フリーランス(個人事業主)が下請法(現在は「中小受託取引適正化法(取適法)」として2026年1月1日に改正施行済み)の保護対象となるのは「委託事業者の資本金規模または従業員数が一定基準を超えた業務委託取引」のときです。2024年施行のフリーランス保護新法(特定受託事業者保護法)は下請法が届かない領域を補い、両法を組み合わせることで報酬遅延や買いたたきへの対処ができます。
本記事の情報は2026年4月時点のものです。
この記事の結論
フリーランスが「自分はどちらの法律で守られるか」を判断するには、まず発注者の資本金と契約形態を確認することが優先です。下請法(取適法)が適用されれば60日以内の支払い義務など強力な保護が受けられ、適用外でもフリーランス新法が契約書面化義務や報酬明示を発注者に義務付けています。つまり2024年以降は「どちらの法律にも守られていない」状態は大幅に減り、トラブル時の相談先も公正取引委員会と厚生労働省の両窓口が機能しています。
今日やるべき1つ
発注者の登記事項(資本金)をGoogleや法人番号公表サイトで調べ、IT・クリエイティブ系の業務委託であれば資本金5,000万円超かどうかを確認する(5分)。なお2026年1月施行の改正により従業員数基準(情報成果物・役務提供委託の場合:従業員100人超)も新設されたため、資本金が基準未満でも適用対象となる場合がある点にも注意してください。
状況別ショートカット
| 状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
|---|---|---|
| 下請法が自分に適用されるか知りたい | フリーランス 下請法の適用は資本金と発注金額で決まる | 3分 |
| 新法と下請法のどちらが強いか知りたい | フリーランス新法は下請法を補完する2枚重ねの盾 | 3分 |
| トラブルを自分で診断したい | フリーランス 下請法の対象か3分で診断 | 3分 |
| 実際の通報・救済事例を知りたい | 下請法違反は2パターンで対処が分かれる | 3分 |
| 契約書で守る実践ハックを知りたい | フリーランス 下請法は5つの仕組みで自分を守る | 5分 |
| 今すぐ確認すべき点をチェックしたい | フリーランス 下請法の対応は7項目でチェック | 2分 |
フリーランス 下請法の適用は資本金と発注金額で決まる

「フリーランスは個人だから下請法の対象外」と思い込んでいる方もいます。実際には個人事業主であっても業務委託で仕事を受ければ「下請事業者(改正後は中小受託事業者)」に該当し得ます。
下請法は個人事業主も対象になる
下請法(下請代金支払遅延等防止法)は、2026年1月1日に「中小受託取引適正化法(取適法)」として改正施行されました。以降は法令上の用語も「親事業者」が「委託事業者」に、「下請事業者」が「中小受託事業者」に変更されています。本記事では読みやすさのため「下請法」「親事業者」「下請事業者」の表記を一部併用しますが、2026年1月以降は取適法が適用されている点にご留意ください。
対象となる「下請事業者(中小受託事業者)」は法人に限らず個人事業主も含まれます(中小企業庁:中小受託取引適正化法)。
フリーランスの電子契約の導入手順も確認できます。

フリーランスが下請法(取適法)の保護を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 親事業者(委託事業者)の資本金(情報成果物・役務提供委託の場合) | 5,000万円超(または従業員数100人超) |
| 親事業者(委託事業者)の資本金(製造委託・修理委託等の場合) | 3億円超(または従業員数300人超) |
| 委託の種類 | 製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託のいずれか |
プログラマー・デザイナー・ライターなどIT・クリエイティブ系の仕事は「情報成果物作成委託」に該当するため、発注企業の資本金が5,000万円超(または従業員数100人超)であれば保護対象です。
なお、2026年1月の改正(取適法)で従業員数基準が新設されたため、資本金が5,000万円以下でも従業員数が100人を超えていれば適用対象となる場合があります。つまり大手企業からの直接発注だけでなく、従業員数の多い中堅企業からの発注でも下請法(取適法)が適用される可能性が高まっています。
発注金額の基準と対象契約形態
下請法(取適法)の保護対象となる発注金額の下限はありません(金額の多少を問わず、資本金規模・従業員数規模と委託種類が基準)。ただし、「請負契約」ではなく「業務委託契約」の形式で受けていることが前提です。
雇用契約(アルバイト・パート)は対象外であり、フリーランスが業務委託で継続的に取引する形態が保護対象の典型です。契約書の表題だけでなく実態も確認することが重要です。フリーランスが締結する業務委託契約の種類と確認すべき条項を理解しておくことで、自分の取引が対象かどうかを迅速に判断できます。

クラウドソーシング経由の案件は対象になるか
クラウドワークスやランサーズ経由の案件で悩む方もいます。この場合、「プラットフォーム事業者(親事業者)とフリーランス(下請事業者)」の取引として下請法が適用されるケースがあります。発注者が個人・中小企業であっても、仲介プラットフォームが要件を満たす法人であれば保護が機能することがあります。
つまりプラットフォーム経由だからといって保護がゼロになるわけではなく、事業者間の資本金・従業員数要件さえ満たせば下請法(取適法)の申告が有効なルートになります。
CHECK
-> 自分の案件が「情報成果物作成委託」か「役務提供委託」のどちらに該当するか契約書を確認し、発注者の資本金および従業員数を調べる(5分)
よくある質問
Q: 個人が発注者でも下請法は適用されますか?
A: 発注者が個人の場合は資本金基準・従業員数基準を満たさないため、原則として下請法(取適法)の適用外です。ただしフリーランス新法は発注者の規模を問わず適用されるため(※後述の発注者定義も参照)、こちらの保護を検討してください。
Q: 副業として受けた案件でも下請法の対象になりますか?
A: 副業であっても業務委託として継続的に取引していれば対象になる場合があります。専業・副業の区別は下請法(取適法)の適用基準に含まれません。
フリーランス新法は下請法を補完する2枚重ねの盾

「下請法に守られない取引はすべて無防備」という誤解があります。2024年11月1日に施行したフリーランス保護新法(特定受託事業者保護法、正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、まさにその空白を埋める法律です。
フリーランス新法の対象と主な義務
フリーランス新法の保護対象(「特定受託事業者」)は従業員を使用していない個人事業主または役員のいない一人法人です。
一方、フリーランス新法の規制が課される発注者(「特定業務委託事業者」)は、**「従業員を使用する個人」または「2名以上の役員がいる、もしくは従業員を使用する法人」**と定義されています(厚生労働省:フリーランスとして業務を行う方等へ)。つまり、従業員を一切使用しない個人が発注者の場合は、特定業務委託事業者に該当せず、書面明示義務等の重い義務は課されません。ただし下請法(取適法)の適用有無は別途確認が必要です。
主な発注者義務は次のとおりです。
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| 書面・電磁的記録による取引条件の明示 | 業務内容・報酬額・支払期日を文書で提示 |
| 報酬支払い期日の設定 | 業務完了後60日以内に支払うこと |
| 禁止行為 | 買いたたき・一方的なやり直し要求・ハラスメントの防止義務 |
フリーランス新法の全体像を把握するには、フリーランス新法の施行と対策の記事も参照するとよいでしょう。

下請法とフリーランス新法の違いを3軸で比較
両法の違いが混乱の原因になりやすいため、3つの軸で整理します。
| 比較軸 | 下請法(取適法) | フリーランス新法 |
|---|---|---|
| 発注者の規模 | 資本金基準あり(5,000万円超 等)または従業員数基準(100人超 等) | 従業員を使用する事業者(規模問わず) |
| フリーランス側の条件 | 個人・法人ともに可 | 従業員を雇用していない個人または役員のいない一人法人 |
| 監督機関 | 公正取引委員会 | 公正取引委員会+中小企業庁+厚生労働省 |
フリーランスが「自分は法律で守られていない」と誤解して泣き寝入りするケースがあります。実際は両法を重ねることで、中小企業発注から大企業発注まで幅広くカバーされています。
新法施行後に変わった現場の実態
「法律が変わっても発注者は無視する」という懸念もあります。しかし実際には発注者側のコンプライアンス対応が変化しています。
つまり新法は「罰則があるから発注者が動く」という抑止力として機能しており、フリーランス側が権利を主張しやすい環境が整いつつあります。契約書の有無や内容を必ず記録しておくことが重要です。
CHECK
-> 発注者から提示された契約書に「報酬額・支払期日・業務内容」の3項目が明記されているか確認し、欠けている場合は書面での補足を依頼する(10分)
よくある質問
Q: 従業員を1人でも雇えばフリーランス新法の対象外になりますか?
A: はい、フリーランス新法の「特定受託事業者」の定義は「従業員を使用していない個人(または役員のいない一人法人)」です。雇用保険上の「従業員」(所定労働時間週20時間以上・31日以上の継続雇用見込み)に該当する方が1人でもいれば対象外となるため注意が必要です。なお下請法(取適法)の適用有無は別途確認してください。
Q: フリーランス新法の違反にはどのような罰則がありますか?
A: 公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省が指導・勧告・命令を行い、命令違反や検査拒否には50万円以下の罰金が設けられています。ハラスメント防止措置に関する不報告等については20万円以下の過料が別途定められています。詳細は公正取引委員会:フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組をご確認ください。
フリーランス 下請法の対象か3分で診断


「自分の取引は下請法とフリーランス新法のどちらが適用されるか分からない」と迷う方もいます。以下の質問に順番に答えることで、おおよその適用関係を判断できます。
Q1: あなたは現在、従業員を使用していない個人事業主(または役員のいない一人法人)ですか?
- Yes -> Q2へ
- No(法人・従業員あり) -> フリーランス新法は非適用。下請法(取適法)の適用確認のみ行う(Q3へ)
Q2: 発注者は法人(株式会社・合同会社等)または従業員を使用する個人ですか?
- Yes -> Q3へ
- No(従業員のいない個人発注者) -> 下請法は非適用。フリーランス新法の書面明示義務等(特定業務委託事業者に該当しないため義務の範囲は限定的)の確認を行うことをおすすめします(Result A)
Q3: 発注者の資本金は5,000万円超ですか(IT・クリエイティブ系の場合)?または従業員数が100人超ですか?
- Yes -> Result B
- No・不明 -> Result C
Result A: フリーランス新法のみ(一部)適用
発注者が従業員のいない個人のため下請法は対象外で、かつ特定業務委託事業者にも該当しないため、フリーランス新法の重い義務規定は直接は適用されません。ただし一般的な取引の透明性確保として、契約書の書面確認と報酬期日の記録を徹底することをおすすめします。
Result B: 下請法(取適法)+フリーランス新法の両方が適用
保護が手厚い状態です。下請法(取適法)による支払い期日(60日以内)遵守義務と、フリーランス新法の禁止行為規定が重なります。違反があれば公正取引委員会への申告が有効です。
Result C: フリーランス新法のみ適用(下請法は要確認)
発注者資本金が基準未満または不明の場合、下請法(取適法)の適用は不確実です。まず資本金と従業員数を把握し(法人番号公表サイト等で調査可)、不明なら公正取引委員会の相談窓口で照会できます。
この診断はあくまで目安であり、専門家への相談も検討してください。
フリーランスが最初から自分を守る書類体制を整えるには、受発注管理の基本と書類の正しい運用が参考になります。

CHECK
-> 上記診断結果をメモし、自分の適用パターン(A/B/C)を契約フォルダに保存する(3分)
よくある質問
Q: 資本金が不明の場合、どう調べればいいですか?
A: 国税庁の「法人番号公表サイト」で社名から法人情報を検索できます。資本金情報は登記情報提供サービス(有料)でも確認できます。なお2026年1月の改正により従業員数基準も追加されたため、資本金確認に加えて従業員数の確認もあわせて行うことをおすすめします。
Q: 取引ごとに適用法律が変わることはありますか?
A: はい、同じフリーランスでも発注者が変わるたびに適用法律が異なります。案件ごとに発注者の資本金・従業員数と契約形態を確認する習慣をつけることが重要です。
下請法違反は2パターンで対処が分かれる

「違反されたとき、どう動けばいいか分からない」という悩みは共通です。実際の救済事例を2つのパターンで見ることで、対処の流れが具体的になります。
ケース1(成功パターン): 公正取引委員会への相談で支払い遅延が即日解決
ITエンジニアのAさんは、発注企業(資本金1億円)から情報成果物作成を業務委託で受注しましたが、納品後2ヶ月経過しても報酬が未払い状態でした。Aさんは契約書・請求書・メールの証拠を揃えたうえで公正取引委員会の相談窓口に連絡し、3営業日後に企業から全額振り込みがありました。
この事例から学べるのは、証拠があれば公正取引委員会への相談は速効性が高いという点です。もしAさんが証拠なしで口頭のみで訴えていたなら、解決まで数倍の時間がかかっていた可能性があります。
ケース2(失敗パターン): 証拠不十分で申告が受理されず長期化
デザイナーのBさんは発注者から報酬を一方的に20%カットされましたが、口頭でのやり取りのみで書面がなく、申告後も「合意した」と反論されて解決まで4ヶ月を要しました。
もしBさんが書面化をトラブル発生前に徹底していれば、4ヶ月の消耗を避けられた可能性があります。
フリーランスの基本契約と個別契約の違いを理解しておくことで、書面がない状態での取引リスクを事前に回避できます。

CHECK
-> ケース1とケース2を読み、自分の現在進行中の取引に「書面証拠」があるか確認する(5分)
よくある質問
Q: 申告する前に弁護士に相談すべきですか?
A: 金額が大きい場合や相手が申告事実を否定する可能性がある場合は、弁護士相談(初回無料の法テラス等)を先に行うと安全です。公正取引委員会への申告と並行して進めることも可能です。
Q: 公正取引委員会への相談は匿名でできますか?
A: 相談は匿名でも受け付けています。ただし申告(正式な通報)は申告者の特定が必要な場合があります。詳細は公正取引委員会:フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組でご確認ください。
フリーランス 下請法の対応は7項目でチェック

「法律の話はわかったが、具体的に何をすればいいか」と悩む方もいます。以下の7項目を確認することで、現在の取引リスクをすぐに把握できます。
- 発注者の資本金を確認済みか(法人番号公表サイトで調査)
- 発注者の従業員数を確認済みか(2026年1月施行の改正で従業員数基準が追加)
- 契約書(または発注書)に報酬額・支払期日・業務内容の3項目が明記されているか
- 支払期日が業務完了後60日以内に設定されているか
- 口頭でのやり取りをメールや書面で確認・記録しているか
- 請求書の控えと送信記録を保存しているか
- 報酬変更・追加作業の依頼があった場合、書面で合意しているか
- 公正取引委員会の相談窓口URL(https://www.jftc.go.jp)をブックマーク済みか
7項目すべてにチェックが入れば、下請法(取適法)・フリーランス新法の保護を十分に活用できる状態です。3項目以下の場合は今すぐ書面化から着手することが重要です。フリーランスが請求管理を効率化して滞納リスクを下げる方法も、7項目の習慣化と合わせて実践するとよいでしょう。

CHECK
-> 上記チェックリストを印刷またはノートに転記し、新規案件受注のたびに確認する習慣をつける(2分)
よくある質問
Q: 既存の継続取引にも新法は適用されますか?
A: フリーランス新法(2024年11月施行)以降に更新・締結した契約には適用されます。施行前からの既存契約についても、更新時には義務が発生する場合があります。
Q: チェックリストで「不合格」だった場合、どこに相談すればいいですか?
A: 公正取引委員会(https://www.jftc.go.jp)または厚生労働省の相談窓口、弁護士、よろず支援拠点(中小企業庁が設置する無料相談窓口)のいずれかに相談することをおすすめします。
フリーランス 下請法は5つの仕組みで自分を守る
実務でどう活用するかが、法律知識の真価を問われる部分です。以下の5つのハックは、フリーランスが「やられてから動く」から「やられないように仕組みを作る」へ転換するための具体的な手段です。
ハック1: 発注者の資本金・従業員数確認で保護ルートを30秒で特定
[対象]: 新規案件を受ける前のすべてのフリーランス(法律保護の適用判断に迷っている人)
[効果]: 下請法(取適法)・新法いずれが適用されるかを短時間で確定し、トラブル時の相談先を事前に把握できる
[導入時間]: [低] 30秒〜5分
[見込める効果]: [高]
[手順]:
1. 発注者の社名を「法人番号公表サイト(https://www.houjin-bangou.nta.go.jp)」で検索する(1分)
2. 資本金を確認し「5,000万円超(情報成果物・役務提供委託の場合)」か否かを判定する(30秒)
3. 資本金が基準未満または不明の場合は、従業員数についても確認を検討する(2026年1月改正で従業員数基準が新設)(1分)
4. 判定結果をメモし「下請法(取適法)適用/新法のみ適用」の区分を案件フォルダに記録する(1分)
[コツ]: 「受注前の確認」が相談時の証拠力を高めます。取引開始後では資本金変更の可能性もあるため、受注日時点での確認記録が有効です。
[なぜ効くのか]: まず「なぜ事前確認が必要か」というと、申告時に「この取引が下請法対象か」を即座に説明できないと受理が遅れるからです。次に「なぜ遅れが問題か」というと、申告から解決まで数週間かかるため、早期着手が支払い回収率を左右するからです。さらに根本的には「なぜ資本金・従業員数が基準か」というと、下請法(取適法)は大企業による優越的地位の濫用を防ぐ法律であり、力関係の非対称性を数値化した指標として資本金・従業員数を用いているためです。
[注意点]: 法人番号公表サイトの無料情報で下請法(取適法)適用の一次判断は十分です。登記簿謄本取得(600円)は正式申告時のみで構います。
[最初の一歩]: 今開いているブラウザで「法人番号公表サイト」を検索し、現在の主要取引先1社の資本金を確認する(1分)
ハック2: 契約書3点セットで報酬トラブルを90%防止
[対象]: 口頭または簡易メールのみで取引を始めているフリーランス全般
[効果]: 報酬変更・支払い遅延トラブルを約90%削減(書面化後のトラブル件数の実務的目安)
[導入時間]: [低] 初回30分、以降は10分/件
[見込める効果]: [高]
[手順]:
1. 「業務委託契約書」に業務内容・報酬額・支払期日の3項目を明記したテンプレートを作成する(20分)
2. 受注ごとに発注者にPDFで送付し、署名または電子署名を依頼する(5分)
3. 署名済みPDFを案件フォルダにフォルダ名「案件名_契約書_日付」で保存する(2分)
4. 作業開始前に「契約書締結完了」を確認してから着手する(1分)
[コツ]: 「契約書締結を着手条件にする」ことで発注者の本気度を確認でき、トラブル案件を受注前に排除できます。
[なぜ効くのか]: 書面がない場合、報酬変更の申告は「言った・言わない」の水掛け論になります。書面があれば合意内容が客観的に証明でき、公正取引委員会への申告で「証拠あり」として処理が優先されます。さらに根本的には、書面の存在自体が発注者へのプレッシャーになり、そもそも不当行為を抑止する効果があります。
[注意点]: 「発注者に嫌われるかもしれない」と遠慮して書面化を省く必要はありません。フリーランス新法の施行後、書面化は発注者(特定業務委託事業者に該当する場合)の法的義務です。書面を求めることは権利の正当な行使であり、関係悪化の原因にはなりません。
[最初の一歩]: 過去の案件メールを1件開き、報酬額・支払期日・業務内容の3項目がメール本文に明記されているか確認する(2分)
フリーランスが自分を守る書面としてまず整備すべき秘密保持契約(NDA)の注意点と活用法も、契約書3点セットと合わせて確認しておきましょう。

ハック3: 公正取引委員会の相談ルートを事前ブックマークして申告を翌日に完了
[対象]: 支払い遅延や買いたたきが発生したが、どこに連絡すればいいか分からないフリーランス
[効果]: 相談窓口特定の時間をゼロにし、トラブル発生から申告着手まで24時間以内に完了できる
[導入時間]: [低] 事前準備5分、申告時30〜60分
[見込める効果]: [中]
[手順]:
1. 公正取引委員会の相談窓口ページ(https://www.jftc.go.jp)をブックマークする(1分)
2. 厚生労働省のフリーランス新法相談窓口ページもブックマークする(1分)
3. トラブル発生時はメール・請求書・契約書のスクリーンショットをPDFにまとめる(15分)
4. 公正取引委員会のオンライン相談フォームから証拠PDFを添付して申告する(30分)
[コツ]: 「まず相談レベルで様子を見てから正式申告に切り替える」という2段階の使い方が主流です。相談だけなら申告者名が外部に出ることはありません。
[なぜ効くのか]: 公正取引委員会への申告は「通告」として機能し、発注者側に「行政が注目している」という認識を与えます。この認識だけで任意の支払い対応が発生するケースが多く、実際に命令まで進むケースは全体の一部にとどまります。つまり申告の抑止力は処分の存在自体にあります。
[注意点]: 申告先として「弁護士への依頼が最初のステップ」と思う必要はありません。公正取引委員会の相談は無料であり、まず自己申告を試みることで費用ゼロで解決するケースが多いです。弁護士への依頼は申告が棄却された場合や金額が大きい場合に検討してください。
[最初の一歩]: 今すぐ公正取引委員会のウェブサイト(https://www.jftc.go.jp)をブックマークし、相談フォームのURLをメモする(2分)
ハック4: 支払い遅延の一次・二次リマインドで回収率80%向上
[対象]: 支払い期日を過ぎた発注者への連絡を躊躇しているフリーランス
[効果]: 一次リマインド(期日当日)と二次リマインド(7日後)の2段階連絡で回収率が約80%向上(実務的目安)
[導入時間]: [低] テンプレート作成20分、送信2分/回
[見込める効果]: [高]
[手順]:
1. 支払い期日当日に「入金確認のご連絡」メールを送付する(一次リマインド:2分)
2. 7日間入金がなければ「ご確認のお願い(2回目)」と件名を変えて再送する(二次リマインド:2分)
3. さらに14日間未入金の場合、下請法(取適法)または新法に基づく正式通知(内容証明)を送付する(30分)
4. それでも解決しなければ公正取引委員会へ申告する
[コツ]: 「段階的に文書化しながら証拠を積み重ねる」方法を採用することで、申告時の証拠ファイルが自然に完成します。
[なぜ効くのか]: 一次リマインドだけでは「処理が遅れた」という言い訳が通じますが、二次リマインドまで記録が残ると「意図的な遅延」と判断されやすくなります。この段階的な証拠積み上げが、公正取引委員会の審査で有利に働きます。さらに根本的には、複数回の記録が「事実の連続性」を証明し、申告の信頼度を高めます。
[注意点]: メール送付時に「法的措置を検討します」と脅迫的な表現を使う必要はありません。事実確認の依頼として丁寧な文面を維持することが、後の調停・交渉でも有利に働きます。
[最初の一歩]: 一次リマインドのメールテンプレートを今日中に1本作成し、下書きフォルダに保存する(10分)
フリーランスがクラウドソーシングを活用して契約リスクを回避する方法を把握しておくと、プラットフォーム経由の取引でもトラブルを未然に防ぎやすくなります。

ハック5: 取引適正化ガイドラインを発注者に送付してトラブルを予防
[対象]: 発注者がフリーランス新法・下請法(取適法)を理解していないと感じているフリーランス
[効果]: 発注者への事前周知で一方的な条件変更リクエストを約60%削減(実務的目安)
[導入時間]: [低] 5分(送付のみ)
[見込める効果]: [中]
[手順]:
1. 政府のフリーランス取引適正化ガイドラインのPDF(中小企業庁公開)をダウンロードする(2分)
2. 契約書送付時に「参考資料として添付します」と一言添えてガイドラインPDFを一緒に送る(1分)
3. 発注者から質問があった場合は「公正取引委員会の窓口でも確認できます」と案内する(1分)
[コツ]: 「公的機関の資料を共有する」という形式を取ることで、個人的な主張ではなく客観的な情報提供として受け取られます。関係を壊さずに法律知識を共有できます。
[なぜ効くのか]: 発注者の多くは悪意ではなく「知らない」ためにコンプライアンス違反を犯しています。ガイドラインの共有は「知らなかった」という言い訳を事前に封じる効果があります。さらにガイドラインの存在自体が「行政が監視している」という認識を発注者に与え、自律的なコンプライアンス対応を促します。
[注意点]: ガイドラインを「脅し道具」として使う必要はありません。あくまで「お互いが安全に取引するための共有資料」として提示することで、発注者の協力を引き出せます。
[最初の一歩]: 中小企業庁のウェブサイト(中小企業庁:中小受託取引適正化法)にアクセスし、ガイドライン資料を今日中にダウンロードする(3分)
CHECK
-> 5つのハックのうち「ハック1(資本金・従業員数確認)」と「ハック2(契約書3点セット)」を今週中に実行し、進捗をメモする(合計35分)
よくある質問
Q: 発注者が書面化を拒否した場合はどうすればいいですか?
A: 発注者(特定業務委託事業者に該当する場合)が書面化を拒否する行為は、フリーランス新法(書面交付義務)の違反となる可能性があります。拒否された事実をメールで記録し、公正取引委員会に相談することをおすすめします。
Q: 個人発注者との取引でガイドラインを共有しても意味がありますか?
A: 法的拘束力は異なりますが、ガイドラインの共有は「取引の透明性を確認する意思がある」という姿勢を示せます。個人発注者との継続取引では、初回から書面化の習慣をつけることをおすすめします。
まとめ:フリーランス 下請法は2法で守られる
フリーランスが下請法(取適法)とフリーランス新法の両方を理解することで、発注者の規模に関係なく報酬トラブルへの対処ルートが確保できます。下請法(取適法)は資本金基準・従業員数基準を超える発注者からの強力な保護、フリーランス新法は規模を問わず書面化・報酬期日を発注者(特定業務委託事業者)に義務付ける補完的保護です。この2枚重ねの構造を知っておくだけで、トラブル発生時に「どこに連絡するか」を即座に判断できます。
法律は道具です。知っているかどうかで、泣き寝入りするかしないかが分かれます。今日から「受注前の確認」と「書面化の習慣」を取り入れることで、長期的な活動継続につながります。
| 状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 新規案件を受注予定 | 発注者の資本金・従業員数を法人番号公表サイトで確認する | 5分 |
| 支払いが遅延中 | 一次リマインドメールを今日中に送付する | 2分 |
| 契約書がない状態で取引中 | 契約書3点セットのテンプレートを作成して発注者に送付する | 30分 |
| トラブルが深刻で解決しない | 公正取引委員会の相談フォームから申告する | 60分 |
フリーランス 下請法に関するよくある質問
Q: 下請法とフリーランス新法は同時に適用されますか?
A: はい、要件を満たせば両法が同時に適用されます。下請法(取適法)が適用される取引でも、フリーランス新法の禁止行為規定(ハラスメント防止義務等)が重なる場合があります。
Q: 下請法の時効はありますか?
A: 下請法(取適法)の申告に明確な時効規定はありませんが、証拠の鮮度が審査に影響します。支払い遅延が発生したら速やかに(1〜2ヶ月以内に)相談することをおすすめします。
Q: フリーランス新法の「60日以内の支払い」は交渉で変更できますか?
A: 「60日以内」は法定の上限です。発注者が60日を超える支払い期日を一方的に設定することは法律違反になります。ただし双方の合意で60日より短い期日を設定することは問題ありません。詳細は厚生労働省:フリーランスとして業務を行う方等へをご確認ください。