン2: 配列定数 {} を使う方法(条件が多いときに効率的)
条件が4つ以上になる場合や、同じ列に対してOR条件を書く場合は、配列定数を使ったSUM+SUMIFSが効率的です。
書式: =SUM(SUMIFS(合計範囲,条件範囲,{“条件A”,”条件B”,”条件C”}))
上記と同じ例で「A社またはB社の売上合計」を求める場合は以下になります。
=SUM(SUMIFS(B:B,A:A,{“A社”,”B社”}))
外側のSUM関数が必須である点を見落としがちです。SUMIFS単体では配列の合計が自動計算されないため、必ずSUMで囲む必要があります。条件の追加は {} 内にカンマ区切りで追記するだけで済むため、条件が5個以上になる場合はこのパターンが実務上の標準です。
パターン3: SUMPRODUCTを使う方法(複雑な条件に対応)
複数列にまたがる複雑なOR条件や、数値・日付の範囲条件を組み合わせる場合は、SUMPRODUCT関数が対応の幅を広げます。
書式: =SUMPRODUCT(((条件範囲=条件A)+(条件範囲=条件B)>0)*合計範囲)
具体例として「A社またはB社の売上合計」を求める場合は以下になります。
=SUMPRODUCT(((A:A=”A社”)+(A:A=”B社”)>0)*B:B)
((条件A)+(条件B)>0) の部分でOR条件を作り、合計範囲に掛け合わせる仕組みです。データ件数が数万行を超える場合は計算速度がSUMIFSより低下することがあるため、まずパターン1または2を試してから、対応できない場合の選択肢として位置づけてください。
フリーランスの売上管理をExcelで自動化する方法を参考にすると、OR条件を実務に組み込む具体的なイメージが掴めます。

CHECK
▶ 今すぐやること: 今使っている集計表にOR条件が必要な列を1つ特定し、パターン1の数式を試します(5分)。
Q: 配列定数の {} はキーボードでどう入力しますか?
A: { は Shift + [、} は Shift + ] で入力できます。数式の中で手入力する場合のみ必要で、Ctrl+Shift+Enterで確定する配列数式の {} とは別のものです。数式内に直接 {} を書く場合はCtrl+Shift+Enterは不要です。
Q: OR条件で同じ行が二重にカウントされてしまう場合はどうすればいいですか?
A: パターン3(SUMPRODUCT)を使うと、>0 の判定によって同じ行の二重カウントを防止できます。パターン1やパターン2で二重カウントが発生する場合は、SUMPRODUCTへ切り替えることで解決します。
AND条件とOR条件の組み合わせは4ステップ
「特定の取引先かつ特定の月の売上」「複数のカテゴリのいずれかかつ金額5万円以上」といった、ANDとORを組み合わせた条件が必要な場面は少なくありません。この場合も、基本は「AND条件をSUMIFS内で並べ、OR条件は外側で足す」という考え方で対応できます。
ステップ1: AND部分をSUMIFSで固める
AND条件(同時に満たす必要がある条件)をSUMIFS内の条件として並べます。例として「C列の月が2024年1月かつA列が特定の取引先の売上合計」であれば =SUMIFS(B:B,A:A,”A社”,C:C,”2024/1″) と書きます。
ステップ2: OR部分を外側で足す
上記のAND条件をベースに、OR条件の数だけSUMIFSを追加してプラスでつなぎます。「A社またはB社かつ2024年1月の売上合計」であれば =SUMIFS(B:B,A:A,”A社”,C:C,”2024/1″) + SUMIFS(B:B,A:A,”B社”,C:C,”2024/1″) となります。
ステップ3: 配列定数でOR部分を圧縮する
OR条件が3個以上になる場合は、OR条件の部分を {} でまとめてSUM+SUMIFSに書き換えます。「A社・B社・C社のいずれかかつ2024年1月の売上合計」であれば =SUM(SUMIFS(B:B,A:A,{“A社”,”B社”,”C社”},C:C,”2024/1″)) と書けます。1つの数式でOR条件を管理できるため、条件の追加・削除が容易になります。
ステップ4: 動作確認と検算
作成した数式の結果を、フィルター機能で対象行だけを抽出した合計と比較します(所要時間: 2分)。数値が一致すれば数式は正しく動作しています。不一致の場合は、条件の引用符の付け忘れや範囲の不一致が原因であることが大半のため、まずそこを確認してください。
CHECK
▶ 今すぐやること: AND+OR条件が必要な集計項目を1つ書き出し、ステップ1からSUMIFSを組み立てます(7分)。
Q: 日付条件でOR条件を使う場合、どう書けばいいですか?
A: 月単位であれば TEXT(C:C,”YYYY/M”) で月文字列に変換してから条件指定する方法が実務でよく使われます。例: =SUMIFS(B:B,A:A,”A社”,TEXT(C:C,”YYYY/M”),”2024/1″)。ただしTEXT関数との組み合わせはGoogleスプレッドシートでは動作しない場合があるため、DATE関数や>=・<=で範囲指定する方法と使い分けてください。
Q: 同じ列に対してAND条件を指定することはできますか?
A: 「5万円以上かつ10万円以下」のような範囲条件はSUMIFSで =SUMIFS(B:B,B:B,”>=50000″,B:B,”<=100000″) と書くことで対応できます。同じ列を条件範囲として複数回指定するのは問題ありません。
SUMIF複数条件を3分で判定
自分のケースで最適なパターンをすぐに特定できる診断です。
Q1: 複数の条件はすべて「同時に満たす必要がある」条件ですか?(AND条件)
YesであればSUMIFSで条件を並べるだけで対応完了です。条件ペアを必要な数だけ追加し、動作確認してください。Noの場合(OR条件が含まれる)はQ2へ進みます。
Q2: OR条件の数は3つ以下ですか?
Yesであれば、パターン1(SUMIFSを足し合わせる方法)が最も可読性が高く、修正しやすい選択です。Noの場合(4つ以上)はQ3へ進みます。
Q3: OR条件はすべて同じ列に対する条件ですか?
Yesであれば、パターン2(配列定数 {} を使う方法)で SUM(SUMIFS(…,{“条件A”,”条件B”,…})) と書くと数式をコンパクトに保てます。Noの場合(複数列にまたがる複雑な条件)はパターン3(SUMPRODUCT)を使い、二重カウント防止も合わせて対応します。
Excelの関数活用に慣れてきたら、Excel VBAで集計作業をさらに自動化する方法も検討してみてください。

CHECK
▶ 今すぐやること: Q1から順に今の集計条件を当てはめ、使うべきパターンを1つ決めます(3分)。
Q: DISTINCTな値の合計(重複を除いた合計)はSUMIFSで対応できますか?
A: 重複除外の合計はSUMIFSの守備範囲外です。重複を除きたい場合はSUMPRODUCTと1/COUNTIFSを組み合わせた方法が一般的で、要件が明確になってから検索すると解説記事が多数見つかります。
Q: 条件に部分一致(ワイルドカード)を使えますか?
A: 使えます。* がゼロ文字以上の任意文字列、? が任意の1文字を表します。「A社」を含む行の合計であれば条件を “*A社*” と指定することでSUMIFSでも動作します。
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フリーランス向け実務集計は5パターン
フリーランスの日常業務に直結する5パターンを、そのままコピーして使える数式とともに整理します。
パターン1: 取引先ごとの売上合計(OR条件)
月次の売上管理シートで「A社またはB社の売上合計」を出す場合は以下の数式を使います。
=SUMIFS(C:C,A:A,”A社”) + SUMIFS(C:C,A:A,”B社”)
A列: 取引先名、C列: 売上金額を想定しています。取引先が増えた場合はSUMIFSを追加するだけで対応できます。
パターン2: 月別+取引先別の売上合計(AND条件)
「A社の2024年8月の売上合計」のようにAND条件で絞る場合は以下です。
=SUMIFS(C:C,A:A,”A社”,B:B,”2024/8″)
A列: 取引先名、B列: 月(YYYY/M形式)、C列: 売上金額を想定しています。B列をTEXT関数で月文字列に変換しておくと条件指定がシンプルになります。
パターン3: 複数カテゴリの経費合計(OR条件・配列定数)
「交通費または通信費の経費合計」を経費管理シートから出す場合は以下です。
=SUM(SUMIFS(B:B,A:A,{“交通費”,”通信費”}))
A列: 経費カテゴリ、B列: 金額を想定しています。カテゴリが増えた場合は {} 内にカンマ区切りで追加するだけで対応できます。個人事業主の勘定科目一覧を参照すると、経費カテゴリの設計に役立ちます。
パターン4: 金額条件付き案件の合計(AND条件・数値範囲)
「売上が5万円以上かつA社の案件合計」は以下です。
=SUMIFS(C:C,A:A,”A社”,C:C,”>=50000″)
A列: 取引先名、C列: 売上金額を想定しています。数値条件は “>=” や “<=” を引用符付きで指定します。引用符を忘れると0が返るエラーの原因になります。
パターン5: 複数取引先かつ月指定の合計(AND+OR組み合わせ)
「A社またはB社かつ2024年8月の売上合計」のような組み合わせは以下です。
=SUM(SUMIFS(C:C,A:A,{“A社”,”B社”},B:B,”2024/8″))
A列: 取引先名、B列: 月、C列: 売上金額を想定しています。配列定数のOR条件とSUMIFSのAND条件を組み合わせることで、1つの数式で複雑な集計条件に対応できます。
GoogleスプレッドシートでもSUMIFを+でつなぐ方法が使えます(Googleスプレッドシート SUMIF関数の使い方)。
フリーランスの案件管理シートでは取引先と月の2軸を組み合わせたAND条件が最も頻繁に使われます。まずパターン2を習得し、OR条件が必要になった時点でパターン5へ展開するのが学習効率の高い順序です。
CHECK
▶ 今すぐやること: 自分の売上管理シートを開き、取引先名と月が入力されている列を確認してパターン2の数式を入力します(5分)。
Q: Googleスプレッドシートでも同じ数式は使えますか?
A: SUMIFS関数と配列定数を使ったOR条件は、GoogleスプレッドシートでもExcelと同じ構文で動作します。SUM+SUMIFS+配列定数の組み合わせはバージョンによって挙動が異なる場合があるため、入力後に結果が正しいか必ず確認してください。
Q: 数式が長くなって管理しにくい場合はどうすればいいですか?
A: 条件が5つ以上になる場合は、補助列を追加して条件を事前にTrue/Falseで判定しておく方法が実務では有効です。補助列に =OR(A2=”A社”,A2=”B社”) のように入力し、その列をSUMIFSの条件範囲にするとメインの数式がシンプルになります。
SUMIF複数条件は5項目でエラー回避
発生頻度の高い5つのエラーパターンとその解消法を整理します。
エラー1: 引数の順番のミス(SUMIFとSUMIFSで逆)
SUMIF: =SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲) はSUMIFSと引数の順番が異なります。SUMIFSは =SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, …) で合計範囲が先頭に来ます。SUMIFからSUMIFSへ書き換える際に引数の順番を間違えると、正しい値が返らないまま気づきにくいため、切り替え時は必ず引数の順番を最初に確認してください。
エラー2: 文字条件の引用符漏れ
文字列条件は必ず “A社” のように二重引用符で囲む必要があります。=SUMIFS(B:B,A:A,A社) のように引用符なしで書くと「A社というセル参照が見つからない」エラーになります。数値条件に比較演算子を使う場合も “>=50000” のように引用符で囲みます。
エラー3: 条件範囲と合計範囲の行数不一致
=SUMIFS(B2:B100,A2:A50,”A社”) のように条件範囲と合計範囲の行数が異なると、#VALUE! エラーになります。列全体を A:A や B:B で指定するとこのエラーを根本的に防げます。ただし列全体指定はデータが多い場合に計算が遅くなることがあるため、データ件数が10万行を超える場合はデータの末尾行を上限に指定してください。
エラー4: 配列定数でSUMを忘れる
=SUMIFS(B:B,A:A,{“A社”,”B社”}) の外側にSUMを付けないと、配列の個々の値が返り、1つのセルに複数の値が詰め込まれた状態(スピルまたはエラー)になります。配列定数を使う場合は =SUM(SUMIFS(…,{…})) の形式を必ず守ります。SUMなしのSUMIFS+配列定数は意図した合計値を返しません。
エラー5: セル参照の絶対参照漏れ
数式をコピーした際に条件範囲や合計範囲がずれると、全体の計算結果が狂います。複数行や複数列にわたって数式をコピーする場合は、条件範囲と合計範囲を $A$2:$A$100 のように絶対参照($マーク)で固定してください。列全体指定(A:A)を使う場合はずれが発生しないため、絶対参照の代替手段として有効です。
Googleスプレッドシートの初心者向け操作ガイドも合わせて確認すると、スプレッドシート環境でのエラー対処がスムーズになります。

CHECK
▶ 今すぐやること: エラーが出ている数式を開き、エラー1〜5の順番でチェックし、最初に見つかった問題箇所を修正します(4分)。
Q: 0が返っているのにエラーメッセージが出ない場合はどこを確認すればいいですか?
A: 条件の文字列に全角・半角の違いや余分なスペースが含まれているケースが最多原因です。条件セルの値をTRIM関数で整形してから再確認するか、条件を数式内に直接 “A社” と書いて動作するかを先に確認してください。
Q: 数値条件で >= を使うとき、セル参照を使えますか?
A: “>=” & D1 のように文字列結合で指定できます。例: =SUMIFS(B:B,C:C,”>=” & D1) とすると、D1セルの値以上という条件を動的に変更できます。実務でよく使われる応用パターンです。
SUMIF複数条件の実務ハックは5つの仕組みで解決
SUMIFやSUMIFSを実務で使いこなすには、教科書的な書き方だけでなく「現場で詰まる場面をどう乗り越えるか」という視点が必要です。以下の5つのハックは、一般的に紹介されるパターンより一歩踏み込んだ内容です。
ハック1: 名前付き範囲で数式の可読性を上げる
【対象】: SUMIFS数式が長くなって読みにくくなっているフリーランス
【手順】: まず、よく使う条件範囲(A列の取引先名など)を選択し、名前ボックス(左上の入力欄)に「取引先」と入力してEnterを押します(1分)。次に、合計範囲(C列の売上金額など)にも「売上金額」と名前をつけます(1分)。最後に数式を =SUMIFS(売上金額,取引先,”A社”) と書き換えます(1分)。
【ポイントと理由】: 「名前付き範囲で意味のある名前をつける」方法は、長期的な管理コストを大幅に下げられます。数式の長さが変わらなくても、3ヶ月後に他の人が数式を見たときの理解速度が変わります。また、シートの行列が変更された場合でも名前付き範囲であれば自動で参照先が更新されるため、参照ズレのエラーを根本的に防止できます。
【注意点】: 名前付き範囲はブック全体で共有されます。異なるシートで同じ名前を使うと競合するため、「売上金額_2024」のようにシート名や年をサフィックスとして追加してください。名前に日本語スペースや記号を使うと動作しないため、半角英数字またはアンダースコアで構成することが前提です。
ハック2: IFERROR+SUMIFSで集計エラーを自動で0に変換する
【対象】: 集計結果が #VALUE! や #REF! になって手動で修正している方
【手順】: 既存のSUMIFS数式全体をIFERROR関数で囲みます(30秒)。書式は =IFERROR(SUMIFS(…),”0″) ではなく =IFERROR(SUMIFS(…),0) で、第2引数は文字の「”0″」ではなく数値の 0 を指定します(重要)。最後に、他の集計セルにも同じ形式を適用します(2分)。
【ポイントと理由】: 「IFERRORで安全網を作った上で原因調査する」方が実務の効率が上がります。特にデータの追加・削除が頻繁なシートでは、一時的なエラーが集計全体を止めることがなくなります。ただし、IFERRORは本来修正すべきエラーを隠すこともできてしまうため、シートを最終版に固定する前に一度IFERRORを外してエラーがないことを確認する工程を加えてください。
【注意点】: 第2引数を “0” (文字列)にすると、他のセルでの計算に使った場合に合計が文字列と解釈されて計算結果がおかしくなります。必ず 0(数値)で指定します。新しい数式を作る場面ではまずIFERRORなしで動作確認してください。
ハック3: 補助列で条件を事前フラグ化してSUMIFSをシンプルに保つ
【対象】: 条件が5つ以上あり、数式が1行に収まらないほど長くなっている方
【手順】: まず、集計シートに補助列(例: D列)を追加します(10秒)。次に =OR(A2=”A社”,A2=”B社”,A2=”C社”,A2=”D社”,A2=”E社”) のようにOR条件を補助列に出力します(2分)。最後に集計セルで =SUMIFS(C:C,D:D,TRUE) と書くとメインの数式が1行に収まります(30秒)。
【ポイントと理由】: 「補助列でロジックを分離する」方法は、後から条件を変更する際のミスを防止できます。数式のデバッグが容易になる点も大きな利点で、補助列のTRUE/FALSEを目視確認するだけで条件判定が正しいかをチェックできます。条件が変更になった場合も補助列だけを修正すれば済むため、メインの集計数式に手を入れるリスクがなくなります。
【注意点】: 補助列は最終的な資料として他者に渡す場合に見た目を乱す場合があります。提出前に補助列を非表示(右クリック→列の非表示)にするか、別シートに補助列を作る運用にしてください。補助列を削除してしまうとSUMIFS数式のエラーになるため、削除ではなく非表示で管理することが前提です。
ハック4: 条件を別セルで管理してダッシュボード化する
【対象】: 毎月数式の中の条件(取引先名や月)を書き換えている方
【手順】: まず、条件を入力する専用セル(例: G1に取引先名、G2に月)を設けます(1分)。次に =SUMIFS(C:C,A:A,G1,B:B,G2) のように条件をセル参照に変更します(1分)。最後に、G1やG2の値を変えるだけで集計結果が切り替わることを確認します(1分)。
【ポイントと理由】: 「条件をセル参照で管理する」方法では数式本体に一切触れずに条件だけを変更できます。数式を知らないチームメンバーやクライアントでも条件セルの値を変えるだけで集計を切り替えられるため、共有シートの運用コストが下がります。
【注意点】: 条件セルが空白の場合、SUMIFSは「空白セルの合計」を返します(意図しない全体合計にはなりません)。条件セルを空にして全件合計を出したい場合は、別途 =SUM(C:C) を用意する方が意図が明確になります。条件セルを間違えて消してしまうリスクがあるため、条件セルにはシートの保護機能を設定してください。
ハック5: 数式の動作確認を30秒で終わらせるフィルター検算法
【対象】: 数式を作ったが結果が合っているか自信が持てない方
【手順】: まず、集計対象のデータ列でフィルターを有効にします(10秒)。次に、数式で指定している条件と同じ条件でフィルターをかけます(20秒)。最後に、フィルター後に表示される行の合計列を選択し、Excelのステータスバーに表示される「合計」値とSUMIFS数式の結果を照合します(10秒)。
【ポイントと理由】: フィルター機能のステータスバー合計を使うと、全行を目視確認する方法に比べて短時間で検算が完了します。フィルター後のステータスバー合計は表示行だけの合計が表示されるため、数式の結果が正しいかを迅速に確認でき、数式修正のサイクルが短くなります。
【注意点】: ステータスバーに「合計」が表示されない場合は、ステータスバーを右クリックして「合計」にチェックを入れると表示されます。フィルターの条件と数式の条件が完全に一致していない場合(大文字小文字の違いや全半角の違いなど)は、フィルターと数式の結果が異なって見えます。この場合はデータの表記揺れを疑い、TRIM関数やLOWER関数で統一してください。
CHECK
▶ 今すぐやること: 手元の集計シートでハック5のフィルター検算法を実行し、SUMIFS数式の結果が正しいことを30秒で確認します(30秒)。
Q: SUMIFSで部分一致(特定のキーワードを含む)の合計を出す方法は?
A: 条件に “*キーワード*” と指定することで部分一致が使えます。例: =SUMIFS(B:B,A:A,”*開発*”) で「開発」を含む取引先の合計が出せます。ワイルドカードはSUMIFS・SUMIFいずれでも使用できます。
Q: 数値で「以上・以下・以外」の条件を指定する方法は?
A: “>=50000” で5万円以上、“<>0” で0以外という条件が指定できます。複数の範囲条件は =SUMIFS(B:B,B:B,”>=50000″,B:B,”<=100000″) のように同じ列を2回条件に指定することで実現できます。
SUMIF複数条件はSUMIFSと3パターンで対応
SUMIFは1条件専用のため、複数条件が必要な場面ではSUMIFSへ切り替えることが前提です。OR条件は「SUMIFSを足す」「配列定数 {} を使う」「SUMPRODUCTを使う」の3パターンから、条件の数と複雑さに応じて選択することで、大半の集計作業に対応できます。フリーランスの個人事業主の見積書や請求書の管理と組み合わせると、売上・経費管理を一段と効率化できます。

まずSUMIFSの基本形を1つ動かすことから始め、OR条件が必要になった時点でこの記事の該当パターンを参照してください。
| 状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
| まだSUMIFしか使ったことがない | SUMIFS基本形を1つ入力して動作確認 | 5分 |
| OR条件で迷っている | 条件が3つ以下ならSUMIFSを足す方法を試す | 5分 |
| 数式が長くなって管理しにくい | 名前付き範囲または補助列ハックを適用する | 10分 |
| 結果が合っているか確認したい | フィルター検算法で30秒照合する | 30秒 |
| Googleスプレッドシートで同じことをしたい | SUMIFS+配列定数をそのまま入力して動作確認 | 5分 |
SUMIF複数条件に関するよくある質問
Q: SUMIFで複数条件を直接指定することはできますか?
A: できません。SUMIF関数の構造上、条件を1つしか受け付けません。複数条件が必要な場合はSUMIFSへ切り替えることが公式の推奨方法です(Microsoft サポート:SUMIF 関数)。
Q: SUMIFSのOR条件で結果が重複してしまうことはありますか?
A: 同じ行が複数の条件を満たす場合、「SUMIFSを足す方法」と「配列定数を使う方法」では重複カウントが発生します。この場合はSUMPRODUCT方式(>0 判定付き)で重複を排除できます。実務上のOR条件では1行が複数条件に同時該当するケースは少ないため、まずパターン1・2を試して問題がある場合にパターン3へ移行してください。
Q: SUMIFS関数はExcelのどのバージョンから使えますか?
A: Excel 2007以降で使用できます。Microsoft 365・Excel 2019・Excel 2021はすべて対応しています。Googleスプレッドシートでも同名関数が使えます。
【出典・参照元】
Microsoft サポート:SUMIF 関数 – SUMIF関数の公式構文説明
Microsoft サポート:SUMIFS 関数 – SUMIFS関数の公式構文説明
SUMIF関数の使い方 / 条件設定の基本と応用 – OR条件でSUMIFを足し合わせる実例
Googleスプレッドシート SUMIF関数の使い方 – スプレッドシートでの互換性に関する情報