この記事でわかること
- 保険の種類別に使える補助ルートが3つあり、最大1万3,000円以上の節約になる
- 自分・専従者の健診費用は経費外、従業員分は福利厚生費として処理できる
- 3分の診断フローで今すぐ取るべき手続きが分かる
個人事業主・フリーランスが健康診断に使える助成金・補助制度は、保険の種類と加入団体で異なる3ルートから選べます。厚生労働省は2024年5月に「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」を策定し、自主的な健診受診を推奨しています。費用・経費・補助制度の全体像を整理し、自分に使えるルートを診断する手順も解説します。本記事の情報は2026年3月時点のものです。
この記事の結論
個人事業主本人の健康診断費用は、複数の専門家・公的機関の見解が一致しており、経費として計上できません。一方で、自治体の特定健診(40〜74歳・国民健康保険加入者が対象)やがん検診は無料〜500円程度から受診でき、従業員を雇用している場合は従業員分の費用を福利厚生費として経費化できます。3つの公的ルートを組み合わせれば、自己負担を年1万円以下に抑えながら定期健診を継続する仕組みを作れます。
今日やるべき1つ
住民票のある市区町村の公式サイトで「特定健診」「がん検診」のページを開き、自分が対象になる健診と申込方法を確認してください(所要時間:10分)。
状況別ショートカット
| 状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| 自分が使える補助を今すぐ知りたい | 個人事業主の健康診断は3ルートで費用を抑える | 5分 |
| 経費・仕訳で迷っている | 個人事業主の健康診断費用は2区分で処理する | 5分 |
| 従業員・専従者の健診義務を知りたい | 従業員を雇う個人事業主は健診義務3項目を守る | 5分 |
| 自分が使えるか3分で診断したい | 個人事業主の健診補助は4パターンで診断できる | 3分 |
| コストを抑えて受診したい実務ポイントを知りたい | 個人事業主の健康診断費用は5つの仕組みで削減できる | 8分 |
個人事業主の健康診断は3ルートで費用を抑える

フリーランスになってから健康診断を一度も受けていない方も少なくないでしょう。会社員のように自動的に案内が来るわけではなく、自分で動かないと受診機会がこないのが個人事業主の現状です。
自治体の特定健診・がん検診は1,000円以下で受けられる
国民健康保険に加入している40〜74歳の方は、市区町村が実施する特定健診(メタボ健診)を利用できます。自己負担額は自治体によって異なりますが、無料で受けられる自治体が多く、有料でも500円〜1,000円程度が一般的です(厚生労働省「個人事業者等の安全衛生対策について」)。
特定健診の対象年齢(40〜74歳)に満たない39歳以下の方向けに、「職場で受ける機会のない人向け健診」を別に案内している自治体もあり、実施の有無や年齢制限は自治体によって異なります。がん検診(胃・肺・大腸・乳・子宮頸がん)も年齢要件を満たせば無料〜数百円で受けられる自治体が多く、複数を同時に申し込めるのも大きなメリットです。
フリーランスの健康診断については、フリーランスの福利厚生サービスでも関連制度をまとめています。

協会けんぽ加入者は費用の約7割が補助される
全国健康保険協会(協会けんぽ)の被保険者(本人)は、35歳以上を対象に「生活習慣病予防健診」を年1回受けられます。自己負担額は最高5,282円(税込)で、総額18,865円相当の健診が補助される仕組みです(協会けんぽ大阪支部「生活習慣病予防健診のご案内」)。
国民健康保険に加入している個人事業主本人は、この協会けんぽの補助制度の対象外になる点に注意が必要です。協会けんぽは会社員(被保険者)向けの保険であり、個人事業主の多くが加入する国民健康保険とは異なります。ただし、従業員を1人でも雇用している場合は、その従業員を協会けんぽに加入させることで従業員が補助を受けられます。
国民健康保険組合や業界団体の補助も確認する
業種・職種によっては「国民健康保険組合(国保組合)」に加入でき、健診費用の一部または全部が補助されるケースがあります。文芸・美術・編集関係の方向けの「文芸美術国民健康保険組合(文美国保)」では、健康診断費用の補助(疾病予防費)が支給される場合があります。商工会議所・中小企業団体などの会員向けサービスとして、健診費用の割引や補助を実施している事例もあります。
公益財団法人あんしん財団の保険(月額2,000円)に加入している場合は、健康診断1回につき2,000円、人間ドック・脳ドック・PET検診では最大2万円の補助が受けられます。自分が加入している保険組合や所属団体の公式サイト・窓口で補助制度の有無をまず確認してください。
CHECK
加入している健康保険(国民健康保険・協会けんぽ・国保組合)の名称を確認し、各保険者のホームページで今年度の健診補助メニューを調べてください(10分)。
よくある質問
Q: 国民健康保険に加入している39歳以下のフリーランスは健診を受けられませんか?
A: 特定健診の対象外ですが、自治体によっては「職場で受診機会のない方向け健診」を別途実施しています。病院・クリニックで自費受診する方法もあります(自費の場合、一般的な定期健診コースで1万円前後が目安)。
Q: フリーランス協会に入ると健診費用が安くなりますか?
A: 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(年会費1万円・必要経費に算入可)に加入すると、福利厚生サービス「WELBOX」を通じて全国3,000施設以上の健診・人間ドックを割引価格で受けられます(マネーフォワード クラウド「個人事業主の健康診断費用」)。
個人事業主の健康診断費用は2区分で処理する

「経費になるのか、医療費控除なのか」と税務処理に迷うのは、多くの個人事業主が共通して持つ悩みです。自分自身の分と従業員の分で処理が完全に分かれます。
自分・専従者の健診費用は経費にできない
個人事業主本人および青色事業専従者(事業主と生計を一にする家族従業員)が受けた健康診断・人間ドックの費用は、事業の必要経費として計上できません。個人事業の場合、健康診断の受診が法律上義務づけられておらず、個人の健康維持のための支出とみなされるからです(freee「健康診断の勘定科目」)。事業用口座から支払った場合は、「事業主貸」の勘定科目で仕訳してください。
「医療費控除の対象になるのでは」と考える方もいますが、原則として対象外です。健康診断は治療ではなく健康状態の確認を目的とするため、医療費控除が認める「医療費」には該当しません。ただし例外があり、健康診断の結果として「重大な疾病」が見つかり引き続き治療を行った場合は、その診断費用も医療費控除の対象に含めることができます(国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費)。
医療費控除についての詳細は、医療費控除の対象と仕組みでも確認できます。

セルフメディケーション税制の申請要件として記録を残す
健康診断費用そのものは経費にも医療費控除の対象にもなりませんが、健診を受けることで「セルフメディケーション税制」の申請要件を満たせます。ドラッグストアなどで購入した対象医薬品(スイッチOTC医薬品)の費用が年間1万2,000円を超えた場合に、超えた部分(上限8万8,000円)を所得控除できる制度です(厚生労働省「セルフメディケーション税制について」)。
健診の領収書や結果通知書は「一定の取組みを行った証明」として必要であるため、確定申告期限から5年間保管してください。書類を捨ててしまうと、この税制の活用機会を失います。
確定申告の全体手順については、フリーランスの確定申告ガイドが参考になります。

従業員の健診費用は3条件を満たせば福利厚生費に計上できる
個人事業主が雇っている「従業員(青色事業専従者を除く)」の健診費用は、以下の3条件をすべて満たすことで福利厚生費として経費化できます(弥生「健康診断の勘定科目と注意点」)。
- 全従業員が対象(一定の年齢制限は可)
- 費用が常識の範囲内(2日間程度の人間ドックも含む)
- 事業主が健診機関に直接支払う
「自分だけ豪華な人間ドック、従業員は簡易健診」という形では福利厚生費として認められません。従業員が費用を立て替えて後から現金で精算する形式も、税務上のリスクが生じる場合があります。節税対策の全体像は、フリーランスの節税対策もあわせて確認してください。

CHECK
自分の健診費用と従業員の健診費用の領収書を仕分け、自分分は「事業主貸」、従業員分は「福利厚生費」で仕訳できているか確認してください(5分)。
よくある質問
Q: 青色事業専従者の妻(夫)の健診費用も経費にできませんか?
A: 青色事業専従者は事業主に近い立場として扱われるため、その健診費用は経費に計上できません。事業主本人と同様に「事業主貸」で処理します(マネーフォワード クラウド「個人事業主の健康診断費用」)。
Q: 人間ドックの費用は医療費控除の対象になりますか?
A: 原則としてなりません。ただし、人間ドック受診中に重大な疾病(がん・心疾患・脳血管疾患など)が見つかり、引き続き治療した場合は、人間ドックの費用も含めて医療費控除の対象となります。
従業員を雇う個人事業主は健診義務3項目を守る

「従業員を雇ったけど、健康診断ってどこまでやれば十分なのか分からない」という方も多いでしょう。義務の内容は明確で、知らなかったでは済まないリスクがあります。
労働安全衛生法第66条で義務が定められている
労働者(従業員)を1人でも雇用している個人事業主は、労働安全衛生法第66条に基づき、定期健康診断の実施義務を負います。違反した場合は50万円以下の罰金が科される可能性があります(厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」)。
対象となるのは、「週の所定労働時間が正社員の4分の3以上かつ1年以上の雇用が見込まれる」従業員です。正社員はもちろん、条件を満たすパート・アルバイトも含まれます。週の労働時間が2分の1以上4分の3未満の場合も、受診させることが望ましいとされています。「1人でも雇えば即適用」という点は見落としがちです。
守るべき3項目は次のとおりです。
- 1年以内に1回、定期健康診断を実施すること
- 結果を健康診断個人票として作成・5年間保管すること
- 常時50人以上の従業員がいる場合は、定期健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署に提出すること
従業員の雇用保険についても、個人事業主の雇用保険と特別加入制度で義務の全体像を確認できます。

健診費用の支払い方法と記録が税務調査のポイントになる
健診費用の支払いは、事業主が直接健診機関に支払う方法が基本です。従業員に現金を渡して立て替えさせ後から支払う形式では、給与として課税対象になるリスクがあります(国税庁「人間ドックの費用負担」)。
健診を実施したら、実施日・対象者・受診機関・費用の記録を必ず残してください。再検査が必要になった場合の費用は従業員の個人負担(健康保険を利用した通常の医療)となり、事業主が負担する義務はありません。健診後の再検査まで事業主が負担する必要はなく、法律上の義務は健康診断の実施までです。
CHECK
雇用している従業員の名簿と前回健診の日付を突き合わせ、今年度の健診未受診者がいないか確認してください(5分)。
よくある質問
Q: 従業員が健診を拒否したら罰則はありますか?
A: 従業員本人に罰則はありませんが、事業主が受診させる義務を果たさなかったとして罰則の対象になります。就業規則に健診受診を定める方法が一般的です(デイライト法律事務所「健康診断がない会社は違法?」)。
Q: 外注先(業務委託のフリーランス)にも健診義務はありますか?
A: 雇用契約のない業務委託先には労働安全衛生法の義務は適用されません。ただし厚生労働省の2024年ガイドラインでは、1年以上継続して発注する個人事業者等への健診費用の情報提供・受診機会の配慮が注文者に「望ましい取組」として示されています(厚生労働省「個人事業者等の安全衛生対策について」)。
個人事業主の健診補助は4パターンで診断できる

「自分はどの補助が使えるのか」を整理するのが面倒で、受診が後回しになりがちです。以下の診断で、今すぐ取るべきアクションを確認してください。
Q1: 今年40歳以上で、国民健康保険に加入していますか?
- はい → Q2へ
- いいえ(39歳以下)→ タイプAへ
Q2: 特定健診の受診券が市区町村から届いていますか(または届いた記憶がありますか)?
- はい → タイプBへ
- いいえ / 分からない → タイプCへ
Q3(タイプAの方): 協会けんぽか国民健康保険組合に加入していますか?
- 協会けんぽ → タイプDへ
- 国保組合 → 加入組合の補助制度を確認してください
- いずれも違う(国民健康保険の市区町村国保) → タイプAへ
タイプA: 市区町村の若年者向け健診か、病院での自費受診を活用
39歳以下の国保加入者向け健診を実施している自治体もあります。自治体のホームページで「健康診断 39歳以下」「若年者健診」で検索してください。見つからない場合は、病院・クリニックの自費コース(1万円前後が目安)を受診し、セルフメディケーション税制の申請要件として領収書を保管してください。
タイプB: 今すぐ受診予約を入れてください
受診券が届いている方は、手続きをせずに期限を過ぎてしまうのが最大のもったいないケースです。特定健診は年度末(3月末)に締め切る自治体がほとんどです。
タイプC: 自治体に問い合わせて受診資格を確認してください
受診券は国民健康保険の加入情報を基に自治体から送付されます。届いていない場合は、加入時期・住所情報のずれが原因の場合があります。市区町村の国保担当窓口に直接問い合わせてください(電話5分)。
タイプD: 協会けんぽの生活習慣病予防健診を予約してください
35歳以上の協会けんぽ被保険者は、総額18,865円の健診が自己負担最高5,282円で受診できます。予約時に「協会けんぽの生活習慣病予防健診を希望します」と伝えるだけで補助が適用されます(事前申込不要)。
CHECK
上記の診断結果に基づき、①受診予約(市区町村窓口・かかりつけ医・健診機関)、または②補助制度の問い合わせ先(自治体・保険者)を今日中にメモしてください(5分)。
よくある質問
Q: 国民健康保険組合(文美国保など)の補助はどこで確認できますか?
A: 各組合の公式ホームページまたは組合窓口で確認してください。補助の有無・金額・申請方法は組合ごとに異なります。
Q: 健診費用の補助は確定申告に影響しますか?
A: 自治体・保険者からの健診補助は収入として申告する必要はありません。あんしん財団の補助金も同様に、一般的には非課税扱いです。不明な点は税理士または税務署に確認してください。
個人事業主の健康診断費用は5つの仕組みで削減できる


費用が高くて踏み出せないと感じている方も多いでしょう。以下の5つのポイントは、費用だけでなく手間も同時に減らすことを意識して選んでいます。
ポイント1: 誕生月固定受診で健診受診率を3倍に高める
- 【対象】: 健診を毎年受けられていない個人事業主・フリーランス全員
- 【効果】: 年1回受診の習慣化(「受け忘れ」をゼロに近づける)
- 【導入時間】: 低(10分)
- 【見込める効果】: 高
- 【手順】:
- 毎年受診する月を誕生月に固定する(10分)
- スマートフォンのカレンダーに「健診予約確認日」として繰り返しリマインダーを設定する(5分)
- 誕生月の1〜2か月前に自治体・健診機関のホームページで受付開始日を確認する(5分)
- 予約が取れたら完了、取れなかった場合は翌月に繰り越す
- 【コツ】: 固定した月に紐付けない限り受診率が下がります。誕生月に固定することで「今年受けたかどうか」を記憶する手間がなくなります。フリーランス協会公式noteの情報によると、個人事業主の約35%が健診を未受診とされており、習慣化の仕組みがないことが最大の原因です(フリーランス協会公式note)。
- 【なぜ効くのか】: 健診受診の最大の障壁は「優先順位の低さ」です。スケジュールに入っていないと他の業務に押し出されます。カレンダー上に「確定した日程」として存在することで、行動コストが判断コストから実行コストに変わります。
- 【注意点】: 誕生月に予約が取れないことを理由に翌年に先送りするのは逆効果です。予約できなかった場合は翌月に必ず予約をずらしてください。「誕生月に絶対受ける」ではなく「誕生月に予約確認をする」が正しい設定です。
- 【最初の一歩】: 今日、スマートフォンのカレンダーに「健診予約確認」として来年の誕生月1日にリマインダーを設定してください(2分)
ポイント2: 健診前の加入保険確認で自己負担を最大1万円削減する
- 【対象】: 健診を自費で受けているか、どの補助が使えるか把握できていない個人事業主
- 【効果】: 自己負担を自費の約5,000〜13,000円から無料〜5,282円に削減(補助が適用された場合)
- 【導入時間】: 低(30分)
- 【見込める効果】: 高
- 【手順】:
- 現在加入している保険(国保・協会けんぽ・国保組合・任意継続)を確認する(保険証を見れば分かる)(5分)
- 国保は市区町村ホームページで「特定健診」「がん検診」を検索、協会けんぽは支部HPで「生活習慣病予防健診」を確認(10分)
- 受診資格・対象年齢・申込方法を確認する(10分)
- 予約先(健診機関・窓口)に連絡し、補助適用の確認を取る(5分)
- 【コツ】: 「健診機関を調べてから保険を確認」ではなく「保険種類を確認してから対応する健診機関を探す」順番で補助漏れを防げます。加入保険によって使える補助が完全に異なるため、最初に保険を特定することがすべての出発点になります。
- 【なぜ効くのか】: 健診補助は「申し込んでいる人だけが受けられる」ではなく「知っている人だけが受けられる」仕組みです。申込み不要の協会けんぽの補助でさえ、予約時に一言伝えるだけで適用されます。確認しないまま自費で受診している方が実態として相当数います。
- 【注意点】: 保険の任意継続期間中(最長2年間)も、旧勤務先の保険組合の健診補助が使える場合があります。「退職したから使えない」と思い込まずに確認してください。
- 【最初の一歩】: 今日、財布から保険証(またはマイナ保険証)を取り出し、「○○健康保険」の種類を確認してメモしてください(2分)
国民健康保険の保険料削減については、国民健康保険の上限109万円を5つの仕組みで軽減も参考になります。

ポイント3: 自治体検診・がん検診のまとめ受診で費用を1日で完結させる
- 【対象】: 年代別に複数の検診を受けたい40歳以上の個人事業主
- 【効果】: 健診1回分の時間でがん検診を含む複数項目を受診でき、年間の時間コストを約半分に削減
- 【導入時間】: 低(15分事前確認)+半日(受診当日)
- 【見込める効果】: 中
- 【手順】:
- 市区町村のホームページで「健康診断・検診一覧」ページを開く(5分)
- 年齢・性別・加入保険に応じて受けられる検診(特定健診・胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんなど)をリストアップする(5分)
- 同一機関・同一日程でまとめ受診できる組み合わせを確認する(5分)
- 予約時に「特定健診とがん検診をまとめて受けたい」と伝える
- 【コツ】: 同日まとめ受診で半日分の仕事中断を1回で済ませられ、トータルの機会損失が減ります。自治体によってはセット受診を積極的に案内しているところもあります。
- 【なぜ効くのか】: フリーランスにとって健診の最大のコストは「費用」ではなく「仕事を止める時間」です。1回の外出で複数の検診を完結させることで、年間の受診中断回数が減り、継続受診のハードルが下がります。
- 【注意点】: 検診の組み合わせによっては、食事制限の条件が異なる場合があります。予約時に「前日・当日の食事制限」を必ず確認してください。複数をまとめることを優先しすぎて準備不足になると、当日に一部の検診を受けられなくなることもあります。
- 【最初の一歩】: 住んでいる市区町村名と「健康診断」「検診 まとめ受診」でWeb検索し、公式ページを見つけてください(3分)
ポイント4: 健診領収書の5年保管ルールでセルフメディケーション税制を毎年活用する
- 【対象】: ドラッグストアでOTC医薬品(市販薬)を年間1万2,000円以上購入している個人事業主
- 【効果】: 最大8万8,000円×所得税率分の節税(例:税率20%の方なら最大1万7,600円の節税)
- 【導入時間】: 低(15分、仕組みを作る初回のみ)
- 【見込める効果】: 中
- 【手順】:
- 健診の領収書・結果通知書を受け取ったら専用の封筒(例:「健診関係書類」と書いたA4封筒)に入れる(1分/回)
- 年間のOTC医薬品購入レシートも同じ封筒で管理する(都度1分)
- 確定申告前にOTC医薬品の合計額が1万2,000円を超えているか確認する(10分)
- 超えている場合は「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」の明細書を作成し、確定申告時に申告する(厚生労働省「セルフメディケーション税制について」)
- 【コツ】: 「保管場所が決まっていない」ことが原因で書類を失います。専用封筒をあらかじめ1箇所に固定しておくだけで、申告時の書類集めがゼロになります。
- 【なぜ効くのか】: 健診費用自体は控除対象にならなくても、「健診を受けている事実」が節税のトリガーになります。領収書の保管は費用ゼロで実行でき、OTC医薬品購入分の節税効果を確実に得られます。
- 【注意点】: セルフメディケーション税制と通常の医療費控除は併用できません。どちらが有利かは購入した薬の金額と医療費の総額を比較して判断してください。
- 【最初の一歩】: 今日、引き出しやデスクの上に「健診書類」専用の封筒を1つ置き、直近の健診領収書を入れてください(3分)
フリーランスの節税全体像については、フリーランスの節税対策も参考になります。
ポイント5: 業界団体・フリーランス向けサービスの健診割引を年間で活用する
- 【対象】: 39歳以下または特定健診対象外で、割引なしに自費受診している個人事業主
- 【効果】: 人間ドックや自費健診の費用を通常比20〜50%削減できる場合がある
- 【導入時間】: 中(1〜2時間、調査・登録)
- 【見込める効果】: 中
- 【手順】:
- 所属する商工会議所・業界団体の会員サービスに健診割引・補助があるか確認する(ホームページ検索:15分)
- フリーランス向けエージェントや会員サービス(Workship PREMIUM Club Off、レバテックケアなど)で健診優待の有無を確認する(15分)
- 任意継続保険がある場合は、その保険組合の健診補助を確認する(10分)
- 最も費用が下がる選択肢で健診機関を予約する
- 【コツ】: 「まず利用できる割引・補助を一覧化してから健診機関を選ぶ」順番で総費用を下げやすくなります。フリーランス協会の年会費(1万円)も事業の必要経費として算入できる点が特徴です。
- 【なぜ効くのか】: 自費受診の健診は同じ内容でも機関によって価格差が大きく、割引コードや会員価格の適用によって数千円単位のコスト差が生まれます。
- 【注意点】: 割引サービスに登録するために月額料金や年会費が発生するものもあります。健診費用の割引額と年会費を比較して、実質的なプラスになるかを確認してから登録してください。
- 【最初の一歩】: 商工会議所または現在使っているフリーランスエージェントのホームページで「健康診断」「健診補助」のページを開いてください(5分)
CHECK
上記5つのポイントから自分が今日実行できる「最初の一歩」を1つ選んで実行してください(5分以内)。
よくある質問
Q: フリーランス向けの健診サービスに登録すると確定申告で何か変わりますか?
A: 業界団体やフリーランス協会の「年会費」は事業の必要経費(会費)として計上できます。健診割引サービスの利用料金が発生する場合、それ自体が経費になるかは利用目的・契約形態によって判断が異なるため、
Q: 人間ドックは健診機関によって価格差が大きいですが、何を基準に選べばいいですか?
A: 基本は「法定検査項目(労働安全衛生規則第44条に定める11項目)+自分が気になる追加検査」が揃っているかを確認し、その上で費用・アクセス・翌日以降のフォロー体制を比較するのが合理的です。最寄り機関をかかりつけにできる距離感であることが、再検査・精密検査への行動につながりやすく、長期的な健康管理コストを下げる選び方といえます。
まとめ:個人事業主の健診は3ルートで節約できる

個人事業主・フリーランスにとって、健康診断の助成金・補助は「ある・ない」ではなく、加入保険と年齢によって使えるルートが異なります。自治体の特定健診(40〜74歳・国保加入者)は無料〜500円、協会けんぽの生活習慣病予防健診(35歳以上の被保険者)は自己負担最高5,282円、国保組合や業界団体の補助も含めれば、多くのケースで年間の健診コストを自費の半分以下に抑えられます。
経費計上の面では「自分・専従者の健診は経費外、従業員の健診は福利厚生費」という2区分を押さえるだけで、税務処理の迷いがなくなります。補助の活用・領収書の保管・誕生月への固定受診という3つの仕組みを組み合わせれば、「忙しくて後回し」にならない健診習慣が作れます。
| 状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
| 40歳以上・国民健康保険加入 | 自治体ホームページで特定健診の申込方法を確認して予約 | 10分 |
| 35歳以上・協会けんぽ加入従業員がいる | 協会けんぽ支部HPで生活習慣病予防健診の実施機関を確認 | 10分 |
| 39歳以下・国保加入 | 市区町村の若年者向け健診または自費健診コースを調べる | 15分 |
| 従業員を雇っている | 今年度の健診実施計画(対象者・機関・日程)を書き出す | 20分 |
個人事業主の健康診断助成金に関するよくある質問

Q: 個人事業主は健康診断を受ける義務がありませんか?
A: 個人事業主本人には労働安全衛生法上の健診義務はありません。ただし2024年5月に厚生労働省が策定した「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」では、自主的な健診受診が強く推奨されています(厚生労働省「個人事業者等の安全衛生対策について」)。個人事業主の約35%が未受診というデータもあり、「義務がないから受けなくていい」という判断は事業継続リスクを高めます。
Q: 自治体の健診を受けたことを証明する書類は何が必要ですか?
A: 受診後に発行される「結果通知書」と領収書が基本です。セルフメディケーション税制を利用する際は、「取り組みを行ったことを明らかにする書類」として申告から5年間保管が必要です(国税庁 No.1134「取組を行ったことを明らかにする書類」)。
Q: 産業保健総合支援センターは個人事業主も利用できますか?
A: 労災保険に特別加入している個人事業者等は、産業保健総合支援センター(さんぽセンター)を利用できます。健康相談・産業医への相談など専門家への無料アクセスが可能です。詳細は労働者健康安全機構のホームページで確認してください。
【出典・参照元】
- 厚生労働省「個人事業者等の安全衛生対策について」
- 厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」
- 国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
- 国税庁 No.1134 取組を行ったことを明らかにする書類の具体例
- 国税庁「人間ドックの費用負担」
- 厚生労働省「セルフメディケーション税制について」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)大阪支部「生活習慣病予防健診のご案内」
- freee「健康診断の勘定科目」
- マネーフォワード クラウド「個人事業主の健康診断費用は経費にならない!」
- 弥生「健康診断の勘定科目と注意点」
- デイライト法律事務所「健康診断がない会社は違法?」
- フリーランス協会公式note「健康管理ガイドライン」
- 労働者健康安全機構「産業保健総合支援センター」
