この記事でわかること
- 引っ越し後1ヶ月以内に提出すべき書類と提出先が3分で判断できる
- 開業届(住所変更)の記入例と間違いやすい3箇所が具体的にわかる
- e-Taxで自宅完結する手順と事前準備リストが一覧でわかる
引っ越し後1ヶ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を移転前の管轄税務署に提出するのが原則です(所得税法第229条)。この記事では、書き方の記入例・e-Taxでの手順・管轄変更時の対応まで、フリーランスが即日完了できる方法を解説します。本記事の情報は2026年3月時点のものです。
この記事の結論
個人事業主が引っ越したら、移転前の管轄税務署に新住所を記載した開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を1ヶ月以内に提出してください。なお、2023年1月以降、「所得税・消費税の納税地の異動申出書」は原則不要となりました(確定申告書に新住所を記載すれば足ります)。手続きは窓口・郵送・e-Taxの3つから選べ、期限を過ぎても罰則はないため、気づいた時点で速やかに提出してください。
今日やるべき1つ
国税庁のA1-5「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」ページから届出書PDFをダウンロードし、新旧住所・移転日を記入して印刷してください(所要10分)。
状況別ショートカット
| 状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| 何から始めるか知りたい | 個人事業主引っ越し届出は3書類で完結 | 5分 |
| 書き方・記入例を確認したい | 開業届の書き方は3ステップで完了 | 10分 |
| 自分に必要な手続きを診断したい | 個人事業主引っ越し届出を3分で診断 | 3分 |
| e-Taxで完結させたい | 個人事業主引っ越し届出はe-Taxで全完結 | 15分 |
| 5つの実務ポイントで時短したい | 引っ越し届出は5つの仕組みで最速化 | 10分 |
| 8項目でもれなく確認したい | 引っ越し届出は8項目でチェック | 5分 |
個人事業主引っ越し届出は3書類で完結

引っ越しのバタバタの中で、税務署への届出の整理に迷う方は少なくありません。主に3つの書類で手続きが完結します。
フリーランスが開業届を迷わず提出するために|記入のコツ・押印の有無・控えの保存まで

開業届の再提出が唯一の必須書類
事務所・自宅兼事務所を引っ越した個人事業主が必ず提出すべき書類は、「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)の1点です。国税庁A1-5の手続き案内によると、事業所の移転・新設・廃止のいずれにも対応できる書類で、開業時に提出したものと同じフォームを使います。
「住所変更専用の特別な書類」を新たに用意する必要はありません。開業届1枚に移転前後の住所を記入すれば、税務署は変更内容を把握できます。
2023年以降に不要となった書類
2022年以前は「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」の提出が必要でしたが、令和4年度税制改正により2023年1月1日以降の異動については原則不要となりました(freee公式解説)。確定申告書に新住所を記載して提出すれば、税務署側で変更後の納税地を把握できます。
ただし、確定申告より前に税務署からのお知らせを新住所で受け取りたい場合は、任意で提出することも可能です。
状況別・提出が必要な書類一覧
引っ越しのパターンによって必要書類が異なります。以下の表で自分の状況を確認してください。
| 引っ越しパターン | 開業届 | 申出書(任意) |
| 自宅兼事務所を移転 | 必要(1ヶ月以内) | 確定申告前に変更通知希望の場合 |
| 事務所のみ移転 | 必要(1ヶ月以内) | 任意 |
| 自宅のみ移転・事務所はそのまま | 不要 | 不要 |
| 振替納税利用かつ管轄変更 | 必要+口座振替依頼書も必要 | 任意 |
「自宅だけ引っ越して事業所は動かさない」ケースは、税務署への届出が不要です。管轄税務署を調べたいときは国税庁の税務署検索から郵便番号で確認できます。
CHECK
-> 自分の引っ越しパターンが上記の表のどれに該当するかを確認し、必要書類のリストを手元にメモする(5分)
よくある質問
Q: 自宅を引っ越したが、事務所は変わらない。届出は必要ですか?
A: 不要です。事務所の住所が変わらない場合、開業届の再提出は必要ありません(国税庁A1-5参照)。次回の確定申告書に新しい自宅住所を記載すれば対応完了です。
Q: 同じ市内での引っ越しでも届出は必要ですか?
A: 必要です。自宅兼事務所の場合、同じ市内でも住所が変わる以上、開業届の再提出が求められます。管轄税務署が変わらない場合も同様です。
開業届の書き方は3ステップで完了

記入例がなくてどう書けばいいか、迷う方も多いはずです。変更が必要な箇所は3箇所だけです。
ステップ1: 「納税地」欄に移転前の住所を記入
最も間違いやすいポイントです。「納税地」欄には移転前(旧住所)を記載します(弥生公式解説)。書類を受け取る税務署が、どの管轄から異動してきたかを確認するためです。
修正テープは使用禁止です。書き間違えたら新しいフォームに印刷し直してください。
ステップ2: 「届出の区分」で「移転」にチェック
書類中段の「届出の区分」欄で「開業」と「移転」の両方にチェックを入れます。「開業」だけにチェックした場合、新規開業と判定されてしまう恐れがあります。
所得の種類は事業開始時と同じ内容にチェックを入れれば問題ありません。
ステップ3: 下部の移転欄に新旧住所を記入
書類下部の「事業所等を新増設・移転・廃止した場合」という項目に以下を記入します。
| 記入欄 | 記入内容 |
| 新増設・移転後の所在地 | 新しい住所(移転先) |
| 移転・廃止前の所在地 | 旧住所(移転前) |
開業時の住所がわからない場合は、控えの開業届か税務署に問い合わせれば確認できます。マイナンバーの記載も必要です(窓口提出の場合はカード提示、郵送の場合はコピーを添付)。
CHECK
-> 国税庁サイトから届出書PDFをダウンロードし、上記3箇所を記入して印刷を完了する(10分)
よくある質問
Q: 屋号や職業を変更した場合も届出が必要ですか?
A: 不要です。住所変更の届出時に合わせて記載を更新できますが、屋号・職業欄のみの変更は、次回の確定申告書で正しい内容を記載することで対応可能です。
Q: 記入例は国税庁のサイトで確認できますか?
A: はい、確認できます。国税庁のA1-5ページから届出書PDFをダウンロードでき、記入方法の説明も掲載されています。マネーフォワードやfreeeの記入例解説ページも参考にできます。
個人事業主引っ越し届出を3分で診断

「自分に本当に届出が必要なのか」と迷う方のために、3分以内に判断できるフローを用意しました。
Q1: 引っ越したのは「事務所(自宅兼事務所を含む)」ですか?
- Yes → Q2へ
- No(自宅のみ引っ越し・事務所はそのまま) → 届出不要。自宅住所は次回確定申告時に反映すれば完了
Q2: 引っ越し先の住所は変わりましたか(番地レベルで)?
- Yes → Q3へ
- No → 通常は届出不要。念のため管轄税務署に確認してください
Q3: 現在、振替納税(口座引き落とし)を利用していますか?
- Yes → 開業届の再提出+「預貯金口座振替依頼書」または継続希望の記載が必要
- No → 開業届の再提出のみ必要(移転前の管轄税務署へ1ヶ月以内に提出)
Result A: 開業届の再提出が必要
移転前の管轄税務署に、新旧住所を記載した開業届を1ヶ月以内に提出してください。e-Tax・郵送・窓口の3方法から選べます。
Result B: 届出不要(自宅のみの引っ越し)
次回確定申告書に新住所を記載すれば対応完了です。e-Taxの登録住所も忘れずに変更してください。
Result C: 開業届+振替納税の手続きが必要
管轄税務署が変わる場合、口座振替依頼書の再提出または申告書の「振替継続希望」欄への記入が必要です。振替納税の手続き詳細は振替納税の手続きは2通りも参照してください。

CHECK
-> 上記フローで自分のResultを確認し、必要書類を1枚の紙に書き出す(3分)
よくある質問
Q: 期限の1ヶ月を過ぎてしまいました。どうすればいいですか?
A: 気づいた時点で速やかに提出してください(freee参照)。罰則はありません。ただし、税務署からの通知が新住所に届かないなどの不都合が生じる場合があります。
Q: 引っ越し後すぐ確定申告の時期になった場合は?
A: 確定申告書に新住所を記載して提出すれば、異動申出書の提出は不要です。開業届の再提出は確定申告期限(翌年3月15日)まで提出があれば受理されます。
個人事業主引っ越し届出はe-Taxで全完結

税務署に行く時間がないフリーランスには、e-Taxでの手続きが最も現実的です。手続きは5ステップで完了します。
事前準備30分で完了!?e-Tax最新セットアップ完全ガイド

e-Taxでの開業届提出に必要な準備
e-Taxで開業届を提出するには以下が必要です(国税庁e-Tax案内)。
| 必要なもの | 詳細 |
| マイナンバーカード | または利用者識別番号 |
| ICカードリーダー | またはスマートフォン(マイナンバーカード対応機種) |
| e-Taxソフト | インストール版またはWeb版 |
2025年1月6日からは「スマホ用電子証明書」の利用が可能になり、マイナンバーカードがなくてもスマートフォンだけで手続きできる環境が整っています(要事前申請)。マイナンバーの活用方法はフリーランスのマイナンバー活用術も参考にしてください。

e-Tax提出の5ステップ
e-Taxのインストール版(e-Taxソフト)での手順です。
- e-Taxソフト起動 → 「作成メニュー」→「申告・申請等」→「新規作成」を選択(約2分)
- 「個人事業の開業・廃業等届出書」を選択 → 届出書を作成(約5分)
- 各欄を記入 → 納税地(旧住所)・新増設移転後所在地(新住所)・移転日を入力
- 電子署名を付与 → マイナンバーカードをカードリーダーで読み取り
- 送信・受付確認 → 送信後、e-Taxのメッセージボックスで受付番号を確認(翌日以降反映)
e-Taxの場合は本人確認書類の添付が不要で、24時間手続きできます(メンテナンス時間を除く)。
e-Taxで注意すべき落とし穴
e-Taxの「届出書」の住所変更と「e-Taxの登録情報」の住所変更は別の手続きです。e-Taxの登録情報が旧住所のままだと、書類送付先がずれる場合があります。
あるユーザーは、「e-Tax初挑戦で住所変更を行い、利用者識別番号の登録住所の変更を失念して翌年の確定申告で混乱した」と報告しています(Yahoo!知恵袋 個人事業主のe-Tax手続き相談)。開業届提出と同時に、e-Taxのアカウント情報も新住所に更新してください。
CHECK
-> e-Taxソフトを起動し、「個人事業の開業・廃業等届出書」メニューを開いて入力を開始する(15分)
よくある質問
Q: e-TaxのWeb版でも開業届は提出できますか?
A: 現時点ではe-Taxのインストール版(e-Taxソフト)が対応しています。Web版(確定申告等作成コーナー)では対応していないため、e-Taxソフトのダウンロードから始めてください。
Q: マイナンバーカードがありません。どうすればいいですか?
A: e-Taxの「ID・パスワード方式」を利用できます。最寄りの税務署窓口でIDとパスワードを発行してもらえます。紙の届出書を郵送で提出する方法もあり、その場合はマイナンバーの確認書類(コピー)の添付が必要です。マイナポータルってこんなに便利!?でe-Taxとの連携方法も確認できます。

引っ越し届出は5つの仕組みで最速化

引っ越し前後は対応すべきことが多く、税務署の手続きが後回しになりやすい時期です。5つの仕組みを実装することで、手続き全体を1日で完結させることができます。
ポイント1: 旧管轄税務署への事前確認で手戻り0件
- 【対象】: 初めて住所変更を行う個人事業主・フリーランス全般
- 【効果】: 提出先の間違いによる受け取り拒否・再送付をゼロにする
- 【導入時間】: 電話5分
- 【見込める効果】: 高
- 【手順】:
- 国税庁の税務署検索で現住所の管轄税務署を確認する(2分)
- 税務署の電話相談窓口に「開業届の住所変更を郵送したい」と確認する(3分)
- 郵送先住所を再確認して封筒に記載する(2分)
- 【ポイント】: 提出先は「移転後の新しい税務署」ではなく「移転前の管轄税務署」です。この逆転ルールを最初に押さえることで、提出先ミスによる再手続きを防げます。
- 【なぜ効くのか】: 提出先が「移転前の管轄税務署」である理由は、旧管轄の税務署が移転事実を把握して新管轄に情報を引き継ぐ仕組みになっているためです。税務行政の管理単位が税務署単位であるため、「送り出す側」が記録を持つ設計になっています。
- 【注意点】: 「新住所を管轄する税務署」に郵送する必要はありません。国税庁公式の情報で必ず確認してください。
- 【最初の一歩】: 今すぐ国税庁の税務署検索で現住所の税務署名を検索して手帳にメモする(2分)
ポイント2: 届出書を引っ越し前日に準備して提出ゼロ遅延
- 【対象】: 引っ越し後すぐに業務再開するフリーランス・個人事業主
- 【効果】: 引っ越し後のバタバタ期間でも届出期限(1ヶ月)を守れる
- 【導入時間】: 引っ越し前日に15分
- 【見込める効果】: 高
- 【手順】:
- 引っ越し前日に届出書PDFをダウンロードして印刷する(5分)
- 氏名・旧住所・新住所・移転日(引っ越し予定日)を記入する(5分)
- 封筒に入れ、切手を貼り、翌日投函できる状態にしておく(5分)
- 【ポイント】: 「引っ越し前日に新住所を確認して記入→引っ越し翌日に投函」の流れで確実に提出できます。
- 【なぜ効くのか】: 引っ越し直後は転入届・公共料金変更などで精神的余裕がなくなります。税務署の手続きは罰則がないために後回しにされやすく、1ヶ月後に忘れているケースが多発します。引っ越し前に記入済みの封筒を作ることで「送るだけ」の状態にしておくのが有効です。
- 【注意点】: 移転日は「引っ越した日」を記入してください。書類の受付日でも記入日でもありません。
- 【最初の一歩】: 今すぐ国税庁サイトから届出書PDFをダウンロードして開く(3分)
ポイント3: 郵送は「簡易書留」で受付証明を残して確認不要
- 【対象】: e-Taxを使わず郵送で提出する個人事業主
- 【効果】: 「届いたかどうか」の不安をゼロにして確認電話の手間を省く
- 【導入時間】: 郵便局で2分追加
- 【見込める効果】: 中
- 【手順】:
- 届出書・控えのコピー・返信用封筒(切手貼り付け・自分の住所記載)を封入する(5分)
- 郵便局窓口で「簡易書留」として送付する(追加料金約320円)(2分)
- 控えが返送されたら保管する(後日)
- 【ポイント】: 簡易書留+控え返送の組み合わせで、手続き完了が客観的に証明できます。後から助成金・融資申請などで控えの提出が求められることがあるため、受付印付き控えの保管は有益です。
- 【なぜ効くのか】: 普通郵便は配達記録が残らないため、未着時に再提出の判断が困難です。簡易書留は追跡番号で配達確認ができ、「送った・届いた」の証跡が手元に残ります。
- 【注意点】: 控え用の返信封筒の切手は「定形外」になる場合もあるため、重さを郵便局で確認してから切手を準備してください。
- 【最初の一歩】: 届出書を印刷したら、控えのコピーと返信用封筒を一緒にクリアファイルに入れておく(3分)
ポイント4: 管轄変更時は都道府県税事務所にも10日以内に届出
- 【対象】: 異なる都道府県・市区町村をまたぐ引っ越しをした個人事業主
- 【効果】: 個人事業税の二重課税・課税漏れリスクをゼロにする
- 【導入時間】: 都道府県税事務所への提出30分
- 【見込める効果】: 高
- 【手順】:
- 移転後の住所の都道府県税事務所を確認する(都道府県庁サイトで検索)(5分)
- 「事業開始等申告書(個人事業)」を都道府県税事務所に提出する(移転日から10日以内)
- 旧都道府県の税事務所に「事業廃止届」を提出する(5分)
- 【ポイント】: 税務署(国税)への開業届が知られているのに対し、都道府県税事務所(地方税)への届出は見落とされがちです。東京都の場合、仕事場の住所変更日から10日以内と期限が短いため要注意です。国税と地方税の手続きは別ものとして認識してください。
- 【なぜ効くのか】: 個人事業税は都道府県が管轄する税金で、税務署(国税庁系)とは管理体系が異なります。国税の届出だけを行っても、都道府県側の記録が更新されません。
- 【注意点】: 「都道府県税事務所」はすべての都道府県に存在しますが、名称が「都税事務所」「県税事務所」など地域によって異なります。引っ越し先の都道府県の公式サイトで確認してください。
- 【最初の一歩】: 引っ越し先の都道府県庁サイトで「個人事業 住所変更 届出」と検索し、担当窓口を確認する(5分)
ポイント5: 青色申告承認はそのまま引き継がれるが情報更新で確認
- 【対象】: 青色申告を承認されている個人事業主
- 【効果】: 引っ越し後も青色申告の65万円控除を確実に継続できる
- 【導入時間】: 確認作業5分
- 【見込める効果】: 高
- 【手順】:
- e-Taxの登録情報(住所・電話番号)を新住所に更新する(5分)
- 翌年の確定申告書に新住所を記載する(確認のみ)
- 青色申告承認申請書の再提出は不要であることを確認して安心する
- 【ポイント】: 引っ越し後に青色申告の承認を取り直す必要はありません。承認は個人に紐づくもので、住所変更によって失効することはありません。青色申告と白色申告の違いについては確定申告は青色申告・白色申告どちらがいい?も参考にしてください。

- 【なぜ効くのか】: 青色申告の承認申請は一度提出すれば、取りやめ届を出さない限り継続されます。所得税法上、承認は課税年度を単位に適用されるため、住所という事務的情報の変更では効力に影響しません。
- 【注意点】: e-Taxの登録住所が古いままだと書類の送付先がずれます。e-Taxのアカウント情報の住所更新だけは忘れずに行ってください。
- 【最初の一歩】: e-Taxにログインして「登録情報」を開き、住所欄が旧住所になっていないか確認する(3分)
CHECK
-> 上記5つのポイントのうち、自分に最も必要な1つを選んで「最初の一歩」だけ今日実行する(5分)
よくある質問
Q: 青色申告をしていますが、住所変更時に取りやめ届出は必要ですか?
A: 不要です。引っ越しによる住所変更だけでは、青色申告の取りやめ届出書の提出は必要ありません(弥生公式参照)。事業廃止をする場合のみ、廃業届と合わせて取りやめ届の提出が必要です。廃業時の手続きについては廃業って1か月以内!? 個人事業主が知らないと危険な7ステップも確認してください。

Q: 引っ越し費用は経費にできますか?
A: できます。事務所の引っ越しにかかった費用は、事業用の割合を按分して経費計上できます。自宅兼事務所から自宅兼事務所への移転は、事務所として使用している面積割合の分だけ経費になります。純粋な自宅部分の費用は経費になりません。経費計上の詳細はフリーランスの節税につながる経費計上を参照してください。

引っ越し届出は8項目でチェック

引っ越し前後でやることが多い時期です。この8項目リストを手帳に書き出しておけば、手続き漏れをゼロにできます。
税務署関連の必須チェック4項目
手続き漏れで最も多いのは「開業届を出したつもりが旧住所の税務署に届いていなかった」ケースです。以下の4項目を順番に確認してください。
開業後の各種手続き全般については開業手続きは5フェーズ7書類で完結も参考にしてください。

- 開業届の提出(移転前管轄税務署へ、移転後1ヶ月以内)
- e-Tax登録情報の住所更新(e-Taxのアカウント管理画面から変更)
- 振替納税の変更手続き(管轄税務署が変わる場合は口座振替依頼書を再提出)
- 都道府県税事務所への届出(都道府県をまたぐ場合、10日以内)
「e-Taxの登録情報」の更新は開業届の提出とは別の手続きです。開業届を出したからといって自動的にe-Taxのアカウント情報が更新されるわけではありません。
税務署以外の重要チェック4項目
税務署以外でも、個人事業主の引っ越しで必要な手続きがあります(FREENANCE解説)。
- 国民健康保険の住所変更(転入先の市区町村役場、14日以内)
- 国民年金の住所変更(マイナンバーとの連携がない場合は14日以内)
- 事業用銀行口座・クレジットカードの住所変更(各金融機関の手続きに従う)
- 請求書・名刺・ウェブサイトの住所更新(取引先への信頼維持のため早急に)
特に従業員を雇っている個人事業主は、年金事務所への「健康保険・厚生年金保険適用事業所名称/所在地変更届」(移転後5日以内)も必要です。社会保険に関する詳細はフリーランスの社会保険を賢く活用も確認してください。

事業用の銀行口座の住所変更手続きはフリーランスの事業用銀行口座を開設するためにが参考になります。

インボイス登録している場合は、フリーランスにインボイス制度が与える影響で登録情報変更の手続きも確認してください。

CHECK
-> 上記8項目をスマートフォンのメモアプリにコピーして、引っ越し後チェックリストとして保存する(2分)
よくある質問
Q: 国民年金の住所変更はマイナンバーカードがあれば不要ですか?
A: マイナンバーと基礎年金番号がひもづいている場合は、住民票の転入手続きのみで自動的に住所変更が反映される場合があります。ひもづきの確認は年金事務所または「ねんきんネット」で確認できます。
Q: 請求書に記載している住所はいつ変更すればいいですか?
A: 引っ越し後すぐに変更してください。インボイス登録している場合は、インボイス発行事業者の登録情報変更手続き(国税庁のe-Tax経由)も忘れずに行ってください。
まとめ:個人事業主の引っ越し届出は1ヶ月以内に移転前の税務署へ

引っ越し後1ヶ月以内に移転前の管轄税務署へ開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出することが、個人事業主の引っ越し手続きの核心です。期限を過ぎても罰則はありませんが、確定申告の書類送付先がずれるなどのトラブルが起きやすくなります。
最優先の1つだけやれば大半のリスクを回避できます。今日中に届出書PDFをダウンロードして新旧住所を記入しておくことが、最短の行動です。
| 状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
| まだ届出を出していない | 国税庁サイトからPDFをダウンロードして記入する | 15分 |
| e-Taxで提出したい | e-Taxソフトをインストールして開業届メニューを開く | 20分 |
| 提出先が不明 | 国税庁の税務署検索で現住所の管轄税務署を調べる | 5分 |
| 都道府県をまたぐ引っ越し | 移転先の都道府県税事務所の窓口・提出方法を確認する | 10分 |
フリーランスとしての開業・各種手続き全体の流れはフリーランスの始め方まるわかり!開業手続き・準備リスト完全ガイドも参照してください。

確定申告の手続きについてはフリーランスの確定申告ガイドで詳しく解説しています。

個人事業主引っ越し届出に関するよくある質問

Q: 開業届を出していないと、確定申告はできませんか?
A: できます。開業届を提出していなくても確定申告は可能です。ただし、開業届の提出は所得税法上の義務であり、未提出のままだと青色申告承認申請や屋号の銀行口座開設に支障が出る場合があります。
Q: 引っ越し届出の書類はどこで入手できますか?
A: 国税庁のA1-5ページからPDFをダウンロードできます。最寄りの税務署窓口でも入手可能です。e-Taxを利用する場合は、システム上で直接作成・提出できるため、紙の書類は不要です。
Q: 管轄税務署が変わらない引っ越しでも届出は必要ですか?
A: 必要です。自宅兼事務所や事業所の住所が変わる場合は、管轄税務署が同じでも開業届の再提出が必要です(freee参照)。
【出典・参照元】
- A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
- No.2091 個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係|国税庁
- 個人事業主が引越し・住所変更・転居した時の手続きまとめ|マネーフォワード クラウド確定申告
- 個人事業主の引っ越し・住所変更に伴う手続き|弥生株式会社
- 開業届の変更方法|freee
- 個人事業主が引越しで住所変更したときの手続き|freee
- フリーランス・個人事業主の引っ越し手続き|FREENANCE MAG
- E-taxの開業届が出てこないです(住所変更の相談)|Yahoo!知恵袋
- 住所変更後の確定申告はどうする?弥生株式会社
- 個人事業主が住所変更のときに税務署で行う手続き|小谷野税理士法人
