フリーランスのグラフィックデザイナーの単価は、ロゴで3万〜30万円以上、月額では40万〜70万円程度が目安です。制作物・経験年数・契約形態によって大きく変わります。この記事では制作物9種の相場から時給換算・見積もり条件の設定まで解説します。
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この記事でわかること
時給2,000〜5,000円・月額40万〜70万円の相場を制作物別に把握できます。相場より安く受けすぎていないかを5ステップで自己診断できます。見積もり条件6項目のテンプレートで次の案件から使える書式を整えられます。
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この記事の結論
フリーランスのグラフィックデザイナーの単価は、制作物の種類と経験年数で決まる部分が大きく、ロゴ3万〜30万円超・月額40万〜70万円程度が現在の目安です。相場より安く受けすぎる原因の多くは、時給換算をしていないことと、修正費・経費を見積もりに含め忘れていることにあります。まず自分の時給目標を決め、そこから案件単価を逆算する順序で設定すると、受けるたびに金額で迷う場面が減ります。
最初に確認すること
自分の希望月収と稼働時間から時給目標を計算してください。たとえば月収40万円・稼働160時間なら時給2,500円が最低ラインです。この数字を基準にすると、案件の工数を聞いた瞬間におおよその見積もり額が出せます。計算自体は3分で終わります。
状況別ショートカット
| 状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| 制作物ごとの相場を今すぐ確認したい | グラフィックデザイン単価は制作物9種で3万〜30万円超が目安 | 3分 |
| 時給・月額の基準を知りたい | 時給2,000〜5,000円・月額40万〜70万円が現在の相場 | 3分 |
| 相場より安く受けすぎていないか確認したい | フリーランス単価を5ステップで自己診断 | 5分 |
| 単価を上げる具体策を知りたい | 単価を上げる5つの実務ハック | 7分 |
| 見積もり条件の設定方法を知りたい | 見積もり条件は6項目で決まる | 5分 |
グラフィックデザイン単価は制作物9種で3万〜30万円超が目安
制作物ごとに相場の幅が大きく異なるため、「デザイン料」という一括りの感覚で見積もると、高すぎる案件も安すぎる案件も同じ基準で処理してしまいます。9種類の制作物別相場を把握しておくと、見積もり時に「この金額は低い」と気づく場面が増えます。
ロゴデザインは3万〜30万円超と幅が広い
ロゴデザインの相場は、シンプルなテキストロゴで3万〜5万円程度、ブランドガイドラインや複数バリエーションが求められる案件では15万〜30万円超になります(グラフィックデザイナーフリーランスの単価相場)。幅が広い理由は、ロゴの用途が名刺1枚に使うシンプルなものから、店舗サイン・パッケージ・Web全媒体に展開するブランドアイデンティティまで異なるからです。見積もり前に「何に使うロゴか」「何案提示するか」を確認しないと、作業量の読み違いが起きやすい制作物といえます。
ロゴ案件の修正が想定より多くなり、最終的に時給換算すると1,000円を割っていたという声もあります(Yahoo!知恵袋:デザイン費の相場について)。修正回数の上限を受注前に明記することが、時給割れを防ぐ最初の一手です。なお、見積書の諸経費の書き方についても、デザイン案件では経費項目を明示しておくことがトラブル防止につながります。

名刺デザインは5,000円〜5万円が目安
名刺デザインの相場は、テンプレート微調整に近いシンプルなものが5,000円〜1万円、オリジナルのレイアウトや複数面デザインを含む場合は2万〜5万円程度です(グラフィックデザイナーフリーランスの単価相場)。名刺は比較的単価が低く、作業時間が読みやすい案件です。ただし「両面・2種類・修正3回込み」のように条件が積み重なると、実質工数が倍になることがあります。受注前に面数・バリエーション数・修正回数の上限を確認する習慣をつけると、請求額と実労働のズレが出にくくなります。
チラシ・フライヤーは2万〜9万円が現在の目安
チラシ・フライヤーの相場は、A4片面のシンプルなレイアウトで2万〜4万円、写真撮影や複数種類のアレンジを含む場合は6万〜9万円程度です(グラフィックデザイナーフリーランスの単価相場と案件獲得法)。クライアントが「チラシ1枚」と言うとき、そこにコピー作成・素材選定・入稿データ作成まで含まれていることが多くあります。見積もり段階で作業範囲を書き出しておくと、後のすれ違いが起きにくくなります。
ポスターデザインは5万〜18万円程度
ポスターの相場は、A2〜A1サイズの単体制作で5万〜10万円、展示会や連作ポスターなど大判・複数点の場合は12万〜18万円超になります(グラフィックデザイナーフリーランスの単価相場と案件獲得法)。ポスターはチラシより用途が広告色・展示色に分かれ、印刷会社への入稿対応まで含めるか否かで工数が変わります。見積もり時に「入稿データ作成まで含むか」を最初に明示しておくと、後から「それも込みだと思っていた」という認識ズレを防げます。
パンフレット・カタログは5万〜20万円超
パンフレット・カタログの相場は、4〜8ページ程度のシンプルな構成で5万〜10万円、16ページ以上のカタログや写真点数が多いものでは15万〜20万円超になります(グラフィックデザイナーフリーランスの単価相場と案件獲得法)。ページ数に比例して工数が増えるため、ページ単価(1ページ3,000〜8,000円程度)で計算して合計額を出す方法が、見積もりを組みやすくなります。
パッケージデザインは5万〜15万円超
パッケージデザインの相場は、食品・雑貨の小型パッケージで5万〜10万円、ブランド訴求が強い商品や複数SKUへの展開が絡む場合は15万円超になります。公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)の参考料金ではパッケージデザインが127,000円とされており(フリーランスのデザイナーになるには?)、市場の実態と大きくかけ離れていない水準です。パッケージは印刷所との折衝・データ仕様の確認など、デザイン以外の工程が発生しやすいため、「印刷対応まで含めるか」を見積もり条件に明記してください。
SNSクリエイティブは1点5,000円〜2万円
SNS投稿用バナー・サムネイルの相場は、静止画1点5,000円〜1万円、アニメーション・リール動画用の動的素材は1点1万〜2万円程度です(グラフィックデザイナーはフリーランスを目指せる?)。月次で10〜30点まとめて依頼されるケース、月額契約として定額化されるケースが多く、単発より継続案件として設計した方が収入が安定しやすい制作物です。
名刺以外の印刷媒体はJAGDA参考料金が一定の基準になる
JAGDAの参考料金では、雑誌(A4カラー)が65,000円、リーフレット(A4)が25,000円とされています(フリーランスのデザイナーになるには?)。これはあくまで参考値ですが、クライアントに「なぜこの金額か」を説明する際、業界団体の基準を根拠として示せると交渉がしやすくなります。フリーランス初期に根拠のない値引きを求められたとき、参考料金の存在を知っているだけで返答が変わります。単価交渉メールのテンプレートを用意しておくと、値引き要請への返答を素早く準備できます。

クラウドソーシング案件は手数料後の手取りで判断する
クラウドソーシングの案件は、同じ制作物でも直接契約の3〜5割低い単価になることが多く、加えてプラットフォームの手数料(5〜20%程度)が引かれます(副業の単価相場)。「10万円の案件」でも手数料20%なら手取りは8万円であり、そこから時給換算すると想定より低い結果になることがあります。受注判断の基準は表示金額ではなく手取り単価で行うことが、相場感を正確に保つうえで重要です。
CHECK
▶ 今すぐやること: 最近受けた案件1件を手取り単価に換算する(5分)
制作物名・請求金額・稼働時間を書き出し、手数料を引いた手取りを時間で割ってください。この時給が自分の目標時給を下回っていれば、今後の見積もりを修正する必要があります。
Q: クラウドソーシングで受けたロゴ案件の相場はいくらですか?
A: クラウドソーシングでは直接契約の3〜5割低い単価になることが多く、ロゴの場合は1万〜5万円程度の案件が中心です。手数料を引いた手取りで時給換算してから受注を判断してください。
Q: JAGDAの参考料金は実際の相場と合っていますか?
A: JAGDAの参考料金は業界団体の目安であり、実際の市場では経験・地域・クライアントの規模によって上下します。相場の基準として参照しつつ、自分の経験と照らし合わせて調整するのが現実的です。
時給2,000〜5,000円・月額40万〜70万円が現在の相場
制作物別の単価を把握した後に必要なのは、自分の稼働全体を「時給」と「月額」のどちらで管理するかを決めることです。案件単価だけで管理していると、短い案件と長い案件を同じ感覚で受けてしまい、月の稼働が偏ることがあります。
時給単価の実態は2,000円〜5,000円に集中
フリーランスのグラフィックデザイナーの時給相場は2,000円〜5,000円が多く見られる水準で、経験が浅い段階や副業的な受け方では2,000円前後、専門性が高い案件や継続取引では4,000〜5,000円以上になります(デザイナーの時給単価や制作物別の費用相場)。実態のばらつきは大きく、時給1,000円以下の案件もあれば高収入帯の声もあり(Yahoo!知恵袋:フリーランスデザイナーの単価相場)、平均値が自分に当てはまるかは経験・スキル・営業方法によって大きく異なります。
月額単価は40万〜70万円が現在の目安
フリーランス案件サイトでは月額40万〜70万円程度が目安とされており、経験3年以上の実務者では平均56万円前後を示すデータもあります(フリーランスデザイナーの月額単価・経験年数別相場、グラフィックデザイナーはフリーランスを目指せる?)。月額案件はクライアント先に常駐または定期稼働する形が多く、案件単価の積み上げとは収入の安定性が異なります。月額契約は毎月の稼働が確保される代わりに、他の案件を並行しにくくなるというトレードオフがあります。
経験年数と単価の関係
経験年数と単価の目安は概ね以下の水準で推移します(フリーランスデザイナーの月額単価・経験年数別相場)。
| 経験年数 | 時給目安 | 月額単価目安 |
| 1年未満 | 1,500〜2,500円 | 25万〜35万円 |
| 1〜3年 | 2,500〜4,000円 | 35万〜55万円 |
| 3〜5年 | 3,500〜5,000円 | 50万〜65万円 |
| 5年以上 | 4,000〜8,000円以上 | 60万〜80万円超 |
ただしこれはあくまで目安であり、同じ5年でも「チラシ中心」と「ブランディング・アートディレクション対応可能」では単価に大きな差が出ます。年数よりも「何ができるか」の方が単価に直結します。
直接契約・エージェント・クラウドソーシングの単価差
契約形態によって手取りの単価は変わります。
| 契約形態 | 単価水準 | 手取りへの影響 | 向いているケース |
| 直接契約(紹介・営業) | 高め | 手数料なし | 関係性がある企業への営業ができる |
| エージェント経由 | 中程度 | エージェント手数料が引かれる | 自分で営業せず案件を確保したい |
| クラウドソーシング | 低め | 手数料5〜20%が引かれる | 実績を積む初期段階 |
直接契約は単価が高い代わりに、営業・契約交渉・請求業務を自分で行う必要があります(案件獲得方法と単価の考え方)。エージェントは案件探しの手間を省けますが、単価の一部がエージェントに入ります。どちらが有利かは、営業に使える時間と現在の人脈によって変わります。個人事業主の見積書の書き方を整えておくことで、直接契約時の交渉がスムーズになります。

CHECK
▶ 今すぐやること: 現在の案件の契約形態と手取り単価を書き出す(5分)
直接契約・エージェント・クラウドソーシングのどれで受けているかと、手取りの時給を並べてください。契約形態ごとの単価差が見えると、次の案件獲得先を判断しやすくなります。
Q: エージェント経由と直接契約はどちらが収入面で有利ですか?
A: 直接契約の方が手取り単価は高くなりますが、営業・交渉・事務作業を自分で行う必要があります。エージェントは案件の安定確保を優先したいときに有効で、単価の高さより稼働の安定を取るかどうかで選ぶのが現実的です。
Q: 月額契約と案件単価のどちらで稼働するのが良いですか?
A: 月額契約は収入が安定しやすい代わりに、並行案件を受けにくくなります。案件単価の積み上げは自由度が高い代わりに、案件が途切れた月の収入がゼロになるリスクがあります。現在の貯蓄と案件の安定感で判断するのが妥当です。
フリーランス単価を5ステップで自己診断
「自分の単価が相場と合っているか」を外から判断するのは難しいため、以下の手順で確認してください。5分で適正かどうかを判断できます。
Q1: 最近受けた案件を時給換算したことがありますか?
Yesの場合はQ2へ進んでください。Noの場合はまず直近3件の案件について(請求金額÷稼働時間)を計算してから、Q2へ進んでください。
Q2: 時給換算した結果は2,000円以上でしたか?
Yesの場合はQ3へ進んでください。Noの場合はResult A(単価見直しが必要な状態)です。
Q3: 見積もりに修正費・経費を含めていますか?
Yesの場合はQ4へ進んでください。Noの場合はResult B(修正費・経費の加算が必要)です。
Q4: 直近1年で単価を上げた案件がありますか?
Yesの場合はResult C(適切な見直しができています)です。Noの場合はResult D(単価固定が続いている可能性があります)です。
Result A:単価見直しが必要な状態
時給2,000円を下回っている場合、現在の単価設定か作業時間の読み違いが起きています。次の案件から時給2,000〜2,500円を基準に見積もり額を逆算してください。
Result B:修正費・経費の加算が必要
時給は確保できていますが、修正対応で実質時給が下がっている可能性があります。見積もりに「修正〇回込み、超過分は1回〇円」の条件を入れることを検討してください。
Result C:適切な見直しができています
現状は相場と大きくかけ離れていない状態です。次のステップとしては、高単価領域(ブランディング・アートディレクション)への実績を積む方向が有効です。
Result D:単価固定が続いている可能性があります
年単位で同じ単価が続いている場合、経験の蓄積に対して対価が追いついていないことがあります。既存クライアントへの単価改定の打診か、新規案件での単価引き上げを検討する時期です。
Q: 副業として受けている場合も同じ相場で請求して良いですか?
A: 副業であっても、制作物の品質と工数は変わりません。本業があることを理由に単価を下げる必要はなく、同じ品質を提供するなら相場と同じ基準で請求するのが適切です。
Q: 相場より高い金額を提示して断られる場合、どう対応すれば良いですか?
A: まず相手の予算を確認し、予算に合わせて作業範囲を削る提案をするのが現実的です。値引きの代わりに作業範囲を縮小する交渉は、後のトラブル防止にもなります。
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単価を上げる5つの実務ハック
単価を上げることは「強気に請求する」だけでは成立せず、クライアントから見た根拠を整えることが先決です。以下の5つは実務で機能しやすい順に並べています。
ハック1: 時給目標から案件単価を逆算する
【対象】: 感覚で見積もりを決めていて、月の稼働量と収入がかみ合わない方
【手順】: 希望月収と想定稼働時間から時給目標を計算します(希望月収40万円÷稼働160時間=時給2,500円が最低ライン、10分)。次に案件の想定工数を「打ち合わせ・制作・修正・納品確認」で洗い出します(工数見積もりは案件ごとに15分)。時給目標×工数で案件単価の下限を算出し、その金額を見積もりの基準にします(3分)。
【ポイントと理由】: 相場の印象から逆向きに工数を当てはめる方法だと、稼働と収入のズレが起きやすくなります。「自分の時給目標×工数」から積み上げる方が正確です。相場を「参照する」のと「そのまま採用する」のは別であり、相場が自分の時給目標を下回る案件は受注基準から外す判断ができるようになります。
【注意点】: 工数の読み違いは経験者でも起きます。初期の案件では想定工数の1.3〜1.5倍かかることが多く、その分を最初から見積もりに乗せておくことが現実的です。「修正は2回まで込み」のような上限を設けない見積もりは避けてください。
ハック2: 固定価格表を作ってクライアントに提示する
【対象】: 案件のたびに「いくらにしようか」と迷い、毎回値引き交渉に乗ってしまう方
【手順】: 制作物ごとに基本料金・修正回数・含まれる作業範囲を一覧表にまとめます(初回作成に2〜3時間)。表をPDFまたはポートフォリオサイト上に公開し、問い合わせ時にリンクを送れる状態にします(30分)。値引き交渉が来たら「作業範囲を変更する形であれば対応できます」と返し、単価を固定したまま条件を調整します(対応は都度10〜15分)。
【ポイントと理由】: 固定価格表を公開すると、価格交渉の時間が減り、適正価格を理解しているクライアントだけが問い合わせてくる状態になります。価格の透明化は値下げ要求を減らす効果があります。
【注意点】: 固定価格表を作った後に案件が減ることを心配する方もいます。価格を見て離れるクライアントは継続案件になりにくい傾向があります。最初の表は多少高めに設定して後で下げる方向に調整する方が、最初から低く設定して後から上げようとするより現実的です。
ハック3: 修正費を見積もりの条件として明文化する
【対象】: 修正が繰り返され、最終的に時給が大幅に下がった経験がある方
【手順】: 見積もり書に「修正〇回まで基本料に含む」「超過分は1修正あたり〇円」の条件を明記します(5分)。受注時にクライアントに条件を口頭でも説明し、合意を確認します(5〜10分)。修正依頼が上限を超えた時点で、次の修正前に超過費用の発生を連絡します(メール作成5分)。
【ポイントと理由】: 修正回数の上限を決めておかないクライアントとの関係は、制作者が損をする構造になりやすいです。修正が繰り返されて時給が大幅に低下したという経験は珍しくありません(Yahoo!知恵袋:デザイン費の相場について)。修正費の明文化は、都度交渉をなくす仕組みです。
【注意点】: 修正上限をクライアントに告げるタイミングは、受注後ではなく見積もり提示時です。後から「実は上限があって」と言うと不満を生む可能性があります。条件は最初から書面に入れておくことが前提です。覚書の書き方を参考に、合意内容を文書で残す習慣をつけると後のトラブルを防げます。

ハック4: 高単価領域の実績を1件作る
【対象】: チラシ・名刺中心の案件から抜け出せず、単価を上げたくてもアピール材料がない方
【手順】: ブランディング・パッケージ・アートディレクションのうち1領域を選び、自主制作またはNPO・スタートアップへの低価格提案で実績案件を作ります(制作期間2〜4週間)。制作意図・プロセス・結果を言語化したケーススタディをポートフォリオに追加します(作成2〜3時間)。その実績を核に、同領域のクライアントへの提案を1件行います(提案準備3〜4時間)。
【ポイントと理由】: クライアントが見ているのは受注歴の件数ではなく「どう考えてどう作ったか」の説明です。プロセスを言語化した実績1件は、商業案件10件分の信頼材料になることがあります。自主制作でも質の高いケーススタディがあれば提案できるケースがあります。
【注意点】: NPOやスタートアップへの低価格実績は、後に「安く受けてくれる人」として定着するリスクがあります。「ポートフォリオへの掲載許可と実績としてのクレジット記載を含む」旨を最初に合意してから受けると、費用を下げた理由がケーススタディとしての価値獲得であることが明確になります。
ハック5: 既存クライアントを月額契約に移行する
【対象】: 単発案件の繰り返しで収入が月によってばらつく方
【手順】: 月に複数回依頼が来るクライアントに対し、月額〇円・月〇時間または〇点対応の定額プランを提案します(提案資料作成1〜2時間)。月額プランのメリットをクライアント側の視点で説明します(毎月予算確定・優先対応・修正コミュニケーション削減、説明15分)。3か月単位で契約を結び、稼働状況を確認してから継続の有無を協議する形にします(初回契約書確認30分)。
【ポイントと理由】: 月に2〜3回定期依頼が来るクライアントは月額化の候補になります。月額契約は「都度見積もり・都度請求」の作業コストをなくし、クライアントにとっても予算管理がしやすくなるため、単価の維持・小幅な引き上げが交渉しやすくなります。
【注意点】: 月額契約で注意が必要なのは「対応範囲の定義」です。「月額〇円で何でも対応する」という形は、後から追加の大型案件を同額で求められるリスクがあります。月額プランには「対象作業の種類」「月当たりの点数または時間数」「範囲外の追加費用」を明記することが前提です。
見積もり条件は6項目で決まる
見積もりを出すたびに迷う人は多くいますが、迷いの多くは「何を条件に入れるか」が決まっていないことから来ています。以下の6項目を事前にテンプレート化しておくと、見積もりの組み立て時間が短縮されます。
見積もりに入れるべき6項目
6項目の内容と、各項目で判断する際の目安を以下に示します。
見積もり条件1: 作業範囲の明示
「ロゴデザイン1点」ではなく「コンセプト提案・デザイン3案提出・最終データ納品(AI・PNG・PDF)」のように、含まれる作業を具体的に書きます。作業範囲が曖昧な見積もりは、後から「それも込みだと思っていた」という認識ズレを生む原因になります。
見積もり条件2: 修正回数の上限
基本料金に含む修正回数を明記します。「デザインの方向性が合わなかった場合の再提案」と「細部の色・テキストの修正」を分けて定義しておくと、後の判断がしやすくなります。
見積もり条件3: 修正超過費用
修正回数の上限を超えた場合の1回当たりの追加費用を書きます。3,000〜10,000円の範囲で設定している事例が多いですが、作業単価に応じて調整してください(見積もりの考え方)。
見積もり条件4: 納期
初稿提出日と最終納品日を明記します。修正ターンが増えると納期がずれることがあるため、「修正が〇回以内の場合の納期」として条件付きで記載すると現実的です。
見積もり条件5: 印刷・外部費用の扱い
印刷費・素材購入費・フォントライセンス費等は別途実費請求か込みかを明示します。含めずに後から請求すると、クライアントが予算オーバーと感じてトラブルになることがあります。
見積もり条件6: 著作権・使用権の範囲
納品データの使用範囲(媒体・期間・地域)を明示します。Web専用で発注されたデザインを印刷・看板等に転用した場合の追加料金、または全媒体一括の料金設定をあらかじめ提示しておくと、後の交渉がスムーズになります(デザイン依頼の費用相場)。著作権譲渡契約書のテンプレートを用意しておくと、高単価案件での権利関係の明確化に役立ちます。

デザイン事務所単価との比較
価格設定の参考として、デザイン事務所の相場を基準に1〜2割下げた水準で初期設定するという考え方があります(案件獲得方法と単価の考え方)。フリーランスはオーバーヘッド(会社の固定費・営業担当・経理処理)がない分、クライアントへの提供単価を下げられる余地はあります。ただしオーバーヘッドがない代わりに、営業・経理・請求業務を自分でこなす時間が発生するため、その工数を単価に含める考え方も成立します。
CHECK
▶ 今すぐやること: 見積もりテンプレートに6項目を追記する(15分)
現在使っている見積もり書を開き、上記6項目のうち抜けているものを追記してください。既存のクライアントへの次回見積もりから適用するだけで、後の認識ズレが起きにくくなります。
Q: 著作権の範囲はどう設定すれば良いですか?
A: 「発注された用途・媒体に限る」が出発点です。全媒体・無制限使用の場合は単価を上げるか、別途ライセンス料を設定するのが現実的です。契約書に使用範囲を明記することが、後のトラブル防止に直結します。
Q: 印刷費は含めないほうが良いですか?
A: 印刷費はクライアントが直接印刷所に発注する形が費用の透明性が高く、デザイン料と分離しやすいため、別途実費とする方がシンプルです。印刷の品質管理まで含めて対応する場合は、ディレクション料として加算するのが適切です。
グラフィックデザイン単価は時給から逆算で決める
フリーランスのグラフィックデザイナーの単価は、ロゴ3万〜30万円超・チラシ2万〜9万円・月額40万〜70万円が現在の目安です。制作物別の相場を覚えることより「自分の時給目標を決める」ことが先決であり、相場を参照しながら工数と時給目標を掛け合わせた案件単価の下限を設定する順序で動くと、案件を受けるたびに金額で迷う場面が減ります。
単価が上がらない理由の多くは、修正費・経費を入れ忘れた見積もりか、時給換算をしていない受注判断にあります。制作物ごとの固定価格表を作り、見積もり条件6項目を明記したテンプレートを用意すれば、次の案件から対応できます。
| 状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
| 時給が2,000円を割っている | 直近3件を時給換算して次の見積もり基準を引き上げる | 15分 |
| 修正費が未設定 | 見積もりテンプレートに修正上限と超過費用を追記する | 15分 |
| 月額移行を検討している | 月に複数回依頼が来るクライアントに定額プランを提案する | 1〜2時間 |
| 高単価領域に移りたい | ブランディング等の自主制作を1件作りポートフォリオに追加する | 2〜4週間 |
グラフィックデザイナー フリーランス単価に関するよくある質問
Q: 経験が浅い段階ではいくらから請求すれば良いですか?
A: 経験1年未満の場合、時給1,500〜2,000円・月額25万〜35万円程度が現実的な出発点です。低すぎる単価で受け続けると単価の引き上げが難しくなるため、最低ラインを決めてから受注判断してください。
Q: 単価をクライアントに断られたとき、どこまで下げて良いですか?
A: 下げるのではなく、作業範囲を縮小して同じ単価を維持する交渉を先に試みてください。金額だけを下げると「値引きできる相手」として定着し、以降の交渉が難しくなります。
Q: 法人クライアントと個人クライアントで単価を変えるべきですか?
A: 変えること自体は珍しくありません。法人は予算規模が大きい代わりに承認フローが多く修正回数が増えやすいため、その分を単価に含める考え方は合理的です。個人クライアントは決定が早い代わりに予算が限られるケースが多く、作業範囲を絞る形で対応するのが現実的です。
Q: 見積もりを出す前に予算を聞くのは失礼ですか?
A: 失礼ではありません。予算を先に確認することで、作業範囲の調整がしやすくなります。「ご予算の目安を教えていただけると、最適なご提案ができます」という聞き方であれば、クライアントにとっても話が進みやすくなります。
Q: 副業で受けている案件を本業化するときに単価はどう変えるべきですか?
A: 本業化した段階で経費(社会保険・税金・機材・通信費等)が全額自己負担になるため、副業時代の単価では収支が合わなくなる場合があります。本業化のタイミングで全コストを洗い出し、時給目標を引き上げてから単価を設定し直してください。フリーランスの開業資金の目安を事前に把握しておくと、本業化に向けた資金計画が立てやすくなります。

【出典・参照元】
グラフィックデザイナーはフリーランスを目指せる?エージェント活用