検索AIで情報収集「信頼性・拡張性があり業務効率化に“使える”ツール」正解はどれ?

昨今、さまざまな業務がAIによって効率化されていますが、「情報収集」もその1つです。

ネット空間に存在する膨大な量の情報やデータの海から、必要なものを探してピックアップし、まとめるのは大変な作業ですが、AIを活用すればその手間をかなり省くことができます。

ただし、AIによる情報収集ツールを使う際には、「集められた情報は本当に正確なのか」「欲しい内容がきちんと網羅されているか」「情報が使いやすい形にまとめられているか」といった部分が気になるところです。

今回は、主なAI情報収集ツールを取り上げ、上記のようなポイントも考慮しながら、そのメリット・デメリットや使い勝手について検証していきます。

検索AIは情報収集の業務を効率化するアシスタント

生成AIについて情報発信をしている「TomoAI」さんのnote記事『検索AIで情報収集をレベルアップ!Perplexity, Genspark, Feloを徹底比較』では、情報収集に使う「検索AI」について、「簡単に言うと、検索AIは、みんなが普段使っている検索エンジンの進化版みたいなもの」と説明しています。

従来の情報収集は、自分でインターネット検索をして、表示された検索結果を1つずつ確認し、情報をまとめる必要がありました。その点、検索AIは質問をするだけで適切な情報を探索してまとめてくれるので、情報収集が効率化されます。

キーワードを駆使して自分で情報を探す手間が省け、AIが最適な答えを見つけてくれるという、優秀なアシスタントのような存在といえます。

情報収集の専門ツール

ここからは、検索AIについて、まず「情報収集の専門ツール」として開発された代表的なサービスをピックアップします。

ビジネスや学術分野での情報収集やコンテンツ作成をサポートするPerplexity AI。情報ソースをAIが分析し、迅速なファクトチェックを可能にするGenspark。そしてプレゼン資料作成やマインドマップ生成を支援する機能を備えたFelo AIの3つです。

情報の信頼性が確認しやすいか、業務効率化や生産性向上に貢献してくれるか、といった実際の使い勝手を想定しながら、検証していきます。

複数の引用元から関連する情報をまとめて教えてくれる「Perplexity AI」

まず、情報収集の専門ツールとして取り上げるのはPerplexity AIです。従来の検索エンジンなどと異なり、ユーザーの質問に対してAIがWeb上の膨大なデータから最適な情報を抽出し、要約して提供してくれる点が特徴です。

ビジネスでのリサーチから、コンテンツ作成の準備、学術論文の調査など、さまざまなシーンで活用できるAIツールです。

AIの活用事例や最新情報の調査と検証を行っている「AI-Bridge Lab(エーアイブリッジラボ)」のnote記事『【Perplexity】生成AI検索で情報収集の質とスピードが大幅アップ!』では、主なメリットとして、迅速な回答の提供、引用元の表示、多言語対応、無料で利用できる点が挙げられています。

一方で、専門的な分野での精度や情報収集の範囲には課題もあるとのこと。

「ハヤシ シュンスケ」さんのnote記事『【初心者向け】Perplexity AIの使い方を完全解説!AI検索エンジンで情報収集を効率化』では、Perplexity AIについて「検索バーに質問を入力するだけで回答と情報源がまとめて表示され、従来の検索エンジンのように検索結果を一つ一つ開く手間が省ける」と評価しています。

検索結果をまとめて保存するコレクション機能や、有料のPro版で利用できる画像・ファイル分析など、高度な機能もメリットとして紹介されています。

「むろしょう@ひとり旅好きのKindle作家」さんのnote記事『Googleを超えた情報収集AI「Perplexity」の使い方とは?ChatGPTだけじゃない生成AI』では、ChatGPTとの違いについても語られています。ChatGPTが広範』なトピックに対応した対話型のツールで、創造的なアイデアや会話を提供するのに対し、Perplexity AIは情報収集に特化し、Web上の最新情報を自動で集約、リサーチの効率化に優れているとしています。

ファクトチェックの手間が大きく省ける「Genspark」

続いて取り上げる情報収集専門ツールはGensparkです。2023年に登場した次世代のAI検索エンジンで、対話形式で質問を受け付け、検索結果に基づいて自動的にSparkpagesと呼ばれるカスタムページが生成されます。このページには、AIが収集・整理した関連情報が表示され、チャットウィンドウに追加の質問を入力して、情報を深掘りすることもできます。

ヒト起点のマーケティング×デザインでビジネスを前進させる企業「CUEBiC(キュービック)」のnote記事『検索AIの金字塔なるか!?Gensparkのファクトチェック機能が凄すぎた』では、Gensparkのファクトチェック機能が特に評価されています。

AIが情報の正確性を自動的にチェックし、情報源に記載された文章を分解して個別に検証することで、誤情報を特定しやすくしているとのこと。

これにより、従来の検索エンジンによるリサーチではユーザー自身が参照元へアクセスして行う必要があったファクトチェックが簡素化できます。Gensparkでは、引用した部分をスクリーンショットしてくれるため、ユーザーが引用元へアクセスする面倒がなく、大幅な時間短縮になります。

デメリットとしては、モバイルアプリが未提供である点と、現在(2025年1月)は全機能が無料であるものの今後は何らかの制限や有料メニューが設定される可能性がある点が指摘されています。

情報収集だけでなく資料作成までカバーする日本発のAIツール「Felo AI」

最後の専門ツールはFelo AI、日本発のAI検索エンジンです。単なる検索機能を超え、情報収集から資料作成までを効率化することができる点が大きな特徴で、膨大なデータベースから関連性の高い情報を瞬時に取得し、自動で要約やプレゼン資料を生成することができます。

イノベーティブジャパン代表取締役の「浅見純一郎」さんのnote記事『Felo AI検索エンジン完全ガイド:ビジネスに役立つ情報収集と資料作成の新常識』では、Felo AIの主な機能として情報収集に加えて、プレゼン資料作成とマインドマップ生成が紹介されています。

情報収集機能は、学術論文などから迅速にデータを収集し要約して提供するため、従来の検索エンジンよりも効率的だと評価しています。

このほか、プレゼン資料の作成機能では検索結果を基に自動でスライドが生成され、マインドマップ機能では情報同士の関連性を視覚的に整理してくれるので、業務の効率化が期待できると紹介。市場分析、リサーチ、コンテンツ制作などビジネスシーンでの活用にマッチしやすいといえるでしょう。

Felo AIは基本機能が無料で利用でき、有料プランではさらに多機能が提供されます。今後、ビジネス環境での重要なツールとして、さらに進化することが期待されます。

情報収集専門ツールは一長一短

ここまで3つの「情報収集専門ツール」を見てきました。それぞれに強みとなる特徴があり、どんな使い方や要件を求めているかによって、ベストといえるツールが変わってくるように思われます。

引用元も含めて収集した情報を表示する「一覧性」を重視するならPerplexity AI、情報の正確性とファクトチェックの効率化を求めるならGenspark、プレゼン資料やマインドマップの作成といった「情報収集後の工程」までを見据えるならFelo AIにそれぞれ強みがあり、ニーズによって使い分けても良さそうです。

汎用プラットフォーム系のツール

続いて、汎用プラットフォームが提供するサービスを情報収集ツールとして応用する場合を検証していきます。

ビジネスや学習、創作活動の効率化を進める強力なAIツールとしてGoogleが提供しているGemini 2.0と、Microsoft×Open AIの検索エンジン搭載チャットツールBing AIです。これらが情報収集のツールとしても使えるのか、収集の精度や拡張性も含めて見ていきます。

Google発のAI「Gemini 2.0」は情報収集機能も充実

汎用プラットフォーム系のツールとしてまず取り上げるのはGemini 2.0です。Googleが開発した次世代AIモデルで、サブスクリプションプランであるGemini Advancedで提供されています。

テキスト、画像、動画、音声、コードなど多彩な情報を統合して処理できる「マルチモーダル」対応が特徴で、長大なデータを一気に解析する圧倒的な処理能力を持っています。

IT企業のエンジニアをしている「###dalhi###」さんのnote記事『Google発の次世代マルチモーダルAI『Gemini2.0』徹底解説:Deep Research搭載で情報収集を劇的効率化!』では、このGemini 2.0を情報収集の観点からも検証しています。ChatGPTのように膨大な情報の要約や解析ができるだけでなく、「Deep Research」というAI検索機能により、莫大な時間を費やしていた情報収集作業がかなり効率化されるといいます。

これは大量のWebサイトから一括で情報を収集し、参照元もリスト化するもので、要約レポートも自動で生成してくれます。膨大な数のサイトを1つずつ巡回する手間が省け、リサーチや資料作成にかかる時間が大幅に短縮されます。ただし、Deep Researchは今のところ英語版で利用可能な機能のため、日本語による情報ソースの探索には課題がありそうです。

もう1つ、Gemini 2.0のメリットとしてはGmailやGoogleドライブなどGoogleエコシステムとの連携がしやすい点が挙げられています。収集した情報をGoogleドキュメントやスプレッドシートに直接出力でき、業務の効率化に大きく貢献してくれます。

Microsoft×Open AIの検索エンジン内蔵ツール「Bing AI」

汎用プラットフォーム系のツールとして、次にBing AIを紹介します。Microsoftの検索エンジンBingにAIチャット機能を搭載したサービスで、ChatGPTと同じくOpen AI社が開発した大規模言語モデル「GPTモデル」が採用されています。

株式会社バーグハンバーグバーグのライター「品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)」さんのnote記事『Bing AIのチャットができること』では、Bing AIのチャット機能でさまざまなコンテンツ生成を試したテストの様子が紹介されています。

ジョークや俳句を考えさせる、漫才や裁判などシチュエーションを設定してロールプレイをさせてみる、おじさん構文やラップバトル、なぞなぞなど、特定のフォーマットの中で文章を生成させる、といったテストを実施して、「かなり高度に文脈を読めている」と評価しています。

一方で、「情報収集よりも文章形成が中心では」とも指摘しています。

実際には、Bing AIは文章や画像などの生成ができるだけでなく、情報収集の機能も持ち合わせています。Bing AIに質問を入力すると、回答とともにその根拠となるサイトのURLが表示されます。時事ネタや天気についての質問に対してもリアルタイムの情報が表示される特徴があります。

Bing AIが参照したWebサイトが明記されることでデータのソース・出典を簡単に確認でき、情報の正確性が検証できるものの、ユーザーがソースのURLにアクセスするという手間はある程度考慮する必要がありそうです。

また、収集した情報の出力方法も箇条書きや表などが指定できますが、そのままプレゼン資料を生成するといったシームレスな連携はまだ弱いといえます。

プラットフォーマー対決はGoogleが一歩リードか

Google発のAIツールであるGemini 2.0とMicrosoft×Open AIによるBing AIを見てきましたが、情報収集という観点に絞った場合はGemini 2.0が優れているように思われます。

参照元も含めて要約レポートを自動生成してくれるDeep Researchの存在がやはり大きく、サイト巡回にかかる時間と労力の削減は大きな魅力です。

Googleドライブ、ドキュメント、スプレッドシートなどとの連携でデータの扱いがよりスムーズになる点も、作業の効率化に貢献するでしょう。

対して、Bing AIは基本的にはAIチャットツールと考えるべきで、情報収集ツールとしても使えるものの、情報ソースへのアクセスや資料生成などの拡張性においては情報収集の専用ツールに及ばないのが現状といえます。

情報収集ツールAIのまとめ

今回はAIによる情報収集ツールを5つ見てきました。実際にビジネスやアカデミックなシーンで正確かつ網羅的なリサーチを行うとなると、やはりプラットフォーム系のツールよりは専用ツールとして開発・提供されているサービスの方が優れているといえるでしょう。

もちろん、それほど求められるレベルがシビアではなく、日常的な検索行動の延長として何かについて少し詳しく調べたいというニーズであれば、プラットフォーム系のツールも十分に恩恵を与えてくれる存在です。慣れ親しんだプラットフォームの中でそのまま利用できる点もメリットとなります。

自分がどんなレベルの情報収集を求めているのか、そしてツールごとの得意不得意を吟味しながら、最適なツールを選んでみてください。

徹底した使う人目線で考える「生成AI議事録ツール」正解はコレ

生成AIを活用した議事録生成は、会議の内容を効率的に記録する方法として注目されています。すでに多くのツールがリリースされ、どれを使おうか迷っている人もいるのではないでしょうか。

生成AIによる議事録生成ツールを選ぶ上で、何よりも重要なのは文字起こしの「信頼性」ですが、その先にある「要約の精度」や「重要ポイントの洗い出し」も大事です。「どの会議ツールと連携させるか」や「機能の拡張性」、さらに「無料でどこまで使えるか」も判断材料になるでしょう。

こうしたポイントを踏まえ、さらにnoteの記事にある第三者の視点も交えながら、この記事ではビジネス環境での生産性向上にどのツールが役立つのかを見ていきます。

上手に使えば劇的な効果も期待できる生成AI×議事録生成

生成AIによる議事録生成は、会議中の音声が文字に起こされ、AIがその内容を要約・整理して議事録としてまとめるものです。複数人が参加する会議や、座談会など、多くの発言が飛び交う場面で重宝されます。

議事録を人の手で作成するのはとても負担の大きい作業ですが、生成AIを活用したソリューションにより、手動で議事録を作成する時間や労力を大幅に削減できます。

例えば、noteが設立したAI領域の新事業に取り組む子会社「note AI creative株式会社」では、独自の議事録作成専用ツールを開発したところ、劇的な工数削減効果があったとのこと。

nAcが作成した生成AIのソリューションを使うことで、作業量が96%も削減され、60分の作業が2分で終わるようになりました。

出典:https://engineerteam.note.jp/n/nf86a183111e3

このように、生成AIを使った議事録作成には、業務負担の軽減のほか、スピーディーな情報共有や精度の向上といったメリットがあります。

ここからは、「議事録生成専門」のツールと、MicrosoftやGoogleといった「プラットフォーマー提供型」のツールに分けて、noteで紹介されている記事をもとに、生成AIによる議事録作成ソリューションを検討してみたいと思います。

議事録生成専門ツール

無料版でも汎用性の高い機能が使える高精度ツール「Tl;Dv」

まず「議事録生成専門」ツールとして取り上げるのはTl;Dvです。

「ShotaIwata|株式会社テクノチェーン代表取締役社長」さんのnote記事『生成AI×議事録生成の最強ツール「Tl;Dv」の使い方を徹底解説』をもとに紹介します。

Tl;Dvは、AIを活用して会議の録画と文字起こしを自動化するツール。ZoomやGoogle Meetなどと統合でき、録画中にリアルタイムで文字起こしが実行されます。

キーワード検索機能や、録画に注釈を加える機能も搭載し、チーム全員で効率的な情報共有ができます。

Tl;Dvの大きな特徴の一つが、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなど人気のビデオ会議ツールと容易に連携できる点。記事の中でも、既存のワークフローに簡単に組み込むことができる汎用性の高さが評価されています。

キーワード検索機能など、長時間の録画をすべて見直すことなく会議後のレビューで重要ポイントを素早く把握できる点も大きなアドバンテージといえそうです。

無料プランでも、無制限の録画と文字起こしを提供しており、小規模なチームや個人で利用する分には十分な内容でしょう。さらに有料のプランでは、CRM(顧客関係管理)などのシステムと会議データを統合する、より高度な機能が追加されます。

一方で、記事では英語を母国語としない人に対し、Tl;Dvは文字起こしの精度に課題があるとの指摘もされています。

言語学習によるノンストレスな要約も完全無料「Whispo」

次の議事録生成ツールはWhispo

こちらは、初心者でもわかりやすく最新AIなどの技術を解説している「葉加瀬あい(AI-Hakase)」さんのnote記事『【2024年最新】Google DocsやDragonと徹底比較!音声認識ツールWhispoが選ばれる5つの理由 完全無料で10倍速い文字起こしを実現!たった3ステップで使えるAI技術を徹底解説』をもとに紹介します。

Whispoは、高精度な音声認識技術と、大量のテキストデータを学習したAIにより、話し言葉を自然で読みやすい文章に変換してくれます。

他の議事録生成ツールと比べて、無料で利用できるオープンソースである点が大きな特徴です。

notoの記事の中で、Whispoの強みとして挙げられているのが機械学習アルゴリズムを駆使した最新のAI技術です。LLM(Large Language Model)と呼ばれる、大量のテキストデータを学習したAIを使うことで、Whispoは「ただ文字起こしをする」だけでなく「起こした内容をきれいにまとめてくれる」までカバーしてくれます。LLMが、私たちの普段使っている言葉を学習し、話し言葉特有の曖昧な言い間違いを正しく修正してくれるのです。

また、カスタマイズ機能が充実しているのもWhispoの特徴。特定の業界ならではの専門用語に対応した文字起こしや、自分だけのカスタムコマンドの作成など、ユーザーの使い方に合わせて機能の調整ができます。

そして記事でも強調されているポイントが、Whispoがオープンソースであるという点です。これは、多くの議事録生成ツールがクローズドソースなのに比べると、大きな違いといえます。すべての機能が無料で利用できるメリットがあります。

ユーザーフレンドリーながらまだ成長途上?な「notta」

最後に取り上げる議事録作成専門のツールはnottaです。

「ぴの|40代の気づきを与える管理職」さんのnote記事『【Notta】自動文字起こしサービスを使ってみて感じたこと』をもとに、その使い勝手を見ていきましょう。

Nottaは自動で音声を文字起こしし、AIで要約してくれるサービス。1時間の音声データを5分程度で処理し、議事録作成が効率化されます。ただ今回の記事では、精度や機能面での課題と、現状では十分な効率化が得られないとの意見が述べられています。

この記事でまず指摘されているのは、認識精度の問題です。録音デバイスから離れた話者の発言だけでなく、クリアに聞こえるはずの自分の発言でも認識ミスが発生したといいます。

話者分離機能の不安定さも指摘され、文字起こしされたテキストを手動で修正する必要があったとのこと。結論として、議事録作成を効率化する時短目的としては信頼できるレベルにないという意見が述べられています。

一方で、Nottaの長所として、ユーザーフレンドリーなインターフェースが挙げられています。すべて日本語表記でわかりやすく、シンプルな画面で押すべきボタンも迷いにくいデザインになっています。

GoogleカレンダーやZoomとの連携など、豊富な拡張機能もメリットの一つ。オンラインストレージとの連携も可能で、業務のワークフローに統合しやすいのは便利とのことです。また、無料トライアル期間が設けられていることについても評価されています。

ビジネスユースを想定するならベストはこれ

ここまで3つの「議事録作成専門」ツールを見てきました。ビジネスでの利用を想定し、議事録作成の業務負担軽減という観点で考えるなら、精度の高さが評価されているTl;Dvが頭一つ抜けているように思われます。

一方で「会議の参加者が多い」「会議の内容をなる早で関係者に共有する必要がある」など、後からうまく要約しなくてはならない場面では、乱雑な話し言葉をスムーズな日本語にまとめてくれるWhispoという選択肢も十分にあり得るでしょう。

プラットフォーマーの議事録生成ツール

アジェンダ作成から日程調整まで周辺機能にも連携できるMicrosoft「Copilot」

続いて、プラットフォーマーが提供する議事録生成ツールとして、まずはCopilotを取り上げます。

IT業界でマーケターとして活動している「谷垣かける」さんのnote記事『【2024年11月】生成AIサービス「Copilot」とは?何ができるか解説』をもとに、その特徴を紹介します。

Copilotはマイクロソフト社が提供する生成AIサービスで、WordやExcel、PowerPointなどのMicrosoft365アプリと連携することで、業務効率を上げることができます。そのうちオンライン会議アプリのTeamsと連携することで、議事録作成や要点の表示が可能です。

Copilot 自体ははChatGPTと同じようなAIツールで、チャット形式で自然な回答を返してくれたり、画像を生成してくれたりします。

特徴的なのはWordやExcel、PowerPointといったMicrosoft365の各アプリと連携ができる点。議事録生成に関しては、TeamsにCopilotを連携することで作業の効率化ができます。

オンライン会議中の音声を自動で文字に起こし、さらに会議と同時並行で要点をサイドパネルのチャット欄に表示させる、といった使い方ができます。

また、会議前にCopilotにチャット履歴を読み込ませることで、会議に向けたアジェンダを作成させることもでき、会議終了後には次回の日程をスケジューリングしてもらえるなど、議事録作成だけにとどまらない活用法があるのも魅力といえるでしょう。

注意が必要なのは、Copilotには無料版と有料版があり、無料版でも処理性能の高いAIへのアクセスが可能ですが、Microsoft365アプリとの連携は有料版だけのサービスになる点です。Teamsと連携して議事録生成ツールとして利用するには、有料版の契約が必要になります。

ChatGPTと連携して高精度の要約を自動生成Google「Record, Transcribe & ChatGPT for Google Meet」

最後に取り上げるのは、やはりプラットフォーマー提供の議事録生成ツールであるRecord, Transcribe&ChatGPTforGoogleMeetです。

「かいと/10秒で分かるAI仕事術」さんのnote記事『ChatGPT×google ビデオ会議の議事録を革新する!「Record,Transcribe&ChatGPTforGoogleMeet」の魅力』をもとに紹介します。

Record, Transcribe & ChatGPT for Google Meetは、Chromeの拡張機能の一つで、オンライン会議の生産性を大幅に向上させてくれる強力なツールです。多言語にも対応し、国際的なチームにとっても有用といえます。

Record, Transcribe & ChatGPT for Google Meetの特徴について、記事の中では大きく3点が挙げられています。

1点目が「録音と文字起こし」。オンライン通話中の音声をリアルタイムで録音し、文字起こしを自動で行います。

2点目が「多言語対応」で、20以上の言語での文字起こしと音声翻訳をサポートしています。

そして3点目が「ChatGPTによる要約機能」。長時間の会議でも、重要なポイントをChatGPTが自動的に要約してくれます。

また、導入のメリットとしては時間の大幅な節約や正確性の向上はもちろん、多言語対応による言語バリアの解消や復習の効率化についても言及されています。人間の聞き間違いや記憶の曖昧さを排除し、より正確な議事録が作成できるツールとして、日々のオンラインコミュニケーションを変える可能性を秘めていると評価しています。

会議まわりをまるっとAIに頼りたい人には……

もし日常的にMicrosoft 365 を使っているなら、Copilotの利用がおすすめです。

Teams以外のアプリとも連携して、事前のアジェンダ作成から次回会議のスケジューリングまで、まるっとAIに振れるのはかなり便利なのではと思います。

Record, Transcribe & ChatGPT for Google Meetについては、ChatGPTによる要約精度の高さが魅力的ですが、他のツールでも文字起こししたテキストをChatGPTに要約させる使い方ができるので、決定的な利点にはなりにくいかと思います。

まとめ

今回は5つの議事録生成ツールを見てきましたが、使う人のリアルな目線に立って考えるとそれぞれ一長一短があったように思います。

文字起こしと要約の精度はもちろんベースにあるとして、その他に何を重視するのかで、実は正解も変わってくるのではないでしょうか。費用なのか、拡張性なのか、デザインのわかりやすさなのか、外国語対応なのか、重視するポイントによってツールごとに得意不得意があります。

リモートでのやり取りが定着した現代のビジネス環境では、今後も議事録生成ツールの進化は続くはずです。実際にどんなシーンで使うことが多そうかをイメージしながら、生産性向上と業務負担軽減に役立つツールを選んでみてください。

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