フリーランスが廃業・収入途絶した場合でも、会社員時代の雇用保険加入歴があれば基本手当を受給できる可能性があります。2022年7月施行の特例で受給期間が最大3年延長され、再就職手当・保険料減免を含めると5つの制度が活用できます。この記事では条件・手順・期限を一括解説します。

目次

この記事でわかること

この記事を読むと、会社員歴のあるフリーランスが離職日から最大4年以内に廃業した場合の基本手当受給ルート、再就職手当で最大70%の一時金を受け取る条件、国民健康保険料・国民年金保険料を大幅に減らす申請手順の3点が分かります。

この記事の結論

会社員経歴のあるフリーランスは、離職日から原則4年以内であれば基本手当・再就職手当の受給対象になりえます。廃業・収入途絶のタイミングで①基本手当の受給可否、②再就職手当の申請、③国民健康保険料・国民年金保険料の減免の3方向を同時に確認することが、支援を取りこぼさない最短ルートです。公的制度は申請期限が短く設定されているため、廃業・離職が決まった時点で即日ハローワークへ連絡することを最優先にしてください。

今日やるべき1つ

雇用保険の加入記録を確認してください。ハローワークインターネットサービスにアクセスするか、最寄りのハローワークで「雇用保険加入期間確認」を依頼すれば15分で完了します。

状況別ショートカット

状況読むべきセクション所要時間
会社員を辞めてフリーランスに転身しようとしているフリーランス転身時に基本手当を受け取る3条件5分
すでにフリーランスとして開業して収入が途絶えた廃業後に失業給付を受け取る特例は4年以内が条件5分
再就職手当を受け取りたいフリーランス開業でも再就職手当は受給できる場合がある4分
保険料・年金の支払いが苦しい失業・廃業時に使える保険料減免と共済制度は3種類4分

フリーランス転身時に基本手当を受け取る3条件

フリーランス・個人事業主は原則として雇用保険の被保険者ではないため、フリーランスとして稼働中に失業保険の対象になることはありません。ただし、会社員時代の雇用保険加入歴を活かせる条件が3つあります

離職日時点で雇用保険に12か月以上加入していた

基本手当を受給するには、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要です。特定受給資格者・特定理由離職者は離職日以前の1年間に6か月以上で足ります。在職中に「雇用保険被保険者証」を手元に用意し、加入期間を事前確認してください。加入期間が不足している場合は、副業フリーランスとして収入を確保しながら在職期間を積み増す選択肢も検討できます。

開業届を提出する前に受給申請を始める

退職後に雇用保険の基本手当を受給するには、ハローワークに離職票を提出して受給資格の決定を受けるステップが必要です。この時点で「就職する意思と能力があること」「求職活動をしていること」が条件となるため、事業開始として認定される行為をしている状態では失業状態に該当しないと判断される場合があります。開業届の提出時期が受給可否を左右する最大の変数です。

退職後にフリーランスを目指す場合でも、事業開始前なら失業保険の対象になりうる一方、継続的な事業性があると対象外になるという整理がされています(ゴーゴーかけい|フリーランスと失業保険)。「受給を始める前に収入を発生させる活動を本格化させない」という線引きが実務上の核心です。失業保険と個人事業主の開業の関係については、開業届の提出タイミングが受給額に直接影響するため、事前に整理しておくことが重要です。

ハローワークで求職活動実績を認定日ごとに2回以上作る

受給開始後は、認定日ごとに求職活動実績が2回以上必要です。フリーランス転身準備のみに時間を使いたい場合でも、会社説明会への参加や転職サービスへの登録・応募など求職活動として認められる行為を記録しておく必要があります。活動実績なしで認定日を迎えると、その期間の受給が打ち切られます。受給額に直接影響するため、受給期間中のスケジュール管理は欠かせません。

雇用保険制度の詳細は厚生労働省「離職後に事業を開始等した場合の雇用保険受給期間の特例について」で確認できます。

CHECK

▶ 今すぐやること: 手元の雇用保険被保険者証で加入期間を確認し、離職前に最寄りのハローワークへ電話で相談する(15分)

Q: アルバイト・パートを掛け持ちしたフリーランスでも加入期間はカウントされますか?

A: はい。週20時間以上かつ31日以上継続見込みの雇用関係があれば、雇用保険の被保険者となりカウントされます。フリーランス活動と並行して雇用関係があった期間は加入期間に算入される場合があります。詳細はハローワークへ確認してください。

Q: 自己都合退職と会社都合退職で受給額は変わりますか?

A: 受給額(基本手当日額)は同じですが、給付制限期間が異なります。自己都合退職は原則2か月の給付制限期間があり、過去5年間に2回以上の自己都合退職がある場合は3か月です。会社都合退職(特定受給資格者)は給付制限なしで受給できます。

廃業後に失業給付を受け取る特例は4年以内が条件

すでにフリーランスとして活動していたが廃業した場合でも、以前の会社員時代の受給資格が残っていれば支援を受けられる可能性があります。2022年7月1日施行の特例制度でその期間が大幅に延長されています。

事業開始等による受給期間の特例で最大3年延長される

2022年7月1日以降、離職後に事業を開始・専念・準備した期間を最大3年間、受給期間に算入しない特例が設けられました(厚生労働省「離職後に事業を開始等した場合の雇用保険受給期間の特例について」)。通常の受給期間は1年間(離職日の翌日から起算)であるため、この特例を活用すると実質的に離職日から最大4年以内に廃業すれば残存する基本手当を受け取れる可能性があります。会社を辞めて事業を始めたが廃業したというフリーランスにとって、実質的なセーフティネットとして機能する制度です。フリーランスが廃業後に使える制度は複数あるため、廃業手続きと並行して確認することをお勧めします。

特例申請は事業開始の翌日から2か月以内が期限

この特例を活用するには、事業を開始した翌日から2か月以内にハローワークへ申請しなければなりません。申請が遅れた場合、特例の適用を受けられず、受給期間が通常の1年に戻ります。特例は廃業時ではなく事業開始時点の申請が起点です。廃業後に初めて知って後悔するケースは珍しくないため、開業直後に申請を済ませることを徹底してください。

申請に必要な書類は開業届・登記事項証明書・実施資料の3種類

特例申請では、個人事業の場合は税務署受付印のある開業届の写し、法人の場合は登記事項証明書、加えて事業を実施していたことを示す資料(契約書・請求書・通帳の入出金明細など)の提出が求められます。書類が揃っていない場合は申請が受理されないため、事業開始時点から書類を保管しておく習慣を持つことが不可欠です。

CHECK

▶ 今すぐやること: 離職日と事業開始日を確認し、2か月以内の申請期限が過ぎていないかをハローワークに電話確認する(10分)

Q: 法人を設立したフリーランスも特例の対象ですか?

A: はい。個人事業だけでなく、法人設立による事業開始も特例の対象になりえます。法人の場合は登記事項証明書が主要書類となります。詳細はハローワークへ確認してください。

Q: 特例申請の2か月の期限を過ぎてしまった場合、すべての受給権を失いますか?

A: 特例の適用は受けられなくなりますが、通常の受給期間内(離職日から1年以内)であれば基本手当の受給手続きを取ることは可能です。まずハローワークへ相談してください。

フリーランス廃業・収入途絶時の対応を3分で診断

自分の状況がどの制度に当てはまるかを3分で確認できます。

Q1: 会社員として雇用保険に加入していた期間が2年以内に12か月以上(特定受給資格者・特定理由離職者は1年以内に6か月以上)ありますか?

Yesの場合はQ2へ進んでください。Noの場合はResult Dへ進んでください。

Q2: 現在フリーランスとして開業届を提出している、または事業実態がありますか?

Yesの場合はQ3へ進んでください。Noの場合はResult Aへ進んでください。

Q3: 離職日(会社を辞めた日)から現在まで4年以内ですか?

Yesの場合はResult Bへ、Noの場合はResult Cへ進んでください。

Result A: 受給資格あり・即申請推奨

会社員時代の加入歴を活かし、ハローワークで離職票を提出して受給手続きを開始できます。開業前の今が申請の最適タイミングです。手続き初日の所要時間は2〜3時間で、受給開始まで約1か月かかります。

Result B: 特例申請またはすでに受給中の継続を確認

廃業・収入途絶の場合、事業開始等による受給期間の特例(2022年7月施行)が活用できる可能性があります。「事業開始日から2か月以内に申請したか」を確認し、未申請であれば即日ハローワークへ連絡してください。

Result C: 基本手当の受給期間は終了している可能性が高い

離職日から4年超の場合、基本手当の受給は困難です。国民健康保険料の減免・国民年金保険料の免除(後述の制度)と、自治体の生活支援制度を優先して確認してください。

Result D: 雇用保険の受給資格なし・代替制度を活用

会社員歴がない、または加入期間が不足している場合は基本手当の受給対象外です。小規模企業共済・国民健康保険料減免・国民年金保険料免除の活用に移行してください(後述参照)。

CHECK

▶ 今すぐやること: 診断結果を確認し、Result AまたはBに該当する場合は最寄りのハローワークへ電話相談する(5分)

Q: 診断でResult Bになりましたが、事業開始から2か月を過ぎています。どうすればよいですか?

A: 特例申請の期限は過ぎていますが、離職日から1年以内であれば通常の受給手続きが可能です。まずハローワークへ状況を伝えて相談してください。

Q: 複数の会社を転職してきた場合、加入期間はどの会社のものを合算しますか?

A: 直前の離職日以前2年間の被保険者期間が基準となります。複数社の加入期間を合算して12か月以上あれば受給資格を満たします。

フリーランス開業でも再就職手当は受給できる場合がある

再就職手当は基本手当とは別の給付であり、フリーランスとして開業した場合にも受給できる可能性があります。

再就職手当は基本手当の残日数の最大70%が支給される

再就職手当は、基本手当の受給資格者が早期に再就職した場合に支給される制度です。所定給付日数の3分の2以上残して再就職した場合は70%、3分の1以上残した場合は60%が一時金として支給されます(厚生労働省「再就職手当のご案内」)。受給できる金額は「基本手当日額 × 残日数 × 給付率(60%または70%)」で計算されます。

たとえば基本手当日額6,000円・残日数60日・給付率70%の場合、6,000円 × 60日 × 70% = 25万2,000円の支給となります。この金額は、フリーランスの開業資金として開業初期の固定費(事業用口座の開設費用・クラウド会計ソフトの初期費用・名刺印刷費など)を賄う実質的な資金として機能します。

開業は給付制限期間終了後かつ待機7日経過後に行う

再就職手当を受給するには、離職後の待機期間7日間が経過していることと、自己都合退職の場合は給付制限期間(原則2か月)が終了していることが求められます。給付制限期間中や待機期間中に開業した場合は再就職手当の対象外となります。焦りから給付制限期間中に事業を開始してしまい、受給権を失うことは避けてください。

フリーランスは原則として失業保険対象外ですが、会社員時代の加入歴や再就職手当、廃業後の手続き次第で支援を受けられる可能性があるという整理が示されています(Remogu|フリーランスが廃業したら失業保険は出る?廃業後の制度解説)。「失業保険を諦めたらそれで終わり」ではなく、再就職手当という並行ルートを常に視野に入れてください。

再就職手当の申請はハローワークで開業日から1か月以内

再就職手当の申請は、開業日(事業開始日)から1か月以内にハローワークへ「再就職手当支給申請書」を提出する必要があります。申請に必要な書類は開業届の写し・事業実施の証明資料・本人確認書類などです。申請期限を1日でも過ぎると受給権を失うため、開業日をカレンダーに記録し、1か月以内のアラートを設定することを具体的な行動として実施してください。

CHECK

▶ 今すぐやること: ハローワークへ「再就職手当の受給条件を確認したい」と電話し、現在の受給残日数を確認する(10分)

Q: 副業としてフリーランス活動をしながら会社員を続けている場合、退職後に再就職手当は受給できますか?

A: 退職後に基本手当の受給資格を得た上で、給付制限期間終了後・待機期間経過後に事業を「本格的に開始した」と認定されれば対象になりえます。副業時代の事業継続性がどう評価されるかは状況により異なるため、ハローワークへ事前に状況を相談してください。

Q: 再就職手当を受給した後に廃業した場合、返還を求められますか?

A: 一般的には返還義務はありません。ただし虚偽申告や不正受給があった場合は返還が求められます。

失業・廃業時に使える保険料減免と共済制度は3種類

基本手当や再就職手当を受け取れない場合でも、毎月の固定費を減らす手段が3種類あります。

国民健康保険料の減免は離職翌日に申請できる

雇用保険の特定受給資格者(会社都合退職など)または特定理由離職者(雇用期間満了による離職など)に該当する場合、国民健康保険料が前年の給与所得を30/100(10分の3)とみなして算定される軽減制度があります(厚生労働省「倒産・解雇などで離職された方、いわゆる非自発的失業者に係る国民健康保険料(税)の軽減について」)。軽減は申請月から適用されるため、離職翌日に住所地の市区町村窓口へ申請することで最大の効果を得られます。後回しにした期間の保険料は通常額のまま確定するため、申請は最速で行うことが合理的です。

軽減の対象者は離職票または雇用保険受給資格者証に記載されたコードで判定されます。離職票に記載された離職理由コードが「特定受給資格者(コード11〜32)」または「特定理由離職者(コード33〜34)」に該当するかを確認してください。フリーランスとして廃業した場合(事業廃止による離職)は別の扱いとなるため、自治体窓口で個別に減免可否を確認してください。国民健康保険料を軽減する制度は複数あるため、離職直後に市区町村に相談することをお勧めします。

国民年金保険料の免除・猶予は前年所得が一定以下なら全額免除になりうる

国民年金保険料の免除・猶予制度は、所得が一定水準以下の場合に保険料の全額または一部(4分の3・半額・4分の1)を免除する制度です(日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)。全額免除の所得基準は「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」以下が目安です。単身者の場合、前年所得が67万円以下が目安となります。廃業や収入途絶により前年所得が大幅に下がった年には、申請することで保険料負担を大きく減らせます。

免除・猶予を受けた保険料は10年以内であれば追納でき、追納すれば将来の年金額を満額に戻せます。免除期間中の年金額は免除割合に応じて減額されますが(全額免除の場合、将来の年金額は満額の2分の1)、受給資格期間には算入されます。まず免除を申請して生活を安定させ、事業が再軌道に乗った後に追納を検討するという順序が合理的です。国民年金免除の申請と年収目安については、所得基準と申請手順を事前に確認しておくことが重要です。

小規模企業共済は月1,000円から積み立てできる退職金の代替制度

小規模企業共済は、中小機構が運営するフリーランス・個人事業主向けの退職金積み立て制度です(独立行政法人中小企業基盤整備機構「小規模企業共済」)。月1,000円〜7万円の範囲で積み立てでき、掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となります。廃業・解約時に積み立てた元本に一定の付加が加わった共済金を受け取れますが、加入から20年未満の任意解約は元本割れするリスクがあります。失業後の即時生活費補填には向いていませんが、廃業リスクへの備えとして在職中から加入しておく価値があります。

在職中・開業直後の段階で加入しておけば、廃業時の受取額が数十万〜数百万円の差になります。廃業後に小規模企業共済の存在を知って後悔するフリーランスは少なくないため、開業直後に加入を検討してください。

CHECK

▶ 今すぐやること: 離職票の離職理由コードを確認し、特定受給資格者・特定理由離職者に該当する場合は翌日に市区町村窓口へ国民健康保険料の減免申請に行く(30分)

Q: フリーランスとして廃業した場合でも国民健康保険料の軽減制度を使えますか?

A: 雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者向けの軽減制度は、離職票の記載コードに基づく判定のため、廃業の場合は対象外になるケースがあります。ただし自治体独自の減免制度が別途ある場合があるため、住所地の市区町村へ個別に確認してください。

Q: 国民年金の免除を受けると将来の受給額にどのくらい影響しますか?

A: 全額免除の場合、免除期間中の年金額は満額の2分の1として計算されます。ただし免除期間は受給資格期間に算入されるため、無年金になるリスクはありません。追納すれば満額に戻せます。

フリーランスが失業・廃業時に使える制度は5つの仕組みで対応

申請が多くて何から始めればいいか分からない場合も、以下の5段階で優先順位をつけると動きやすくなります。

廃業決定後48時間以内に行うべき3つの確認

廃業または収入途絶が決まった時点で最初にすべきことは3点です。第一に、雇用保険加入期間の確認(ハローワーク電話相談)。第二に、特例申請の期限確認(事業開始日から2か月以内か)。第三に、国民健康保険料の減免可否確認(市区町村窓口または電話)。この3点を最初の48時間以内に確認するだけで、後の手続きの優先順位が明確になります。申請期限の短い制度が複数あるため、初動の遅れが取りこぼしに直結します。

廃業直後の負荷を軽減するため、事前に「ハローワークの担当者名と直通番号」「市区町村の保険年金課の番号」をスマートフォンのメモに保存しておいてください。

ハローワーク手続きの流れは4ステップで完結

ハローワークでの基本的な手続きは4ステップです。第一ステップは離職票の受け取り(退職後10日前後に会社から届く)。第二ステップはハローワークでの受給資格決定(離職票持参、所要2〜3時間)。第三ステップは初回説明会への参加(受給資格決定から1週間程度後)。第四ステップは失業認定日ごとの求職活動実績の提出(認定日は28日ごと)。特例申請または再就職手当の申請はこの流れに並行して行います。

会計ソフトや請求書ツールで収支実績を管理している場合、それらの記録が特例申請の「事業実施証明資料」として活用できます。デジタルデータは印刷して提出できるため、日常的な記録管理が廃業時の手続き負荷を大幅に下げます。

給付金受給中の活動が「事業性あり」と判断されないための線引き

受給中に副業収入や業務委託の打診を受けた場合、その活動の「事業性」をどう判断するかが受給の継続可否を左右します。1日の収入が基本手当日額を超える日や、継続的な業務委託契約がある状態は「就業した日」とみなされ、受給額の調整または受給停止の対象になります。不正受給とみなされた場合、雇用保険法第10条の4に基づき、受給額の最大3倍の返還請求が生じます。収入が発生した日はすべて正直に申告してください。

CHECK

▶ 今すぐやること: 廃業後の手続きメモを作成する。「①ハローワーク電話番号、②市区町村保険年金課電話番号、③事業開始日、④離職日」を一枚の紙またはメモアプリに記録する(5分)

Q: 受給中に単発の仕事(1日のみの業務委託)を受けた場合はどうすればよいですか?

A: 受給中に収入が発生した日は、認定日にハローワークへ申告する義務があります。単発でも収入が発生した日は「就業した日」として届け出てください。申告漏れは不正受給とみなされる場合があります。

Q: ハローワークの手続きは全国どこでもできますか?

A: 原則として、住所地を管轄するハローワークでの手続きが必要です。一部の手続きはオンラインでも可能ですが、初回の受給資格決定は来所が必要なケースが多いです。

まとめ: フリーランス失業は5制度で対応する

フリーランスが失業・廃業した際に活用できる制度は、①基本手当(会社員時代の加入歴活用)、②事業開始等による受給期間の特例(最大3年延長)、③再就職手当(残日数の60〜70%一時金)、④国民健康保険料の減免、⑤国民年金保険料の免除・猶予の5種類です。「フリーランスには関係ない」と諦めることなく、会社員歴と廃業タイミングの組み合わせで複数の制度を並行活用することが、収入途絶のダメージを最小化する最短ルートです。

制度の申請期限はどれも短く設定されており、動き出しが1日遅れるだけで受給権を失うケースがあります。廃業・離職が決まった時点で「まずハローワークへ電話する」という行動を最優先にしてください。

状況次の一歩所要時間
会社員退職直後(開業前)ハローワークへ離職票を持参して受給資格決定の手続き2〜3時間
開業直後(事業開始から2か月以内)特例申請をハローワークへ提出1〜2時間(書類準備含む)
廃業直後(離職日から4年以内)ハローワークへ廃業の事実を報告・残存受給可否を確認1時間
収入途絶・廃業直後(保険料が払えない)市区町村窓口で国民健康保険料の減免申請30分〜1時間
長期的なリスク管理として小規模企業共済への加入を中小機構のサイトで確認30分

フリーランス失業したとき使える制度に関するよくある質問

Q: フリーランスになった後に会社員に戻った場合、それまでの失業保険の受給権はどうなりますか?

A: 再就職手当を受給した場合はその時点で受給権は消滅します。再就職手当を受給せず、給付日数が残っている状態で再就職した場合は、次回離職時に残りを受給できる可能性があります。詳細はハローワークへ確認してください。

Q: 廃業届を出すタイミングは、ハローワークへの申請前と後どちらがよいですか?

A: 廃業届(税務署への個人事業の廃業等届出書)とハローワークへの失業給付申請は別の手続きです。廃業届を先に提出しても受給に不利になることはありませんが、廃業の事実をハローワークへ速やかに伝えることで手続きをスムーズに進められます。

Q: 失業保険の受給中に確定申告は必要ですか?

A: 基本手当・再就職手当は非課税のため、それ自体は確定申告の対象になりません。ただし、フリーランスとしての事業収入が年間48万円(基礎控除額)を超える場合は確定申告が必要です。

【出典・参照元】

厚生労働省「離職後に事業を開始等した場合の雇用保険受給期間の特例について」

厚生労働省「再就職手当のご案内」

厚生労働省「倒産・解雇などで離職された方、いわゆる非自発的失業者に係る国民健康保険料(税)の軽減について」

独立行政法人中小企業基盤整備機構「小規模企業共済」

日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」

ゴーゴーかけい|フリーランスと失業保険

Remogu|フリーランスが廃業したら失業保険は出る?廃業後の制度解説

記事内容は2026年06月時点の法令・制度に基づいています。