フリーランスが営業代行を使うのはアリ?案件獲得効率化の裏にある罠
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フリ転編集部 長井
未経験で独立したWebライター。クラウドソーシング案件から、キャリアを積むにつれエージェント案件など獲得し、3年で売上500万円を達成。SEO記事やインタビュー記事、HPやLPなどのライティングなどを主に執筆中。
フリーランスにとって、いかに案件を確保するかは非常に重要なポイントです。営業のノウハウを知らない方や人見知りをする方などにとって、新しい仕事を得るのは簡単ではありません。そこで今回は、フリーランスが活用できる営業代行について解説します。案件獲得で悩んでいる方や、営業に苦手意識がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
営業代行を利用するメリットは多々ありますが、まずは自分で営業活動にチャレンジしてください。フリーランスでいる限り「どうやって新規案件を獲るか」はずっとつきまとう問題で、どこまでも逃げられるものではありません。
ただし、営業代行を上手く利用して仕事が増えていけば、自分はどんな業界で求められるか、どんなポートフォリオが相手に刺さりやすいかなどわかります。時間をかけずに案件を獲得し、その中で営業ノウハウを身につけましょう。
目次
フリーランスの営業代行とは
営業代行に依頼できる内容
営業代行とは、フリーランスが行っている営業活動を代わりに依頼できるサービスです。新規顧客を探し、アポを取って案件化するまでを一任できます。具体的には、以下の内容を任せられます。
■テレアポ営業
見込み客に電話をかけ、そこから商談の機会を作る営業です。テレアポは商談にいたるまで多くの電話をかけなくてはならず、話し方や提案の仕方にもノウハウがあります。
■メール営業・フォーム営業
企業の問い合わせ先メールアドレスや、問い合わせフォームから連絡をします。フリーランス当人の魅力や強みを、文章で表現する必要があります。
■営業資料作成
ポートフォリオなどの営業資料を作成します。これまでの実績や自分の強みをまとめることで、新規顧客とスムーズに商談を進められます。
■商談同席・代行
フリーランス本人がクライアントと商談している場に同行して商談をサポートしたり、本人不在の中で案件について話を進めたりします。
営業代行の利用者が増えている
内閣府が発表した「政策課題分析シリ-ズ17日本のフリーランスについて―その規模や特徴、競業避止義務の状況や影響の分析―」によると、フリーランスは188万人、フリーランスに近い自営業主として働いている方は202万人います。
このように、今やフリーランスとして活動する方の人数は多いですが、全員が営業を得意としているわけではありません。アポ取りや商談に苦手意識を持っている方は、一定数存在します。フリーランス人口が増える分だけ、「営業が苦手だから営業代行を活用しよう」と考える方も増加しています。
CHECK
・営業代行では、テレアポや商談代行など幅広い業務を依頼できる
・営業代行を利用するフリーランスの数は増えてきている
※料金相場は、固定報酬が月額30~100万円、成果報酬が1成約あたり2~5万円ほど。
フリーランスの営業代行を利用するメリット
時間効率が上がる
営業を代行することで、フリーランスは自分自身で案件獲得のために時間を使う必要がなくなります。時間効率が上がり、業務に使える時間や休みの時間が増えるのは大きなメリットです。
特に、営業に苦手意識があるとアポを取るまでに多大な時間がかかったり、営業資料がずっと作り終わらなかったりということもあります。そういった営業を苦手としている方ほど、効率性アップを強く実感できるでしょう。
直案件を獲得できる
フリーランスはエージェントを通じて仕事を請け負うことが多いですが、この場合、手元に入ってくる料金からエージェントへの仲介手数料が引かれています。エージェントにもよりますが、報酬発生の度に20~30%ほど取られることが多いです。
営業代行は初期費用はかかりますが、その後は特に支払いが発生しません。直案件で取引することになるため、マージンを取られず手取りが上がります。
ノウハウがなくても仕事が増える
営業を成功させるためには、営業についてのノウハウが必要です。相手との交渉術やプレゼン資料の作り方など、勉強するには時間がかかります。
しかし、営業代行を利用すればそういった知見がなくても案件を獲得することが可能です。本業とは関係ない勉強に時間を取られず、ノウハウなしで案件を増やしていくことができます。
CHECK
・営業代行を活用することで時間効率がアップし、直案件を獲得できる
・営業に関するノウハウがなくても、案件を獲得できる
・営業経験がないフリーランスは、営業代行を使うことで得られるメリットが大きい
フリーランスの営業代行を利用するデメリット
自分の営業スキルは伸びない
フリーランスと営業は、切っても切れない関係です。企業のように営業部が仕事を取ってきてくれることもなければ、広報部経由で仕事が入ってくることもありません。だからこそ、少なからず営業に関する最低限の知識は必要です。
しかし、営業代行を使うとそういったノウハウは学べず、営業スキルが伸びません。自分の営業力を高めるため、依頼内容をアポイント獲得までに制限し、その後の営業活動は自分で行うというスタイルがおすすめです。
顧客と関係性が築きにくい
営業代行を使うと、顧客と直接コミュニケーションを取る時間が減ってしまいます。そのため、関係性が築きにくく「相手が何を求めているのか」「どんな部分を期待されているか」などが見えにくくなってしまう点がデメリットです。
営業代行の担当者から話を聞き、相手の特徴や考えなどをしっかり頭に入れることが大切です。単に仕事を取ってきてくれる人ではなく、仕事をする上でのパートナーとして代行担当者と密に連絡をとっていきましょう。
CHECK
・営業代行を使うと、自分の営業スキルはいつまでたっても成長しない
・営業代行を間に挟むことで、顧客との関係性が築きにくくなる
・まずは営業活動から逃げずに自分でチャレンジし、少しずつ代行サービスを使うとよい
おすすめの営業代行サービス5選
ディグロス
ディグロスには、テレアポ代行とインサイドセールスを依頼できます。1,600社の実績があり、2023年の東京商工リサーチによると、法人向けテレアポ代行において年間プロジェクト数とアポイント獲得数で1位を獲得しています。
新規アプローチは1万~8万円、ウェビナー参加者などの掘り起こしは8,000円~2万円です。
イクイップ
イクイップは、ビズコールというテレアポ代行サービスを提供している会社です。低価格が売りで、コール単位での料金のみ発生し、月額固定費用や通信通話料、成果報酬費用などは発生しません。
全国一律1コールあたり99円で、300件からという小さい単位で受け付けています。
アイランド・ブレイン
アイランド・ブレインはB to B専門の営業代行です。3,500社の導入実績があり、完全成果報酬型でサービスを提供しています。ベテランの営業マンがそろっており、初回訪問後の見込客フォローや、契約受注までの営業戦略全体まで、一貫して支援してもらえる点が特徴です。
価格は、商談1件につき18,000円です。月額固定費はかからず、顧客リストの作成は無料となっています。
StockSun
StockSunは、総合的な営業サポートを行うカリトルくんというサービスを提供しています。電話営業、フォーム営業、メール営業、手紙営業、飛び込み営業に対応しており、もし自分の担当者が思うような実績を出してくれない場合は、交代可能です。
月額固定で、毎月枠が発生するトライアルで申し込むと月額10万円となります。
ambient
ambientは、テレアポに強い営業代行会社です。テレアポの効果を最大化するため包括的な施策に対応しており、単に電話をかけるだけでなく、どんな相手にテレアポをすべきかといった点も相談できます。
価格は1件250円からで、初期費用はかかりません。最低ロッドは300件からと、フリーランスにもおすすめの規模感です。
CHECK
・まずは様々な営業代行企業のHPを見て、情報をチェックする
・自分にあった予算や営業方法の企業を選ぶ
・複数の企業を比較検討する
営業代行を利用する際の注意点
対応業務の範囲と得意分野をチェックする
営業代行は、企業によって業務範囲が異なります。テレアポに特化している企業や飛び込み営業も対応している企業、テレアポやメールなど総合的に実施している企業など様々です。まずは自分がどんな営業方法を依頼したいのか考え、依頼できる企業を選定しましょう。
また、企業によって得意分野は異なります。「テレアポ実績○○件」など、HPで大きく書かれている点が強みとなるため、自分の希望とマッチしているか考えてみてください。企業ごとの違いがよく分からなければ、総合的なアプローチをしている企業がおすすめです。
料金設定が見合う金額になっているか検討する
特にフリーランスを始めたばかりのころは、営業にあまり予算をかけられません。そのため、料金設定はしっかり確認してください。HPでは一見安く見えても、実は別途固定費や初期費用などが発生することがあります。
営業代行は、問い合わせをしてすぐ契約というわけではなくまず打ち合わせになることも多いので、その段階でトータルの費用を明確にしておきましょう。
CHECK
・どんな営業方法に対応してくれるのか範囲をリサーチする
・納得感のある料金設定の企業にする
・まずは複数の候補を出して、比較検討する
フリーランスにおすすめする営業代行の使い方
自分で営業した後に活用する
営業活動は、フリーランスにとって必要不可欠です。今後、営業代行を使って仕事が見つかり続けるという保証はありません。苦手意識があっても、基本的な営業スキルを身につけておくことは、自分の身を助けるはずです。
だからこそ、いきなり営業代行を使うのではなく、まずは自分で頑張ってみましょう。チャレンジすることで「ここが苦手だな」ということがわかったり、「意外とできるかも」と気づいたりするものです。
依頼する内容はアポイント獲得までにする
営業代行はいろいろな仕事を任せられますが、依頼するのは基本的にアポイント獲得までにしましょう。前述の通り、営業スキルはフリーランスにとって重要なポイントです。すべての工程を任せてしまうと、自分のスキルアップのチャンスがなくなります。
アポイントを取ってもらったら自分でクライアントと話し、相手のニーズを引き出したり、強みや実績などを上手くアピールしたりする練習をしましょう。初めは上手くいかずとも、回を重ねるごとに少しずつスキルアップしていきます。
営業資料のアウトソースはいつでも依頼するのは良い
営業代行に依頼するタスクの中で、資料作成についてはどんどん活用しましょう。資料の作成は時間がかかりますし、自分の中に正解の型がなければどんなに労力をかけても上手くいかないケースは多々あります。
資料作りはどんどん依頼して、自分なりの正解を見つけることが大切です。その上でアレンジを加えても良いですし、商談のサポートとして作ってもらったものをそのまま活用するのも良いでしょう。
営業能力のスキルアップから逃げない
前述の通り、営業能力はフリーランスにとって非常に重要です。「営業代行があるからいいや」とスキルアップからサボっていると、長期的に見て自分にとってデメリットとなります。
営業代行を上手く使いながら、「どんな風にクライアントと話せばよいか」「どうやってニーズを引き出すか」といったことを実践から学ぶようにしましょう。
CHECK
・営業活動から逃げず、まずは自分でチャレンジする
・アポイント獲得以降は自分で営業活動する
・営業資料の作成は、いつでも依頼する
今回は、フリーランスの営業代行について解説しました。営業代行の利用者は増えており、テレアポやメール営業など様々な施策を通じて多くのフリーランスが案件を獲得しています。時間効率を高めたり直案件を獲得できたりと多くのメリットがあります。
まずは自分で営業にトライしてみて、仕事が増えて手が回らなくなったり、自分でなかなか案件を獲得できなかったりしたタイミングでぜひ活用してみましょう。