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顛末書の書き方|フリーランス向け例文・テンプレート3選

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フリーランスの仕事術
顛末書の書き方|フリーランス向け例文・テンプレート3選
フリ転。

トラブルが起きたとき、顛末書を求められても「何を書けばいいかわからない」と手が止まることは珍しくありません。顛末書は発生から対応・再発防止までを5W1Hで整理する事実報告書です。この記事では、フリーランスが取引先に提出できるテンプレートと例文3選を解説します。

目次

この記事でわかること

顛末書と始末書の役割の違いを3分で理解できます。発生日時・経緯・原因・対応・再発防止策の5要素を網羅した6項目の構成がわかります。納品ミス・連絡遅延・誤共有の3場面に対応したテンプレートをそのままコピーして使えます。

今の仕事について、一番近いものは?

この記事の結論

顛末書は、発生日時・経緯・原因・対応・再発防止策の5要素を事実ベースで書く報告文書です。始末書が謝罪と反省を中心とするのに対し、顛末書は何が起きてどう対処したかの説明責任を果たす文書として機能します。フリーランスが取引先に提出する場合、推測・言い訳・感情表現を排除し、「誰が・いつ・何を・どうしたか」を時系列で明示することで信頼回復につながります。

最初に確認すること

顛末書を書き始める前に、「発生日時」「関係者名」「対応した日時と内容」の3点をメモで洗い出してください。この3点が揃っていないと、本文の時系列が崩れます。所要時間の目安は5分程度です。

状況別ショートカット

状況読むべきセクション所要時間
顛末書と始末書の違いを確認したい顛末書と始末書は役割が異なる文書3分
何を書くべきか項目を把握したい顛末書に必要な6項目と5W1H5分
取引先へ提出する例文がほしい社外向けテンプレート3選と例文10分
再発防止策が書けずに迷っている再発防止策は運用ルールで具体化4分
書いてはいけない表現を確認したい顛末書で避けるべき3つの表現3分
提出前のチェックをしたい顛末書の提出前7項目チェックリスト3分

顛末書と始末書は役割が異なる文書

顛末書と始末書の違いを最初に押さえておかないと、謝罪表現が多すぎて事実報告が薄くなるか、謝罪が足りず取引先の印象を損なうかのどちらかに偏ります。

始末書は謝罪・反省、顛末書は事実報告が中心

始末書は、問題を起こしたことへの謝罪と反省を主眼とする文書です。「深く反省しております」「再び同様の過ちを繰り返さないことをお誓い申し上げます」といった表現が中心に置かれます。これに対して顛末書は、何が起きてどう対処したかという事実の経緯と、今後の再発防止策を報告することが目的です(顛末書とは?始末書との違いや書き方|マイナビ)。

両者を区別する基準は「謝罪が主か、報告が主か」という一点です。フリーランスがクライアントに提出を求められた場合、ほとんどのケースは「顛末書」の形式が合っています。社内規程や依頼先の指定様式がある場合は、そちらを優先してください。

社外提出では謝罪は冒頭に1文、本文は事実で構成

取引先向けに顛末書を提出するとき、謝罪をどの程度書くかが迷いどころになることが多くあります。実務上の目安は、冒頭に謝罪を1文入れ、本文は事実・原因・対応・再発防止に徹することです(顛末書の書き方解説|信頼を回復し評価を上げる|Invoy)。謝罪を本文全体に散りばめると、事実が伝わりにくくなるうえ、「弁解が多い」と受け取られるリスクがあります。

なお、取引先へのメール送付時の文体や件名については、対応遅れのお詫びメール文例5選|社外・社内向けテンプレートで信頼回復も合わせて参考にしてください。

時候の挨拶は不要なビジネス文書

顛末書は時候の挨拶を入れないビジネス文書として扱われます(ビジネス文書としての基本|OneHR)。取引先に送る通常のメールや手紙には「お世話になっております」で始めることが多くありますが、顛末書では「件名」「発生日時」「報告者名」から直接入ります。「前略」や季語を入れる必要はありません。

CHECK

▶ 今すぐやること: 取引先から届いた依頼メールまたは契約書に「始末書」「顛末書」のどちらが指定されているか確認する(2分)

Q: 顛末書を書いたことがないフリーランスでも、ひとりで作成できますか?

A: はい、書ける形式です。本記事のテンプレートを使えば、発生事実を5W1Hに当てはめていくだけで草稿が完成します。取引先に指定様式や記載事項の要望があれば、先に確認してから作成してください。

Q: 顛末書と謝罪文は別々に出すべきですか?

A: はい、取引先から両方を求められた場合は別々に出します。どちらか一方を求められた場合は、求められたものを優先します。顛末書に冒頭謝罪を1文入れれば、謝罪文を別途作成する必要がないケースも多くあります。

顛末書に必要な6項目と5W1H

まず6項目の全体像を把握してから、各項目に5W1Hを当てはめていくと、書く手が止まりにくくなります。

基本6項目の役割と書く内容

顛末書の基本構成は6項目で成り立ちます(【テンプレ&記入例あり】顛末書とは?書き方や始末書との違い|マネーフォワード)。

最初の「宛名・提出日・提出者・件名」は文書の封筒部分に相当します。宛名は担当者名か部署名を入れ、「関係各位」は使わないほうが無難です。件名は「〇〇に関する顛末書」の形で、何についての顛末書かが一目でわかる内容にします。

「発生日時・場所・関係者」は最初に書く事実の核です。「2026年8月29日(土)13:00頃、オンライン納品時」のように、いつ・どこで・誰が関わったかを具体的に入れます。「先週末ごろ」「午後のある時点」といった曖昧な時間表記は避けてください。

「経緯・原因・損害・対応状況・再発防止策」は本文の5要素です。経緯は時系列、原因は確認できた事実と推定を区別、損害は取引先への具体的影響、対応は誰がいつ何をしたか、再発防止は次回以降の運用ルールとして書きます。

5W1Hで情報の漏れを確認する

5W1Hは、顛末書の各項目に情報が揃っているかを点検するための枠組みです(顛末書の書き方とテンプレート|Templex)。本文を書き終えた後に下の表で漏れがないかを確認してください。

5W1H対応項目記載例
When(いつ)発生日時・対応日時2026年8月29日13:00ごろ
Where(どこで)発生場所・媒体クラウドストレージ上の納品フォルダ
Who(誰が)発生者・関係者〇〇(報告者)、担当者△△様
What(何を)発生内容・損害納品ファイルに旧版を誤って送付
Why(なぜ)原因バージョン管理のファイル名が重複していたため
How(どのように)対応・再発防止当日中に正しいファイルを再送、以降はファイル名にバージョン番号を付与

原因は「確認済みの事実」と「推定」を分けて書く

原因欄は、顛末書の中で最も主観的な表現になりやすいパートです。確認できた事実と推定原因を区別して記載するのが適切です(事実と推測の区別|dtnavi)。

「〇〇が原因と思われます」は推測表現であり、顛末書には適しません。「〇〇であることを確認しました(事実)。また、〇〇であった可能性が高いと判断しています(推定)」のように分けて書くと、読み手が事実の確度を判断できます。調査が続いている場合は「現在調査中」と明示してください。

要点整理

発生日時は「〇月〇日〇時ごろ」まで具体化した。宛名は担当者名または部署名を使用し「関係各位」は避けた。原因欄に「〔確認できた事実〕」と「〔推定〕」の見出しを設けた。5W1H表で記載漏れがないことを確認した。

Q: 損害欄に金額を書く必要がありますか?

A: 損害が金銭的なものであれば具体的な金額が望ましいですが、確定していない段階では「現在算定中」と書き、確定後に補足報告をする旨を添えます。確認できていない数字を推測で書くのは避けてください。

Q: 発生日時が特定できない場合はどうしますか?

A: 「2026年8月29日〜30日の間」のように確認できる範囲で記載し、「詳細な時刻については現在確認中」と注記します。不明と書きっぱなしにせず、いつ確定する見込みかも付けてください。

顛末書の提出前7項目チェックリスト

提出前に7項目を順番に確認すると、提出後の修正依頼や誤記を防ぎやすくなります。

文書の形式4項目

宛名の誤字を最初に確認します。担当者名の漢字、部署名の表記は、先方のメールや名刺と照合してください。「株式会社〇〇 御中」と「〇〇様」の使い分け(組織宛か個人宛か)を間違えると、先方の印象が悪くなります。

提出日は作成日ではなく提出日を記載します。メールで送る場合は送信日、持参する場合は手渡し日です。提出者名は担当者名のみでよいケースと、連絡先・フリーランスとしての屋号を添えるほうが丁寧なケースがあります。先方の担当者に確認できる場合は確認してから提出してください。

件名の形式は「〇〇に関する顛末書」が標準です。「ご報告」だけでは何の報告かが伝わりません。提出前に件名を読み直し、件名だけで内容が類推できるかを確認してください。

本文の内容3項目

推測・言い訳表現が残っていないかを確認します。「〜かもしれません」「〜と思われます」「〜のつもりでした」は顛末書に適さない表現です(顛末書の書き方とテンプレート|Templex)。一文ずつ読み返し、主語と述語の組み合わせが事実として成立しているかを確認してください。

再発防止策が具体的かどうかを確認します。「注意します」「今後は気をつけます」は再発防止策として機能しません。「〇〇の手順を〇月〇日から変更し、毎回〇〇を行う」のように、いつから・何を・どのように変えるかが明示されているかを確認してください。

添付資料の漏れを確認します。メールのスクリーンショット、納品履歴、修正版のファイルなど、本文に「別添参照」と書いた資料が実際に添付されているかを送信前に確認してください(書き方と注意点|notepm)。

押さえておきたい点

宛名の漢字・敬称の使い分けを先方のメールと照合した。提出日が作成日ではなく実際の送付日になっている。件名が「〇〇に関する顛末書」の形式になっている。「〜かもしれません」「〜のつもりでした」が本文に残っていない。再発防止策に実施開始日と具体的な変更内容が明記されている。「別添参照」と書いた資料がすべて添付されている。提出者の連絡先・応答時間が末尾に入っている。

社外向けテンプレート3選と例文

白紙から書き始めると時系列の抜けや表現の迷いが起きやすいです。3つのテンプレートは「納品ミス系」「連絡遅延系」「情報漏えい系」の場面を想定して作成しました。状況に近いものを選び、〔〕内を実際の内容に書き換えて使ってください。

テンプレート1:納品ミス・ファイル誤送付

このテンプレートをコピーして使用してください。

顛末書

〔提出日〕2026年〇月〇日

〔宛名〕〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様

〔提出者〕〔屋号・氏名〕 〔連絡先メールアドレス〕

件名:納品ファイル誤送付に関する顛末書

このたびは、納品ファイルの誤送付により多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

発生日時

〔例: 2026年8月29日(土)13:00ごろ〕

発生内容

〔例: 最終版ファイル(v3)を納品する予定のところ、旧版ファイル(v2)を送付しました〕

経緯

〔例:

8月28日18:00 作業完了、v3ファイルを保存

8月29日13:00 納品フォルダにv2ファイルを誤ってアップロード

8月29日15:30 先方担当者様よりご指摘を受け発覚〕

原因

〔確認できた事実〕保存フォルダ内にv2・v3が同名(”final”)で混在していました。

〔推定〕ファイル名を統一していなかったことで、目視確認時に誤選択しました。

損害・影響

〔例: 作業のやり直しによる〇時間の遅延、先方確認作業の発生〕

対応状況

8月29日15:45 正しいファイル(v3)を再送済み

8月29日16:00 口頭でのお詫びおよび経緯の説明を実施済み

再発防止策

納品ファイルのファイル名に「v〔数字〕_〔日付〕」を必ず付与する

送信前に宛先・ファイル名・ファイル内容の3点を声出し確認する

〔実施開始日: 〇月〇日〕

以上

謝罪は冒頭1文に収め、本文は番号付きで時系列と事実を整理しています。原因欄で「確認済み事実」と「推定」を分けているのは、事実の確度を読み手が判断できるようにするためです。損害が軽微でない場合は「5. 損害・影響」に「業務への支障時間:〇時間」「追加作業費用の発生有無:〔有/無〕」を加えてください。

テンプレート2:連絡遅延・返信漏れ

このテンプレートをコピーして使用してください。

顛末書

〔提出日〕2026年〇月〇日

〔宛名〕〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様

〔提出者〕〔屋号・氏名〕 〔連絡先メールアドレス〕

件名:ご連絡遅延に関する顛末書

このたびは、〇〇日間にわたりご連絡への返信が遅れ、多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

発生日時

〔例: 2026年8月25日(火)〇〇様よりご連絡をいただいた時点から2026年8月28日(金)まで〕

発生内容

〔例: 〇〇様からの確認依頼メールへの返信が〇営業日遅延しました〕

経緯

〔例:

8月25日 メール受信(当日中の確認漏れ)

8月26日〜27日 別案件の対応に集中し、受信ボックスを確認する頻度が低下

8月28日 〇〇様から再度ご連絡をいただき、遅延を認識〕

原因

〔確認できた事実〕当該メールに返信期限の設定をしておらず、タスク管理ツールへの登録も行っていませんでした。

〔推定〕別案件の対応を優先した結果、受信トレイの確認間隔が伸びました。

損害・影響

〔例: 〇〇様の確認作業が〇日遅延、後続スケジュールに影響を与えました〕

対応状況

8月28日〇〇時 返信および電話にてお詫びを実施済み

再発防止策

取引先からのメールは受信後〇時間以内に返信またはいったんの受領連絡を行う

タスク管理ツール(〔ツール名〕)にメール受信時点で期限付きタスクを登録する

〔実施開始日: 〇月〇日〕

以上

連絡遅延は自責感情が先走りやすいですが、原因欄では「タスク未登録」という事実に絞っています。感情的な自責表現ではなく、仕組みの欠陥として記述することで、再発防止策が具体的な運用変更として書けます。複数案件を並行しているフリーランスが多いため、「複数案件の優先度管理方法」を再発防止策に追記するとより実態に即します。

なお、返信遅れが発生した場合の対応については、対応遅れのお詫びメール|社外・社内別テンプレート5選も参考になります。

テンプレート3:情報・データの誤共有

このテンプレートをコピーして使用してください。

顛末書

〔提出日〕2026年〇月〇日

〔宛名〕〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様

〔提出者〕〔屋号・氏名〕 〔連絡先メールアドレス〕

件名:〔情報名〕誤共有に関する顛末書

このたびは、〔情報名〕を誤って共有する事態を生じさせ、多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

発生日時

〔例: 2026年8月30日(日)14:30ごろ〕

発生内容

〔例: A社向けの提案資料をB社担当者〔氏名〕様へ誤送信しました〕

経緯

〔例:

8月30日14:20 A社向け資料を作成・保存

8月30日14:30 送信先をB社担当者と誤認し送信

8月30日14:40 B社担当者様より「資料の内容が異なるようです」とご指摘をいただき発覚〕

原因

〔確認できた事実〕送信直前に宛先メールアドレスの確認を行いませんでした。

〔推定〕直前に行ったB社向けメールの返信操作が残っていたため、誤ったアドレスが自動補完されました。

損害・影響

〔例: A社の非公開情報が第三者(B社)へ開示された可能性があります。B社担当者様には誤送信の旨を連絡し、資料の削除をご依頼済みです〕

対応状況

8月30日14:45 B社担当者様に誤送信を謝罪・資料削除を依頼

8月30日15:00 A社担当者様へ事実を報告

8月30日15:30 現状把握のため内部確認を実施

再発防止策

メール送信時は必ず「宛先・件名・添付ファイル名」の3点を声出し確認する

他社向け資料にはファイル名に宛先会社名を含め、一目で識別できるようにする

〔実施開始日: 〇月〇日〕

以上

情報誤共有は影響範囲が広くなりやすいため、「対応状況」欄に複数のアクション(削除依頼・関係者への報告・内部確認)を時系列で記載しています。取引先が「何を、いつまでに処理したか」を確認できることで、信頼回復の基盤ができます。個人情報が含まれる場合は「6. 対応状況」に「個人情報保護委員会への報告要否の確認」を追記してください。守秘義務が契約で定められている場合は、損害欄に「契約第〇条に定める情報に該当する可能性があるため、法的責任の範囲を確認中」と加えます。

CHECK

▶ 今すぐやること: 状況に近いテンプレートを選び、〔〕内を手元の情報に置き換えて草稿を完成させる(15分)

Q: テンプレートに書かれていない項目が必要になった場合はどうしますか?

A: 「8. 添付資料」「9. 関係者コメント」のように番号を追加して項目を加えます。項目の数より、「読んだ相手が状況を正確に理解できるか」を優先してください。

Q: 社外向けと社内向けで書き方は変わりますか?

A: はい、変わります。社外向けは取引先との信頼回復を意識した丁寧な文体が必要です。社内向けは責任範囲・再発防止・共有事項を明確にすることが優先されます(社内提出時の構成|bizocean journal)。テンプレート1〜3は社外向けに対応しており、社内向けには謝罪文を簡略化してください。

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再発防止策は運用ルールで具体化

再発防止策の書き方ひとつで、顛末書全体の印象が変わります。「今後は気をつけます」という表現で締めると、取引先からの信頼回復には十分でないことが多くあります。

「注意する」ではなく「手順を変える」で書く

再発防止策として機能するのは、「行動の変化」が読み取れる記述です(再発防止策の整理|bizocean journal)。「注意する」「確認する」は意識の変化であり、仕組みの変化ではないため、再発リスクを下げる根拠として弱くなります。

具体的に書く基準は3点です。「いつから始めるか(実施開始日)」「誰が何をするか(行動の主体と内容)」「どこまで実施するか(頻度や量)」が明示されていれば、再発防止策として機能します。「今後は納品前に確認します」ではなく、「2026年9月1日より、納品前チェックリスト(別添)を用いて担当者が毎回3点を確認する」と書いてください。

原因と再発防止策を対応させる

原因が複数ある場合は、再発防止策も原因の数に対応させます。「ファイル名の重複(原因1)」と「送信前確認の省略(原因2)」があれば、再発防止策に「ファイル命名規則の変更(対策1)」と「送信前チェックリストの導入(対策2)」を対応させて書いてください(5W1Hと再発防止策|bizocean journal)。原因と対策の数が合わないと、「原因を把握しきれていない」という印象になります。

再発防止策の絞り込み

再発防止策を過剰に詳細化しすぎると、実行不可能な内容になることがあります。「毎朝10分かけて全案件のファイル名を確認する」のような高コストな手順は、数日後には形骸化するケースが多くあります。再発防止策として書くのは「今の業務フローに組み込める変更」に絞り、理想的な完璧手順を並べる必要はありません。再発防止策は1〜3点に絞り、実際に継続できるものを選ぶほうが取引先への説得力も増します。

確認事項

再発防止策の各項目に実施開始日が記載されている。原因の数と再発防止策の数が対応している。「注意します」「気をつけます」だけで終わっていない。再発防止策が1〜3点に絞られており、全て1週間以内に着手できる内容になっている。

Q: 再発防止策にツール名を書いてもよいですか?

A: 書いて構いません。「タスク管理はNotionで管理する」「ファイル送信前にGmailの送信後取り消し機能を確認する」のように具体的なツール名を書くと、実行可能性が伝わりやすくなります。

Q: 再発防止策は取引先が承認するものですか?

A: いいえ、承認事項ではなく「このように改善します」という報告として機能します。取引先が「この改善策では不十分」と判断した場合は、別途協議の場を設けることになります。

顛末書で避けるべき3つの表現

顛末書を書いた後で「表現がおかしい」と取引先から指摘されるケースは、ほぼ3つのパターンに集中しています。提出前にこのパターンを確認するだけで、修正依頼のリスクが下がります。

推測表現:「〜かもしれません」「〜と思われます」

顛末書は事実報告の文書であるため、確認できていない情報を「〜かもしれません」「〜と思われます」で書くと、信頼性が下がります(顛末書の書き方とテンプレート|Templex)。確認できていない情報は「現在調査中」と書き、確認できた範囲で事実として記載してください。

推測をゼロにする必要はありません。「推定原因」として明示的に区分すれば問題ありません。「〔推定〕ファイル名の混在が要因と考えられます」のように書くと、事実との区別がつきます。

言い訳表現:「〜だったため仕方なく」「〜のせいで」

原因欄に言い訳と読める表現が入ると、取引先が「責任を他に転嫁している」と受け取るリスクがあります(5W1Hでの整理|Invoy)。「依頼内容が不明確だったため」と書きたい場合も、「依頼内容の確認が不十分だった」と自分側の行動として書き直してください。「〇〇のせいで」という言い回しは、顛末書には使いません。

自分側に起因しない要因がある場合は、「〇〇が〇〇の状態にあったことを確認しました(事実)」と客観的に記載したうえで、「その確認を怠った点については報告者の責任です」と添えます。

感情表現:「悔しい」「焦っていた」「パニックになった」

顛末書は事実報告の文書であり、感情の記録ではありません。「焦っていた」「なぜそうなったか納得できない」などの感情表現は削除してください(顛末書の書き方|Adobe Acrobat)。誠実さを示したい場合は感情表現より「冒頭の謝罪1文」と「具体的な再発防止策」で示します。

感情的な言葉が入った草稿は、一晩おいてから読み返すと客観的に確認しやすくなります。書いた直後は感情が乗りやすいため、提出前の見直しでこのパターンが最も拾いやすくなります。

CHECK

▶ 今すぐやること: 書き上げた顛末書の原因欄を読み返し、「〜かもしれません」「〜のせいで」「焦っていた」の3表現がないか確認する(3分)

Q: 「今後このようなことがないように努力します」は使えますか?

A: 再発防止策の結びとして添えることはありますが、これ単独で再発防止策とするのは避けてください。具体的な運用変更を記載したうえで、この文を最後に添える形であれば問題ありません。

Q: 感情を書かないと誠意が伝わらないのではないですか?

A: 冒頭の謝罪1文と、具体的な再発防止策が誠意を示します。感情表現よりも「問題を正確に把握し、再発しない仕組みを整えた」という内容が、取引先の信頼回復に直結することが多くあります。

顛末書に関する情報をもとに自分のケースを診断

状況によって書き方の優先事項が変わります。3問の質問で、自分のケースに合ったアクションを確認してください。

Q1: 提出先は取引先(社外)ですか?それとも社内(上司・管理部門)ですか?

社外(取引先)の場合はQ2へ。社内の場合はQ3へ。

Q2: トラブルの影響が取引先の業務に出ましたか?

業務遅延・損害が発生した場合はResult A。発覚・連絡が遅れたが実害は軽微な場合はResult B。

Q3: 会社に顛末書の指定様式がありますか?

様式がある場合はResult C。ない場合はResult D。

Result A: 本記事のテンプレート1〜3から状況に近いものを選び、損害欄と対応状況欄を詳細に記載します。提出は翌営業日を目安とし、口頭(または電話)でのお詫びを先行させます。

Result B: テンプレート1〜3を使いつつ、損害欄を「実害は発生していないが、〇〇に影響を及ぼす可能性があったと判断しています」と記載します。軽微であっても経緯と再発防止策は省きません。

Result C: 指定様式を優先します。様式に記載項目がある場合は本記事の5W1Hと6項目の考え方を各欄の記載内容に当てはめます。様式に記載のない項目を追加する必要はありません。

Result D: 本記事のテンプレートを基本フォーマットとして使えます。社内向けの場合は謝罪文を簡略化し、「責任範囲」「関係部署への共有事項」を追加することを検討してください。

Q: フリーランスが顛末書を提出する義務はありますか?

A: 法的な義務は定められていませんが、契約書に「重大なトラブル発生時は書面で報告する」旨の条項がある場合は契約上の義務が生じます。義務の有無とは別に、提出することで取引先との信頼関係を維持しやすくなります。

Q: 口頭で謝罪した後にあらためて顛末書を提出する必要がありますか?

A: 取引先から求められた場合は提出します。求められていない場合でも、トラブルの影響が大きい場合は自発的に提出することで誠実な対応として評価されることが多くあります。

顛末書の書き方を5ハックで実践的に整理

「理屈は分かったが実際に書くとうまくいかない」という状態は珍しくありません。顛末書を完成させる上で、特につまずきやすい5点を整理します。

ハック1:発生事実は時系列で先に書く

対象: 本文を書こうとすると文章がまとまらず、作業時間が長くなっている人

手順: まず白紙に「発生日時・発覚日時・対応日時」を時系列で書き出します(5分)。次に各行に「誰が・何をしたか」を追記します(5分)。その記述を顛末書の「経緯」欄に貼り付け、文章として整えます(10分)。

ポイント: 「事実を時系列に並べる」作業を先にすると、抜けや重複に気づきやすく、整理にかかる時間が短くなります。最初から文章にしようとすると、事実の整理と文章化が同時進行になり、どちらも中途半端になることがあります。まず事実を並べ、整合性を確認してから文章に変換する手順を踏むことで、経緯欄の品質が上がります。

注意点: 最終的には文章(または番号付き段落)に整形して提出します。書き出しの段階で「推測」が混じっていないかも確認してください。「〜したはず」「〜だったと思う」が残っていれば、確認してから提出します。

ハック2:原因欄は「事実」と「推定」を見出しで分ける

対象: 原因の欄を書いていると、事実なのか自分の解釈なのか曖昧になってしまう人

手順: 原因欄に「〔確認できた事実〕」と「〔推定〕」の2つの見出しを先に書きます(1分)。「〔確認できた事実〕」には物理的・客観的に確認できたことだけを書きます(5分)。「〔推定〕」には事実から導いた解釈・分析を書きます(5分)。

ポイント: 「事実を書く」と言われても、何が事実で何が解釈かの区別は、意識しないと混ざりやすいです。見出しで分けておくと、書く段階で自動的に区別がつき、読み手も判断しやすくなります。見出し分けをしない場合と比べて、「この部分は確認しましたか?」という照会が来にくくなります(事実と推測の区別|dtnavi)。

注意点: 「〔推定〕」欄に書く内容は、事実から合理的に導けることに限ります。「おそらくこういう状態だったのではないかと思います」のような二重の推測は避けてください。調査が続いている場合は「〔現在調査中〕」を見出しとして加え、確定後に補足報告をする旨を添えます。

ハック3:再発防止策は「1週間以内に始められること」に絞る

対象: 再発防止策に「〇〇に注意する」とだけ書いて手が止まってしまう人

手順: 原因欄の各項目に対し「これを防ぐには、何の手順を変えるか」を書き出します(5分)。書き出した変更のうち「1週間以内に実行を始められるもの」だけに絞ります(3分)。各変更に「実施開始日」「実施頻度」「確認者(自分で確認するか、誰かに確認してもらうか)」を付けて再発防止策欄に記載します(5分)。

ポイント: 「注意する」で書いている再発防止策は意識変容に依存しており、再発防止として機能する根拠が弱いです。「理想の完璧な手順」を並べると実行できない内容になることが多くあります。「1週間以内に始められること」に絞ると実行可能性が高く、取引先にとっても「この人は実際に動く」という印象を与えやすくなります(再発防止策の整理|bizocean journal)。

注意点: 再発防止策の数が多すぎると、どれを優先するかが不明確になります。1〜3点に絞るほうが実行管理しやすく、次のトラブル報告があるときに「前回の改善策を実行していた」という証拠として示せます。

ハック4:提出前は「音読で違和感を拾う」

対象: 書き終えたが表現が適切かどうかの自信がない人

手順: 書き終えた顛末書を最初から最後まで一度黙読します(3分)。黙読が終わったら、同じ文章を声に出して読みます(3分)。音読中に「詰まった・引っかかった・変だと感じた」箇所に印を付け、その場で修正します(5分)。

ポイント: 画面上で黙読するだけだと、書いた内容を「こう書いたはず」という先入観で読んでしまい、言い訳表現・推測表現・感情表現を見落としやすいです。音読すると文の流れの中で「違和感」として感じやすくなり、問題箇所を見つけやすくなります(書き方と注意点|notepm)。長い文は音読中に「どこで息が切れるか」で論理の飛躍を発見できます。

注意点: 音読はひとりでできる確認作業ですが、固有名詞の表記が先方から届いたメール等と一致しているかは、音読と別に目視で確認してください。音読でつっかえなければ提出可能な水準として扱って構いません。

ハック5:社外向けは「連絡窓口と今後の連絡方法」を末尾に入れる

対象: 顛末書を送った後、取引先からの質問対応でやり取りが増えてしまう人

手順: 再発防止策の後に「今後のお問い合わせ窓口」として自分の連絡先を入れます(2分)。「本件に関してご質問がある場合は〔メールアドレス〕または〔電話番号〕へご連絡ください」と1文添えます(2分)。「〔氏名〕が〔応答可能な曜日・時間帯〕に対応いたします」と応答時間を明示します(2分)。

ポイント: 顛末書の受け取り手が最初に確認したいことのひとつは「次は誰に、何を聞けばいいか」という点です。末尾に連絡窓口を明示しない場合、取引先が「何かあればメールします」という形になり、やり取りが分散しやすくなります。窓口を1本化することで、確認のやり取りが集中し、双方の対応負荷が下がりやすくなります(5ステップの実務ガイド|onamae.com)。

注意点: 応答できない曜日・時間帯があれば正直に書いてください。「いつでも対応します」と書いておきながら返信が遅れると逆効果になります。フリーランスは稼働日が取引先と異なることが多いため、「平日10:00〜18:00に対応」のように具体的な応答時間を書くほうが実態に合っています。

重要ポイント

発生事実は文章化より先に時系列で書き出す。原因欄は「〔確認できた事実〕」と「〔推定〕」の見出しで区別する。再発防止策は1週間以内に始められる1〜3点に絞り実施開始日を明記する。提出前に音読で違和感を確認する。末尾に連絡窓口と応答可能時間を1文で明示する。

Q: 顛末書はメールに本文として書くのですか、添付ファイルにするのですか?

A: 取引先から指定がある場合はそれに従います。指定がない場合はPDFまたはWordで添付し、メール本文に「顛末書を添付しています」と1行添えるのが実務上の一般的な扱いです。

Q: フリーランスの場合、屋号がなければどのように提出者を書きますか?

A: 個人名と連絡先(メールアドレス)を記載すれば十分です。屋号があれば「屋号 / 氏名」と併記します。なければ「氏名(個人事業主)」と書いても問題ありません。

顛末書の書き方は事実整理から始まる

顛末書は、感情や謝罪の言葉で埋めるものではなく、何が起きてどう対処したかを事実ベースで示す文書です。発生日時・経緯・原因・対応・再発防止策の5要素を5W1Hで整理し、推測表現・言い訳表現・感情表現を排除することが、取引先の信頼回復に直結します。

本記事のテンプレートを使えば、発生事実を6項目に当てはめるだけで草稿が完成します。再発防止策だけは「今の業務フローに組み込める変更1〜3点」に絞り、「注意します」で終えずに実施開始日まで明記してください。顛末書の提出は問題そのものより、対応の誠実さと再発への具体策で評価されることが多くあります。

なお、フリーランスとして取引先との契約トラブルを未然に防ぐためには、外注契約書テンプレート無料8選|フリーランスが使える必須項目と書き方で契約書の基本を押さえておくことも重要です。

状況次の一歩所要時間
草稿がまだできていない発生日時・関係者・対応日時を時系列で書き出す5分
草稿はあるが表現が不安推測表現・言い訳表現・感情表現を確認して削除10分
テンプレートを選びたい状況(納品ミス/連絡遅延/誤共有)に近いテンプレートを選ぶ5分
再発防止策が書けていない原因ごとに「1週間以内に始められる変更」を1〜3点挙げる10分
提出前に最終確認をしたい提出前7項目チェックリストを使って確認する5分

顛末書の書き方に関するよくある質問

Q: 顛末書は手書きとパソコン作成のどちらが正しいですか?

A: パソコン作成(Word・PDF等)が現在の実務では一般的です。取引先から手書きを求められた場合はそちらに従います。フリーランスが取引先へ提出する場合はPDF化して送付するのが扱いやすい形式です。

Q: 顛末書に押印は必要ですか?

A: 取引先の指定があれば従います。指定がない場合、個人事業主としての実印や認印が必須という決まりはありませんが、会社宛の正式文書として提出する場合は、氏名の後ろに「印」欄を設けておくと丁寧な印象になります。

Q: 顛末書を出した後、取引先から「再提出してほしい」と言われた場合はどうしますか?

A: 指摘された箇所を修正したうえで、修正版を提出します。件名に「(修正版)」を付け、「先日提出分について〇〇を修正しました」と1文添えて再送します。旧版を削除するよう依頼することも検討してください。

なお、金額の誤記など請求関連のミスでお詫びメールが必要な場面については、金額間違いお詫びメール|3ステップで信頼回復する例文8選を参考にしてください。

【出典・参照元】

顛末書とは?始末書との違いや書き方|マイナビ

顛末書の書き方解説|信頼を回復し評価を上げる|Invoy

ビジネス文書としての基本|OneHR

顛末書の書き方とテンプレート|Templex

事実と推測の区別|dtnavi

再発防止策の整理|bizocean journal

5W1Hと再発防止策|bizocean journal

書き方と注意点|notepm

社内提出時の構成|bizocean journal

5ステップの実務ガイド|onamae.com

顛末書の書き方|Adobe Acrobat

【コピペOK】始末書・顛末書の書き方テンプレート集|note

社外向けテンプレート解説|musubu library

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