フォトショのマスク使い方|5種類を非破壊で使い分ける基本ガイド
フォトショのマスクは「白で表示、黒で非表示」のルール1つで画像を非破壊編集できる機能です。Adobe公式が解説する4種類のマスクを状況別に使い分ければ、修正依頼にも柔軟に対応できます。この記事ではレイヤーマスクの基本から納品時の判断基準まで5ステップで解説します。
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この記事でわかること
レイヤーマスクとクリッピングマスクの使い分けで修正対応コストを削減できます。髪の毛・複雑なエッジも「選択とマスク」で5分以内に切り抜けます。PSD形式でマスクを保持したまま納品する安全な運用手順がわかります。
30秒診断全2問・あなたに合う働き方のタイプが分かります
Q1. 今のデザインの仕事で、一番近い悩みは?
この記事の結論
フォトショのマスクは元画像の画素を削除せず、白・黒・グレーで表示範囲を制御する機能です。レイヤーマスクで表示・非表示を切り替え、クリッピングマスクで形状に合わせた切り抜きを行い、用途に応じて使い分けることが実務の基本です。この2つを習得するだけで、バナー制作から商品画像の背景除去まで、フリーランス案件の大半に対応できます。
今日やるべき1つ
レイヤーパネル下部の「レイヤーマスクを追加」アイコンをクリックし、黒ブラシで不要部分を塗って非破壊切り抜きを1回試してください(所要時間:10分)。
状況別ショートカット
| 状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| マスクの基本概念を理解したい | フォトショのマスクは白黒グレーで表示を制御する | 3分 |
| レイヤーマスクを今すぐ追加したい | レイヤーマスクは4ステップで追加できる | 5分 |
| クリッピングマスクで文字に画像を入れたい | クリッピングマスクは下レイヤーの形状を使う | 5分 |
| 自分の状況に合うマスクを選びたい | マスク種類の選択を3分で診断 | 3分 |
| マスクを反転・削除・適用したい | フォトショのマスク操作は5手順で完結 | 5分 |
| フリーランス案件での運用を知りたい | フォトショのマスクは5つの仕組みで業務効率化 | 7分 |
フォトショのマスクは白黒グレーで表示を制御する

マスクの基本概念は1文で理解できる
フォトショのマスクは、元画像の画素を削除せずに「どこを表示して、どこを隠すか」を白・黒・グレーで指定する機能です。白く塗った部分が表示、黒く塗った部分が非表示、グレーで塗った部分が半透明として扱われます(Adobe公式:レイヤーマスクを編集)。消しゴムツールとの根本的な違いはここです。消しゴムは画素を完全に削除するため後から復元できませんが、マスクはいつでも塗り直せるため修正依頼に強い編集方法です。
フォトショのマスクは4種類が主流
フォトショにはレイヤーマスク・クリッピングマスク・ベクトルマスク・クイックマスクの4種類があります。レイヤーマスクはブラシや選択範囲で表示範囲を柔軟に制御する最も基本的なマスクです。クリッピングマスクは下のレイヤーの形状に沿って上のレイヤーを切り抜く機能です。ベクトルマスクはペンツールで作ったパスを使い、拡大してもエッジが劣化しない切り抜きに向いています。クイックマスクは選択範囲を視覚的に確認しながら作成するための一時的なモードで、選択確定後は通常の選択範囲に変換されます。この4種類のうち、フリーランス案件で日常的に使うのはレイヤーマスクとクリッピングマスクの2つです。
マスクと消しゴムの違いは後から修正できるかどうか
マスクを使うと、元画像のデータはレイヤーに完全に残ったままです。「やはり左端も少し表示したい」という修正依頼が来た場合、マスクの黒い部分を白ブラシで塗り直すだけで対応が完了します。消しゴムで削除した場合、削除した画素は復元できないためCtrl+Z(Mac:Command+Z)での操作履歴を遡るしか手段がありません。フリーランスとして作業効率を上げる方法を実践する観点からも、マスクを使う習慣を最初から身につけてください。

CHECK
▶ 今すぐやること:レイヤーパネル下部のマスクアイコンを確認し、消しゴムツールとの違いを実際にファイルで比較してください(5分)
Q:マスクとクリッピングパスはどう違いますか?
A:マスクはPhotoshopのレイヤーパネルで管理するピクセルまたはベクター情報です。クリッピングパスはIllustratorやInDesignなど他のアプリへ配置する際に画像の輪郭を定義するパスで、主に印刷入稿時に使われます。日常的なPhotoshop内編集ではマスクを使い分け、入稿データに埋め込む場合にクリッピングパスを検討するのが実務の判断基準です。
Q:マスクはすべてのレイヤーに追加できますか?
A:背景レイヤーには直接マスクを追加できません。背景レイヤーをダブルクリックして通常レイヤーに変換してから、マスクを追加してください。
レイヤーマスクは4ステップで追加できる

選択範囲なしでマスクを追加する方法
対象のレイヤーをレイヤーパネルで選択し、パネル下部にある長方形に丸が付いたアイコン(レイヤーマスクを追加)をクリックします(Adobe公式:レイヤーマスクの追加と編集)。白いマスクサムネイルがレイヤーサムネイルの右隣に表示されれば追加完了です。この状態では全面が白のためレイヤー全体が表示されており、黒ブラシで塗った箇所だけが非表示になります。「どこを消すか」だけを後から自由に決められる状態でスタートできます。
選択範囲からマスクを1クリックで作成する方法
クイック選択ツールや「被写体を選択」で対象を選択してからマスクアイコンをクリックすると、選択範囲の内側だけを表示するマスクが自動生成されます。選択範囲が白、選択範囲外が黒として設定されるため、背景を瞬時に除去できます。髪の毛や毛並みなど複雑なエッジには「選択とマスク」ワークスペース(メニュー:選択範囲 → 選択とマスク)を使い、「エッジの調整」スライダーで境界線を整えるのが実務での標準手順です。最初の選択精度がそのままマスクの仕上がりに直結するため、選択に時間をかけることが結果的に修正コストを下げます。
マスクサムネイルをアクティブにして編集する方法
マスクを追加した後に誤って画像本体を編集してしまうのは、初心者に最も多いトラブルです。レイヤーパネルのマスクサムネイルをクリックすると、サムネイル周囲に白枠が表示されマスク編集モードになります。画像サムネイルに白枠がある状態では、ブラシで塗っても画像が直接変化するだけでマスクに影響しません。作業前に必ずマスクサムネイルをクリックして白枠がマスク側にあることを確認する習慣が、ミスを大幅に減らします。Alt(Mac:Option)キーを押しながらマスクサムネイルをクリックするとマスクの白黒状態だけが画面に表示され、塗り漏れの確認に役立ちます。
白黒ブラシでマスクを精密に編集する方法
マスク編集モードで前景色を黒に設定したブラシで塗ると、塗った部分が非表示になります。前景色を白にすると、非表示にした部分を再び表示に戻せます。Xキーで前景色と背景色を素早く入れ替えられるため、「消す→戻す」の繰り返し作業がスムーズになります。ブラシの硬さを0%に近づけると境界線がぼけてなじみやすくなり、100%に近づけると境界線がはっきりしたシャープな切り抜きになります。案件の仕上がりイメージに合わせてブラシの硬さを調整することが、プロらしい仕上がりの決め手です。なお画像トリミング無料サイトも状況によって活用できますが、精密な切り抜きはPhotoshopのマスク機能が最も柔軟です。

CHECK
▶ 今すぐやること:既存のPSDファイルで任意のレイヤーを選択し、マスクサムネイルをクリックして白枠の位置を確認してください(3分)
Q:マスクを追加したら画像全体が消えてしまいました。なぜですか?
A:選択範囲を作成した状態でShiftキーを押しながらマスクアイコンをクリックすると、選択範囲の外側が表示されるマスク(反転マスク)が作成されます。意図せずShiftキーが押された可能性があります。Ctrl+Z(Mac:Command+Z)で操作を取り消し、選択範囲を確認してから再度マスクを追加してください。
Q:前景色と背景色をデフォルトの黒白に戻すにはどうすればいいですか?
A:キーボードのDキーを押すと、前景色が黒、背景色が白のデフォルト状態に即座にリセットされます。
クリッピングマスクは下レイヤーの形状を使う

クリッピングマスクの仕組みは下のレイヤーの不透明度に連動する
クリッピングマスクは、上のレイヤーが下のレイヤーの不透明な範囲の中にだけ表示される機能です(liginc.co.jp:クリッピングマスクの使い方)。たとえば「TEXT」という文字レイヤーの上に写真レイヤーを置き、クリッピングマスクを適用すると、写真が文字の形にくり抜かれた状態で表示されます。下のレイヤーが不透明な部分のみが表示範囲になるため、シェイプの形・文字の形・別画像のシルエットを問わず、あらゆる形状を型として使えます。
クリッピングマスクの作成は3ステップで完了する
まず下側に「型」となるレイヤー(文字・シェイプ・通常レイヤーのいずれか)を配置します。その上に切り抜きたい画像レイヤーを重ね、上のレイヤーを選択した状態でメニューから「レイヤー → クリッピングマスクを作成」を選びます。Alt(Mac:Option)キーを押しながら2つのレイヤーの境界線をクリックする方法でも同様に適用でき、このショートカットを覚えると作業速度が大きく上がります。クリッピングマスクが適用されると、上のレイヤーサムネイルの左に下向き矢印が表示され、下のレイヤーにクリップされていることが視覚的に確認できます。
クリッピングマスクとレイヤーマスクの使い分けは目的で決まる
クリッピングマスクは「形状(シェイプや文字)に沿って別画像を見せたい」場面に向いています。レイヤーマスクは「そのレイヤー自身の一部を隠す」場面に向いています。バナー制作で「丸い写真フレームの中に商品画像を配置する」ならクリッピングマスク、「商品の背景だけを削除する」ならレイヤーマスクが適切です。この2つは組み合わせても使えるため、「文字の形に画像を入れてさらにグラデーションフェードをかける」という処理では、クリッピングマスクとレイヤーマスクの併用が最も効率的な方法になります。著作権に配慮しながら素材を使う際も、マスクによる非破壊編集が安全な運用の基本です。

CHECK
▶ 今すぐやること:テキストレイヤーを作成し、その上に写真レイヤーを置いてAlt(Option)キーを押しながら境界線をクリックし、クリッピングマスクを試してください(5分)
Q:クリッピングマスクを解除するにはどうすればいいですか?
A:クリッピングマスクが適用されているレイヤーを選択した状態で、メニューから「レイヤー → クリッピングマスクを解除」を選ぶか、Alt(Mac:Option)キーを押しながら境界線をクリックすれば解除できます。
Q:クリッピングマスクで複数のレイヤーを同じ型に適用できますか?
A:できます。1つの下レイヤー(型)に対して、複数の画像レイヤーをクリッピングマスクとして積み重ねることが可能です。各レイヤーの描画モードや不透明度を組み合わせると、テクスチャを重ねる表現にも活用できます。
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マスク種類の選択を3分で診断

Q1:切り抜きたいものは「特定のレイヤー自身の一部」ですか?
Yesの場合はQ2へ進んでください。Noの場合(文字やシェイプの形に合わせて別画像を表示したい)はクリッピングマスクを使用してください。作成方法は「クリッピングマスクは下レイヤーの形状を使う」のセクションを参照してください。
Q2:切り抜きの境界線をブラシで細かく調整したいですか?
Yesの場合はレイヤーマスクを使用してください。白黒ブラシで自由に境界を調整できます。Noの場合(シャープなエッジで形状の精度を最優先したい)はQ3へ進んでください。
Q3:拡大・縮小しても境界線が劣化しない精度が必要ですか?
Yesの場合はベクトルマスクを使用してください。ペンツールでパスを作成してからベクトルマスクに変換します。Noの場合(選択範囲を視覚的に確認してから確定したい)はクイックマスクを一時的なモードとして活用し、確定後にレイヤーマスクに変換してください。
Result A:レイヤーマスクを選んだ方は、ほとんどの切り抜き・背景除去・合成案件に対応できます。フリーランス案件の多くのケースでこの選択が最適です。
Result B:クリッピングマスクを選んだ方は、バナーのテキストデザインや商品フレームへの画像はめ込みに活用できます。レイヤーの順番に注意して作業してください。
Result C:ベクトルマスクを選んだ方は、ロゴや製品シルエットなど精度優先の案件に向いています。ペンツールの操作に慣れていない場合は、まずレイヤーマスクで切り抜いてからベクトルマスクに切り替えると習得しやすいです。
Result D:クイックマスクを選んだ方は、マスク確定後に通常の選択範囲としてレイヤーマスク作成に使うことを前提に活用してください。クイックマスク単体でファイルを保存する運用には向きません。
CHECK
▶ 今すぐやること:今取り組んでいる案件の目的をQ1で確認し、適切なマスクの種類を1つ決めてから作業を開始してください(3分)
Q:ベクトルマスクとレイヤーマスクを同じレイヤーに両方追加できますか?
A:できます。1つのレイヤーにレイヤーマスク(ピクセルベース)とベクトルマスク(パスベース)を同時に適用でき、両方の条件を満たした範囲だけが表示されます。
Q:クイックマスクモードに入るにはどうすればいいですか?
A:キーボードのQキーを押すとクイックマスクモードのオン・オフが切り替わります。もう一度Qキーを押すと選択範囲に変換されて通常モードに戻ります。
フォトショのマスク操作は5手順で完結

マスクの反転はCtrl+Iで即座に実行できる
マスクサムネイルをクリックしてアクティブにした状態でCtrl+I(Mac:Command+I)を押すと、マスクの白黒が反転します(Adobe公式:レイヤーマスクを編集)。選択範囲からマスクを作ったとき、意図と逆に非表示になってしまった場合の修正がこの操作1つで完結します。プロパティパネルが表示されている場合は「反転」ボタンをクリックしても同じ結果が得られます。反転後も元の状態にCtrl+Iで戻せるため、見比べながら確認できます。
マスクの一時無効化はShift+クリックで切り替える
マスクサムネイルをShiftキーを押しながらクリックすると、マスクが一時的に無効化されレイヤー全体が表示されます。サムネイルに赤いXが表示されている間が無効化状態です。「マスクなしの元の状態と比較したい」「マスクが正しく機能しているか確認したい」という場面でよく使う操作です。もう一度Shift+クリックで無効化が解除されます。マスクを削除せずに元画像の状態を確認できるため、修正依頼時の確認作業に役立ちます。
マスクの移動と複製は別レイヤーへドラッグで実行できる
レイヤーパネルでマスクサムネイルを別レイヤーへドラッグすると、マスクが移動します。Altキー(Mac:Optionキー)を押しながらドラッグするとマスクが複製されます(Adobe公式:レイヤーマスクの追加と編集)。同じ切り抜き形状を複数のレイヤーに適用したい場合や、マスクだけを別ファイルで使い回したい場合に活用できます。ドラッグ中に移動先の確認ダイアログが表示される場合があるため、「はい」を選択して確定してください。
マスクの適用はレイヤーに結合して編集自由度を下げる操作
マスクサムネイルを右クリックして「レイヤーマスクを適用」を選ぶと、マスクの内容がレイヤーに反映され、非表示部分の画素が削除されます(Adobe公式:レイヤーマスクの適用・削除)。適用後はマスクサムネイルが消え、通常のレイヤーに戻ります。ただし、この操作後は非破壊性が失われるため、後から境界を修正することはできません。クライアントへの納品ファイルでPSD形式を維持する場合は、マスクを適用せず保存するのが安全な運用です。
マスクの削除はダイアログで「適用」か「削除」かを選択する
マスクサムネイルを右クリックして「レイヤーマスクを削除」を選ぶと、「適用してから削除するか、削除するか」を確認するダイアログが表示されます。「適用」を選ぶとマスクの内容をレイヤーに反映してからマスクを削除し、「削除」を選ぶとマスクの内容を破棄して元のレイヤー全体が表示される状態に戻ります。修正の可能性がある段階では「削除」を選ばず、PSD形式でマスクを保持したまま保存してください。
CHECK
▶ 今すぐやること:作業中のPSDでマスクサムネイルを右クリックし、「適用」「削除」「無効化」の3つのメニュー選択肢があることを確認してください(2分)
Q:マスクをレイヤーにリンクさせないようにするにはどうすればいいですか?
A:レイヤーサムネイルとマスクサムネイルの間にある鎖のアイコンをクリックするとリンクが解除され、画像を動かしてもマスクの位置が変わらなくなります。背景を固定したまま前景だけを移動したい場合に活用できます。
Q:マスクを適用したあとでも元の画像に戻せますか?
A:マスクを適用した直後であればCtrl+Z(Mac:Command+Z)で取り消せます。ただし、ファイルを保存・閉じた後は元に戻せません。適用前にPSD形式で別名保存しておくことが確実な方法です。
フォトショのマスクは5つの仕組みで業務効率化

ハック1:元画像を複製してからマスク編集で修正リスクをゼロにする
【対象】:元画像を直接加工して後から後悔した経験がある方、または商用案件で安全に編集したい方
【手順】:Photoshopで素材ファイルを開き、Ctrl+J(Mac:Command+J)でレイヤーを複製します(1分)。元のレイヤーを非表示にしてロックし、複製レイヤーにレイヤーマスクを追加します。編集完了後はPSD形式で「名前_edit.psd」のように別名保存し、元ファイルと区別します。
【コツと理由】:レイヤーを複製して元レイヤーを非表示ロックすると、同一ファイル内でいつでも元に戻せる状態を保てます。マスクと複製レイヤーの組み合わせは、修正履歴を保持したまま最終成果物を管理する最も軽量な方法です。新規ファイルにコピーしてバックアップを取る必要はありません。外部バックアップファイルを都度作成すると、どのファイルが最新版か分からなくなるリスクが高まります。
ハック2:「選択とマスク」ワークスペースで髪の毛も3ステップで切り抜く
【対象】:人物写真や商品の毛並み・髪の毛など複雑なエッジの切り抜きを依頼されたことがある方
【手順】:クイック選択ツールまたは「被写体を選択」でおおまかに選択範囲を作成します(2分)。メニューの「選択範囲 → 選択とマスク」を開き、「エッジの調整ブラシ」で髪の毛や毛並みの境界をなぞります(3分)。出力先を「レイヤーマスク」に設定してOKをクリックし、レイヤーマスクとして確定します。
【コツと理由】:「選択とマスク」の「エッジの調整ブラシ」は境界付近の色の差を自動分析してマスクを精密化する仕組みのため、手作業では困難な細部まで対応できます。ペンツールで髪の毛を1本ずつ描く必要はありません。ペンツールはシャープなエッジのシェイプ切り抜きに適していますが、有機的な曲線が多い髪や毛並みには向いておらず、作業時間が大幅に増加します。
ハック3:マスクのリンク解除で背景固定・前景移動を実現する
【対象】:合成写真でキャラクターや商品の位置を調整しながら背景は動かしたくない方
【手順】:レイヤーマスクを追加した状態で、レイヤーサムネイルとマスクサムネイルの間の鎖アイコンをクリックしてリンクを解除します(30秒)。移動ツールでレイヤーをドラッグして、マスクの位置を変えずに画像だけを移動します。調整が完了したら再度鎖アイコンをクリックしてリンクを再設定します。
【コツと理由】:リンク解除で画像とマスクを独立移動させると、切り抜きの精度を保ったまま位置を変更できるため修正時間が大幅に短縮されます。リンク解除したまま誤って移動ツールで操作すると、マスクと画像の位置がずれて意図しない箇所が表示されます。調整後は必ずリンクを再設定してから保存する習慣をつけてください。
ハック4:納品前チェックリストで差し戻しゼロを実現する
【対象】:マスクの状態や保存形式の確認漏れでクライアントから差し戻しを受けたことがある方
【手順】:納品30分前に、レイヤーパネルで全レイヤーの名前・マスクの有無・リンク画像の欠落(!アイコン)を確認します(5分)。カラーモードが「RGBカラー」か「CMYKカラー」かを「イメージ → モード」で確認し、用途に合わせます(1分)。PSD形式で保存する場合はマスクを適用せず、JPEG・PNG納品の場合は「別名で保存」または「書き出し」でフラット化します(2分)。
【コツと理由】:確認項目を明文化したリストを使うと見落としがなくなり、差し戻し対応コストを削減できます。画像圧縮で画質落とさない方法と組み合わせることで、納品ファイルのサイズと品質を同時に最適化できます。PSD形式で納品する場合にマスクを適用する必要はありません。クライアントが後から修正できる状態で渡すことが、長期的な関係維持において有利です。ただし、クライアントから「フラット化して納品してください」と明示的に指示された場合は、この方針を優先してください。

ハック5:スマートオブジェクト変換でマスクと画質を両立する
【対象】:バナーや広告の制作で画像を拡大・縮小する頻度が高く、画質の劣化が気になる方
【手順】:対象レイヤーを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」を選択します(30秒)。スマートオブジェクトのままレイヤーマスクを追加し、切り抜き作業を行います(2〜5分)。スマートオブジェクトをダブルクリックすると元画像のPSBファイルが開くため、元素材を差し替えたい場合はここで変更して保存します。
【コツと理由】:スマートオブジェクトは元データを内包する仕組みのため、変形を何度繰り返しても最初の解像度が保持され、最終出力時にのみ実際のピクセル計算が行われます。スマートオブジェクトのままではペイントツールで直接描画できないため、直接ブラシで描き込む必要がある場合はラスタライズしてから作業してください。ラスタライズ後はスマートオブジェクトの非破壊性が失われるため、ラスタライズ前にPSDを別名保存しておいてください。
CHECK
▶ 今すぐやること:次の案件ファイルを開く前に、レイヤーを複製して元レイヤーをロックする手順を実施してください(2分)
Q:スマートオブジェクトにしたレイヤーは元に戻せますか?
A:スマートオブジェクトを右クリックして「レイヤーをラスタライズ」を選ぶと通常レイヤーに変換できます。ただし、ラスタライズ後はスマートオブジェクトの非破壊性が失われるため、必ず変換前にPSDを別名保存しておいてください。
フォトショのマスク習得:今日から使える3つの実践ポイント

手元のPhotoshopでレイヤーパネルを開き、マスクサムネイルの有無とリンクアイコンの状態を確認してください。日々の案件でマスクを意識的に使う習慣が、修正依頼への対応スピードと仕上がりの品質を同時に高めます。技術は1回の実践で身につくため、まず10分の実験から始めてください。なお画像文字入れ無料ツールなどの外部ツールと組み合わせることで、Photoshopのマスク技術をさらに効率的に活用できます。

| 状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
| マスクを初めて使う | 任意のレイヤーにマスクを追加して黒ブラシで塗ってみる | 10分 |
| 髪の毛の切り抜きに困っている | 「選択とマスク」ワークスペースを開いてエッジの調整ブラシを試す | 15分 |
| クライアントへの納品方法を整理したい | 納品チェックリスト(レイヤー名・マスク状態・カラーモード)を書き出す | 5分 |
| 画質劣化が気になる | レイヤーをスマートオブジェクトに変換してからマスクを追加する | 5分 |
フォトショのマスクに関するよくある質問
Q:レイヤーマスクとクリッピングマスクはどちらを先に覚えるべきですか?
A:レイヤーマスクを先に習得してください。白黒ブラシで表示範囲を直接制御する基本操作を理解することで、クリッピングマスクの仕組みも自然に理解しやすくなります。レイヤーマスクをある程度使いこなせたら、テキストや図形への画像はめ込みが必要になった時点でクリッピングマスクに移行するのが実務での習得順序として最短です。
Q:マスクが効いているか確認する簡単な方法はありますか?
A:マスクサムネイルをAlt(Mac:Option)キーを押しながらクリックすると、キャンバスにマスクの白黒状態だけが表示されます。白い部分が表示領域、黒い部分が非表示領域で、グレーの部分が半透明になります。塗り残しや意図しない箇所が黒くなっていないかを確認する際に有効な方法です。
Q:Photoshop以外のソフトでもPSDのマスクは保持されますか?
A:Adobe製品間では基本的に保持されます。IllustratorやInDesignにPSDを配置した場合、レイヤーマスクの状態を保持したまま表示されます。ただし、非Adobe製ソフトウェアではマスクが展開されたり無視されたりする場合があるため、他ソフトへ渡す際はPNG(透過保持)またはTIFF形式に書き出してください。
【出典・参照元】
Adobe公式:Photoshopでレイヤーマスクを編集 – レイヤーマスクの白黒グレーによる表示制御、反転操作の解説
Adobe公式:レイヤーマスクの追加と編集 – マスクの追加手順、移動・複製操作の解説
Adobe公式:レイヤーマスクの適用・削除 – マスクの適用・削除方法の解説
liginc.co.jp:クリッピングマスクの使い方 – クリッピングマスクの仕組みとショートカット解説