フリーランスも電子取引データ保存は原則対象で、2024年1月以降は電子データのまま保存が義務です。国税庁の電子帳簿保存法関連情報によると、最低限は「受領した電子データを検索できる状態で保存すること」が求められます。この記事では最低限の3ステップと検索要件緩和の条件を解説します。
この記事でわかること
電子帳簿保存法でフリーランスが最低限やるべき3ステップを30分で完了できます。前々年売上5,000万円以下なら検索機能の整備は不要で、フォルダと命名規則だけで対応できます。税務調査時に慌てない体制を、会計ソフトなしで今日から整えられます。
この記事の結論
フリーランスが電子帳簿保存法で最低限やるべきことは「電子取引データを、検索できる状態でそのまま保存すること」の1点です。前々年の売上が5,000万円以下であれば検索要件が緩和され、ファイル名ルールの整備だけで対応できます。会計ソフトがなくても、専用フォルダと命名規則を今日から整えることで、税務調査時に慌てない体制を作れます。
今日やるべき1つ
パソコン上に「電子取引書類」専用フォルダを作り、メールやクラウドで受け取った請求書・領収書のPDFをすべてそこへ移動する(10分)。
状況別ショートカット
| 状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| 自分が対象か確認したい | フリーランスも電子取引の保存は3区分で原則対象 | 3分 |
| 最低限の手順を今すぐ知りたい | 電子帳簿保存法の最低限対応は3ステップで完了 | 5分 |
| 検索要件が自分に必要か判定したい | フリーランスの対応を3分で自己診断 | 3分 |
| 運用を効率化したいフリーランス向け | フリーランスの電子保存は5つの仕組みで解決 | 7分 |
| 対応できているか確認したい | 電子帳簿保存法の対応を7項目でチェック | 3分 |
フリーランスも電子取引の保存は3区分で原則対象
事業規模や法人・個人を問わず、電子取引データの保存義務が課せられます。フリーランスも例外ではありません。
電子帳簿保存法の3区分と最重要区分
電子帳簿保存法(正式名称:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)は3つの区分で構成されています。第一の「電子帳簿等保存」は自分で作成した帳簿や書類を電子データで保存するもので、任意対応です。第二の「スキャナ保存」は紙で受け取った書類を電子化して保存するもので、こちらも任意です。第三の「電子取引データ保存」は、メールやクラウド、電子請求書サービスで受け取ったデータを電子のまま保存するもので、これだけが義務です。フリーランスが最低限対応しなければならないのは「電子取引データ保存」の1区分のみです。紙で受け取った領収書をスキャンする義務はなく、電子で受け取ったものだけを電子のまま残せば最低ラインを満たします。
電子取引の対象は受け取り手段で決まる
電子取引とは「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引」を指します(国税庁 電子取引の保存要件)。具体的にはメール添付のPDF請求書、クラウド会計ソフトからダウンロードした領収書、ECサイトの購入明細、電子請求書サービス(freee・マネーフォワードの請求書機能など)が対象になります。一方で、取引先が紙で郵送してきた請求書は電子取引に該当しないため、紙保存のままで法的に問題ありません。フリーランスの実務では、電子受領と紙受領を明確に分けて管理するだけで、対応範囲が一気にシンプルになります。「どの媒体で受け取ったか」が判断の唯一の軸です。
2024年義務化で猶予期間は終了
2024年1月1日以降、電子取引データを紙に印刷して保存することはできなくなりました。それ以前は経過措置として紙保存も認められていましたが、その猶予は終了しています。「電子データは電子のまま保存する」が現時点の絶対ルールです(国税庁 電子帳簿保存法関連情報)。2024年以降に受け取った電子データを紙出力のみで保管している場合、税務調査時に問題となるリスクがあります。なお、フリーランスの電子帳簿保存法対応については、確定申告との関連も含めて把握しておくとスムーズです。

CHECK
▶ 今すぐやること: 直近3か月に受け取った請求書・領収書が「メール/クラウド」か「紙郵送」か仕分けして、電子受領分がどれだけあるか確認する(10分)
Q: 副業の収入があるだけでも電子帳簿保存法の対象になりますか?
A: 事業所得や雑所得として申告する取引があれば、電子取引データ保存の対象になります。副業であっても電子で請求書や領収書を受け取っているなら対応が必要です。
Q: 電子帳簿等保存やスキャナ保存もやらなければなりませんか?
A: いずれも任意対応です。最低限対応として義務があるのは「電子取引データ保存」だけです。スキャナ保存を導入すると紙書類もまとめて電子管理できますが、義務ではありません。
電子取引の保存要件は真実性と可視性の2軸
保存要件は2つの軸を満たせば最低限の要件を達成できます。「難しいシステムが必要」というイメージとは異なり、実際の対応はずっとシンプルです。
真実性の確保は3つのうち1つで足りる
真実性の確保とは「保存データが改ざんされていないことを担保する」仕組みです。満たし方は3通りあります。第一はタイムスタンプを付与する方法で、専用サービスや対応会計ソフトを利用します。第二は訂正・削除ができないシステム(クラウドストレージの版管理機能など)を利用する方法です。第三は「訂正削除防止の事務処理規程」を整備する方法で、国税庁が公開するひな型を使えば無料で対応できます(国税庁 パンフレット(電子帳簿保存法))。3つすべてを用意する必要はなく、いずれか1つを選べばよい点が重要です。コストをかけたくない場合は事務処理規程の整備が現実的な選択肢になります。フリーランスでも1枚のWord文書で規程を整備できるため、システム導入コストゼロで真実性の確保が可能です。
可視性の確保は検索できる状態を作るだけ
可視性の確保とは「税務調査の担当者が保存データを画面上で確認・提示できる状態」を維持することです。具体的には、日付・金額・取引先の3項目で検索できる状態であることが求められます。会計ソフトを使えばこの要件は自動的に満たされますが、使っていなくても「ファイル名に日付・金額・取引先を含める」命名ルールで代替できます。例えば「20240401_(株)クライアント名_33000.pdf」のような命名規則を全ファイルに適用すれば、ファイル名検索で3項目が絞り込める状態になります。これが最低限かつ最も手軽な可視性確保の方法です。
前々年の売上5,000万円以下は検索要件が緩和される
前々年の売上が5,000万円以下の事業者は、検索要件の一部が緩和されます(国税庁 電子取引の保存要件)。この緩和措置では、日付・金額・取引先の3項目による検索機能の整備が免除されます。ただし「保存したデータを税務調査時にすぐ提示できること」は引き続き必要です。ファイルがどこにあるか分からない状態や、大量のファイルが無秩序に保存されている状態では緩和措置の恩恵を受けられません。多くのフリーランスが前々年売上5,000万円以下に該当するため、検索機能の整備よりも「どこに何があるかわかる保存状態」を優先することが実務上の正解です。領収書の電子保存の具体的なやり方と合わせて確認しておくと理解が深まります。

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▶ 今すぐやること: 国税庁のパンフレットを開き、事務処理規程のひな型があるか確認する(5分)
Q: タイムスタンプは必ず付けなければなりませんか?
A: タイムスタンプは真実性確保の3手段のうちの1つです。事務処理規程を整備するか、訂正削除ができないシステムを使う方法でも代替できます。コストをかけずに済む方法として、事務処理規程の整備が最も手軽です。
Q: 事務処理規程とは何ですか?自分で作れますか?
A: 電子データの保存・管理に関する社内ルールをまとめた文書です。国税庁が個人事業主向けのひな型を公開しており、それを自分の状況に合わせて修正するだけで作成できます。Word文書1枚程度で整備可能です。
電子帳簿保存法の最低限対応は3ステップで完了
実際の運用は思ったよりシンプルで、3つのステップを順番に実行するだけで最低限の対応が完了します。
ステップ1: 電子取引書類の専用保存場所を決める
最初に行うべきは「保存場所の固定」です。パソコン内に「電子取引書類」という専用フォルダを1つ作り、その中に「2024」「2025」のように年度別サブフォルダを作ります。Google ドライブやDropboxなどのクラウドストレージでも構いません。「電子受領の書類は必ずここに保存する」という一元化のルールを決めることが重要です。保存場所が複数に分散すると、税務調査時に提示できない書類が発生するリスクが生じます。場所を1か所に固定するだけで、探す時間と漏れのリスクを同時に解消できます。
ステップ2: ファイル名命名規則を決めて全書類に適用する
保存場所が決まったら、次はファイル名の統一ルールを決めます。推奨形式は「YYYYMMDD_取引先名_金額.pdf」です。例えば「20250401_株式会社ABC_55000.pdf」のようになります。この命名規則を全ファイルに適用すると、ファイル名検索で日付・取引先・金額の3項目を絞り込めるようになり、可視性の要件を満たせます。前々年の売上5,000万円以下で検索要件が緩和される場合でも、この命名規則を守ることで「すぐ提示できる状態」を確保できます。命名規則は一度決めたら変更しないことが大切で、途中で形式が変わると書類の探しやすさが低下します。
電子データで受け取った書類は電子のまま保存する運用を整えることが前提で、会計ソフトやクラウド運用はその補助手段として機能します(フリーランス向け対応手順解説)。
ステップ3: 真実性確保の方法を1つ選んで整備する
ステップ1・2で「保存場所」と「命名規則」が整ったら、最後は真実性確保の方法を1つ選びます。コストゼロで対応するなら「事務処理規程の整備」が最適です。国税庁のひな型をダウンロードして自分の屋号や事業内容を記入し、保存します。会計ソフトを使っている場合は、ソフトが真実性確保の要件を満たしているかを確認するだけで完了です。freeeやマネーフォワードクラウドはそれぞれ電子帳簿保存法の要件に対応した機能を持っており、ソフト上で管理するだけで対応できる場合が多いですが、プランによって機能差があるため公式サイトで確認してください。3ステップのうち、ステップ3が最も見落とされやすい工程のため、最初の1週間以内に完了させてください。なお、個人事業主の会計ソフト選びについてはfreee・マネーフォワード・やよいの比較を参考にしてください。

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▶ 今すぐやること: 「電子取引書類」フォルダを作成し、今月受け取った電子書類を「YYYYMMDD_取引先名_金額.pdf」形式でリネームして移動する(15分)
Q: 会計ソフトを使っていない場合、フォルダ保存だけで要件を満たせますか?
A: 前々年の売上5,000万円以下であれば、命名規則を守ったフォルダ保存で最低限の要件を満たせます。ただし真実性確保のために事務処理規程の整備も併せて行ってください。詳細は国税庁 電子帳簿保存法関連情報で確認してください。
Q: 既に電子データを雑然と保存してしまっている場合はどうすればいいですか?
A: 2024年1月以降分を対象に、保存済みのファイルを命名規則に合わせてリネームし、専用フォルダに整理し直す作業から始めてください。現時点からルールを適用することが重要です。
フリーランスの対応を3分で自己診断
以下の3つの質問に答えることで、今必要な対応が判定できます。
Q1: メール添付・クラウド・電子請求書サービスで書類を受け取ったことがありますか?
Yesの場合はQ2へ進んでください。Noの場合、現時点では電子取引データ保存の対応は不要です。ただし今後電子受領が発生した時点で対応が必要になるため、フォルダと命名規則の準備だけしておいてください。
Q2: 前々年の事業売上は5,000万円以下ですか?(開業1年未満の方もYesとして進んでください)
Yesの方はResult Aへ進んでください。Noの方はResult Bへ進んでください。
Q3(Result Aに該当する方向け): 電子受領した書類を専用フォルダに保存し、ファイル名に日付・取引先・金額を入れていますか?
YesならResult Cへ。NoならResult Aの対応から始めてください。
Result A: 検索要件緩和対象・未整備の方
前々年の売上5,000万円以下のため検索機能の整備は免除されますが、「すぐ提示できる状態」の確保は必要です。今日すぐに専用フォルダを作成し、「YYYYMMDD_取引先名_金額.pdf」の命名規則を設定してください。その後、事務処理規程を整備することで最低限対応が完了します(所要時間: 計30分)。
Result B: 検索要件の完全整備が必要な方
前々年の売上5,000万円超のため、日付・金額・取引先の3項目で検索できる仕組みの整備が必要です。会計ソフトの導入または検索対応のクラウドストレージの活用を検討してください。
Result C: 基本対応済みの方
フォルダ保存と命名規則が整っています。残るは真実性確保(事務処理規程またはソフト活用)の確認のみです。国税庁のひな型(電子帳簿保存法関連情報)で規程を整備すれば対応完了です。フリーランスの確定申告と帳簿保存の関係についても合わせて確認しておくと安心です。
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▶ 今すぐやること: Q1からQ3の質問に答えて自分のResultを確認し、該当する対応を今週中に実行する(3分)
Q: 免税事業者でも電子取引データ保存は必要ですか?
A: 消費税の免税事業者であっても、事業所得や雑所得があれば所得税の申告と電子取引データ保存の義務があります。免税事業者かどうかと電子帳簿保存法の対象かどうかは別の判断軸です。
Q: 前々年の売上が5,000万円以下かどうか、正確に判断するにはどうすればいいですか?
A: 確定申告書の「収入金額」欄の数字が基準になります。5,000万円のボーダーライン付近にいる場合は、税務署に確認してください。
フリーランスの電子保存は5つの仕組みで解決
月次の作業負担をほぼゼロにするには、仕組みを先に作ることが前提です。以下の5つの仕組みを整えることで、「最初だけやって後が続かない」という状態を防げます。
ハック1: 命名規則の一括設定でファイル整理を月0分にする
【対象】: メールやクラウドで書類を受け取る頻度が週1回以上のフリーランス
【手順】: ブラウザのダウンロードフォルダ先を「電子取引書類/年度」フォルダに固定します(5分)。ファイル名変更用のテキストメモ(「YYYYMMDD_取引先名_金額」のテンプレ)をデスクトップに常駐させます(2分)。書類受領のたびに10秒でリネームして保存するルールを習慣化し、月末の整理作業をなくします(以後継続)。
【コツと理由】: 「月末にまとめてリネームしよう」という運用では、取引先や金額を思い出せないファイルが必ず出てきます。受領直後であればリネームに10秒かかりませんが、1か月後では確認作業込みで5分かかることもあります。これが30件分になると月末整理だけで150分を失う計算です。リアルタイム処理を習慣化できれば月の整理時間はゼロになります。
【注意点】: 命名規則を途中で変更する必要はありません。「より良い形式」を見つけても、途中で変えると過去分との統一性が崩れ、検索性が低下します。最初に決めた規則を年単位で使い続けることが、運用の負担を減らす選択です。
ハック2: 会計ソフト連携で電子保存と帳簿記帳を同時完了
【対象】: freee・マネーフォワードクラウド等の会計ソフトを使っている、または導入を検討しているフリーランス
【手順】: 使用中の会計ソフトが電子帳簿保存法の「タイムスタンプ付与または訂正削除防止機能」に対応しているか確認します(10分)。対応している場合、ソフト上でのデータ取込・保存フローに切り替え、個別のフォルダ保存と二重管理しない運用に移行します(15分)。非対応の場合はソフトの公式ヘルプページまたはサポートに問い合わせて対応予定を確認します(10分)。
【コツと理由】: 「会計ソフトと別に電子保存フォルダを管理する」という二重管理は「どちらが最新か」の混乱を生み、税務調査時に提示できない書類が発生する原因になります。freeeやマネーフォワードクラウドはそれぞれ電子帳簿保存法の要件に対応した機能を持っており、ソフト上で管理するだけで真実性・可視性の両要件をカバーできる場合があります(個人事業主の対応解説)。プランによって機能差があるため、公式サイトで「電子取引データ保存に対応」のプランか否かを確認してください。
【注意点】: 会計ソフトが電子帳簿保存法対応を謳っていても、プランによって機能差がある場合があります。「電子取引データ保存に対応」のプランか否かをソフトの機能ページで確認してください。
ハック3: 事務処理規程をひな型からゼロコストで整備
【対象】: タイムスタンプサービスの費用をかけずに真実性確保の要件を満たしたいフリーランス全般
【手順】: 国税庁のウェブサイトで個人事業主向けの「事務処理規程ひな型」を検索してダウンロードします(5分)。ひな型内の「事業者名」「屋号」「保存場所のパス」等を自分の実態に合わせて書き換えます(10分)。完成したWord文書を「事務処理規程_(自分の屋号).docx」として電子取引書類フォルダ内に保存し、毎年1回内容を確認します(5分、以後年1回)。
【コツと理由】: 事務処理規程の整備はタイムスタンプと同等の真実性確保手段として認められています。タイムスタンプサービスは月額数百円〜数千円程度かかる場合がありますが、事務処理規程ならコストゼロです。規程の内容が「受領後○日以内に保存する」「保存後は内容を変更しない」等の具体的なルールを含んでいることが前提で、抽象的な文言だけでは規程として機能しません。
【注意点】: 事務処理規程を整備したからといって、データの改ざんが事後的に発覚した場合に免責されるわけではありません。規程はあくまで「改ざんしない運用を宣言する文書」であり、実際の運用がルールに沿っていることが前提です。
ハック4: バックアップ二重化で税務調査時のデータ消失リスクをゼロにする
【対象】: ローカルのパソコンのみに電子書類を保存しており、万が一のデータ消失が不安なフリーランス
【手順】: クラウドストレージ(Google ドライブ・Dropbox等)の無料プランにアカウントを作成し、電子取引書類フォルダを同期設定します(15分)。自動同期の設定を有効にして、新規保存時に自動でクラウドにもコピーされる状態にします(5分)。四半期に1回、クラウド上のファイル数とローカルのファイル数が一致しているか目視確認します(5分/回)。
【コツと理由】: クラウド自動同期を活用することで、バックアップし忘れが構造的に発生しなくなります(フリーランスの対応解説)。「外付けHDDへの手動バックアップ」では、バックアップを忘れた時期のデータが失われます。書類の法定保存期間(原則7年)にわたって安定して保管できる仕組みが必要で、ローカルのみの保存ではPCの故障や買い替え時にデータが消失するリスクが毎年発生します。クラウドストレージの無料比較を参考に、自分に合ったサービスを選んでください。

【注意点】: 無料プランのクラウドストレージは容量上限があります。Google ドライブの無料枠は15GBのため、PDF書類が数百件になると数年で容量を超える可能性があります。年間の書類量を確認し、有料プランの検討または圧縮保存も視野に入れてください。
ハック5: 月1回15分の保存チェックで漏れを年間ゼロにする
【対象】: 毎月の書類管理を習慣化したいが、時間をかけたくないフリーランス
【手順】: 毎月末日の15時をカレンダーアプリに「電子書類チェック(15分)」として繰り返し登録します(2分)。チェック内容は「今月の電子受領書類がすべて専用フォルダに保存されているか」を請求書発行サービスやメール受信ボックスと照合します(10分)。未保存のファイルが見つかった場合は即座にリネームして保存し、翌月の発生を防ぐため受け取りルートを見直します(3分)。
【コツと理由】: 「年1回確定申告前にまとめて整理しよう」という運用では、1〜2年分の書類を一気に精査する必要があり、1回あたり3〜5時間かかります。月1回15分なら年間合計180分で済み、漏れも発生しません。月次チェックを習慣化した最初の3か月でほぼすべての漏れパターンを発見でき、4か月目以降はチェック時間が10分以下に短縮されます。
【注意点】: チェック作業を「翌月初め」にずらす必要はありません。月末に確認することで当月分の記憶が新しいうちに処理できます。「年末まとめ」「確定申告前まとめ」は作業コストが最も高い方法であり、避けてください。
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▶ 今すぐやること: ハック1の「電子取引書類フォルダ作成 + 命名規則テンプレメモ作成」とハック3の「事務処理規程ひな型のダウンロード」を今日中に完了させる(20分)
Q: 会計ソフトを入れるならどれが電子帳簿保存法対応として最もよいですか?
A: freeeとマネーフォワードクラウドがフリーランス向けに電子帳簿保存法対応機能を持つ主要ソフトです。プランや料金は変更される場合があるため、対応状況や最新の料金はそれぞれの公式サイトで確認してください。
Q: PDFを受け取った後に開いてプリントアウトして紙保存するのはNGですか?
A: 2024年1月以降に電子で受け取った書類を「紙のみで保存する」のはNGです。電子データを削除して紙だけにすることは、電子取引データ保存の義務違反になります。紙に印刷すること自体は禁止されていませんが、元の電子データも保存しておく必要があります。
電子帳簿保存法の対応を7項目でチェック
対応状況を確認する7項目を以下に示します。すべてにYesと答えられれば、フリーランスとしての最低限対応が完了しています。
対応状況を確認する7項目
第1に「電子受領書類の専用保存場所(フォルダまたは会計ソフト)が決まっているか」を確認します。第2に「ファイル名に日付・取引先・金額を含む命名規則が決まっているか」を確認します。第3に「受領後すぐに専用フォルダへ保存するルールが実際に守られているか」を確認します。第4に「真実性確保の方法(事務処理規程/会計ソフト/タイムスタンプのいずれか1つ)が整備されているか」を確認します。第5に「電子データを紙に置き換えて削除するような運用をしていないか」を確認します。第6に「バックアップが2か所以上(ローカル+クラウド等)に存在しているか」を確認します。第7に「税務調査が入った場合、5分以内に任意の電子書類を提示できるか」を確認します。
Noがある項目への対処
第7項目「5分以内に提示できるか」にNoと答えた場合、それは命名規則の問題か保存場所の分散が原因である場合がほとんどです。ハック1とハック5の仕組みを導入することで解決できます。第4項目「真実性確保の整備」にNoと答えた場合、事務処理規程のひな型取得を今日中に行うことを最優先にしてください(所要時間30分)。複数のNoがある場合でも、「保存場所の固定 → 命名規則の決定 → 事務処理規程の整備」という順序で1つずつ対応すれば、1週間以内に全項目をYesにできます(フリーランス向け対応解説)。
対応完了後に年1回確認すること
電子帳簿保存法は改正が続いているため、対応完了後も年1回の確認が必要です。確定申告のタイミングで国税庁のウェブサイトを確認し、要件の変更がないか把握します。事務処理規程も年1回内容を見直し、実態と乖離がないか確認することで、継続的な対応状態を維持できます。青色申告の65万円控除を確実に受けるためにも、電子帳簿保存法の対応と並行して帳簿整備を進めておくことが重要です。

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▶ 今すぐやること: 7項目チェックリストを読み、Noになっている項目を書き出して、今週中に対応する優先順位を決める(5分)
Q: 対応が不十分な場合、具体的にどんなペナルティがありますか?
A: 電子取引データ保存の要件を満たしていない場合、税務調査時に青色申告の承認取り消しや加算税の対象となる可能性があります。不安な場合は税務署に確認してください。
Q: 過去の分(2023年以前)も今から電子保存し直す必要がありますか?
A: 2024年1月以降に受け取った電子データが対象です。それ以前に紙保存していた期間については、当時の保存ルールに従って保管していれば問題ない場合が一般的です。
フリーランス電子帳簿保存法は3ステップで対応
フリーランスが電子帳簿保存法で最低限やるべきことは「電子取引書類の専用フォルダ作成」「命名規則の統一」「事務処理規程の整備」の3ステップです。前々年の売上5,000万円以下であれば検索機能の整備は不要で、「すぐ提示できる状態」を維持することが実務上の最優先事項になります。会計ソフトがなくても、今日から30分の作業でほぼすべての要件を満たす体制を作ることが可能です。
電子帳簿保存法の対応は、難しいシステムを入れることではなく「電子で受け取ったものを電子のまま、探せる状態で残す」というシンプルな原則に戻ることで完結します。まず「専用フォルダの作成」と「命名規則の決定」だけでも今日中に済ませてください。それだけで、税務調査時に慌てる可能性を大幅に減らせます。
| 状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
| まだ何も対応していない | 専用フォルダ作成 + 命名規則決定 | 10分 |
| フォルダはあるが規程が未整備 | 国税庁ひな型で事務処理規程を作成 | 30分 |
| 会計ソフト導入を検討中 | freee/マネーフォワードの対応プランを確認 | 15分 |
| 対応済みで定期確認したい | 7項目チェックリストを年1回実施 | 5分 |
フリーランス電子帳簿保存法に関するよくある質問
Q: フリーランスが電子帳簿保存法で対応しないとどうなりますか?
A: 電子取引データを適切に保存していない場合、税務調査時に青色申告の承認取り消しや加算税の対象となる可能性があります。現在の対応状況に不安がある場合は税務署に確認してください。最新情報は国税庁 電子帳簿保存法関連情報でご確認ください。
Q: 紙で受け取った書類はどう保存すればいいですか?
A: 紙で受け取った書類は、紙のまま保存することが認められています。スキャナ保存は任意対応であり、義務ではありません。紙保存の期間は法定の保存期間(原則7年)を守ることが必要です。電子受領と紙受領を明確に分けて管理することで、混乱を防ぐことができます。
Q: クラウドストレージ(Googleドライブ等)への保存だけで要件を満たせますか?
A: 保存場所としてはGoogleドライブ等のクラウドストレージを使用できます。ただし、真実性の確保(事務処理規程の整備または訂正削除防止機能の利用)と可視性の確保(命名規則による検索可能な状態)を別途整備する必要があります。クラウド保存は「場所」の要件を満たしますが、それだけでは対応完了にはなりません。