フリーランスの節税対策|税金額の計算・所得控除・ふるさと納税活用法まで解説

フリーランスは支払うべき税金が多く、自身で計算をしなければならないため大変です。税金を低く抑えるためには、それぞれの税金の算出方法と節税方法を知っておきましょう。

フリーランスにとって、納税と節税は非常に重要です。資金繰りを適切に管理し、納税額を減らすための対策がフリーランスの成功を大きく左右します。

フリーランスが支払う税金は5種類

フリーランスが支払う主な税金は「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」「固定資産税」の5つで、税額は収入によって異なります。税金を払うためには所得額を計算し確定申告を行うことが必要です。

所得税・復興特別所得税の計算・節税方法

所得税とは1年間の所得に対して支払う税金で、復興特別所得税とは所得税額に対する付加税で所得税に対して2.1%上乗せで計算されます。

計算方法:所得税 = 課税所得×税率−控除額

 ※課税所得 = 総収入−必要経費−基礎控除−その他の控除

復興特別所得税 = 所得税額 × 2.1%

累進課税の所得税・復興特別所得税の算出方法と計算例

所得税の累進課税とは、所得が多くなるほど税率も高くなる仕組みのことです。所得税・復興特別所得税ともに累進課税で計算されます。

課税所得所得税率 
0~195万円5%
196~330万円10%
331~695万円20%
696~900万円23%
901~1800万円33%

例えば課税所得が500万円の場合、以下の計算となります。

500万円 × 20%(所得税率) – 427,500円(控除額) = 572,500円

所得税・復興特別所得税の支払いのタイミングは天引き&確定申告

フリーランスは前年の1月1日~12月31日までの所得を翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告をしますが、所得税・復興特別所得税も原則として同じタイミングの3月15日が納付期限となっています。

所得税・復興特別所得税は控除活用と経費計上で節税

所得税・復興特別所得税は、控除の活用と経費の計上によって節税することができます。

所得税率が課される「課税所得額」を低くする方法と、所得税額から直接減らせる「税額控除」を利用する方法があるので上手く活用しましょう。

住民税の計算・節税方法

住民税は、所得税の確定申告書をもとに計算され、「所得割」と「均等割」の2つで構成されています。

住民税の所得割・均等割の算出方法と計算例

計算方法:住民税 = 所得割 (一律10%)+ 均等割(世帯割)

例えば所得が500万円の場合、所得割は500万円 × 10% =50万円、均等割は5,000円となり、住民税は合計の505,000円です。

住民税の支払いのタイミングは6月末・8月末・10月末・翌1月末の年4回

フリーランスや自営業者の場合、住民税は普通徴収となり、年4回払いで市区町村から納税通知書が送られてきます。

住民税はiDeCo・医療費控除の活用や親の扶養化で節税

住民税の節税には、iDeCo(個人型確定拠出年金)や医療費控除、家族の扶養を活用する方法があります。

個人事業税の計算・節税方法

個人事業税とは、特定の事業を営む個人事業主やフリーランスが事務所のある自治体に納付する地方税のことを指します。個人事業税は経費への計上が可能です。

業種によって税率が変わる個人事業税の算出方法と計算例

個人事業税は業種によって納めるべき税率が異なります。また、1年間を通して事業をおこなっている場合290万円の控除が適用されます。

第一種事業第二種事業第三種事業
税率5%税率4%税率5%
飲食店、旅館、運送業など畜産業、水産業などデザイン業、コンサルタント、士業など

計算方法:納税額 = (前年の事業所得金額 – 各種控除額)× 業種に応じた税率

例えば所得が500万円・必要経費が100万円の場合、所得から経費・控除額を差し引いた課税所得は500万円-100万円-290万円=110万円となり、その5%=5.5万円が個人事業税になります。

個人事業税の支払いのタイミングは8月と11月の年2回

都道府県により詳しい日程は異なりますが、8月と11月の2回に分けて、前年分の確定申告をもとに計算された納税通知書が届きます。

個人事業税は減価償却費の特例や損失の控除の活用で節税

所得が290万円以下なら個人事業税は非課税になるので、所得額を下げることで節税につながります。減価償却費の特例や損失の控除が適用できるか確認してみましょう。

消費税の計算・節税方法

年間の所得が1,000万円を超えるフリーランスは、課税事業者となって消費税を納める必要があります。

課税事業者になるには、管轄の税務署に「消費税課税事業者届出書」の提出が必要です。

課税事業者に一律掛かる消費税の算出方法と計算例

計算方法:納税額 = 課税売上高の消費税 – 課税仕入高の消費税

例えば、税込の売上が1,000万円、経費が330万円の場合、売上高の消費税は1,000万円×0.1=100万円、経費(売上高)の消費税は300万円x×0.1=30万円となり、納付消費税は100万円-30万円=70万円となります。

消費税は消費毎&決算の2ヶ月以内に支払い

消費税は取引ごとに清算し、決算後2ヶ月以内にまとめて納めます。

消費税の免税事業者は2年間は原則納付義務がない

フリーランスの場合、年間の課税売上高が1,000万円未満、もしくは開業してから2年以内であれば、消費税の免税事業者となり消費税を納付する必要はありません。

固定資産税の計算・節税方法

フリーランスが事業に使っている資産には、固定資産税がかかる場合があります。この場合の固定資産は土地や建物だけでなく、事業用の設備や備品(償却資産)も対象となります。

償却資産を持っている場合に掛かる固定資産税の算出方法と計算例

償却資産とは事業に使用する資産のことで、パソコンや業務関連の機器・ソフトウェアで取得価額が10万円以上のものを指します。

償却資産を購入した際は固定資産税を納税する義務が発生します。固定資産税の標準税率は1.4%です。

計算方法:納税額 = 固定資産税評価額×標準税率1.4%

固定資産税の納期は年4回で自治体毎に異なる

原則年4回に分けて納付書が届くので、届いたタイミングで支払いを行います。第1期分の納付書は毎年4月〜6月頃に届きますが、スケジュールは自治体により異なります。

償却資産の合計額が150万円未満であれば償却資産税はかからない

償却資産の合計が150万円未満の場合は固定資産税が課税されませんが、資産の多少に関わらず申告が必要となります。

CHECK

・支払う税金は「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」「固定資産税」の5つ
・税額は確定申告の内容に基づいて計算される
・支払いのタイミングはそれぞれ異なるのでスケジュールを押さえておく

社会保険も実質的な税金の一部

フリーランスが支払う社会保険料(国民健康保険や国民年金)は、実質的に税金の一部といえます。

フリーランスの場合、社会保険料も自分で納付しなければならないため、税金と同じように計画的な支払いが求められます。

社会保険料の計算方法

フリーランスが支払う社会保険は「国民健康保険」と「国民年金」の2つです。どちらも全額所得控除の対象で、年収が少ない場合は軽減措置もあります。

国民健康保険の計算方法:所得割+均等割+平等割

※所得割 = (前年所得 – 43万円) × 所得割率

※均等割 = 均等割額 × 加入者数

※平等割 = 定額/自治体により異なる

国民年金:全国一律で2025年度は月額16,980円(年額203,760円)

社会保険と所得税を加味したフリーランスの年収別手取り一覧

フリーランスの手取り額は、年収に応じて所得税や社会保険料(国民健康保険、国民年金)などが差し引かれます。

以下に、年収別の手取り一覧をまとめていますが、税金や保険料の額は地域や個人の状況により異なるため目安としてご確認ください。

年収(税引前)所得税社会保険料手取り額
300万円約15万円約40万円約245万円
400万円約30万円約50万円約320万円
500万円約45万円約60万円約395万円
600万円約60万円約70万円約470万円
800万円約100万円約90万円約610万円

CHECK

・社会保険も実質的な税金の一部
・フリーランスの社会保険料は全額所得控除の対象
・フリーランスの手取り額は、年収に応じて異なる

フリーランスにできる手残りを増やすための節税対策

フリーランスにとって節税対策は、手残りを増やすために非常に重要です。

青色申告特別控除や必要経費の計上、各種所得控除を活用することで適切な節税になり、実際に手にする金額を大幅に増やすことができます。

青色申告特別控除を必ず受ける

青色申告を選択することで、一定の条件を満たせば最大65万円の控除を受けることができ、税負担を大きく軽減できます。

青色申告特別控除を受けるには、確定申告時に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

この申請書は、初めて青色申告を行う年の3月15日までに提出しなければならないのでタイミングを逃さないようにしましょう。

各種所得控除を漏れなく申告する

所得控除を適用することで、課税対象となる所得が減少し、結果的に支払う税金を軽減することができます。

主な所得控除には基礎控除、社会保険控除、医療費控除、住宅ローン控除などがあります。

確定申告で必要経費を確実に計上する

確定申告で必要経費を確実に計上することは、フリーランスにとって非常に重要な節税対策です。

経費を適切に計上することで、課税所得が減少し支払う税金を軽減できるので、領収書と証拠書類を必ず保管し、事業に関連する経費は漏れなく計上しましょう。

売上高・利益によってはマイクロ法人化を検討する

個人事業主から法人に切り替えることで得られる税制面でのメリットを受けるため、法人化の検討も手段のひとつです。

マイクロ法人とは経営者1人がすべての事業を行っており、従業員を雇っていない法人のことを指します。

扶養・専業従事者に事業支援してもらい給与を払う

個人事業主が家族に給与を支払う場合、青色事業専従者給与を活用することができます。

個人事業主が家族に対して行う給与支払いが適切であれば、経費として計上できる制度で、節税につながります。

小規模企業共済の加入を検討する

小規模企業共済は、個人事業主が将来の退職金や年金資金を積み立てるための制度であり、節税対策にも有効な手段です。

収入の一部を共済に積み立てると積立額を全額経費として計上できるため、税金の負担を軽減することができます。

フリーランスが高すぎる税金を払えないときの対策

フリーランスが税金を払えない場合は、まず税務署や税理士に相談しましょう。

納税納期の変更や分割措置の検討が可能です。放置すると延滞税が増え、差し押さえの可能性もありますので早めに相談しましょう。

督促が始まる前に税務署や自治体に分割払いが可能かを相談する

税金を支払わずに放置すると税務署や自治体から「督促状」が届き、これを無視すると延滞税が加算され、最終的には財産の差し押さえなどをされる可能性があります。

督促される前に分割払いや猶予を相談することが重要です。

所轄の税務署に猶予を設けてもらえるかを相談する

督促前に税務署に相談をすることで、納税の猶予を申請できる制度があります。

必要に応じて、申請書類や収支状況の資料を提出し、支払い計画を立てることで猶予が認められる可能性があります。相談は早いほど有利なので早めの行動が大切です。

ファクタリングやローンの利用を検討する

フリーランスが税金を払えない場合、ファクタリングや事業者向けローンの利用も検討できます。

ファクタリングは売掛金を早期に現金化できる方法で、即日の現金化もできますが、手数料がかかりますので慎重に検討しましょう。

どうにもならない場合は自己破産を検討する

フリーランスが税金を払えない場合、最終手段として自己破産を考えることもあります。

ただし、フリーランスが自己破産した場合、借金は免除されますが税金は免除されません。自己破産を考える前に他に出来ることがないか専門家に相談することをおすすめします。

税金は自己破産でも免除されないためCF表で計画的な資金繰り

税金は原則として自己破産しても免除されない非免責債務のため、自己破産しても税金の支払い義務は残ります。

自己破産になるまで行く前に、キャッシュフロー表(CF表)を使った計画的な資金繰りや支払い計画を立てておくことが重要です。

CHECK

・手取り額を増やす節税手法はさまざま
・税金が払えない時は早めに税務署や税理士に相談する
・キャッシュフロー表で資金繰りの計画をきちんとたてておくこと

フリーランスにとって、税金の管理は大切な課題です。確定申告や節税対策をうまく活用することで、納税額を抑えることができます。また、万が一支払いが難しい場合でも、早めに相談し適切な対応を取ることが重要です。計画的に税金と向き合うことで、安定した事業成長をすることができます。

フリーランスに税理士は必要?依頼をすべきケースと事業と相性の良い税理士の探し方を解説

税理士に依頼するのはお金がかかるので、本当に必要かどうか悩みますよね。フリーランスとして外部に依頼できるものは積極的に活用すると良いですし、税理士がいると「節税効果が期待できる」「会計・税務の手間や不安が減る」「経営アドバイスや資金調達のサポートをもらえる」など多くのメリットがあります。

小規模なうちは会計ソフトを活用して自力での対応も可能ですが、事業拡大、複数の収入源、法人化を考えるタイミングでは税理士の専門知識が大きな助けとなります。税理士は記帳代行や税務申告だけでなく、節税対策、資金調達、経営相談など多様なサポートをしてくれます。

フリーランスに税理士は必要か?

フリーランスが税理士を頼むべきかは、収入や業務内容によって異なります。事業規模がそこまで大きくなく、会計ソフトで問題なく会計処理が出来ている場合は税理士に頼む必要はありません。取引内容が複雑だったり、今後事業を拡大する予定があるなどの場合は依頼を検討してみましょう。依頼費用がかかりますので、節税対策と費用負担のバランスも合わせて判断が必要です。

収入が低い場合は会計ソフトで自身で手続き

会計ソフトを使えば、税理士に頼むことなく自分で会計処理を簡単に行えます。自分で処理できる範囲であれば、税理士にお願いする必要はないでしょう。ただ、フリーランスとしての本業に集中するために会計業務を外注して業務を効率化させる目的として税理士に依頼するというのも手段のひとつです。

事業規模が大きくなる見込みができてから依頼がベター

事業規模を拡大させていく段階の、早いタイミングで弁護士に頼むことを検討すると良いでしょう。取引が複雑になる前にあらかじめ会計処理の仕組みを準備しておいたり、事前の節税対策を進められるなど、具体的かつ専門的なアドバイスをもらうことができます。事業が成長するにつれて会計処理や税務関連の対応が複雑になるため、早めに専門的なサポートを得ておくと安心です。

フリーランスが税理士に依頼するよくあるタイミング

フリーランスが税理士に依頼するタイミングは、自分の知識では対応しきれない事業規模や会計処理になってきた時が目安です。また、青色申告や節税対策をしっかり行いたい場合や、法人化を視野に入れ始めた段階で相談するのも効果的です。

売上が安定したタイミングから依頼する

売上の安定が実現したら、納税額を抑えるために経費の適切な計上や控除の活用を積極的に行います。これらの専門的なアドバイスを税理士からもらうことで、節税効果や会計処理にかかる時間の削減につながります。

開業したタイミングから依頼する

フリーランスとして事業を開始した直後は、資金繰りなどお金に関する不安や悩みが多い時期です。税理士に依頼することで、初期の段階から正しい税務処理だけでなく開業届や確定申告など必要な書類の準備をするサポートも受けられます。

確定申告だけスポットで依頼する

税理士は毎月の契約ではなくスポットでの依頼も可能です。特に確定申告関連が不安な場合は、確定申告だけスポットで依頼することで正確な申告ができます。また、長期契約前に一度依頼をしてみることで税理士との相性の良さを図れることもメリットです。

CHECK

・収入規模や業務内容によって税理士に頼むかどうか判断する
・自分で会計処理が問題なくできる規模であれば外注不要
・事業規模が大きくなる見込みができてから依頼すると良い

税理士の依頼がおすすめな具体的なケース

売上の拡大・節税対策・経理の負担軽減・法人化の判断など、様々なタイミングで税理士に依頼をするのが有効なケースがあります。お金のことを相談できる、税金・会計のプロがいることはフリーランスにとって大変心強いものです。

課税売上1,000万円を超えている場合

売上が伸びて所得が増えると、所得税の税率が高くなるためきちんとした節税対策が必須になります。税理士に相談することで、適切な税制を有効に利用した節税効果が期待できます。

複数の収入源がある場合

複数の収入源があると会計処理が複雑になります。帳簿・申告ミスによるリスクを防いだり、節税の幅を広げるために税理士のアドバイスを得ると良いでしょう。また、それぞれの収入源の資金繰り状況や、どの事業に注力すると良いのかなど、経営相談もしてもらえるため事業成長の後押しになります。

インボイス登録事業者の場合

フリーランスがインボイス制度に登録し「適格請求書発行事業者」となった場合、インボイス対応の請求書処理が必要となります。消費税に関する専門知識を持ちながら複雑化する請求書の発行や管理に対応できるのが税理士のメリットです。

海外との取引がある場合

海外取引に関する税務は複雑で、日本の税法だけでなく、相手国の税制や国際税務を考慮する必要があります。税理士のサポートを受けることで、対応するべきことが対応でき、税務リスクを最小限に抑えられます。

特殊な業種形態を営んでいる場合

業界専門の慣習があるなど特殊な業種形態を営んでいる場合、税理士に依頼することで専門的な税務知識と業種理解に基づいた正確な申告と節税対策を受けることができます。特殊業種では収入や経費の扱いが一般と異なることが多く、自己判断ではミスや申告漏れのリスクが高まります。税理士に依頼することで税務署からの指摘リスクを減らすことができます。

会社設立を考えている場合

売上や利益が大きくなってきたら法人化をしたほうがメリットが大きい場合があります。法人化するべきかどうかの判断やどのタイミングで踏み切るのが最適かなど、税理士からの専門的なアドバイスをもらえるのは大きな利点です。事業の収益状況をもとに、法人化による節税メリットがあるかどうかを具体的に判断してもらえます。

法人化するタイミングでは顧問税理士が必要になる

顧問税理士とは法人や個人事業主などを対象として一定期間の顧問契約を結んだ税理士のことです。法人化をすると個人事業に比べて会計処理や税務申告が複雑になり、決算書の作成など複雑な手続きが多くなります。顧問弁護士を持つことでこれらの業務のサポートだけでなく税務署や役所への届け出や経営面のアドバイスなどを多角的に受けることが可能になります。

CHECK

・税金・会計のプロがいることはフリーランスにとって心強い
・課税売上1,000万円を超えたら税理士の検討をすると良い
・法人化するタイミングでは顧問税理士が必要になる

税理士に依頼できる業務と恩恵

税理士に依頼できる業務は多岐にわたりますが、主に税務や会計に関連する業務が中心です。フリーランスにとって、税理士に依頼できる業務を理解しておくと、ビジネスの運営や節税、経営の効率化がしやすくなります。

記帳代行

毎月の収入や支出を整理して、税務申告に必要な書類を整えます。自社で導入している会計ソフトがある場合は、使っているソフトに対応可能かどうかの確認もすると良いでしょう。

税務書類作成

税務署への各種届出書類の作成や提出も代行してくれます。これにはもちろん確定申告書類も含まれます。

税務代理

税務署への申告や各種届出を税理士が代理対応してくれます。フリーランスが自分で行う場合と比べて専門知識に基づいた適切な手続きができ、スムーズに進められます。

資金調達のサポート

事業内容や事業計画を踏まえた最適な融資の選定から、銀行や金融機関から融資を受ける際のアドバイスや申請のサポート、資金繰りのアドバイスまで対応してくれます。事業計画書の作成サポートなど、融資を受けやすくなるためのアドバイスまでもらえ、事業成長を後押ししてくれます。

税務相談

節税対策はもちろん、税務に関する専門的なアドバイスがもらえると同時に、最新の税法改正に関する情報も得られます。

税務調査への対応

税務調査が入った場合、税理士が立ち会って対応を行うことができます。具体的には調査に必要な書類などの準備、実際の調査の際の立ち合いや説明、調査後の対応まで任せられます。

CHECK

・税理士に依頼できる業務は幅広い
・日々の記帳代行だけでなく経営面でのアドバイスまで
・どんな業務を依頼できるかを知っておくことが重要

フリーランスが税理士への依頼費用の相場

フリーランスが税理士を頼む場合の費用相場は月額1万円〜4万円と幅広くなっています。税理士にお願いする内容や頻度、そして事業の売り上げ規模などにより料金が変わってきます。

確定申告のスポット依頼の場合の相場

確定申告を一括で依頼する場合は3万円〜10万円程度が相場です。白色申告のほうが依頼単価が低く、複式簿記が必要な青色申告のほうが単価が高い傾向にあります。複雑な経費計上や複数の収入源がある場合も料金が上がります。

税務相談など顧問契約の場合の相場

定期的に税務相談や経理サポートを受ける場合、月額2万円〜10万円程度になります。事業が大きくなり一人で会計作業をするのに不安を感じはじめたときや、税務だけでなく経営やお金の管理に関するアドバイスを定期的に受けたいと考え始めたら、顧問契約も検討しましょう。

フリーランス税理士契約をすることで節税はできるか?

税理士に会計処理を頼むことで自分では気づかない、見逃しがちな支出を経費として計上できるようアドバイスしてくれるため、税金を減らす手助けになります。その結果事業所得が減り、課税対象の金額が少なくなることで節税につながるのです。また、税法上の特例や優遇措置など節税に関する最適な方法を提案してくれることで税金を軽減させることができます。

専門知識による効果的な節税対策はできる

フリーランスが税金を節約する主な方法の一つは、経費を適切に計上し、各種所得控除を活用して課税対象となる所得を減らすことです。税理士に頼むことで素人では気づかない経費や、専門知識がないとわからない優遇措置などを的確に使うことができ、節税対策になります。

節税にはまとまった現金が必要でもあり安定した売上は必須

売上があまりにも少ない場合、経費を計上しても赤字となり節税効果が小さくなってしまいます。経費を計上することで節税効果を得るためには、それに見合った売上が必要なのです。

CHECK

・税理士への依頼方法はスポット依頼と顧問契約
・依頼内容や頻度、事業の売上規模により費用が変わる
・税理士契約することで費用はかかるが節税対策が可能

フリーランスが税理士を選ぶ際に確認したい項目

税理士事務所は数多くあるので、どこに依頼すればよいか悩むかもしれません。専門分野の知識や料金体系、評判など考慮しながら検討しましょう。

必要なサービスが業務範囲に含まれるか

税理士によってアドバイスできる内容の幅は大きく異なります。確定申告に強いのか、税務・会計改善のアドバイスが専門なのか、自社として求めるサービスに合っているかを確認しましょう。

担当者との相性が良くコミュニケーションを取りやすいか

フリーランスの場合、税務に関する疑問が出てきた際にすぐに相談できる相手がいると安心です。レスポンスが早く、かつ親身に対応してくれる税理士を見つけると心強いです。

積極的に節税対策を提案してくれるか

フリーランスとしての事業経営に合わせたアドバイスをしてもらうことで事業収益の最大化につながります。例えば収入が増えた場合に最適な節税方法を再提案するなど、状況に合わせて積極的に提案をもらえるとしっかりとした節税になります。

業界や業種特有の専門知識を有しているか

フリーランスにはIT系からメディア系、コンサルティングなど幅広い業界・職種があり、自分の属する業界特有の商慣習や注意点を理解している税理士が良いでしょう。

ITツールに明るいか

メールやチャットなどオンラインでコミュニケーションを取りやすかったり、会計ソフトなどのクラウドツールや確定申告の電子申請方法などの最新知識を持っている税理士だとスムーズにやり取りができます。

フリーランスが税理士を探すおすすめの方法

同業者の知り合いや、フリーランス仲間がいれば、おすすめの税理士を紹介してもらうのも良い手段です。自分で探す場合は、オンラインの紹介サービスを使って効率的に見つけましょう。

会計ソフトの税理士紹介サービスを活用する

会計ソフトの税理士紹介サービスとは、クラウド型会計ソフトを利用しているユーザーに対して、会計ソフト運営会社が税理士を紹介するサービスです。使っている会計ソフトの知識を持った税理士を紹介してもらえるので、相談がしやすいのがメリットです。

マネーフォワード

全国40,000名超の士業事務所とパートナーシップを持ち、大手税理士法人から個人事務所まで幅広いニーズに合わせて無料で紹介。ITツールに強く、クラウド会計の導入実績が豊富な税理士・社労士を紹介してくれます。

フリー会計

freee税理士コーディネーターがfreee認定資格を持つ全国の税理士事務所から要望に沿った税理士を紹介。面談調整やお断り連絡などもコーディネーターが行ってくれるので探すのに費やす手間がかかりません。

専門の税理士紹介サービスを活用する

税理士紹介サービスを利用することで、自分の業務に最適な税理士を見つけて税務に関する専門的なサポートを受けることができます。フリーランス専門に紹介してくれるところもあります。

税理士紹介ドットコム

納得のいく税理士と出会うまで何度でも無料で紹介してくれるサービス。コーディネーターが間に入り条件面の交渉なども行ってくれます。

税理士紹介センター

成約手数料など一切不要で、無料で税理士を紹介してくれます。最短で申込当日に紹介も可能で、業界に合わせた税理士を見つけてくれます。相性の合う税理士が見つかるまで何度も紹介してくれるサービスです。

事業の成功は会計を担う税理士選びも大切な要因

税理士は仕訳や確定申告を手伝ってくれるだけでなく、税務や経営に関するアドバイスを行い事業の成長をサポートしてくれる心強いパートナーです。信頼できる税理士を見つけることで、ビジネスの成長を後押しすることができます。

大手が必ずしも良いとは限らない

相性の良さが税理士選びで大切なポイントのため、税理士事務所の規模はそこまで気にする必要はありません。税理士の得意ジャンルや費用面、お願いしたい事に対応してくれるかどうか、などを細かく擦り合わせて、自社のニーズに合った人を見つけ出すことが大切です。

必ず複数の税理士と面談をしてから決める

複数の税理士と面談し、比較検討するのが良い税理士を見つけるカギになります。税理士の専門知識、対応の速さ、説明のわかりやすさ、料金体系などを比較し、自分のニーズに最も合っている税理士を選ぶようにします。

CHECK

・業界知識や料金体系、評判など考慮しながら税理士選びを行うこと
・税理士紹介サービスは数多くある
・必ず複数の税理士と面談をしてから決めること

駆け出しのフリーランスは自分で会計を。安定したら税理士に依頼

まずはお金の流れを知るために自分で会計業務を行うことも経験です。会計ソフトを上手く使いながら、金の流れを可視化し、自身の資金繰りを把握しておくことで、税関連としてどこを強化する必要があるのかわかってきます。そのうえで経理業務の効率化や資金繰り・税務面のアドバイスを税理士にあおぐことで、事業強化につながります。

信頼できる税理士を選ぶためには、業界知識・相性・料金体系などを比較検討し、紹介サービスを活用すると効率的です。最初は自分で会計を経験し、お金の流れを理解した上で、タイミングを見て税理士と連携しながら事業を拡大させましょう。

フリーランスの確定申告ガイド|スケジュール別の必要な手続き・書類・控除や修正申告の方法を解説

フリーランスになると、会社員時代はやらなくてよかった面倒なことを自分でやらなくてはなりません。その代表例ともいえるのが、確定申告です。1年間の売上と経費を計算し、正しく納税する必要があります。

今回は、初めて確定申告をする方も一人で完結できるよう、具体的な方法を解説していきます。

フリーランスに確定申告はいつから必要?

まずは、フリーランスの方にとって、確定申告がどのタイミングで必要になるか解説します。

フリーランスの確定申告の必要なケース

フリーランスでは、確定申告が必要なケースが3つあります。

本業で48万円以上の利益がある場合

本業を続けながら副業でフリーランスの案件を受けている方は、本業の利益が48万円以上になった時点で確定申告が必要です。フリーランス案件の利益がほとんど出ていなくても必要になるため、「あまり儲けがないから大丈夫」と勘違いしないようにしましょう。

本業以外の複数の収入がある場合

本業以外に、いくつかの収入がある方も確定申告が必要です。こちらも売上や利益に関係なく、仕事をした時点で必ず確定申告をしなくてはならないので注意しましょう。

株・不動産投資の収入がある場合

金額を問わず、株や不動産投資の収入がある方は確定申告が必要です。フリーランスの案件を受けている・いないに関わらず、投資で収益が出た年は確定申告をしましょう。

フリーランスの確定申告の不要なケース

フリーランスの案件を請けていても、確定申告が不要なケースがあります。

本業の利益が48万円以下の場合

確定申告をする場合、48万円の基礎控除が適用されます。基礎控除とは、所得金額から差し引けるもので、年間合計所得金額が2,500万円以下の方全員に与えられます。本業の利益が48万円以下の場合、基礎控除が適用されると課税対象となる所得がゼロになるため、確定申告は不要です。

本業が赤字で経費もない場合

本業が赤字で経費もない場合、課税所得がないため確定申告は不要です。ただし、青色申告をしておけば損失を最大3年間繰り越せるため、翌年に大きな黒字になる見込みがある場合は確定申告をしておくのも一手でしょう。

青色申告・白色申告はどちらを選ぶべき?

確定申告には、青色と白色の2種類があります。それぞれの違いについて解説します。

手間はかかるが青色申告の最大のメリットは節税

青色申告は、最大65万円の特別控除が適用されるため大きな節税効果があります。また、赤字の年に青色申告しておくことで翌年に繰り越し税金を減らせます。

複式簿記で記帳し、損益計算書や貸借対照表などを作成しなくてはならないので手間はかかりますが、高い節税効果があるため白色よりおすすめです。

原則節税は難しいが白色申告の最大のメリットは簡易さ

白色申告は、単式簿記で記帳でき、貸借対照表の作成も不要なため非常に簡単です。今年だけ副業をする予定の方や、控除を気にしない方は白色申告でよいでしょう。

しかし、これからずっとフリーランスでやっていくのであれば青色申告を強くおすすめします。会計ソフトを利用すれば、自分で計算しなくても自動で経費精算や各種提出書類作成などができるため手間もそれほどかかりません。

確定申告はどのように行う?

確定申告は、具体的にどのように行えばよいかについて解説します。

会計ソフトで課税所得を計算する

まずは、会計ソフトを選びPCにインストールします。月ごとの売上や経費を入力すると、自動で収支や利益を算出できます。青色申告の場合、特別控除の65万円も自動で計算できます。

レシートを取り込んだり、クレジットカードや銀行口座と連携させたりすることで、手入力しなくても自動で金額が入力されます。

所得控除に関わる資料から課税所得を計算する

課税所得とは、売上から所得控除を引いた金額です。控除には48万円の基礎控除以外にも、社会保険料控除や配偶者控除などがあります。会計ソフトを使えば、質問に答えて金額を入力していくだけで自動計算できます。

確定申告の必要性を判断する

計算した結果、年間所得が48万円を超えていたら確定申告が必要です。もし48万円未満だったとしても、翌年以降もフリーランスとして活動予定があればぜひ申告してください。

所得税が必要な書類を準備する

売上と経費の記録、口座やクレジットカードの取引明細など、必要な書類をそろえましょう。ふるさと納税を活用した方は、自治体から発行される受領書も忘れないでください。青色申告の方は損益計算書と貸借対照表も必要ですが、これも会計ソフトが自動で作成します。

所得税を税務署・e-Taxで納付する

確定申告書を提出します。所得税は、税務署の窓口やコンビニから払えます。締め切り間際の税務署は非常に混雑しているため、わざわざ出向くのではなくe-Taxでの申告と納付がおすすめです。マイナンバーカードとICカードリーダー、またはマイナポータルアプリがあれば自宅から完結します。

CHECK

・本業で48万円以上の利益がある場合や、本業以外の複数の収入がある場合は、確定申告が必要
・青色申告は、手間はかかるものの節税効果が高い
・会計ソフトを活用することで、課税所得を計算や提出書類の作成が簡単にできる

フリーランスに関係する税金の種類は?

フリーランスとして働くうえで、どのような税金が関係するのか解説します。

■所得税

利益に対する課税です。上記の方法で、確定申告を通じて納税します。所得税は累進課税となっており、利益の5~45%を納める必要があります。

■住民税

市区町村に支払う税金です。道府県民税・都民税は4%、区市町村民税は6%課税されます。

■個人事業税

フリーランスとして年間290万円以上の所得があると発生します。税率は3~5%で、業種により異なります。所得税と住民税の申告をする場合、個人事業税の申告は不要です。

■消費税

もともと、課税売上高1,000万円以下の事業者であれば消費税は免除されていましたが、インボイス制度によって登録事業者は全員課税対象となりました。確定申告同様、会計ソフトで自動計算して納付しましょう。

フリーランスの節税はどう進める?

フリーランスにとって、いかに節税するかは重要なポイントです。以下の7つは簡単にできるので、ぜひ取り組んでみてください。

青色申告で申告をする

「手間はかかるが青色申告の最大のメリットは節税」で説明した通り、青色申告をするだけで控除が得られて節税になります。多少の手間はかかりますが、白色ではなく青色で申告しましょう。

経費を確実に計上する

売上が小さいほど、納税額は安くなります。経費を計上しなければ売上が大きくなってしまうため、かかった経費はしっかり計算してください。まずは、経費の種類を正しく理解するところから始めましょう。

減価償却を正しく活用する

減価滅却とは、固定資産を購入した年から数年にわたって経費を分割計上する処理方法です。例えば、200万円の機械を買った年に200万円の経費として計上するのではなく、毎年40万円ずつ5年にわたって経費計上するといったことができます。

使える控除を活用する

控除を活用すればするほど所得額が小さくなり、納税金額も少なくなります。下記のような控除は必ずチェックしてください。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄付をして、返礼品をもらう仕組みです。確定申告をすることで、所得税と住民税の控除を受けられます。

マイクロ法人の活用を検討する

マイクロ法人とは、少人数で運営する小規模法人です。個人事業主と組み合わせることによって、収益の流れを分散させて税負担を軽減できます。

倒産防止共済を活用する

中小企業倒産防止共済とは、一社が倒産したことによりその取引先が連鎖的に倒産する事態を防ぐための仕組みです。共済に入ることで、何かあった時に共済金を借入できます。掛け金は全額経費として計上できるため、節税につながります。

CHECK

・フリーランスには所得税や住民税など複数の税金が関係する
・節税のためには、青色で申告し、経費を確実に計上することが大切
・ふるさと納税や倒産防止共済などを活用することで、高い節税効果が期待できる

確定申告の還付金はいつ返還される?

確定申告の還付金は、e-Taxで申告した場合は、申告から1~3週間以内、紙で申告した場合は1~2か月が目安です。確定申告期間は時間がかかることも多いため、早めに受け取りたい方は1月1日から2月15日までに申告しましょう。

確定申告をミス・遅れた場合にはどうなる?

確定申告の内容にミスがあったり、期限内に申告できなかったりした場合どうなるか、解説します。

修正申告によりミスを後から修正できる

確定申告にミスが見つかったら、修正申告を行います。e-Taxページの「確定申告書等作成コーナー」にある「新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」から修正可能です。

無申告加算税がかかる場合

確定申告期間から遅れた場合は期限後申告となり、青色申告の特別控除は10万円のみになり、無申告課税が課せられます。

延滞税がかかる場合

期限を過ぎてから申告すると、遅れた日数に応じて延滞税が課せられます。申告のタイミングが遅れれば遅れるほど延滞税が増える可能性があるので、できるだけ早く提出しましょう。

重加算税の課税があり得る場合

隠蔽目的など悪質性が認められた場合、重加算税が課せられます。何度も続けると最大50%の課税が発生するので、必ず提出してください。

CHECK

・確定申告の内容にミスがあったら、修正申告により修正できる
・期限が過ぎてから確定申告すると、無申告加算税が課される
・悪質な無申告だと認められると、重加算税が課される

確定申告に必要な書類はどのようにいつまで保存すべき?

確定申告で使った書類の保存期間は、下記の通りです。

  • 帳簿:7年間
  • 決算関係書類:7年間
  • 領収書や請求書:5年間
  • 確定申告控え:5年間
  • 所得控除証明書:5年間

2024年以降、電子取引でやり取りした書類はデータ保存が義務化されているので気を付けましょう。

確定申告をスムーズに行うにはどうする?

手間がかかり面倒な確定申告ですが、コツをおさえればスムーズに準備を進められます。具体的な方法を、6つ解説します。

クラウド会計ソフトで月次で帳簿をつける

確定申告のタイミングで一年分の売上と経費を計算しようとすると、膨大な時間がかかります。そのため、クラウド会計ソフトを使って月次ごとに整理しましょう。毎月コツコツ作業しておけば、直前になって膨大な作業に追われることがなく、余裕が生まれるのでミスも減らせます。

請求書などの取引資料を電子管理する

請求書などの取引資料は、電子管理しましょう。アナログでの管理は手間がかかりますし、2024年以降は電子データでの保存が義務化されています。

契約書については、誰が何をしたかを証明する電子署名と、いつ何を作成したかを証明するタイムスタンプが必要です。

日頃からクレジットカードで経費を支払う

クレジットカードと会計ソフトを紐づけましょう。これにより、経費をクレジットカードで使った時に自動で金額などの情報が入力されます。クレジットカードを使うことでキャッシュフローの改善につながりますし、年会費の経費計上によって節税効果も狙えます。

紙の領収書は会計アプリで毎日取り込みする

電子データではなく、紙で領収書をもらうこともあるでしょう。そんな時はためこまず、会計アプリに毎日取り込んでください。写真を撮るだけで金額などが入力されるため、ためこまなければ大した手間にはなりません。

マイナポータルの連携機能で控除資料をダウンロードする

e-Taxと連携させることで、マイナポータルから控除資料をダウンロードできます。各種控除申請書が一括で手に入りますし、e-Taxで確定申告を作る時にデータが自動で入力されて便利です。

e-Taxを活用して申告を行う

-e-Taxを使って申告することで、青色申告特別控除として65万円が適用されます。また、申告期間中の税務署は非常に混むため、窓口に並ぶ時間を短縮できる点もメリットです。インボイス制度にも対応しているため、事業者登録した方も安心してe-Taxを活用できます。

税理士はいつからつけるべき?

年間売上が1,000万円を超えたら、税理士をつけることを検討してみてください。1,000万円未満の場合、税務処理はシンプルですし税理士を雇っても報酬支払が負担になるだけです。また、税務署に行けば無料で相談にのってもらえるため、あえて税理士を雇う必要はないでしょう。

今回は、フリーランスの確定申告方法について解説しました。フリーランスになったら、まずは確定申告をしなくてはならないかどうかを確認しましょう。確定申告する場合、メリットが大きいのでぜひe-Taxから青色申告をしてください。最初は複雑に思えるかもしれませんが、会計ソフトを使えば初心者の方も一人でできるため、ぜひ頑張りましょう。

確定申告は青色申告・白色申告どちらがいい?|フリーランスに最適な選択と控除・申告の際の注意点と時短テクニック

確定申告をスムーズに時短で済ませる方法をまとめています!経理の専門知識がなくても、ソフトやツールを駆使すれば以外に簡単にできますよ。

確定申告は年度末に必ず行う、税金を納付する手続きです。申告をしないとペナルティが課せられるので必ずやりましょう。「青色申告」と「白色申告」で申請書類や使える控除などが異なり自分に合った申告方法を選ぶことが出来ますが、フリーランスの場合は青色申告がおすすめです。

白色申告は所得330万円がボーダーライン。フリーランスなら迷わず青色申告 

白色申告をしても青色申告をしても所得税率は変わりません。所得の金額に応じて所得税は計算されます。この所得額を大きく左右するのが控除です。

所得金額ごとに税率と控除額が決まってきます。330万円を超えると控除額が大きく増加していますよね。

同じ収入であっても、控除を使う(青色申告で申請する)方が、控除を使わない(白色申告で申請する)場合よりも納税金額を低くすることができるのです。

所得330万円を超えるのであれば控除や赤字繰り越し、減価償却特例などのメリットが多い青色申告にしましょう。事業を開始したばかりで売上が少ない場合や、3年以上赤字が続いている場合は白色申告が向いています。帳簿をつけるのが難しそうだからなんとなく白色申告にしている方は、会計ソフトを使えば手間はほとんど変わらないので青色申告への切り替えを検討してみましょう。

白色申告に必要な書類

白色申告とは、帳簿の作成が簡単な申告方法ですが、基本的に税制上のメリットがありません。以前は記帳しなくても手続き可能だったのですが、2014年の法改正より白色申告も記帳が義務化されました。

フリーランスの白色申告では「収支内訳書」「確定申告書」の提出が必要です。

①収支内訳書

収入や支出の流れ、所得金額の詳細をまとめたものを指します。

②確定申告書

1年間の所得額や控除額をまとめ、税金の金額を算出するものを指します。

準備~提出方法

毎月のお金の流れをまとめるために、売上や経費が発生したら記録を残しておきます。これを記帳と呼びますが、白色申告のフォーマットは特に決まっていないので自分が分かりやすいようにまとめておきましょう。

会計ソフトを使うと効率化ができて便利です。

確定申告の時期になったら、必要書類の準備を進めます。ひとつひとつの取引について数量や単価、金額を正しく記帳し、それをもとに収支計算書、確定申告書と作成を進めます。
必要書類は国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。会計ソフトを使っている場合は、会計ソフト上で確定申告に必要な書類を作成し、オンラインで提出可能です。

白色申告のメリット・デメリット

メリットデメリット
・事前申請が不要
・簡易な記帳で良い
・節税効果は見込めない
・赤字が繰り越しできない

青色申告を控除と経費の扱いの違いからおすすめする理由

青色申告は最大65万円の特別控除が受けられるなど、メリットの大きい申告方法です。仮に同じ収入だった場合、青色申告で確定申告をすれば税金がかかる所得を最大65万円少なくでき、その分納税額も少なくなり得になります。

また、経費に関しても白色申告よりも幅広く計上できることもメリットです。自宅で使うパソコンなど30万円未満のものは一括で経費計上、家賃や家族への給与も経費にできます。

青色申告に必要な書類

青色申告とは、原則として複式簿記で帳簿をつけることが義務付けられている手続き方法です。青色申告特別控除をはじめ、様々なメリットがあります。

フリーランスの青色申告では「青色申告決算書」「確定申告書」の提出が必要です。

①青色申告決算書

日々の帳簿付けの結果を決算書の形式で記入する書類です。1年間の利益を計算した「損益計算書」と、期末時点での資産状況を示す「貸借対照表」からなります。

②確定申告書

1年間の所得額や控除額をまとめ、税金の金額を算出するものを指します。

準備~提出方法

まず事前に「青色申告承認申請書」の申告をする年の3月15日までに提出します。間に合わなかった場合は、次年度のために早めに申請書を出しておきましょう。

青色申告は仕訳をした複式簿記の準備が必要です。自分で0から帳簿付けをするためには勉強が必要ですが、会計ソフトを使えば自動仕訳できれいにまとめてくれるので、やりながら学ぶこともできます。

確定申告の時期になったら、会計ソフトで必要書類の準備を進めます。画面上で入力が必要な項目をひとつひとつ埋めていけば、書類を自動作成しオンラインで提出まで完了できます。

青色申告のメリット・デメリット

メリットデメリット
・最大で65万円の特別控除で、税負担を減らせる(青色申告特別控除)
・減価償却なしで30万円までを一括全額経費計上で節税できる
・3年間の赤字の繰り越しができる
・家族への給料を経費にできる
・事務所兼用として自宅の家賃や電気代など生活費の一部を経費にできる
・事前の申請が必要
・細かい帳簿の作成が必要

CHECK

所得330万円を超えるのであれば青色申告がおすすめ
青色申告はさまざまな控除があり経費計上の幅が広がる
事業を開始したばかりや赤字の場合は白色申告

白色申告の最大のメリットは経理事務の手間が必要ないこと

白色申告の最大のメリットは、事務手続きがシンプルで簡単なことです。白色申告をするために必要な事前申請は不要、お金の流れを管理する記帳も簡単にまとめてあれば問題ありません。

経理の知識がなくても、家計簿をつける感覚で「収入」と「支出」を分けて管理してまとめておけば手続きが可能です。

事業所得がまだ少なく経理作業に苦手意識があり、とにかく手間をおさえたい人に向いています。

青色申告で確定申告を行う流れ

確定申告書類を作る際には、適用される控除の証明書を手元に用意しておきます。流れとしてはまず帳簿をもとに「青色申告決算書」を作成し、決算書をもとに「確定申告書」を作成します。出来上がった書類を税務署に提出すれば、確定された額が引き落としされます。

会計ソフトで売上や経費の記帳を済ませる

フリーランスが使える会計ソフトはいくつかあります。青色申告に対応しており、初心者でも簡単に操作できるものを選びましょう。

会計ソフトに契約したら、まず名前や所在地などの事業情報と、銀行口座などの情報を登録します。その後、売上が発生した際や、経費が出た際に会計ソフトに入力をしていきます。銀行振込やクレジットカード支払いの場合は自動反映できますし、紙のレシートの場合はスキャンして読み込みすることが可能です。仕訳は自動仕分けができるように設定しておきましょう。

確定申告に必要な確定申告書と青色申告決算書を作成する

日々の記帳をきちんと行っていれば、確定申告の書類は簡単に作れます。会計ソフト内の「確定申告書類の作成」から指示に沿って、ステップごとに必要事項を入力していけば完成です。

確定申告書の書き方

会計ソフトで自動作成された内容は、以下項目がきちんと反映されているか最終チェックしましょう。

1ページ目・日付
・事業主の個人情報
・収入金額等
・所得金額
・所得から差し引かれる金額
・税金の計算
・延納の届出
・還付される税金の受取場所
2ページ目・年・住所・氏名
・所得の内訳
・譲渡所得、一時所得に関する事項
・特例適用条文等
・保険料控除等に関する事項
・本人に関する事項
・雑損控除に関する事項
・寄附金控除に関する事項
・配偶者や親族に関する事項
・事業専従者に関する事項
・住民税に関する事項
・個人事業税に関する事項

青色申告決算書の書き方

会計ソフトで自動作成された内容は、以下項目がきちんと反映されているか最終チェックしましょう。

1ページ目・3つの日付記入欄
・事業者情報
・売上(収入)金額・売上原価
・経費
・各種引当金・準備金等, 青色申告特別控除, 所得金額
2ページ目・月別売上(収入)金額 及び 仕入金額
・給料賃金の内訳
・専従者給与の内訳
・地代家賃の内訳
・貸倒引当金繰入額の計算
・青色申告特別控除額の計算
3ページ目・売上(収入)金額の明細
・仕入金額の明細
・減価償却費の計算
・利子割引料の内訳
・税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳
・本年中における特殊事情
4ページ目・貸借対照表 – 資産の部
・貸借対照表 – 負債・資本の部
・製造原価の計算

e-Tax、もしくは郵送・税務署窓口から資料を提出する

会計ソフトで作成した確定申告書類は、税務署窓口に直接提出or郵送提出か、オンラインでの提出が可能です。会計ソフトで作成し書類をもとに、自分でe-Taxにログインして書類提出もできますが、事前に会計ソフトとe-Taxを連携させることで、会計ソフト上から電子申請を済ませることもできます。

ATTENTION

e-Tax

税制改正で確定申告の書式・記入方式の変更に注意

確定申告の書類記入方法や提出方法など、毎年少しずつ変更があります。特に最近ではDX化で押印が不要になり、マイナポータルとの連携がなされるなど、手続きがどんどん簡単になっています。最新の情報は国税庁のホームページでチェックしましょう。

CHECK

会計ソフトで日々の記帳を自動化するとスムーズ
確定申告の書類も会計ソフトから自動作成できる
事前連携をすれば、オンラインでそのまま提出も可能

確定申告をもっと効率化する手間削減のリアルテクニック

ちょっとした工夫で確定申告の手続きを楽にするテクニックはいくつかあります。

銀行口座をあらかじめ公私で分けて経費の仕分けの手間を無くす

事業用の銀行口座を作り会計ソフトに同期しておけば、カード決済の内容を自動で入力できます。

クレジットカードで経費決済をして紙の領収書の対応を減らす

紙の領収書は保管や整理に手間がかかります。なるべくオンラインでの決済でペーパーレス化しましょう。

領収書やレシートはスキャナーでデジタル化し会計ソフトに取り込む

紙でもらった領収書やレシートがある場合は、スマホのカメラで写真にし、スキャナーでデジタル化し保存します。会計ソフトに取り込むと自動で読み取りをしてくれるので便利です。

e-Taxで提出書類を省略しつつオンラインで確定申告を終わらせる

e-Taxでは控除証明書など申告の内容を証明する書類の添付をせずにオンライン申告ができます。e-Taxで電子申告することで青色申告特別控除額65万円が適用されます。

会計ソフトの自動仕訳のパターンを早めに設定しておく

毎月決まった支払いなどがある場合、会計ソフトの「自動仕訳ルール一括編集」の機能で仕訳パターンを設定しておくとあとから修正する手間を省くことができます。

会計ソフトの確定申告必要書類の自動作成機能を使う

自分で国税庁から書類をダウンロードして記入作成をしなくても、会計ソフトで確定申告書類の自動作成機能があるので活用しましょう。

受発注管理と会計ソフトを連携させ売上の自動取り込みをさせる

業務委託など複数の委託先から仕事を受けていて受注管理ツールなどを使っている場合、会計ソフトと連携させることで売上を自動で取り込みできます。

マイナポータル連携機能を活用して控除証明書を一括でダウンロードする

控除証明書を取り寄せてチェックをするのは手間がかかりますが、マイナポータル連携機能を使うとオンラインで管理可能になります。

分からないことは悩む前に国税相談専用ダイヤルに電話相談する

国税局のホームページでは税の相談を様々な形で受け付けています。タックスアンサー(よくある質問集)、税相談チャットボット、また電話での相談も可能です。

国税相談専門ダイヤル…0570-00-5901

確定申告は会計ソフトを使えばスムーズ!効率化のための様々なコツもあるので、知識のある人に積極的に質問しながら業務をアップデートしていきましょう。期限内にしっかり提出できるように日々の記帳も忘れずに!

青色申告でも節税と事務作業は徹底して効率化してコア業務に集中

確定申告などの事務処理はなるべくスムーズに終わらせ、売上をつくるコア業務に集中したいですよね。いかに効率的に、損なく済ませるかが重要になってきます。

会計ソフトを導入するのはもちろんですが、最新の情報やちょっとしたコツなどはネットからの情報ではなく人づてで入ってくることが多いです。フリーランスだからこそ、人とのつながりを積極的に作っておくことが業務効率化につながります。

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