PowerPointファイルは「図の圧縮」機能を使えば、5ステップで画像容量を大幅に削減できます。Microsoft公式サポートも案内するこの機能は、96 ppi設定なら全画像を一括処理できます。この記事では解像度の選び方からトリミング削除の設定まで、クライアント納品前に使える手順を網羅します。

目次

この記事でわかること

96 ppi一括圧縮でメール添付用ファイルを5MB以下に抑える手順がわかります。解像度2択(96 ppi/150 ppi)の使い分け基準が3分で判断できます。圧縮後に元に戻せなくなる前の1分バックアップ手順がわかります。

この記事の結論

PowerPointの「図の圧縮」から「この画像だけに適用する」のチェックを外し、用途に合わせて96〜150 ppiを選ぶだけで、ファイルサイズは大幅に小さくなります。メール添付用なら96 ppi、画面閲覧用なら150 ppiが実務上の目安です。作業前に別名保存を済ませておけば、圧縮後に元画質へ戻す手段も確保できます。

今日やるべき1つ

送付前のPowerPointを開き、任意の画像を1枚選択して「図の形式」タブ→「図の圧縮」をクリックし、「この画像だけに適用する」のチェックを外して96 ppiで圧縮してください(3分)。

状況別ショートカット

状況読むべきセクション所要時間
全画像をまとめて軽くしたいパワポ画像は5ステップで一括圧縮5分
解像度の選び方がわからないパワポ画像圧縮は96ppiか150ppiで選ぶ3分
トリミングしても容量が減らないパワポはトリミング削除で容量を追加圧縮2分
Mac/Windowsの操作差を確認したいパワポ圧縮はMac/Windowsで2箇所名称が異なる2分
圧縮後に元に戻せるか不安パワポ圧縮は5項目で安全に実行できる3分

パワポ画像は5ステップで一括圧縮

PowerPointには全スライドの画像を一括処理できる設定が標準で備わっています。1枚ずつ繰り返す必要はなく、ダイアログの設定1つで全画像を処理できます。手順は5ステップで完結します。

一括圧縮の手順は画像選択から始まる

圧縮作業は、まず任意の画像を1枚クリックして選択するところからスタートします。画像を選択すると上部リボンに「図の形式」タブ(Macでは「図の書式設定」)が表示されるので、そのタブを開いてください。リボン左側に「図の圧縮」ボタンが現れます。ここをクリックすると圧縮ダイアログが開き、以降の設定に進めます。

「この画像だけに適用する」を外すと全画像に適用される

ダイアログ内の「この画像だけに適用する」というチェックボックスが、一括処理の鍵です。初期状態ではチェックが入っており、この状態で圧縮すると選択中の1枚だけが対象になります。チェックを外すと、ファイル内の全スライドにある画像がまとめて処理対象になります。50枚のスライドに100枚の画像があっても、この操作1回で全て圧縮されます。

「図のトリミング部分を削除する」は必ず有効にする

同じダイアログ内の「図のトリミング部分を削除する」も見落としがちな設定です。PowerPointは初期状態でトリミングで切り取った部分のデータを保持し続けます。この設定を有効にすることで、見えていない領域のデータが削除され、ファイルサイズをさらに小さくできます。特に写真を多用した資料では、この設定の有無だけで数MB単位の差が出ます。圧縮時は必ずチェックを入れておいてください。なお、画像圧縮で画質落とさない方法については別記事でも詳しく解説しています。

解像度を選んでOKを押せば圧縮完了

ダイアログ下部の「解像度」欄で目的に応じたppiを選び、OKをクリックすれば処理は完了です。メール添付なら96 ppi、画面閲覧用なら150 ppiが基本の目安です。OKを押した直後から変更が反映され、ファイルを保存すると容量が小さくなった状態で上書きされます。作業後はすぐに上書き保存せず、別名保存するかどうかを先に確認してください。

CHECK

▶ 今すぐやること: 手元のPowerPointファイルを開き、画像を1枚選択して「図の圧縮」ダイアログを表示させてください(1分)。

Q: 「図の形式」タブが表示されません。どうすればよいですか?

A: 画像をクリックして選択状態にすると表示されます。テキストボックスや図形を選択している状態では表示されないため、スライド内の写真・画像オブジェクトをクリックし直してください。

Q: 圧縮後にファイルサイズが変わっているか確認する方法は?

A: Windowsではエクスプローラーでファイルを右クリック→「プロパティ」、Macではファイルを右クリック→「情報を見る」からサイズを確認できます。保存前後で数値を比較するのが確実です。

パワポ画像圧縮は96 ppiか150 ppiで選ぶ

用途を2つに分けて考えると、選択肢は実質96 ppiか150 ppiの2択です。それ以外の解像度は特殊用途向けであり、フリーランスの資料送付では使う機会はほとんどありません。

96 ppi(電子メール用)はメール添付と共有リンクに最適

96 ppiは「電子メール用」と表示される設定で、ファイルサイズを最も小さくできる解像度です。Gmailなど一般的なメールサービスの添付上限は25MB前後ですが、96 ppiを適用すると画像の多い資料でも数MB台に収まります。スライドを画面で閲覧してもらうだけであれば、96 ppiでも視認性に問題が生じることはほとんどありません。クライアントへの提出資料やオンライン共有専用ファイルには96 ppiを選ぶと、送受信の負担を最小化できます。なお、大容量ファイルの送付方法については別記事でまとめていますので、ファイルサイズが大きい場合は参考にしてください。

150 ppi(Web用)は社内回覧や画面プレゼンに適する

150 ppiは「Web用」と表示される設定で、96 ppiより画質を高く保ちながら容量削減できるバランス型です。写真のディテールをある程度維持したい場合や、プロジェクター投影を予定している場合は150 ppiが適切です。300 ppiや「高品質」設定は印刷物向けであり、画面表示のみのプレゼン資料に使うとファイルサイズが大きくなるだけで見た目の差はほとんど出ません。画面表示のみの資料では、迷わず150 ppi以下を選んでください。

圧縮後は元の解像度データを復元できない

圧縮後に解像度を元に戻す機能はPowerPointには存在しません。圧縮を実行してファイルを保存した時点で元の高解像度データは失われます。後述の別名保存(バックアップ)を事前に行っていれば、元データを参照できます。「保存してしまったけれど戻したい」という状況を避けるために、圧縮前のバックアップは1分で完了する最重要の準備です。

CHECK

▶ 今すぐやること: ファイルを別名保存してからメール送付用ファイルに96 ppiを適用し、ファイルサイズを確認してください(5分)。

Q: 220 ppiや330 ppiという選択肢はどう使い分けますか?

A: 220 ppiは「印刷用」、330 ppiは「高品質」設定で、主に紙への印刷を前提とした解像度です。画面閲覧専用のプレゼン資料では使う機会はほとんどなく、クライアント提出資料では96〜150 ppiで十分です。

Q: 解像度を変えると画像の「見た目のサイズ」も変わりますか?

A: スライド上の画像の表示サイズは変わりません。変わるのはファイル内に保存されたデータ量だけです。スライドの見た目はそのまま維持されます。

パワポはトリミング削除で容量を追加圧縮

圧縮したのに容量がほとんど減らなかった場合、原因の大半はトリミングで非表示にした領域のデータが残っているためです。この設定を見落としている資料では、数MB単位の無駄なデータが残り続けています。

トリミング後のデータはPowerPointに保持される仕組みになっている

PowerPointは画像をトリミングしても、切り取った部分のデータを削除せず内部に保持し続けます。これは「元の状態に戻せる」ようにする設計ですが、ファイルサイズの観点では不要なデータを抱え続けることを意味します。写真の右半分だけを表示するようにトリミングしても、非表示にした左半分のデータは圧縮しない限りファイル内に残ります。10〜20枚の画像にトリミングを使用している場合、この設定の有無が数MB単位の差につながります。

「図のトリミング部分を削除する」の操作方法

「図の圧縮」ダイアログを開くと、解像度設定の上に「図のトリミング部分を削除する」というチェックボックスがあります。デフォルトでチェックが入っている場合が多いですが、入っていなければ有効にしてから圧縮を実行してください(Microsoftサポート:プレゼンテーションのファイルサイズを小さくする)。この設定は圧縮と同時に実行されるため、個別に操作する必要はありません。一括圧縮と組み合わせることで、ファイル内の全画像のトリミング残余データを一度に削除できます。また、圧縮前に画像をトリミングする無料サイトで外部処理してからPowerPointに貼り付ける方法も効果的です。

トリミング削除後は「元に戻す」ボタンが無効になる点に注意

トリミング削除を含む圧縮を実行すると、ファイル保存後はPowerPoint内の「元に戻す(Ctrl+Z)」では復元できなくなります。ファイル保存前であれば操作自体を取り消せる場合もありますが、保存後は元のトリミング前データは失われます。保存前の別名コピーで対処するのが唯一確実な安全策です。作業前に「名前を付けて保存」でバックアップ用ファイルを別に作っておいてください。

CHECK

▶ 今すぐやること: 「図の圧縮」ダイアログで「図のトリミング部分を削除する」にチェックが入っているか確認してください(30秒)。

Q: トリミングを使っていない画像でも「図のトリミング部分を削除する」は有効にすべきですか?

A: 有効にしたまま問題ありません。トリミングされていない画像には処理が適用されないため、チェックを入れたままにしておいてください。

Q: 圧縮ダイアログを開いたら「図のトリミング部分を削除する」がグレーアウトしています。なぜですか?

A: 選択中の画像にトリミングが適用されていない場合や、すでに処理済みの場合にグレーアウトします。一括圧縮モード(「この画像だけに適用する」を外した状態)では他の画像のトリミングデータも処理対象になるため、そのままOKを押して問題ありません。

パワポ圧縮はMac/Windowsで2箇所名称が異なる

基本的な手順はWindowsとMacで共通ですが、タブ名と一部のオプション表示に差があります。名称の違いを把握しておくことで、どちらのOSでも迷わず操作できます。

Windowsは「図の形式」、Macは「図の書式設定」タブを使う

Windowsでは画像を選択すると「図の形式」タブが表示されますが、Macでは「図の書式設定」と表示されます(NTT東日本BizDrive:画像圧縮でパワーポイントのファイル容量を減らそう)。「図の圧縮」ボタンの位置はどちらも同じリボン左側にあるため、タブ名で混乱しなければ以降の操作は同一です。Microsoft 365サブスクリプション版)では両OSともに操作体系が近づいており、バージョンによって多少の表示差はありますが、「図の圧縮」ダイアログの構成は共通しています。

Mac版は解像度の選択肢の表示が英語になる場合がある

Macのバージョンによっては、解像度オプションが「96 ppi」「150 ppi」などの数値表示のみで、「電子メール用」「Web用」などの説明が省略される場合があります。この場合、96 ppiがメール添付用・150 ppiが画面閲覧用という対応関係はWindowsと変わりません。数値で判断すれば問題なく使えます。

Windowsの「詳細設定」で既定の圧縮レベルを変更できる

Windowsでは「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」→「イメージのサイズと品質」から、新規挿入画像に適用される既定解像度を変更できます。「ファイル内のイメージを常に圧縮しない」のチェックが外れていることを確認し、既定の解像度を150 ppi以下に設定しておくと、今後挿入する画像の初期解像度を抑制できます。Macでは同等のオプション設定がないため、都度「図の圧縮」から処理する運用になります。Windowsユーザーはこの設定を一度入れておくと、毎回ダイアログを開く手間を省けます。

CHECK

▶ 今すぐやること: Windowsユーザーは「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」→「イメージのサイズと品質」を開き、既定解像度の設定を確認してください(2分)。

Q: iPad版PowerPointでも「図の圧縮」機能は使えますか?

A: iPad版(PowerPoint for iOS)では「図の圧縮」ダイアログが表示されない場合があります。iPadで作業した資料をWindowsまたはMacに移してから圧縮処理するのが確実です。

Q: PowerPoint 2016と365では操作が異なりますか?

A: 基本的な「図の圧縮」手順は共通です。一部のバージョンでは解像度の選択肢の数や表現が異なることがあります。操作の流れは同じなので、ダイアログ内の選択肢を確認しながら進めてください。

パワポ圧縮を3分で判断できる状況別チェック

自分のケースでどの手順を優先すべきか迷う場合は、以下の質問に順番に答えてください。最適な対処法が特定できます。

Q1: ファイルサイズは何MB以上ですか?

10MB以上の場合はQ2へ進んでください。10MB未満の場合は画像圧縮より動画・埋め込みオブジェクトの有無を先に確認してください(Q3へ)。

Q2: 画像を複数枚使用していますか?

はいの場合は「この画像だけに適用する」のチェックを外した一括圧縮を実行してください(96 ppi推奨)。いいえの場合は1枚ずつ個別に圧縮し、トリミング削除も有効化してください。

Q3: ファイル内に動画や埋め込みExcelは含まれていますか?

はいの場合は動画を削除または外部リンクへ変更し、埋め込みオブジェクトを図として貼り直してください。いいえの場合は画像の解像度が220 ppi以上で挿入されている可能性が高いため、図の圧縮を実行してください。

Result A: 10MB以上で複数画像あり

一括圧縮(96 ppi+トリミング削除)を実行後、ファイルサイズを再確認してください。目標は5MB以下です。

Result B: 10MB以上で画像は少数

1枚ずつ「図の圧縮」を実行してください。加えて、スライドマスターや使用していないレイアウトに埋め込まれた画像がないか確認してください。

Result C: 動画・埋め込みオブジェクトあり

画像圧縮の前に動画ファイルをリンク形式へ変更するか削除してください。画像圧縮だけでは限界があります。

Result D: 10MB未満で軽量化したい

一括圧縮を実行しつつ、保存設定で「ファイル内のイメージを常に圧縮しない」のチェックが入っていないか確認してください。

CHECK

▶ 今すぐやること: 上のQ1から順に答えて自分のResultを特定し、対応する手順を実行してください(3分)。

Q: 画像圧縮以外でファイルを軽くする方法はありますか?

A: あります。スライドに動画が含まれている場合はその削除または外部リンク化が最も効果的です。またExcelをPowerPointに埋め込んでいる場合は「図として貼り付け」に切り替えることで容量を削減できます。

Q: 圧縮後もファイルサイズが変わらない場合、何が原因ですか?

A: 動画・音声・埋め込みオブジェクトが主因になっているか、保存形式が.pptx以外(.ppt形式等)の場合があります。.pptx形式で保存されているか確認し、動画・音声ファイルの有無を点検してください。

パワポ圧縮は5項目で安全に実行できる

事前の準備を整えることで、圧縮後に見た目が悪くなる状況や元に戻せなくなる状況を防げます。5つの項目を確認してから作業を始めてください。

作業前は必ず別名保存でバックアップを取る

圧縮は不可逆操作であるため、作業前に「名前を付けて保存」で別ファイルを作ることが最優先です。Windowsでは「名前を付けて保存」ダイアログをF12キーで、MacではCommand+Shift+Sで開けます。「_original」や「_backup」をファイル名に追加してクラウドストレージまたはローカルに保存しておけば、圧縮後に元データを参照できます。この1分の準備が「保存してしまって戻せない」という状況を防ぐ唯一の手段です。

圧縮後はスライドショーで画質を確認する

圧縮直後に編集画面で確認するだけでは不十分です。実際のプレゼンと同じ表示サイズで確認するためにスライドショー(F5キー)を起動し、図版・写真・ロゴが正しく見えるかチェックしてください。特に会社ロゴや製品写真は96 ppiで圧縮すると輪郭が甘くなる場合があります。確認後に問題があれば、別名保存したバックアップファイルから必要な画像を差し替えてください。

共有用と編集用を別ファイルで管理する実務運用

フリーランスがクライアントに資料を提出する場面では、「共有・送付専用の軽量版」と「自分が編集継続する高画質版」を分けて管理する運用が実務上のベストプラクティスです。

「送る用と自分で使う用で別々に保存するようにしています」と語るフリーランスのPowerPoint利用者もいます(note:パワポの画像圧縮メモ)。

軽量版は96 ppiで圧縮・送付し、高画質版はそのまま保管します。容量は2倍になりますが、クライアントから「もっと高画質で欲しい」と言われた場合でも即対応できます。

圧縮対象は画像だけでなく動画・埋め込みオブジェクトも確認する

画像圧縮でサイズが期待ほど減らなかった場合、動画や埋め込みExcelが原因のことがあります(Microsoftサポート:プレゼンテーションのファイルサイズを小さくする)。PowerPointに埋め込まれた動画は元ファイルを丸ごと保持するため、数十MBになることがあります。動画はYouTubeやVimeoへのリンクに置き換えるか、スライドから削除することを検討してください。埋め込みExcelは「図として貼り付け」に変更することで、元のExcelデータを切り離せます。

CHECK

▶ 今すぐやること: 圧縮予定のファイルを「_original」付きで別名保存してからバックアップを確保し、圧縮を実行してください(2分)。

Q: クラウド保存(OneDrive・Googleドライブ)と圧縮操作は関係しますか?

A: クラウド保存は独立した機能であり、PowerPointの「図の圧縮」はローカルのファイルデータを変更します。OneDriveには版管理機能があり、保存履歴から以前の状態に戻せる場合があります。ただしこれは確実に元に戻せる保証ではないため、別名保存でのバックアップを優先してください。

Q: 会社のテンプレートファイルを圧縮してよいですか?

A: テンプレートファイル(.potx)は圧縮前に必ずコピーを保管してください。テンプレートに含まれるロゴや背景画像を圧縮すると、以後そのテンプレートから作成する資料の品質に影響します。

パワポ画像圧縮は5つの実務ハックで最速化できる

圧縮作業を毎回確実にこなせるよう、フリーランスが実際に使える仕組みを5つ紹介します。手順を習慣化するだけで、送付直前の作業時間を3分以内に短縮できます。

ハック1: 送付直前に「圧縮チェックリスト」の手順を踏んで送付忘れゼロにする

【対象】: クライアントへ資料を定期的に送付するフリーランス全般

【手順】: 完成したPowerPointファイルを「_draft」付きで別名保存します(30秒)。次に別名保存したファイルで「図の圧縮」→「この画像だけに適用する」を外す→96 ppiで一括圧縮します(1分)。スライドショー(F5)で全スライドを目視確認し、問題なければ「_send」付きでもう一度別名保存して送付します(2分)。

【コツと理由】: 「圧縮専用の送付ファイルを最終工程で作る」習慣にすることで送付忘れがゼロになります。送付ファイルを都度新規作成することで、圧縮済みか未圧縮かの混在も防げます。高画質の編集用ファイルが手元に残るため、後から「高画質版で再送して欲しい」と言われても30秒で対応できます。

【注意点】: 送付後に元ファイルも上書き保存するのは逆効果です。上書きすると編集用の高画質データが失われ、後の再利用ができなくなります。

ハック2: 挿入前の外部圧縮で貼り付け時の容量を削減する

【対象】: 写真や素材をPowerPointに貼る前に外部で準備するフリーランス

【手順】: 使用する画像ファイルをSquoosh(Google提供のブラウザツール)またはiLoveIMGに一括アップロードします(1分)。WebPまたはJPEGで、幅1920px・品質70%を目安に書き出します(2分)。書き出した画像をPowerPointに挿入します(30秒)。

【コツと理由】: 実務では「貼り付け前に外部ツールで圧縮しておく」ほうがトータルの容量削減効率が高くなります。PowerPointの「図の圧縮」は挿入済みの高解像度データから圧縮するのに対して、外部圧縮は最初から小さいデータを挿入するため、起点となるデータ量が異なります。幅1920pxを超える写真をそのまま貼り付けると、PowerPoint内部では圧縮後も元の高解像度情報が一部残ることがあります。

【注意点】: Webから直接高解像度素材を貼り付けるだけでは非効率です。特に5MB以上の写真は外部圧縮を先行させてください。

ハック3: 画像の枚数が多い資料は「圧縮優先順位リスト」で作業時間を短縮する

【対象】: 30枚以上のスライドに写真・図版が多数ある資料を作成するフリーランス

【手順】: 「表示」→「スライド一覧」で全スライドを一覧表示し、画像が多いスライドを目視で特定します(2分)。特定したスライドの画像から先に個別圧縮(96 ppi)を実行します(3分)。残りの全画像を一括圧縮でまとめて処理します(1分)。

【コツと理由】: 写真1枚が5MB以上のスライドが数枚あるだけで全体の容量の大部分を占めるケースが多くなります。大きい画像を先に個別処理してサイズを確認し、目標ファイルサイズに達したかどうかを判断してから一括処理する順序にすることで、無駄な試行回数が減ります。目標値は「メール添付なら5MB以下」「クラウド共有なら10MB以下」が実務上の基準です。

【注意点】: 全スライドを一括圧縮した後も目標サイズに達しない場合は、動画・埋め込みオブジェクトを確認してください。

ハック4: PowerPointオプションの既定解像度設定で今後の作業を自動化する

【対象】: Windowsでの作業が中心で、毎回同じ解像度設定で圧縮しているフリーランス

【手順】: 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」を開きます(30秒)。「イメージのサイズと品質」セクションで「既定の解像度」を150 ppiまたは96 ppiに設定します(30秒)。「ファイル内のイメージを常に圧縮しない」にチェックが入っていないことを確認してOKを押します(30秒)。

【コツと理由】: このオプション設定を一度入れておくことで、新規挿入画像の解像度上限が自動的に制御されます。毎回の手動操作が不要になるため、圧縮を忘れた状態で送付してしまうリスクを下げられます。一度設定すれば全ての新規プレゼンテーションファイルに適用されます。

【注意点】: 「ファイル内のイメージを常に圧縮しない」にチェックを入れるのは逆効果です。このチェックを入れると画像データが無圧縮で保存されるため、ファイルサイズが極端に大きくなります。

ハック5: 圧縮済みファイルのサイズをメモしてクライアント別の目標値を設定する

【対象】: 複数クライアントに定期的に資料を送付するフリーランス

【手順】: 初回圧縮後のファイルサイズをメモアプリまたはスプレッドシートに記録します(1分)。クライアント別に「メール添付:5MB以下」「クラウド共有:10MB以下」などの目標値を設定します(1分)。次回の資料作成時に記録した目標値を基準に圧縮設定(96 ppiか150 ppi)を選択します(30秒)。

【コツと理由】: クライアントによってメール受信上限やクラウドサービスの違いがある場合、最適な設定は異なります。自社のツール環境・提出方法に合わせた目標サイズを記録しておくことで、毎回「どの設定にすべきか」を迷う時間をゼロにできます。記録の積み上げにより、同種の資料の圧縮結果が予測可能になります。

【注意点】: 資料の内容が変わった場合(動画追加・スライド枚数増加)は、過去の設定をそのまま流用するだけでは目標サイズを超えることがあります。圧縮後のサイズ確認は毎回必ず行ってください。

CHECK

▶ 今すぐやること: Windowsユーザーは今すぐオプション設定(詳細設定→イメージのサイズと品質)の既定解像度を150 ppiに変更してください(2分)。

Q: フリーランスがよく使う圧縮ツールとPowerPoint標準機能はどちらが便利ですか?

A: 定期的に資料を送付する場合はPowerPoint標準機能で十分です。ハック2で紹介したSquooshのような外部ツールは、写真素材を大量に使用する制作系フリーランスや、1枚あたり5MB超の高解像度写真を扱う場面で追加する選択肢として有効です。

Q: 圧縮後にファイルが逆に大きくなることはありますか?

A: 元の画像がすでに低解像度(96 ppi以下)の場合、圧縮処理がほぼ作用しないためサイズはほぼ変わりません。削減効果が出ない場合は動画・埋め込みオブジェクトを確認してください。

パワポ画像圧縮を完了させる:3分で終わる送付前チェック

PowerPointファイルの容量削減は「図の圧縮」機能に「この画像だけに適用する」のチェックを外す設定を加えるだけで、全画像を一括処理できます。メール添付用は96 ppi、画面閲覧用は150 ppiの2択で判断し、「図のトリミング部分を削除する」を有効にしておけばさらに容量を削減できます。圧縮前の別名保存は1分でできる最重要の準備です。

この手順を一度確立すれば、クライアントへの送付前チェックが3分以内に完了します。送付用・編集用の2ファイル管理を習慣にすることで、「送ったファイルが重すぎた」「元の画質に戻せない」という状況を根本から排除できます。

状況次の一歩所要時間
今すぐメール送付したい96 ppi一括圧縮を実行してファイルサイズを確認3分
定期的に資料送付しているオプション設定で既定解像度を150 ppiに変更2分
圧縮しても軽くならない動画・埋め込みExcelの有無を確認5分
バックアップを取りたい別名保存で「_original」ファイルを作成1分

パワポ画像圧縮に関するよくある質問

Q: 「図の圧縮」を実行しても画像の表示サイズは変わりますか?

A: スライド上の表示サイズは変わりません。圧縮はファイル内部に保存されているデータ量を減らす処理であり、スライドの見た目のレイアウトや画像の大きさはそのまま維持されます。

Q: PowerPointのファイルサイズが大きい原因は画像だけですか?

A: 画像が主因であることが多いですが、スライドに埋め込まれた動画・音声・Excelなどのオブジェクトも大きな容量を占めます。画像圧縮後もサイズが改善しない場合は、挿入タブから「オーディオ」「ビデオ」が含まれていないか確認してください。

Q: 圧縮後に「元の高画質に戻したい」場合はどうすれば良いですか?

A: 圧縮を実行してファイルを保存した後は、PowerPointの機能では元画質に戻すことができません。作業前に別名保存したバックアップファイルが唯一の復元手段になります。バックアップなしで保存してしまった場合は、元の画像ファイルを再度挿入し直すしか方法がありません。

【出典・参照元】

Microsoftサポート:プレゼンテーションのファイルサイズを小さくする

NTT東日本BizDrive:画像圧縮でパワーポイントのファイル容量を減らそう

note:パワポの画像圧縮メモ