フリーランスのスマホ代を全額経費にできるのは「事業専用回線」を使う場合のみで、兼用端末は家事按分が必須です。所得税法施行令第96条の必要経費要件に基づき、この記事では按分計算・仕訳・本体代の処理まで実務手順を解説します。

目次

この記事でわかること

この記事を読むと、スマホ代を全額経費にする3条件・兼用端末の家事按分を3ステップで計算する方法・スマホ本体代の処理パターン(10万円未満/10〜20万円/20万円以上)がわかります。

この記事の結論

スマホ代を全額経費にできる条件は「事業専用回線である」「プライベート利用がゼロである」「その実態を説明できる」の3点に絞られます。この3条件をすべて満たせない場合は、業務使用割合を算出して家事按分した金額のみを通信費として計上してください。按分割合の設定に迷う必要はなく、通話明細や作業時間の記録があれば合理的な根拠として税務調査でも説明できます。

今日やるべき1つ

直近3か月分の通話明細を手元に出し、業務目的の発着信件数をプライベートと分けてカウントしてください。その割合が今日から使える按分比率の起点になります(所要時間:約15分)。

状況別ショートカット

状況読むべきセクション所要時間
全額経費にできる条件を確認したいフリーランスのスマホ代は全額経費にできる3条件3分
按分割合の決め方を知りたいスマホ代の家事按分は3ステップで計算5分
今の状況で経費にできるか診断したいフリーランスのスマホ代を3分で診断3分
本体代・修理代の仕訳を確認したいスマホ本体代は購入金額で仕訳が3パターン4分
税務調査に備えた記録管理を知りたいスマホ経費は5つの記録管理で税務調査に対応5分

フリーランスのスマホ代は全額経費にできる3条件

税務上の扱いは、使い方の実態によって大きく変わります。「まとめて経費にしてよいか」の判断は、回線の使用実態を3つの条件で確認することから始まります。

事業専用回線なら通信費として全額計上

事業専用回線とは、プライベートの通話・通信に一切使用しない回線を指します。この条件を満たしていれば、月々の通信料・通話料・オプション料をすべて通信費として計上できます。

事業専用かどうかは「名義」よりも「実態」で判断されます。個人名義であっても、プライベートで一度も使っていないことを通話明細や利用ログで示せれば、全額経費として認められます。名義を会社名にする法人契約は有利ではありますが、それ自体が全額経費の絶対条件ではありません。

兼用端末は業務使用分のみが経費の対象

自宅でプライベートにも使うスマホを仕事でも使っている場合、料金の全額を経費にすることは原則として認められません。所得税法上の必要経費は「業務の遂行上直接必要なもの」に限られており、私的利用分を含む支出はそのままでは必要経費に該当しないからです。

この場合、業務使用割合を算出して按分した金額のみを通信費に計上する手続きが必要です。「どんな割合でも自由に決めてよい」わけではなく、説明可能な根拠が求められます。無根拠に「8割が仕事用」と申告してしまうケースは、税務調査で指摘を受けやすいパターンです。通信費按分割合の根拠の作り方については、別記事でも詳しく解説しています。

法人契約・事業用回線は経費処理しやすい

フリーランスが個人事業主として活動している場合でも、事業用に新たな回線を契約する選択肢があります。格安SIM(月額1,000〜2,500円程度)で事業専用回線を確保すれば、その料金を全額通信費として計上でき、現在使っている端末との費用分離も明確になります。

事業用回線を追加契約した場合、年間12,000〜30,000円程度の通信費を全額計上できる一方、プライベート回線の按分管理が不要になります。手間とコストのバランスを踏まえると、月1,500円程度の専用回線を用意することで按分計算の煩雑さを解消できるケースが多くあります。

CHECK

▶ 今すぐやること: 現在使っているスマホが「事業専用」か「兼用」かを確認し、兼用であれば次のセクションの按分計算に進んでください(5分)。

Q: 家族で共有している端末の料金も経費にできますか?

A: 家族共用端末の場合、業務使用者・使用時間・利用目的を個別に特定することが困難なため、原則として経費計上の根拠が弱くなります。業務専用で使う家族の端末であれば、その利用実態を記録した上で計上を検討してください。

Q: 一次情報として所得税法の必要経費規定はどこで確認できますか?

A: 国税庁タックスアンサー No.2210 必要経費になる場合の家事関連費で確認できます。

スマホ代の家事按分は3ステップで計算

按分に「正解の割合」はありません。割合の数値より、その根拠を説明できるかどうかが重要です。家事按分の割合目安と費用別の決め方については、別記事でも詳しく解説しています。

ステップ1:業務使用の実態を把握する

最初の作業は、直近1〜3か月分の利用状況を確認することです。通話明細であれば発着信ごとの目的(業務・私用)を分類し、業務件数÷総件数で比率を算出します。1か月の発着信が50件で、うち業務目的が35件であれば業務比率は70%です。

通信量(データ通信)で按分する場合は、業務利用のアプリやサービスに使ったデータ量をプロバイダのアプリや明細で確認します。動画視聴やSNSなどプライベート利用が多い方は通信量より時間ベースの按分が合理的な場合があります。時間ベースで算出するなら、1日8時間・週5日を業務稼働とした場合、168時間のうち40時間=約24%が業務割合の目安になります。

ステップ2:割合を計算式で記録に残す

按分割合が決まったら、以下の計算式を帳簿の摘要欄やExcelメモに残してください。

月額通信費10,000円で業務按分70%の場合、経費計上額は10,000円×70%=7,000円です。残りの3,000円は家事費(プライベート分)として経費に含めません。この計算式と根拠(通話明細の件数比率など)を合わせて保管することで、税務調査時に「どのように算出したか」を説明できます。

帳簿の摘要欄に「按分70%(業務通話35件/全50件)」と記載する習慣が、説明可能性を高める最小コストの対策です。家事按分計算ツールを活用した確定申告の正確化も参考にしてください。

ステップ3:按分割合を年1回以上見直す

業務形態が変わった(リモートワーク増加でデータ通信の業務比率が上昇したなど)タイミングで割合を更新し、変更した理由を一言メモしておくと合理性の説明がより明確になります。

按分割合は毎年同じである必要はなく、実態に即していることのほうが重要です。見直しのタイミングとして確定申告前の1〜2月が最も実務的で、前年の利用状況をまとめて確認するのに適しています。

CHECK

▶ 今すぐやること: 直近1か月の通話明細を開いて業務件数とプライベート件数を数え、業務比率(業務件数÷総件数)をメモに書き留めてください(15分)。

Q: 按分割合は税務署に申請が必要ですか?

A: 事前申請は不要です。確定申告書への記載は按分後の金額のみで、割合そのものは申告書に記載しません。ただし按分根拠の記録(通話明細や計算メモ)は、青色申告者は7年間、白色申告者は5年間保存することが求められます。

Q: 按分計算に会計ソフトを使う場合、どこで設定しますか?

A: freeeやマネーフォワード クラウドでは、通信費の入力時に「家事按分」の欄で業務使用割合(例:70%)を入力すると、自動で按分額が計算されます。初回設定後は毎月同じ割合が反映されるため、変更した年だけ割合を更新してください。

フリーランスのスマホ代を3分で診断

以下の3問に答えると、経費処理の方向性が決まります。

Q1: 今使っているスマホ回線は業務にしか使いませんか?

Yesの場合はQ2へ進んでください。Noの場合(プライベートでも使う)はResult B(家事按分が必要)へ進んでください。

Q2: 通話明細やデータ通信の利用ログを取り出せますか?

Yesの場合はResult A(全額または高按分比率で経費計上可能)へ進んでください。Noの場合はQ3へ進んでください。

Q3: 1日の業務時間と私用時間をざっくりでも区別できますか?

Yesの場合はResult C(時間ベースの按分から始める)へ進んでください。Noの場合はResult D(まず記録から始める必要あり)へ進んでください。

Result A: 全額または高比率での経費計上が可能

事業専用回線であるか、または明細で業務比率80%以上を示せる状況です。通信費として全額または按分額を計上し、明細を所定の期間保存してください。

Result B: 家事按分が必須

兼用端末です。通話件数または利用時間で業務割合を算出し、その割合を帳簿の摘要欄に記録した上で按分額を通信費に計上してください。

Result C: 時間ベースの按分から開始

業務時間(週40時間)÷1週間の総時間(168時間)=約24%を暫定の按分比率として使用してください。翌月以降に通話明細を確認し、実態に近い比率に更新してください。

Result D: まず記録整備から着手

翌月から通話明細をキャリアのアプリで月次出力する習慣をつけてください。過去分は遡及が難しいため、今期分から正確な按分計算を始めることを優先してください。

CHECK

▶ 今すぐやること: 上記Q1に答えて自分のResultを確認し、対応する行動を今週中に実施してください(3分)。

Q: 業務用スマホと私用スマホを2台持ちにすれば、業務用は全額経費になりますか?

A: 業務専用として使い、プライベートに一切使用しないことを実態として維持できれば、全額を通信費として計上できます。2台持ちにしても私用に使用した場合は按分が必要になるため、運用ルールを明確にしてください。

Q: 事業用回線を新たに契約する場合、月額どのくらいかかりますか?

A: 格安SIM(MVNO)であれば、データ専用プランで月額700〜1,500円、音声通話付きプランで月額1,500〜2,500円程度が目安です。年間で8,400〜30,000円を全額通信費として計上できる計算になります。

スマホ本体代は購入金額で仕訳が3パターン

端末代の処理方法は購入金額によって変わります。金額帯別に整理します。なお、消耗品費と備品の違いや10万円基準についても参考にしてください。

10万円未満なら購入時に消耗品費として計上

税込10万円未満のスマホ本体は、購入した年に「消耗品費」として一括計上できます(消費税の免税事業者・簡易課税事業者は税込金額で判定します。本則課税の課税事業者は税抜金額で判定する場合があるため、国税庁の取扱いをご確認ください)。

仕訳の例は以下の通りです。

借方金額貸方金額
消耗品費80,000円現金(または普通預金)80,000円

兼用端末の場合は本体代も家事按分の対象です。80,000円で按分70%なら、56,000円を消耗品費に計上し、残り24,000円は経費に含めません。本体代は購入した期のみの処理であるため、翌期以降に経費として出てくることはありません。

10万円以上20万円未満は一括償却資産または少額減価償却資産

税込10万円以上の端末は、原則として資産として計上し減価償却する処理が必要です。ただし2つの特例があります。

1つ目は「一括償却資産」で、取得価額が20万円未満であれば3年間で均等償却(毎年3分の1ずつ経費計上)する処理が認められます。白色申告・青色申告どちらでも利用可能です。

2つ目は「少額減価償却資産の特例」で、青色申告者は取得価額30万円未満の資産を取得した年に全額一括で経費計上できます(年間合計300万円が上限)。この特例は適用期限が設けられており、延長の有無については中小企業庁の情報および国税庁の情報でご確認ください。

20万円以上は法定耐用年数で減価償却

20万円以上の端末は資産計上し、法定耐用年数で減価償却します。スマホ・携帯電話の法定耐用年数は「器具備品」に分類され、通常5年が適用されます(国税庁 耐用年数表をご確認ください)。定額法で計算する場合、20万円の端末であれば年間4万円(20万円÷5年)を毎期経費に計上します。耐用年数の5分類と減価償却の基本についても参考になります。

兼用端末であれば減価償却費にも按分が必要です。年間償却額4万円に按分70%を適用すると、経費計上額は年間28,000円になります。減価償却は5年間継続するため、按分割合の変動も年次で記録してください。

購入金額処理方法備考
10万円未満消耗品費で一括計上兼用時は按分が必要
10万円以上20万円未満一括償却資産(3年均等)または少額減価償却特例(青色のみ)青色申告者は全額一括も可
20万円以上器具備品として減価償却(耐用年数5年が目安)兼用時は按分が必要

CHECK

▶ 今すぐやること: 現在使っているスマホの購入価格を確認し、上記3パターンのどれに該当するかを確認してください(5分)。

Q: スマホのケース・充電器・修理代は経費になりますか?

A: 業務用端末の付属品や修理代は、原則として通信費または消耗品費として計上できます。兼用端末の場合は本体代と同様に家事按分が必要です。

Q: スマホを分割払いで購入した場合の処理はどうなりますか?

A: 分割払いでも処理方法は一括払いと変わりません。購入時点の取得価額(分割総額)で消耗品費・一括償却資産・減価償却のいずれかを判定し、支払いの時期ではなく取得時の金額で処理します。

スマホ経費は5つの記録管理で税務調査に対応

税務調査に対応するために必要な記録は以下の5点で、いずれも月15分以内で整備できます。

通話明細の月次保管で業務比率を裏付ける

キャリアのマイページから毎月末に通話明細をPDF出力し、業務目的の発着信に色分けや印をつけておくと、年末に按分根拠を説明する際の作業が大幅に簡略化されます。月50件の発着信をリスト化して「クライアントA」「打ち合わせ」等の目的を3文字以内で記入するだけで、税務調査時に数分で根拠を示せます。

記録がなければ、算出根拠なしの按分は否認されます。「どうやって70%という割合を決めたのか」と問われたときに答えられる状態を維持してください。個人事業主の税務調査の実態とリスク対策についても参考にしてください。

業務カレンダーで利用実態を補強する

Googleカレンダーや手帳で業務の予定と実績を記録している場合、通話明細と業務スケジュールを照合することで「この日の通話は案件打ち合わせだった」という説明ができます。

Googleカレンダーに取引先名を記載しておくだけでも、後から通話明細と照合できるため最低限の管理として有効です。

按分計算メモを帳簿の摘要欄に統合する

会計ソフト(freee・マネーフォワード等)の通信費入力時に、摘要欄へ「スマホ代 業務按分70%(通話35件/50件)」と入力する習慣をつけます。帳簿と按分根拠が一体化するため、別途Excelで管理する必要がなくなります。

事業用メールや業務ツールの通知設定をスマホに集約する

クライアントとの連絡に使うSlack・Chatwork・メールアプリのアカウントが業務用のみである場合、その状態を示すスクリーンショットを1枚保存しておくと根拠の補強になります。

プライベートのSNSや動画配信アプリが多数インストールされている端末を「ほぼ業務専用」と主張することは説明の一貫性を下げます。高い按分比率を主張するなら、端末の使用内容を業務に寄せた運用が前提になります。

年1回の記録棚卸しで確定申告に備える

1月末に前年1年分の通話明細・業務カレンダー・按分メモを一か所のフォルダにまとめる作業を年次ルーティンにすると、確定申告の作業時間が短縮できます。青色申告の方は帳簿や記録を7年間、白色申告の方は5年間保存する義務があるため、クラウドストレージ(Google Drive等)に年度別フォルダを作りPDFで保存するのが管理コストの低い方法です。

CHECK

▶ 今すぐやること: キャリアのマイページにログインして直近1か月分の通話明細をPDF出力し、年度別フォルダに保存してください(10分)。

Q: 税務調査がきた場合、スマホ代の按分について何を確認されますか?

A: 「按分割合の根拠」「利用実態を示す記録」「業務との対応関係」の3点が確認されます。通話明細と業務カレンダーが揃っていれば、大半の質問に数分で回答できます。

Q: freeeやマネーフォワードで按分を設定すると、確定申告書に自動反映されますか?

A: はい。会計ソフトで按分率を設定して入力した通信費は、確定申告書の「通信費」欄に按分後の金額が自動集計されます。ただし按分根拠の記録(通話明細等)は会計ソフトの外で保管が必要です。

スマホ経費を7項目でチェック

経費処理の状況を確認する際は以下の7項目を使ってください。1つでも「いいえ」があれば、該当セクションに戻って対応を確認してください。

今使っている回線が事業専用かどうかを確認しているか(Yes/No)。兼用の場合は業務使用比率を算出する根拠(通話明細・時間記録)があるか(Yes/No)。按分割合を帳簿の摘要欄に記録しているか(Yes/No)。スマホ本体代の購入金額と処理方法が一致しているか(Yes/No)。青色申告者であれば少額減価償却特例の適用可否を確認したか(Yes/No)。通話明細を月次でPDF保存しているか(Yes/No)。按分根拠の記録を所定の期間(青色7年・白色5年)保存できる仕組みがあるか(Yes/No)。

全項目「Yes」であれば、税務調査に対して一定の説明可能性を確保した状態です。「No」が2項目以上ある場合は、今月中に対応する優先度が高い状態です。

CHECK

▶ 今すぐやること: 上記7項目を紙またはメモアプリに書き出し、「No」の項目に対して翌日までに着手する行動を1つ決めてください(5分)。

Q: チェックリストで「No」が多い場合、過去の申告は修正が必要ですか?

A: 今後の申告から正しく処理することが最優先です。過去分の修正申告が必要かどうかは金額規模や状況によって異なります。

Q: 白色申告でも家事按分は適用できますか?

A: 白色申告でも家事按分は可能です。ただし青色申告と比べて少額減価償却特例が使えないため、10万円以上の端末購入時の処理方法は白色・青色で異なります。確定申告の申告形式を確認した上で処理を選択してください。

フリーランス向け|スマホ経費は5つの仕組みで管理

毎月の経費処理を効率化するための実務的なポイントを5つ紹介します。

ハック1: 事業専用SIMの追加契約で按分ゼロにする

【対象】: 現在兼用端末を使っており、按分計算の手間を完全になくしたいフリーランス

【手順】: MVNO(格安SIM)の音声通話付きプランを比較サイト(価格.comの格安SIM比較ページ等)で確認し、月額1,500円以下のプランを1件選定します(所要時間:15分)。選定したプランをオンラインで申し込み、SIMカードが届いたらスマホのSIMスロット2に挿入するか、格安スマホ1台を業務専用端末として設定します(所要時間:30分)。会計ソフトの通信費入力時に「事業専用SIM代」として全額計上し、摘要欄に「按分不要・事業専用」と記載します(所要時間:月5分)。

【コツと理由】: 月1,500円の専用SIMを追加すると、按分計算・明細管理・割合見直しにかかる月30分の作業が不要になります。年間で相当の時間削減になる上、税務調査時の説明が「全額経費・按分なし」と一言で完結するため、否認リスクの説明コストもゼロになります。

【注意点】: 専用SIMを用意しても実際にプライベートで使い始めると「専用」の主張が崩れます。専用端末のアプリ設定や利用履歴がプライベート用途を示さないよう、インストールアプリを業務用のみに限定してください。また毎月の通信費が3,000円以下の方には費用的なメリットが薄い場合があるため、追加契約が唯一の選択肢ではありません。

ハック2: 通話明細のPDF自動取得を月末リマインダーで習慣化する

【対象】: 兼用端末を使っており、按分根拠の記録管理を月次で維持したいフリーランス

【手順】: 各キャリアのマイページ(au My au、ドコモdアカウント、ソフトバンクMy SoftBank等)にログインし、明細のPDF出力機能の場所を確認します(所要時間:10分)。スマホまたはPCのカレンダーアプリに「毎月最終日・通話明細PDF取得」のリマインダーを設定します(所要時間:3分)。出力したPDFをGoogleドライブの「スマホ経費記録/年度」フォルダに保存し、業務目的の通話に赤字または別色でコメントを追記します(所要時間:月10分)。

【コツと理由】: 「都度記録する」という運用は3か月以内に崩れるケースがほとんどです。月末リマインダーに集約する運用であれば年12回の作業で完結します。記録が12か月分揃っていれば、調査官への説明は「このフォルダを見てください」と示すだけで終わります。

【注意点】: キャリアによっては通話明細の保存期間が6か月程度しかない場合があります。毎月取得していないと過去分が消えて遡及できなくなるため、リマインダーの設定漏れは致命的です。PDFはクラウドストレージへの保存を必須にしてください。

ハック3: 会計ソフトの按分設定を初回入力時に固定して毎月の作業を5分に短縮する

【対象】: freeeまたはマネーフォワード クラウドを使っており、通信費の毎月入力を効率化したいフリーランス

【手順】: freeeの場合は取引入力画面で「通信費」を選択し、「家事按分」の欄に業務使用割合(例:70)を入力した取引を「テンプレート」として保存します(所要時間:10分)。翌月以降はテンプレートを呼び出し、金額のみ変更して保存することで按分計算は自動で行われます(所要時間:月3分)。按分割合を変更した月は、テンプレートの割合も更新し、変更日と変更理由を摘要欄に1行記録します(所要時間:5分)。

【コツと理由】: テンプレートに按分率を内包して1クリックで処理するアプローチを採用することで、月の作業時間を大幅に短縮できます。手計算のミスがなくなるため、按分額の記録ミスによる経費過大計上リスクも低減できます。

【注意点】: テンプレートで按分率を設定した後、実態が変わっても更新し忘れると実態とかけ離れた割合で申告し続けることになります。年1回(1月末)にテンプレートの設定値と直近の通話明細による実際比率を照合する確認作業を必須にしてください。

ハック4: スマホ本体代の購入前に「税込金額」と「申告形式」を確認してコスト最適化する

【対象】: 近々スマホ本体を買い替える予定があり、経費処理の有利な条件で購入したいフリーランス

【手順】: 購入予定端末の税込価格を確認し、10万円未満・10万円以上20万円未満・20万円以上の3段階で処理方法を確認します(所要時間:5分)。青色申告者であれば取得価額30万円未満まで少額減価償却特例(購入年に全額一括計上)が使えることを確認し、適用期限および購入年のタイミングが翌年の申告に影響することを把握します(所要時間:10分)。境界付近の端末は税込・税抜どちらで判定するかが処理区分に影響するため、国税庁の税込・税抜判定の取扱いを確認します(所要時間:5分)。

【コツと理由】: 免税事業者・簡易課税の個人事業主の多くは税込金額で判定しますが、本則課税の課税事業者は税抜金額で判定する場合があります。この点を見落として税込10万円超の端末を消耗品費で計上すると、後から修正が必要になります。判定方法は自身の消費税の申告区分によって異なります。

【注意点】: 購入のタイミング(年末か年明けか)よりも、端末の業務使用実態を維持することのほうが長期的には重要です。

ハック5: 税務調査対応用の「スマホ経費説明ファイル」を1時間で作成する

【対象】: 税務調査への備えを1度の作業で完結させたいフリーランス

【手順】: A4用紙1枚または共有ドキュメント1ページに「端末名・回線名・業務使用用途・按分割合・算出根拠」を表形式で記載します(所要時間:20分)。直近12か月分の通話明細PDFを1つのフォルダにまとめ、ファイル名に「YYYYMM_通話明細」の形式でリネームします(所要時間:30分)。会計ソフトの通信費・消耗品費の年次レポートを出力し、上記フォルダに一緒に保存します(所要時間:10分)。

【コツと理由】: 税務調査の通知から実地調査まで一定の準備期間がある場合でも、事前にファイルを作成していれば短時間で提出準備が完了します。調査官は書類の整合性より実態の合理性を確認するため、記録の美しさより実態の正確さを優先してください。

【注意点】: 説明ファイルを作成しても、按分割合の根拠と実際の利用実態が乖離していると逆効果になります。実態と記録が一致していることがファイルの前提です。

CHECK

▶ 今すぐやること: ハック1〜5のうち、自分の状況に最も近いものを1つ選び、最初の手順の作業を今日中に開始してください(目安:15〜30分)。

Q: 複数の収入源(受託開発・コンサル・副業ライター等)がある場合、スマホ按分はどう計算しますか?

A: 収入源ごとではなく、業務全体での使用割合で按分を算出します。「業務目的の通話・通信÷全体の通話・通信」で計算した比率を一本化して適用し、各収入源への按分の分割は原則不要です。

Q: 事業用スマホの修理代は全額経費になりますか?

A: 事業専用端末の修理代は全額を通信費または修繕費として計上できます。兼用端末の修理代は本体代と同様に家事按分が必要です。

スマホ代は3条件で全額経費:今日から始める5つの行動

フリーランスのスマホ代を全額経費にできるのは「事業専用回線」「プライベート利用ゼロ」「実態の説明可能」の3条件をすべて満たす場合のみで、1つでも外れれば家事按分が必須です。按分の割合は通話明細や利用時間の記録から合理的に算出した比率を根拠として残すことが、税務調査対応の核心になります。スマホ本体代は税込金額(課税区分によっては税抜金額)で処理方法が変わるため、10万円の境界付近では購入前に処理区分を確認してください。

確定申告の時期に慌てて記録を整備するより、毎月10分の明細保存を習慣にするほうが長期的に確実です。今日できる最初の1歩は、キャリアのマイページを開いて直近1か月分の通話明細をPDF保存することです。その1枚が今後の按分根拠すべての起点になります。

状況次の一歩所要時間
兼用端末を使っている通話明細を出力して業務件数を数える15分
按分割合が未設定会計ソフトの通信費に按分率を入力する10分
本体代の処理が未処理購入金額を確認して3パターンの表と照合する5分
記録管理が未整備年度別フォルダをクラウドに作成する10分
税務調査が不安スマホ経費説明ファイルを1時間で作成する60分

フリーランス スマホ代 全額経費にしていいかに関するよくある質問

Q: スマホ代を全額経費にするのは税務的に問題がありますか?

A: 事業専用回線であれば全額経費の計上は適法ですが、兼用端末を家事按分なしに全額計上することは税務上の問題になります。兼用端末を使っている場合は、必ず業務使用割合を根拠とともに算出し、按分後の金額のみを経費に計上してください。

Q: 按分割合は何割が妥当ですか?

A: 割合に法律上の上限はありませんが、根拠のない高い割合は税務調査で否認されます。通話明細や業務時間の記録から実態を算出することが前提で、フリーランスが1日の業務時間を8時間・週5日とした場合、時間ベースの計算では約24%が基準の目安になります。業務での利用頻度が高い方は明細を根拠に50〜70%を設定しているケースもあります。

Q: 法人契約にすれば全額経費になりますか?

A: 法人が契約した回線を業務専用で使う場合は全額損金として処理しやすくなります。ただし個人事業主の場合は法人契約という概念が適用されないため、契約名義よりも使用実態が重要です。個人事業主で名義を変えても兼用端末であれば按分が必要です。

Q: 格安SIMを事業用に使っても問題ありませんか?

A: 問題ありません。MVNOの格安SIMでも通信費として計上できます。事業専用として使用し、その実態を維持できれば全額経費として処理できます。キャリアの種類は経費処理の可否に影響しません。

Q: 確定申告で通信費の金額が多いと調査対象になりますか?

A: 通信費の金額だけで調査対象になることは一般的にありません。他の経費項目との整合性や売上規模との比率など複合的な要因で調査対象が選定されます。按分根拠の記録が整備されていれば、通信費の金額が多くても説明できる状態を維持できます。

【出典・参照元】

国税庁タックスアンサー No.2210 必要経費になる場合の家事関連費

国税庁 少額減価償却資産の取得価額の判定(税込・税抜)

国税庁 減価償却資産の耐用年数表

中小企業庁 少額減価償却資産の特例

弥生株式会社 個人事業主の携帯・スマホ代の経費計上

マネーフォワード クラウド 確定申告 スマホ・携帯電話代の経費処理と家事按分

freee 税理士検索 スマホ本体購入時の仕訳と減価償却

Office Plus S スマホ代・通信費の家事按分と全額経費の可否

テレ西 個人事業主の携帯料金の経費割合と家事按分の目安

office110 携帯代の経費計上ガイドと通信費の基本

記事内容は2026年06月時点の税制・法令に基づいています。