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フリ転編集部

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目次

この記事でわかること

  • 納品日起算60日以内の支払義務と違反リスクの判定方法
  • 月末締め翌々月末払いが違反になる具体的な計算例
  • 公正取引委員会への相談・通報で支払条件が改善できる実例

本記事の情報は2026年4月時点のものです。

この記事の結論

下請法の支払期日60日ルールは、「納品完了日または役務提供完了日」を起算日として60日以内に支払うことを親事業者に義務づけた規定です。「月末締め翌々月末払い」は実質60日を超えるケースがあり、設定の仕方によっては違反となります。違反が疑われる場合は公正取引委員会または中小企業庁への相談・通報が有効です。

今日やるべき1つ

現在の取引先との契約書を開き、「支払期日」の記載が「納品完了日から○日以内」と具体的に書かれているか確認する(5分)。

状況別ショートカット

状況読むべきセクション所要時間
60日の数え方・起算日を知りたい下請法支払期日60日は納品日起算が原則3分
月末締め翌々月末が違反か確かめたい下請法支払期日60日は月末締めで超過に注意3分
手形払いのルールを確認したい下請法支払期日60日は手形でも同じ基準3分
自分の取引が違反か診断したい下請法支払期日60日の対応を3分で診断3分
違反時の通報・相談先を知りたい下請法支払期日60日は5つの仕組みで管理5分

下請法支払期日60日は納品日起算が原則

下請法が定める起算日は「物品の受領日または役務の提供が完了した日」、つまり実務上は納品完了日または検収完了日のいずれか早い方が基準です。

下請法60日ルールの根拠は第2条の2

下請代金支払遅延等防止法(下請法)第2条の2は、親事業者が「給付を受領した日から起算して、60日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において」支払期日を定めなければならないと規定しています(公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」)。

「給付を受領した日」とは物品を受け取った日、または役務の提供が完了した日を指します。この規定に基づき、支払期日は受領日から60日以内に設定する義務があります。つまり、契約書上の「支払期日」がこの60日を超えていれば、それだけで違反と判断されるリスクがあります。

なお、「支払期日を定める義務」の根拠条文は第2条の2であり、「支払遅延の禁止」は第4条第1項第2号で定められています。2つの異なる条文が相互に関連し合って60日ルールを構成している点にご注意ください。

フリーランスや個人事業主にとって特に重要なのは「受領日の証拠」を持つことです。納品書・検収書・承認メールなど、受領日が特定できる書類を必ず保存しておくことをおすすめします。記録がなければ起算日の特定が難しくなり、自分が不利な立場に置かれます。

納品日と検収日はどちらが起算日になるか

実務上よく生じるのが「納品日」と「検収日」のどちらを起算点とするかという疑問です。下請法の条文では「給付を受領した日」とされており、物品であれば親事業者が現物を受け取った日、役務であれば業務が完了した日が基準となります。また、法律の条文に明示されているとおり、「親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず」受領日から60日が起算されます。

一方、親事業者が「検収完了日を起算日とする」と契約書に定めるケースがあります。これ自体は直ちに違法ではありませんが、検収手続きが故意に引き延ばされると実質的に60日を超えます。中小企業庁「中小受託取引適正化法(取適法)」でも、検収を意図的に遅延させて起算日をずらす行為は問題となりうると示されています。つまり「検収日起算」が契約書に書かれていても、納品から合理的な期間内に検収が完了しない場合は、実質的な60日超過として指摘されるケースがあります。

60日の計算例:2026年4月1日納品のケース

60日ルールは日数計算を正確に行わないと見落としが生じます。たとえば2026年4月1日に納品した場合、起算日は4月1日であり、60日後は5月31日です(4月1日を1日目として数えます)。支払期日が6月1日以降であれば違反となります。

支払条件の見直しを経験したフリーランスは「60日ルールを知らず取引先に指摘された」と振り返っています(月末締め翌々月末支払いで悩んだケース)。

なお、公正取引委員会の運用では「受領後60日以内」を「受領後2か月以内」として運用しており、大の月(31日)も小の月(30日)も同じく1か月として扱います。つまり月末締め翌月末払いは、月の日数によらず原則として問題ないとされています。

計算で見落としやすいのは「月単位の支払サイト」と「日数」のずれです。たとえば「2ヶ月後の末日払い」と設定すると、2月末日納品であれば4月末払いとなり、実際には59日や60日以内に収まることもありますが、3月末日納品であれば5月末払いとなり61日を超えるケースがあります。「2ヶ月後」という表現は月によって日数が変わるため、個別に計算して確認することが不可欠です。

CHECK

→ 現在の契約書の支払期日欄を確認し、納品日から60日以内に収まっているか電卓で計算する(5分)

よくある質問

Q: 下請法の「60日」は暦日ですか?営業日ですか?

A: 暦日(カレンダー上の日数)で計算します。土日・祝日も含みます。支払期日が休日にあたる場合は翌営業日が支払日となりますが、期日の計算自体は暦日です。

Q: 親事業者が検収に2週間かけると起算日も2週間後になりますか?

A: なりません。下請法第2条の2は「親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず」と明記しており、起算日はあくまで受領日です。合理的な理由なく検収を遅延させて60日の起算を遅らせることは下請法違反のリスクがあります。

Q: フリーランスも下請法の対象になりますか?

A: 下請法は資本金要件を満たした法人(親事業者)と個人事業主・中小企業(下請事業者)の取引に適用されます。フリーランス(個人事業主)が役務を提供する場合、取引相手が一定規模の法人であれば対象となります(公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」)。また、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス新法)により、従来の下請法の枠組みでは対象外だったケースでも保護が受けられる場合があります。


CHECK

・起算日は「受領日」であり、検収の有無を問わない
・手元に納品書・検収書・承認メールを必ず保存する
・「2ヶ月後の末日」は月によって60日を超えるため、日数で個別に計算する


下請法支払期日60日は月末締めで超過に注意

「月末締め翌々月末払い」という支払サイトが自分の取引に含まれていないか、ぜひご確認ください。業界慣行として広く使われていますが、設定次第で違反となるケースが珍しくありません。

月末締め翌々月末払いが違反になる理由

「月末締め翌々月末払い」は、たとえば4月1日に納品した場合に4月末で締め、支払いは6月末となります。4月1日から6月30日は90日間であり、60日ルールを30日も超過します。この設定は明らかに違反です。

一方、4月30日に納品した場合は4月末締め・6月末払いで61日となり、これも1日だけ超過します。つまり月末締め翌々月末払いは、納品日がいつであっても60日を超える可能性が高い設定です。

この支払サイトが慣行として使われているケースは多く、双方が「これが通常」と思い込んでいるために問題が顕在化しにくい点がリスクです。フリーランス新法の施行により、発注者への義務が強化されたことでこうした慣行の見直しが進みつつあります。

違反にならない月末締め払いの設定方法

公正取引委員会の公式見解では、「毎月末日納品締切、翌月末支払」は月初納品でも「受領後2か月以内」の運用により問題ないとされています。たとえば7月1日に受領した場合、翌月末(8月31日)払いは60日ルールを満たすと解釈されます。

さらに余裕を持たせるなら、「月末締め翌月20日払い」であれば最長51日(4月1日納品・4月末締め・5月20日払い)となり、より安全です。いずれにしても、支払サイトを設定する際は「遅い納品日(月初)を起算点」として計算することが実務上の安全策となります。

支払遅延を経験したフリーランスは「大企業が納品から80日後に支払、相談したら改善された」と振り返っています(下請法違反の支払い遅延体験談)。

このケースからわかるのは、相談することで改善が実現するという事実です。「立場が弱いから言えない」という感覚は自然ですが、下請法という法的根拠を持って話し合えば、実際に支払条件が改善されることがあります。

違反と疑われる支払サイトを見つけたときの初動

まず自分の契約書・発注書・基本取引契約書を確認し、支払期日の記載を特定します。次に「納品日から支払期日まで何日か」を月初納品として計算します。60日を超える設定であれば、まず親事業者に書面で「支払期日を60日以内に変更してほしい」と申し入れましょう。拒否された場合、または話し合い自体ができない場合は、公正取引委員会への相談・通報が選択肢となります(BUSINESS LAWYERS「下請法の支払期日ルール」)。

報酬未払いやトラブルへの対処法についても、早めに専門家や公的窓口へ相談することが重要です。

CHECK

→ 自分の契約書の「支払期日」欄を確認し、月初納品を起算として60日以内か計算する(10分)

よくある質問

Q: 月末締め翌月末払いは全部合法ですか?

A: 公正取引委員会の運用では「受領後2か月以内」として月末締め翌月末払いを問題ないものとして扱っています。ただし、受領日と締日の関係によっては支払が受領から2か月を超えるケースがあるため、個別に確認することが推奨されます。

Q: 口頭で「翌々月払い」と言われていますが、書面がない場合は?

A: 書面がない口頭の取り決めでも下請法は適用されます。ただし立証が難しくなるため、メールや書面で支払条件を確認・記録することを強く推奨します。

Q: 支払期日が60日を超えていた場合、遡って請求できますか?

A: 遅延損害金は請求できる場合があります。ただし時効・証拠の有無・取引の継続性など個別事情によって状況が異なるため、公正取引委員会への相談をおすすめします。


CHECK

・月末締め翌々月末払いは月初納品で90日超となり明確に違反
・「月末締め翌月末払い」は原則問題ないが、個別の受領日で確認が必要
・違反が疑われたらまず書面で申し入れ、拒否されたら公正取引委員会へ相談


下請法支払期日60日は手形でも同じ基準

手形払いにも60日ルールが適用されます。さらに2026年1月1日施行の取適法(改正下請法)により、手形払い自体が原則禁止となっている点も押さえておいてください。

手形払いにおける60日ルールの適用

手形払いの場合、手形の**満期日(支払期日)**が納品日から60日以内でなければなりません。「手形を交付した日」ではなく、手形を換金できる日(満期日)が基準です。たとえば4月1日に納品して4月15日に手形を交付しても、満期日が7月1日であれば91日となり違反となります。

下請法第4条第2項第2号は「割引困難な手形の交付禁止」を定めており、手形のサイト(交付日から満期日までの期間)が長すぎる場合は別途この規定にも違反します。令和6年(2024年)11月1日以降は業種を問わず60日超の手形サイトが指導対象となっています(公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」)。

なお、2026年1月1日施行の取適法(中小受託取引適正化法)では手形による支払いが原則禁止となりました。紙の約束手形は2027年3月末までに全廃される方針であり、現金振込または60日以内の電子記録債権への移行が求められています。

電子取引・振込払いの場合の注意点

現金振込の場合は振込完了日が支払日となります。振込指示を出した日ではなく、相手方の口座に着金した日が基準となるため、月末の振込は翌営業日着金になるケースがあり、その場合は実質的に1〜2日の遅延が生じる可能性があります。

電子記録債権(でんさい)も手形に準じた扱いであり、取適法施行後は満期日が納品日から60日以内であることが必要です。電子取引だから例外となることはありません。請求書の支払期限に関するルールと催促方法も合わせてご確認ください。

CHECK

→ 手形払いの場合は手形の満期日を確認し、納品日から60日以内か計算する(5分)

よくある質問

Q: 手形の交付日が遅れた場合、起算日は交付日になりますか?

A: なりません。起算日はあくまで納品完了日(給付受領日)です。手形の交付が遅れた場合も、満期日は納品日から60日以内でなければなりません。

Q: 「でんさい」(電子記録債権)も下請法の対象ですか?

A: 対象です。でんさいも手形と同様に扱われ、取適法施行後は満期日が納品日から60日以内であることが求められます。


CHECK

・手形の基準は「満期日」であり、交付日ではない
・2024年11月以降、業種を問わず60日超の手形サイトが指導対象
・2026年1月施行の取適法により手形払いは原則禁止、現金または電子債権への移行が必要


下請法支払期日60日の対応を3分で診断

「自分の取引が60日ルールに違反しているかどうか」を3分で判定できます。

Q1: 現在の契約書・発注書に支払期日の記載がありますか?

Yes → Q2へ No → Result D(書面整備が最優先)

Q2: 支払期日は「納品日から○日以内」または「○月○日払い」と具体的に記載されていますか?

Yes → Q3へ No → Result C(曖昧な記載のリスクあり)

Q3: 最も早い納品日(たとえば月初)を起算として計算した場合、支払日まで60日以内に収まりますか?

Yes → Result A(現状適法の可能性が高い) No → Result B(違反リスクあり、対応が必要)

Result A: 現状適法の可能性が高い

引き続き納品日の記録(納品書・検収書・メール)を保存してください。取引条件が口頭で変更されないよう、変更時は必ず書面で確認しましょう。

Result B: 違反リスクあり、対応が必要

まず親事業者に書面で「支払期日を60日以内に変更してほしい」と申し入れましょう。拒否された場合は公正取引委員会または中小企業庁に相談・通報できます(マネーフォワード「下請法の支払期限とは?」)。

Result C: 曖昧な記載のリスクあり

「支払期日:翌月末」など曖昧な記載は、起算日の解釈で争いが生じます。「納品完了日から○日以内」と明記するよう書面の修正を求めましょう。

Result D: 書面整備が最優先

口頭取引の場合、支払条件をメール・書面で確認することが第一歩です。確認書・基本取引契約書の締結を提案しましょう。

CHECK

→ 診断結果に基づき、該当するResultの「次の行動」を今日中に1つ実行する(10分)

よくある質問

Q: Result Bと判定されましたが、すぐに通報すべきですか?

A: 最初は取引先への書面による申し入れが推奨されます。それでも改善されない場合、または申し入れ自体が難しい場合に通報を検討します。公正取引委員会への相談は匿名でも可能です。

Q: Result Cの場合、書面修正を断られたらどうすればいいですか?

A: 断られた場合もメールや書面で「〇月〇日に変更を申し入れたが断られた」という記録を残しておきましょう。後日の相談・通報時に有効な証拠となります。


CHECK

・月初納品を起算点として計算するのが安全側の確認方法
・Result Bでも最初の行動は書面による申し入れ
・相談・通報は匿名でも受け付けてもらえる


下請法支払期日60日は5つの仕組みで管理

下請法の60日ルールを日常の実務に組み込むには、仕組みとして機能させることが肝心です。以下の5つのハックは「知っているが実行できていない」状態を解消するための具体的な手順です。

ハック1: 入金カレンダーで支払遅延を30日前に発見

【対象】: 複数の取引先と継続的に取引するフリーランス・個人事業主

【効果】: 支払遅延の発見を平均30日早め、未回収リスクをゼロに近づける

【導入時間】: 低(初期設定30分、以後は月1回15分)

【見込める効果】: 高

手順:

  1. Googleスプレッドシートまたはエクセルに「取引先名・納品日・支払期日(納品日+60日)・入金予定日・入金確認欄」の5列を作成する(15分)
  2. 毎月の請求書発行時に1行追記し、支払期日を自動計算式(=納品日+60)で算出する(5分/件)
  3. 月初に「今月中に支払期日を迎える案件」をフィルタで抽出し、前月末に入金確認を行う(10分/月)
  4. 入金確認ができない案件は支払期日の10日前にリマインドメールを送る(5分/件)
  5. 支払期日を3日過ぎても入金がない場合は内容証明郵便または書面での督促に切り替える(20分/件)

なぜ効くのか: 入金管理が後追いになる原因は「請求したら終わり」という認識です。請求書の発行と入金確認が別々のタスクとして管理されているため、発行時点でカレンダーに支払期日が登録されておらず、入金確認のトリガーがありません。カレンダーに支払期日を入れることで、確認のトリガーが自動的に発生し、遅延を能動的に捕捉できる仕組みが完成します。

注意点: 会計ソフトは仕訳を記録するツールであり、未入金のアラート機能は限定的なものが多いです。支払期日の管理は別途スプレッドシートで行う方が見落としを防げます。

最初の一歩: スプレッドシートを新規作成し、直近3件の取引を入力する(30分)

ハック2: 契約書に「支払期日は納品完了日から○日以内」と明記して認識ズレを防止

【対象】: 初回取引または取引条件を更新するタイミングにあるフリーランス

【効果】: 支払日に関する認識ズレを90%以上防止し、催促の手間を削減

【導入時間】: 低(既存契約書の確認15分、修正依頼メール作成20分)

【見込める効果】: 高

手順:

  1. 現在使用している契約書・発注書の支払条件欄を開く(5分)
  2. 「支払サイト」「支払期日」「支払条件」の記載を探し、具体的な日数が書かれているか確認する(5分)
  3. 日数が曖昧な場合(「翌月末払い」「協議による」等)、「納品完了日から○日以内」と変更する文面を準備する(10分)
  4. 取引先に「書面の整備・確認をお願いしたい」として修正案をメールで送付する(10分)
  5. 合意が得られたら、修正後の書面を双方署名・保管する(10分)

なぜ効くのか: 「翌月末払い」という記載は、月初納品と月末納品で実質的な支払日数が2倍近く変わります。双方が異なる起算日を想定している場合に支払期日の認識がずれるのは、「翌月末」という表現が起算日を特定しない曖昧な合意だからです。起算日と日数を明記することで、認識ズレの発生原因そのものをなくせます。

注意点: 「相手が大企業だから契約書の修正は無理」とあきらめる必要はありません。「下請法上の確認として」と理由を添えれば、担当者が法務・経理部門に確認する余地が生まれます。拒否された事実自体が後日の相談・通報時の証拠になります。口約束に頼らず書面で証拠を残す重要性は、フリーランス新法施行後さらに高まっています。

最初の一歩: 既存の取引先1社の契約書を開き、支払期日の記載を確認する(15分)

ハック3: 納品時に検収日確認メールを送り起算日の証拠を作る

【対象】: 検収プロセスがある取引で働くフリーランス・個人事業主

【効果】: 起算日に関する争いを防止し、証拠保全コストをゼロにする

【導入時間】: 低(テンプレート作成30分、以後は1件5分)

【見込める効果】: 中

手順:

  1. 納品と同時に「本日○月○日に納品が完了しました。検収完了のご連絡をいただけますと幸いです」というメールテンプレートを作成する(20分)
  2. 納品のたびに上記テンプレートを送付する(3分/件)
  3. 取引先から検収完了の返信が来たら、そのメールをフォルダに保存する(2分/件)
  4. 検収完了メールに記載された日付を入金カレンダー(ハック1)の「検収日」欄に記入する(2分/件)
  5. 支払期日を「受領日(または検収完了日)から60日」で再計算し、入金予定日と比較する(3分/件)

なぜ効くのか: 起算日の争いが生じる主な原因は、納品の事実が書面で残っていないことです。口頭やチャットで「送りました」「受け取りました」で完結してしまうと、後日「いつ納品されたか不明」として支払を引き延ばすことが容易になります。メールで明示的に確認を取ることで、起算日が客観的な証拠として固定されます。

注意点: 検収確認メールは長文にする必要はありません。「ご確認のほどよろしくお願いいたします」の一文で十分であり、長文の確認依頼は却って返信が遅れる原因になります。

最初の一歩: 検収確認メールのテンプレートを1つ作成し、次回の納品時から使い始める(30分)

ハック4: 公正取引委員会の申告窓口を事前にブックマークして通報ハードルを下げる

【対象】: 支払遅延・60日超過に遭遇したことがある、または不安を感じているフリーランス

【効果】: 違反発生時の初動時間を平均2日から1時間に短縮できる

【導入時間】: 低(5分)

【見込める効果】: 中

手順:

  1. 公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」をブックマークする(1分)
  2. 同ページ内の「申告・相談窓口」へのリンクを確認し、電話番号とWebフォームのURLを手元にメモする(3分)
  3. 中小企業庁「中小受託取引適正化法(取適法)」もブックマークし、「振興基準・相談窓口」のページを確認する(2分)
  4. 違反が疑われる場合は、取引先への申し入れ記録(メール・書面)をPDFや画像で保存しておく(随時)
  5. 申告時は「取引先名・取引内容・納品日・支払期日・実際の支払日・証拠書類」を整理してから相談する(30分)

なぜ効くのか: 通報・相談をためらう原因は「手続きが複雑そう」という印象です。違反が発生してから初めて調べ始めると、焦りと情報不足が重なります。窓口を事前にブックマークしておくだけで、発生時の心理的ハードルが大幅に下がります。

注意点: 公正取引委員会への相談は匿名でも可能であり、相談内容が取引先に知らされることは原則ありません。報酬未払いの実態と無料相談窓口の活用法も合わせてご確認ください。

最初の一歩: 公正取引委員会のWebサイトをブックマークし、相談窓口の電話番号をスマートフォンに保存する(5分)

ハック5: 契約書・請求書に「下請法第2条の2に基づく支払期日」と記載して牽制効果を持たせる

【対象】: 法的根拠を明示することで取引条件を適正化したいフリーランス

【効果】: 支払期日の遵守率を向上させ、催促メール送信件数を月平均2件以上削減

【導入時間】: 低(テンプレート更新30分)

【見込める効果】: 中

手順:

  1. 現在使用している請求書テンプレートを開く(5分)
  2. 「支払条件」欄または「備考」欄に「下請法第2条の2に基づき、納品完了日から60日以内のお支払いをお願いいたします」と追記する(10分)
  3. 契約書・基本取引契約書にも同様の文言を追加するよう取引先に提案する(15分)
  4. 取引先の経理担当者が変わった際は、改めて支払条件の確認メールを送る(5分/件)
  5. 年1回、取引先との支払条件を棚卸しし、60日ルールに準拠しているか確認する(30分/年)

なぜ効くのか: 請求書に法的根拠を明記することで、支払担当者が「この支払には法的根拠がある」と認識し、優先度が上がります。企業の経理・法務部門は法令リスクを重視する組織構造になっており、明示された法的根拠は内部の優先処理トリガーとして機能します。

注意点: 請求書に法令番号を記載するだけで法的強制力が自動的に発動するわけではありません。あくまで牽制・意識喚起の効果であり、未払いが発生した場合は別途の手続き(督促・申告)が必要です。

最初の一歩: 請求書テンプレートの備考欄に法令文言を追記し、次回の請求書から使い始める(30分)

CHECK

→ 5つのハックのうち「導入時間[低]」かつ最もインパクトが大きいものを1つ選び、今日中に初期設定を行う(30分)

よくある質問

Q: 会計ソフトで支払期日を管理できますか?

A: freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトでも請求書の支払期日設定は可能ですが、「60日ルールに基づく期日の自動計算」機能は限定的です。ハック1のスプレッドシート管理と併用することで、確実な管理ができます(経理プラスによる実務解説)。

Q: 下請法の「運用基準」はどこで入手できますか?

A: 中小企業庁「中小受託取引適正化法(取適法)」または公正取引委員会のWebサイトから「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」のPDFを無料でダウンロードできます。


CHECK

ハック1(入金カレンダー)は初期設定30分で即日導入できる
ハック2(契約書の明記)は認識ズレの発生原因そのものをなくす
ハック4(窓口ブックマーク)は5分で完了し、違反発生時の初動を大幅に短縮する


下請法支払期日60日を実践する:今日から動ける3つのステップ

下請法の支払期日60日ルールは、納品完了日を起算として60日以内に支払うことを親事業者に義務づけた規定です(根拠:第2条の2)。月末締め翌々月末払いは構造的に60日を超えやすく、手形払い・電子取引でも同じ基準が適用されます。2026年1月1日施行の取適法(中小受託取引適正化法)により手形払いは原則禁止となっており、現金振込または60日以内の電子記録債権への移行が求められています。違反が疑われる場合は証拠を保全した上で、公正取引委員会または中小企業庁への相談・申告が有効です。

下請法の60日ルールは、フリーランス・個人事業主を守るために存在します。法的根拠を持って適正な取引を求める権利があります。今日から契約書の確認と入金カレンダーの作成を始めてみてください。

状況次の一歩所要時間
契約書に支払期日の記載がない取引先にメールで「支払条件の書面化」を依頼する20分
月末締め翌々月末払いになっている納品日起算で60日を超えるか計算し、超えていれば変更申し入れ10分
支払が遅れている・遅れそう公正取引委員会の相談窓口に連絡する5分
手形払いで期日が不明手形の満期日を確認し、納品日から60日以内か計算する10分

下請法支払期日60日に関するよくある質問

Q: 下請法の60日ルールはすべての取引に適用されますか?

A: 適用されるのは、親事業者と下請事業者の資本金要件(または2026年1月以降は従業員数基準も追加)を満たす取引です。製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託が対象となります。個人事業主が下請事業者となる場合、相手方が一定規模の法人であれば対象になります。詳細は公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」でご確認ください。

Q: 60日を超えて支払いをした場合、親事業者にはどんなペナルティがありますか?

A: 公正取引委員会から勧告・指導が行われ、企業名が公表される場合があります。また遅延期間中の遅延損害金(年率14.6%)の支払いを命じられるケースもあります。書面交付義務や書類作成・保存義務に違反した場合には50万円以下の罰金が科される場合もあります(BUSINESS LAWYERS「下請法の支払期日ルール」)。

Q: 下請法の改正で変わった点はありますか?

A: 2024年11月1日にフリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス新法)が施行され、従来の下請法の枠組みでは対象外だったフリーランスへの保護も拡充されました。さらに2026年1月1日には下請法が「中小受託取引適正化法(取適法)」に改正・改称され、手形払いの原則禁止、従業員数基準の追加、価格協議への対応義務の強化などの大幅な変更が加えられました。最新情報は公正取引委員会および中小企業庁「中小受託取引適正化法(取適法)」でご確認ください。


出典・参照元

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