フリーランスの資金繰りをサポート|活用すべきローンの種類と審査通過のポイントを解説

フリーランスや個人事業主は日ごろから健全な資金繰りとキャッシュフローを心掛ける必要があります。ただ、事業拡大のタイミングや不測の事態により急に資金が必要になることは出てきます。そんな時に慌てないようにローンについて知っておきましょう。

ローンの活用予定がある場合はフリーランス独立前に

ローンとは金融機関等からお金を借りて少しずつ返済する仕組みのこと。利用者の返済能力を見極めるために、資金を貸し付ける金融機関は勤務先情報、雇用形態、年収、過去のローン取引履歴などを基に審査を行います。フリーランスは一般的に、会社員と比較して収入が不安定なためローンの審査に通りにくいと言われています。

フリーランスであってもローンの活用は可能です。事業成長やご自身の生活レベル向上のために計画的に検討すれば心強い存在となります。

フリーランスが活用する主なローンの種類

フリーランスとして働きながらも人生の大きな節目は訪れるものです。結婚したり家を買ったりする際にローンを組む必要があるでしょう。まずはローンの種類から知っておきましょう。

個人の特定の目的があるローン

ローンには「目的別ローン」「カードローン」「フリーローン」「ビジネスローン」「おまとめローン」などの種類があります。個人が利用する大きなお金に関連するのが「目的別ローン」です。目的別ローンの例として以下のものが挙げられます。

住宅ローン

住宅を購入・新築する個人に対して金融機関が行う融資です。金額が大きいため、他の個人対象ローンと比べて金利が低く、最長返済期間が35年と長いのが特徴です。原則として購入する土地や建物が担保となります。

教育ローン

個人を対象とし、使用用途を教育関係の費用に限定した融資です。学生の保護者が学費の支払のため利用するケースが多く、無担保が主流です。

マイカーローン

自動車やバイクの購入資金、修理・車検費用、免許取得費用等に利用できるローンです。無担保の銀行ローンと、車を担保としてカーディーラーが貸し付けるローンがあります。

ビジネスの拡大・安定の目的のためのローン

ビジネスを立ち上げる際は開業資金をある程度自己資金で準備しておくのが良いでしょう。特にエンジニアやデザイナーなど専門職のフリーランスの場合は作業場所とパソコンがあれば仕事が出来るので大きな投資は不要で、ローンを使う必要はないはず。

事業が順調に軌道にのり、人を雇ったりオフィスを構えたりとビジネスの拡大を図るタイミングが出たらローンも視野に入れましょう。その際も、家族や知人から借りる、クラウドファンディングの活用など、金利や手数料がない手段も検討すると良いです。

ビジネスローン

法人または個人事業主向けに事業資金としての利用に絞ったローンで、事業・収支・資金計画書等をもとに審査され、原則として担保・保証人不要で借りられます。

カードローン

銀行や消費者金融等の金融機関が提供する個人向けの融資サービスのひとつです。融資元によっては事業目的の資金を借りられない場合があるので、詳細をよく確認しましょう。

CHECK

あらかじめ予定がわかっている場合はフリーランス独立前にローンを活用するのが良い
ローンには個人用のローンと事業用のローンがある
ビジネス拡大のためのローンも複数種類がある

フリーランスは住宅ローンは通りにくくフラット35を検討

住宅ローンを考えているフリーランスの方にお勧めなのが「フラット35」です。通常、個人事業主の住宅ローンの審査には直近3期分の決算書や確定申告書の提出が求められます。ということは、独立から4年待たないと住宅ローンに申し込めない事になります。「フラット35」は民間金融機関と住宅金融支援機構が提携・提供する最長35年の全期間固定金利の住宅ローンで、個人事業主であっても確定申告書類は直近1期分のみで問題がない、使いやすいローンです。

フリーランスが事業でローンを利用するメリット

会社の場合は会社の資金を使って事業投資や資金繰りができますが、フリーランスの場合は自分で貯めたお金が元手になります。大きな投資をする際や予想外の事態が起きた際に、自己資金だけではどうしても足りない場合がでてきます。そのような際にローンが有効です。

キャッシュフロー・資金繰りの改善

売上が落ち込み次の支払いに間に合わないといった際にローンを使うことで一次的な資金繰りを改善できます。

事業拡大など設備投資の資金調達

事業拡大のために良いパソコンに買い替える、オフィスを構える、人を雇う、などビジネスを行うにあたって投資が必要になる場面があります。時期を見定めて投資を行うチャンスが出てきたら、ローンを活用して事業拡大を促進しましょう。

ケガや病気など緊急時の資金確保

フリーランスは体が資本。ケガや病気の際は想定外の病院費用がかかるだけでなく、働けない期間は収入が途絶えます。日ごろから健康に気を使うと同時に、いざというときに使えるローンについて調べておくと安心です。

CHECK

住宅ローンを考えている場合は「フラット35」がおすすめ
資金繰り改善や事業拡大投資のためにローンを活用すると良い
けがや病気などの緊急時の資金確保も準備が必要

事業の見通しが立たないうちはローンを検討すべきではない

事業を始める際には、事業計画書を作成します。具体的な事業内容や、収益見込みをまとめたものです。どのくらいで黒字化するのか、そのためにはなにをしていくのかを計画立てることがビジネスを行うにあたっては何よりも重要な事です。事業の収益が不安定であったり、将来の見通しが立たない状態でむやみにローンを借りると資金の返済が困難になる可能性が高いので借り入れするべきではありません。支払いが滞るとその後の信用度も下がってしまいます。収支計画をきちんと立て、計画的にローンを検討しましょう。

フリーランスがローン審査を通過するためのポイント

返済能力があるか見極める審査条件をクリアすればフリーランスでもローンを組むことは可能です。ローンの審査では会社員よりも審査基準が厳しくなりがちなので、ポイントをしっかり押さえておきましょう。

年収と収入の安定性を高める

フリーランスの場合、事業期間が3期以上あることが審査の前提条件となっています。安定して継続した収入がある事を証明するために、長期の業務委託で収入が途絶えない状況を一定期間続けること、計画的に収支管理を行い支払いの滞りなどがない状況にすること、など実績を作ることが大切です。

収入証明や納税証明などの必要書類と事業計画書を準備する

会社員の場合は源泉徴収票などの収入を証明する書類を提出するだけですが、フリーランスがローンを申請する際には必要書類がいくつか発生します。事業の状況を証明するために、身分証明書、確定申告書の控え、所得税の納税証明書に加えて事業計画書が求められます。

クレジットスコア・信用情報を滞納なく傷つけない

クレジットカードやローンの利用履歴と、それに基づく信用情報をクレジットスコアと言います。クレジットスコアが高ければ簡単に融資がされ、ローンの金利が低くなりますが、スコアが低い場合は社会的信用度が下がり融資がおりないことがあります。

自己資金や担保・保証人の用意をする

借入金額が少ない方が審査に通りやすいのが一般的です。必要なお金をすべて借り入れるのではなく、事前にある程度自己資金を貯めた後にローンに申し込みましょう。フリーランスの場合、金融機関によっては連帯保証人を求められますので早めにご家族や知り合いと話し合い、連帯保証人の承諾を得ておくことが大切です。

金融機関やローンの種類を複数検討しておく

フリーランスはローン審査に通りにくいため、1つだけでなく複数の融資候補を決めておきましょう。万が一審査に落ちた場合でも、他の申し込み先候補があれば焦ることなく資金繰り調整ができます。

事業のための資金調達が必要であればローンでなく融資を検討する

家や車といったプライベートを含んだ消費目的のローンではなく、純粋に事業成長のための資金調達として公庫などからの融資があります。ローンは購入用途が細かく決めているものですが、融資は事業投資のためのお金を借り入れることを指します。

日本政策金融公庫による融資

国が100%出資している政府系金融機関で、事業用の融資を行っています。金利が低く保証人・担保が必要ないため人気が高い融資で、審査が厳しいとされています。

特徴

  • 政府系金融機関のため、金利が低い
  • 創業間もない事業者でも融資を受けやすい

信用保証協会を通じた融資

信用保証協会とは、中小企業・個人事業主が金融機関から事業資金を調達する際に保証人となって融資を受けやすくなるようサポートする公的機関です。利用には信用保証協会の審査を通る必要があります。

特徴

  • 保証付融資を併用することで融資枠の拡大を図ることができる

銀行・信用金庫・信用組合による融資

銀行や信用金庫、信用組合などの民間金融機関が、直接審査を行うものをプロパー融資と言います。メガバンクからの銀行融資は開業から一定期間が経過している必要があるなど審査が厳しいですが、信用公庫の場合は地域密着サービス促進を目的としているため審査を柔軟に行ってもらえる場合があります。フリーランスの場合はまず信用金庫からの融資を検討してみましょう。

特徴

  • 低金利かつ多額の資金を調達できる

CHECK

収益計画をきちんと立てたうえでローンを検討するべき
フリーランスがローン審査を通過するためにはポイントをしっかり押さえること
日本政策金融公庫や信用金庫からの融資も検討すると良い

事前準備と事業計画をしっかりしておけばフリーランスであってもローンの活用は難しくありません。借り入れを検討の際は金利の低い日本政策金融公庫や信用金庫などからはじめてみましょう!

フリーランスの屋号を決めるために|開業届や銀行口座・名刺での使い方をわかりやすく解説

フリーランスにとって屋号は大切なパートナー。屋号があるのとないので得られるメリットが大きく変わります。ビジネスの顔として事業の成長に大きく貢献してくれるものです。

フリーランスとして活動するにはぜひ持っておきたい屋号。屋号は開業時に決まっていなくても大丈夫です。途中から付けることも、変更することも自由にできます。役所への書類にある屋号記入欄に記入して提出するだけで簡単に登録できるので、気負わずに決めてしまうのがおすすめです。

開業時に屋号は必須ではなく、後から変更もできる

「屋号」とは、フリーランスや個人企業主がビジネスをする際に用いる、事業名を表す名称のことです。とはいえ、屋号は必ず持たなければいけないわけではありません。

屋号を使う場合は名刺・請求書・領収書などに記載するのが一般的です。また、開業届や確定申告書など役所に提出する書類にも記載欄があるため、屋号を持つ場合には記入が必要です。

屋号はいつでも好きな時につけることができ、あとから変更することも自由です。変更のための特別な手続きも不要です。開業届を出すときに屋号が決まっていなくても、確定申告の際に申請書類に屋号を記載すればそのまま登録が可能です。

屋号が決められずに開業届が出せないと思っているのなら、「freee開業」などのサポートツールで屋号なしで、まずは開業をしてしまいましょう。

ATTENTION

freee開業

フリーランスが屋号を活用するタイミング

屋号を日常的に使う名刺や請求書以外にも使う場面はたくさんあります。

開業届を出すタイミング

開業届には屋号を記入する欄があります。提出のタイミングで屋号が決まっていれば記入しましょう。決まっていなければ空白での提出で問題ありません。

事業用の銀行口座を作るタイミング

事業用として作る銀行口座の名義は、個人名だけでなく「屋号+事業主名」を設定することができます。

屋号入りの印鑑を作るタイミング

フリーランスが使う印鑑は「丸印」と「角印」があります。屋号が記入された「角印」を用意すると領収書・請求書などの書類に使うことができます。

フリーランスとして名刺を作るタイミング

オンラインでのビジネスの場が多くなった今でも、名刺は作っておくほうが良いでしょう。個人名のみ記載の名刺と屋号入りの名刺では印象が変わります。

見積書・請求書・領収書などの受発注取引のタイミング

案件ベースで業務を行うフリーランスは取引先へ見積書や請求書などの書類を提出する場面が多くあります。その際、屋号が記された書類を提出することで先方からの信頼を得やすくなります。

青色申告・白色申告に関わらず確定申告を行うタイミング

確定申告書には屋号を記入する欄があります。なお、屋号の記入は必須ではありませんので決まっていない場合は未記入での提出で問題ありません。

経理・会計処理や事務書類の公私の区別が屋号をつける一番のメリット

屋号を持つことで、公私の区別ができることは大きなメリットです。個人名で仕事をしているとメールやチャットなど、仕事とプライベートで切り替えが難しく、仕事の時間のオンオフがあいまいになってしまいます。

同様に、契約書類や領収書類もプライベートと事業用が混ざる整理が大変です。

年末に書類の山を処理するのに膨大な時間がかかるなんていうことは避けるために、仕事関連の書類や会計処理を個人用と別で管理することで事務処理がスムーズになります。

CHECK

屋号が決まっていなくても開業できる
開業後でも屋号をつけることも、変更することも可能
屋号を持っているとオンオフの区別がつきやすい

フリーランスの屋号の決め方のポイント

屋号を持つもうひとつの大きなメリットは、社会的信用力が高まり仕事の依頼をもらいやすくなることです。屋号による依頼数への影響度は意外に大きいので、思い付きだけでなくポイントを押さえて決める必要があります。

ひと目で事業内容がわかる・覚えやすい屋号がおすすめ

屋号にオシャレさは必要ありません。読みにくく変換しづらい名前は避け、シンプルで分かりやすいものにするのがマストです。

例えば、デザイナーの場合は「○○デザイン」「○○ウェブ」「○○クリエイティブ」「○○事務所」、エンジニアの場合は「○○制作」「○○システム」。また、クリエイターの場合はペンネームを屋号として使うパターンもあります。

  • 文字数は長くても10文字~15文字程度
  • 読みにくい漢字や難しいスペルの外国語は避け、ひらがなやカタカナで表記
  • 簡潔に事業内容が伝わる内容にする

自分では良い名前が思いつかないという場合は、無料の「お名前自動生成ツール」を活用すると便利です。様々な単語を組み合わせたネーミングのアイデアと共にロゴも作ってくれる優れものです。

検索結果を確認して他人と被らない屋号をつける

ある程度候補ができたら、ネットで検索をして同じような屋号がすでに使われていないかを確認します。フリーランスにとって検索で埋もれるのは集客において致命的です。他と被らないオリジナルなネーミングで、効率的に案件を獲得できるようにしましょう。

ホームページのドメインに空きがある屋号をつける

自身のホームページ作成を検討している場合は、屋号と同じドメインを取得できるかどうかも大きなポイントになります。ドメインとはインターネット上でウェブサイトを作るための住所のようなものです。

ホームページだけでなく、できればメールアドレスも屋号と揃えたいものです。ページを作る場所によりドメインの調べ方は変わります。

独自ドメインが空いているか調べる

WordPressやCanvaを使って自分でページを作る場合、独自ドメインを取得してオリジナルのURLでページを運営することができます。独自ドメインを取得後は都度の更新が必要です。

ドメインが空いているかどうか、まず以下のサイトから検索をしてみましょう。「取得可能です」と出てきたものが空いているドメインです。

ブログやnoteのIDが空いているか調べる

ブログサービスを使ってページを作る場合、URLの一部に自身のアカウント名が入ります。ドメインとは異なりますがページのアドレスとして世の中に出るものになります。

例:

https://note.com/*****

https://*****.hatenablog.com

*****部分が自分で好きに設定できる部分です

屋号として使いたい文字列がアカウントとして使えるかを確認します。会員登録画面から進み、ID・アカウント設定画面で使いたい文字列が利用可能かを確認します。

※noteの例画像挿入※

フリーランスの屋号の決め方で抑えておくべきルール

屋号は、文字制限などのルールはなく自分で好きに決めることができますが、いくつか注意点もあります。

事業毎に屋号をつける目的で複数取得できる

「フリーでWeb制作の仕事をしながら別で漫画の執筆からも収入を得ている」「ライターとイラストレーターとしてそれぞれ別のペンネームで活動している」というように、1人で異なる事業を複数行うフリーランスも珍しくありません。その場合、屋号も事業ごとに複数取得することができます。

銀行や会社など法人を想起させる屋号はNG

「○○会社」「○○法人」「○○ Inc.」など、法人と誤解される文字は屋号に使うことはできません。また、「○○銀行」「○○証券」といった特定の業種を連想させるような名前付けも禁止されています。フリーランスは個人事業主であり法人格ではないためです。

商標登録されている屋号はNG

屋号がすでに他社によって商標登録されていないかどうか確認しましょう。すでに商標登録がされているものを勝手に使うのは商標権侵害となり訴えられるので注意が必要です。以下ページの「商標(マーク)>商標(検索用)>キーワード」欄で検索をすることが出来ます。

また、自身の屋号が決まった際には特許庁へ商標登録を行いましょう。特許庁のサイトから自分で行うことも可能ですが、弁理士や特許事務所などに依頼するのが一般的です。標権の存続期間は登録日から10年となっているので、忘れずに更新手続きも必要です。少し面倒くさいですが、自身のブランドを守るために大切な手続きになります。

「,」「.」「-」「&」「・」「’」以外の記号は使えない

屋号の名前のつけ方には決まりはありませんが、法人名(商号)に使える文字は法律で決められています。

法人名で使える文字は、「漢字・ひらがな・カタカナ・数字・アルファベット・「,」「.」「-」「&」「・」「’」の6つの記号」となっています。将来法人化を視野に入れている場合は、上記6つの記号以外を屋号に使うのは避けたほうが良いでしょう。

CHECK

屋号の決め方にルールはないが押さえておきたいポイントはいくつかある
事業内容がわかりやすく、覚えやすい屋号にする
商標登録やドメインのチェックも行うこと

悩みすぎて開業に二の足を踏んでしまうのは元も子もありませんが、自分のフリーランス活動を後押ししてくれる屋号を見つけてください。屋号を決めることは決して難しいことではありません。紹介したポイントに沿って自分独自の屋号をつけましょう。

こだわり・悩み過ぎず。まずは実際に開業して実績とともに屋号を整える

屋号はフリーランスとして大切なものですが、名付けで悩みすぎる必要はありません。ポイントを踏まえたうえで、最終的には自分が好きになる名前を選ぶのが上手くいく秘訣です。

屋号に価値をつけていくのは、開業後のがんばりにかかっています。実績を積み重ねて信頼を育てていくことで、初めてブランディングが出来るようになります。

フリーランスの名刺を営業ツールとして活用するために|デザイン・情報整理・発注方法を解説

名刺は、肩書と連絡先を書いただけのカードではありません。相手との大切なコミュニケーションツールです。特にフリーランスの場合は自分で案件を獲得する必要があるため、いかに自分を印象付けるかが売上を左右します。フリーランスであっても必ず作っておいたほうが良い名刺づくりのコツをまとめました。

フリーランスの名刺づくりにはコツがあります。名前と連絡先だけ載せればよいわけではありません!自分の分身として案件獲得につなげるツールとして、戦略的に作成しましょう。

名刺はポートフォリオの1つとして、フリーランスの営業資料

名刺とは、相手に自分のことを知ってもらうための情報を表記したものです。

特に初対面の人に会った際に交換することが多く、自己紹介に使われます。会社に所属している場合は企業名・部署名・連絡先が記載されたフォーマットがほとんどですが、フリーランスの名刺はデザインや入れる情報に決まりはありません。

オンラインの打合せが主流となりデジタル名刺も出てきました。紙の名刺もデジタルの名刺も、フリーランスにとって自分自身をアピールし相手に興味をもってもらうための大切なツールであることは変わらないので、名刺は是非作っておきましょう。

印象に残るセンスの良い名刺の共通点

良い名刺というのは、名刺を渡したその場で案件につながらなくても、「〇〇に詳しい人がいたな」と思い出してもらえるものです。記憶に残ることで案件受注につながります。

記憶に残るためには目立つデザインの名刺ではなく、伝えたいことが明確で分かりやすい名刺であることが重要です。氏名・連絡先のみ記載をしている事務的なものではなく、自分の分身とも言えるような、事業内容をぱっと見で代弁してくれる名刺が、印象に残る名刺です。

名刺を受け取った相手に行って欲しい行動を明確にして作る

名刺には、「Webサイト制作に困っている際にお声がけしてほしい」、「まずはホームページを見て欲しい」など、案件獲得そのものや、営業の導線という目的があります。そのため、名刺を渡した相手にどんなアクションを起こして欲しいのかを、まず具体的にします。問い合わせ窓口や自身のホームページも作っておきましょう。

  • お問い合わせの連絡
  • サイトへの誘導
  • SNSのリンク

名刺を渡す目的に沿って名刺に載せるべき情報を絞る

名刺を渡すことで達成したい目的によって、記載する情報を取捨選択しましょう。名刺は表面だけではなく裏にも印刷が可能です。必ず載せたい内容をピックアップし、どこにどう配置するのかを考えていきます。ただし、情報量が多くなりすぎて、何を伝えたいのか、かえってわからなくなるようなことは避けましょう。

表面記載情報例:
・氏名(フリガナ)
・屋号・肩書き
・ロゴ
・連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)
・SNSアカウント
・ウェブサイトURL
・ポートフォリオなどのQRコード(※ QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。)
裏面記載情報例:
キャッチコピー
自分の強みやアピールポイント
事業に対する想い
ちょっとした自己紹介(趣味や出身地など)
一言メッセージ

必要な情報が強調されるようレイアウトに強弱や余白の工夫を施す

まず相手に印象付けたいのが、フリーランスとしての自分の強みです。自分がどの分野のプロフェッショナルなのか、具体的な提供サービス内容はどのようなものなのかをぱっと印象付けられるようにしましょう。

エンジニアという職種名をまず知ってもらいたいのか、地域密着型という特性を売りたいのか、専門資格を持っていることをアピールしたいのか、など何を強調するかをまず絞り込みます。決めたアピールポイントが目立つように文字の大きさや強弱をつけてデザインします。

フォントや色の持つイメージを相手に与えたい印象から決める

名刺でよく使われるフォントは以下のものがありますが、決まりはありません。ナチュラルテイストを打ち出したい場合は手書き風にし、自分の名前の部分だけ手書きで書いたものを印刷していることもあります。

  • ゴシック体(角ゴシック、丸ゴシック)
  • 明朝体
  • 楷書体
  • 筆記体(毛筆体、スクリプト)

配色に関しては、相手が見やすい色合いにしましょう。濃すぎ・薄すぎも読みにくくなります。多くても3色までに抑えるのがポイント。風水でラッキーカラーを見てもらって運気が上がる色を使うのもよいですね。

SNSやWebサイトとのデザインに統一性をもたせる

自分自身のブランディングツールとして、名刺や自身のWebサイト、SNSサイトのデザインに一貫性があると覚えてもらいやすくなります。アピールポイントと合わせてデザインも統一させましょう。

フリーランスが名刺を作成する際の注意点

フリーランスが名刺を作成する際には、個人情報に関する注意が必要です。SNSリンクをプライベートのものにしない、必要以上の情報を載せない、など気を付けましょう。

個人の住所や電話番号などの連絡先情報の意図しない拡散リスクがある

名刺を作る際に悩むポイントの一つが、どこまで個人情報を記載するかというところ。自宅で仕事をしている場合、プライベートと同じ住所や電話番号を入れることになります。名刺を渡す相手にとってそこまでの情報が必要かどうか、安全面の観点も含めて判断しましょう。

レンタルオフィスやコワーキングの住所・電話番号を代わりに記載する

個人情報の一つとして登記場所として住居を公にしないためにも、レンタルオフィスを借り、その住所・もしくはバーチャルオフィスで住所だけ借りることができるサービスもあるので必要に応じて活用しましょう。バーチャルオフィスは電話や郵便物の受付や転送を行ってくれるところもあります。

CHECK

フリーランスの名刺に決まったフォーマットはないので、自分が入れたい内容を盛り込みます
名刺を受け取った相手に行ってほしい行動を明確にしましょう
個人情報は必要以上に載せないようにしましょう

フリーランスが名刺を作成する方法と活用したいサービス

名刺の作成方法は複数あります。入手までに必要な時間や、自分のスキル度合いによって発注先を選びましょう。デザインを0から作る場合は考える手間や時間がかかるので早めの着手が必要です。

自分でデザインを行い印刷まで行う

自分で作れば低コストで作成でき、自分のデザインセンスやスキルをアピールできるというメリットがあります。クリエイターの場合は個性が伝わる名刺を自分自身でデザインするパターンが多いですね。初心者でも使いやすいツールがあるのでまず触ってみるのもよいでしょう。

Canva

誰でも簡単にデザインができる無料のオンラインデザインツールです。操作がとても分かりやすく、初心者にもおすすめです。とにかくテンプレートが豊富にあり、自分のイメージに合ったものが見つかるはずです。

ATTENTION

Canva

<<canva名刺テンプレートの画像挿入>>

マヒトデザイン

印刷通販のマヒトデザインには、テンプレートから内容を自由に編集できるデザインメーカーというサービスがあります。白紙の状態、もしくは選んだテンプレートからアレンジを自由に編集し、オリジナルの名刺を作ることができます。

クラウドソーシングや友人にデザインを依頼し印刷する

クラウドソーシングやスキルマーケットを使ってデザイナーに名刺を作ってもらうと、他とかぶらないオリジナルのものが出来上がります。デザイナーの知り合いがいる場合は、知り合いに頼むのも良いですね。

その際は、アピールしたい内容、記載情報などを事前に整理したうえで依頼をしましょう。

coconala(ココナラ)

スキルや知識を売買できるスキルマーケットcoconalaでは、個人のクリエイターが多く、他と被らないデザインをお願いできます。依頼範囲や価格も明確ですので発注しやすいです。

Lancers(ランサーズ)

デザイナーが多数登録している、プロに直接依頼ができるクラウドソーシングサイトです。価格などが決まっているパッケージから選ぶ方法と、見積依頼を募集して提案をもらってから発注をする方法があります。

見積募集を出した場合はコンペとしてデザインや提案内容から発注先を選べます。

製作会社にデザインから印刷まで一括で依頼する

制作会社に発注すれば、デザインから印刷まで簡単にネット注文できます。短納期で作りたい方、大量に名刺を作りたい方に向いています。

ラクスル

ネット印刷のラクスルでは名刺をネット注文できます。フォーマットは決まっていますが、ロゴや写真の挿入が可能で、イラスト素材も豊富に用意されています。

ATTENTION

ラクスル

名刺通販ドットコム

名刺の印刷・作成専門サイトの名刺通販ドットコムでは、豊富な名刺テンプレートから手軽に名刺発注ができます。テンプレートから選択するだけでなく、キャッチコピー・事業内容などを自由度高くカスタムできるプランもあります。

CHECK

こだわってじっくり作りたい場合は自分で作ってみることもできる
クラウドソーシングなどを通じてデザインを外注する方法もある
とにかく早く簡単に作りたいなら名刺の制作会社に発注が良い

リモートワーク時代のデジタル名刺の活用方法とおすすめアプリ

オンラインの打ち合わせが多いので紙の名刺は使わないという方はデジタル名刺の作成をおすすめします。オンライン上のミーティングや商談でURLを送受信することによって簡単にプロフィール交換できる点が大きな特徴です。

名刺の情報更新や管理が簡単で、名刺を切らすこともないデジタル名刺

デジタル名刺とは、名刺情報が電子データ化されたもののことです。

紙の名刺と比べて情報の更新が簡単で、いつでもどこでも交換ができるというメリットがあります。デジタル名刺作成サービスは複数ありますが、デザイン性だけでなく共有のしやすさ、管理のしやすさの視点で選びましょう。

Eight・Wantedly PeopleのスマホアプリでURL・QRコードでの名刺共有や管理が簡単

デジタル名刺の作り方は、紙の名刺をデータ化する方法と、アプリやWEBサービスを使って情報を登録しデザイン編集をして作成する方法があります。最近はスマホでも簡単にデジタル名刺が交換できるアプリが人気です。

Eight

名刺アプリ「Eight」は QRコードやURLを送ってデジタル名刺を共有するだけでなく、アプリユーザー同士はスマホをかざすだけで簡単にタッチ名刺交換ができるサービスです。名刺を撮影するだけで素早く正確にデータ化し、管理することができます。

※ QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

Wantedly People

求人情報サイトWantedlyが提供する名刺管理アプリ「Wantedly People」では、デジタル名刺の交換だけでなく、Wantedlyの提供するビジネスSNS上の情報も検索することができ、より効率的な人脈形成が可能になっています。

ZoomやGoogle Meetの背景画像に名刺QRを設置してオンラインでも簡単に名刺交換

デジタル名刺はオンラインで名刺交換をできるだけでなく、オンラインの打ち合わせ時に背景に設定するという使い方もできます。相手にプロフェッショナルな印象を与えられ、個人のブランディングにもなります。

設定画面から「背景を選択」 をクリックして、パソコンに取り込んだ名刺画像を背景として選択すれば簡単に設定できます。

CHECK

デジタル名刺は紙に代わって主流になってきている名刺の使い方
URLやアプリで簡単に交換することができる
オンラインの打ち合わせ時の背景に設定することもできる

相手の印象に残るデザインにすることで、売り上げを大きく左右するのが名刺です。WebサイトやSNSと並ぶ大切な営業ツールの一つとして、載せる内容をじっくり検討して作成しましょう。営業の際のコミュニケーションがはずむこと間違いなしです。

セミナーや勉強会などのイベントコミュニティーで名刺を配り、輪を広げる

名刺をつくること一つとっても、作るのか作らないのか、どうやって作るのか、フリーランスを始めるに当たっての悩みはつきませんよね。

フリーランスで仕事を始めるにあたってこんな時どうする?という相談ができる仲間を持っていますか?

フリーランスだからこそ、取引先との人脈だけでなく同業やフリーランス同士のつながりを持つことが大きなメリットになります。相談相手ができるだけでなく、いろいろな情報が入ってくるようになるのです。セミナーや勉強会などで積極的に人脈を広げましょう。

フリーランス向けクラウドソーシング活用術|初心者から稼げる案件選びや契約リスク回避のコツ

今回は、フリーランスとして独立したい、またフリーランスの駆け出しという方向けに、クラウドソーシングをおすすめする理由や、クラウドソーシングでの案件獲得の方法と注意点などをお伝えします。

フリーランスとして独立したい、またフリーランスの駆け出しという方の案件獲得には、クラウドソーシングがおすすめです。初心者でも取り組める単発の案件も多くあるのでまずは経験を積むところから始めましょう。そしてクラウドソーシングでの実績をもとに徐々に単価を上げて、ゆくゆくはクライアントから直接案件を受けられるようなフリーランスを目指してください。

クラウドソーシングは駆け出しフリーランスが実績作りに最適な環境

「フリーランスとして活躍していくためには、単価が安いクラウドソーシングを使うメリットはない」と思っている方もいるのではないでしょうか。

しかし、フリーランスの実績作りには自分がやりたい仕事を選べるクラウドソーシングが最適です。

得意な分野の案件を受けてどれぐらいのスキルが自分にあるか試したり、専門的なスキルをさらに磨いていったり、新しい領域の案件にチャレンジして実績を積むこともできるためです。

またクラウドソーシングは、案件獲得から業務のやり取り、報酬の受け取りまでオンラインで完結できるものが多いので、副業として始めたいという方には特におすすめです。

クラウドソーシングの代表的なサービス

今、日本にはさまざまなクラウドソーシングサービスがあります。扱っている求人のジャンルやレベル・単価感、サイトのユーザビリティなどが異なるので、自分に合ったものを選んで活用してください。

Lancers(ランサーズ)

日本初のクラウドソーシングサイトとして2008年にスタート。エンジニア、デザイナー、ライターなどのクリエイティブ職種、営業、企画、コンサルタント、リサーチャー、広報、経理、人事などのビジネス専門職、入力代行、アンケート回答、口コミ作成などの作業関連の職種まで、350種類以上の幅広い仕事があります。

求人数が多いため、フリーランスとして駆け出しの方もチャレンジしやすい案件が見つかりやすいでしょう。また単発の案件からプロジェクト型のものまで取り扱っているので、まずは単発の業務から始めて信頼関係を作り、継続的な案件の獲得につなげていくこともできます。

CloudWorks(クラウドワークス)

480万人が登録する業界ナンバーワンのクラウドソーシングサービスです。利用企業も大企業・政府をはじめ全国78万社以上。ホームページ作成・サイト構築、ロゴ作成、記事制作・ライティング、ソフトウェア・アプリ開発、データ入力など、作業系の業務から専門スキルが必要なものまで250種類以上の仕事があります。

ランサーズ同様に、取り扱っているジャンルの広さと求人数の多さが特徴です。フリーランスとして駆け出しの方は、自分が取り組みやすい案件から始めて、そこからレベルや単価を上げた求人にチャレンジしていけるでしょう。

coconala(ココナラ)

ビジネスからプライベート利用まで、個人のスキルを気軽に売り買いできる日本最大級のスキルマーケットです。イラスト・漫画制作や占い・悩み相談など、得意なスキルが活かせる案件が多いのも特徴です。

このほか、WEBサイト制作・デザイン、マーケティングなどの案件もあります。ランサーズとクラウドワークスとの違いは、フリーランスが求人に応募するのではなく、フリーランス自身が、自分のスキルや経験を「サービス」として出品して、クライアントに買ってもらうという点です。買い手がつかなければ案件獲得できないことになりますが、自分の得意なことやちょっとしたスキル・経験も、ニーズがあれば仕事にできるメリットがあります。

選択と集中。クライアントからの評価が分散しないようにサービスは絞る

クラウドソーシングはいくつか併用せずに1つに絞りましょう。理由は、複数のサービスを利用すると実績が分散してしまうからです。

クライアントが、クラウドソーシングサービスで業務を依頼する際、その人の実績やほかの案件の評価を参考にします。

過去に同じような業務をやったことはあるか、どれぐらいのレベルをお願いできるのか、成果に対する評価はどうなのか。発注側としてはとても気になる点です。複数のクラウドソーシングサービスを利用してしまうと、せっかく同様の業務経験があったとしても、それがほかのクラウドソーシングサービスでの受注の場合、クライアントに伝わらないことになってしまいます。実績を一括で見てもらい、クライアントにしっかりアピールできるよう、クラウドソーシングサービスは1つに絞って利用することをおすすめします。

CHECK

駆け出しのフリーランスには、やりたい仕事を選べるクラウドソーシングがおすすめ
扱うジャンルや求人数などによって自分に合うサービスを選ぶ
実績が分散しないように、クラウドソーシングの利用は1つのサービスに絞る

クラウドソーシングでの案件受注までの流れ

まだ実績のないフリーランスの方がクラウドソーシングで案件を獲得していくためには、プロフィールやポートフォリオでしっかりとアピールすることと、クラウドソーシング内で着実に実績を積み上げていく必要があります。

何ができる人材なのか。プロフィールをスキルベースで明確・簡潔に記載

プロフィール欄でいかに自分をアピールできるかがクラウドソーシングでの案件受注のポイントです。以下の項目を漏れなく記載しましょう。

受注可能な仕事内容

より具体的に、そして漏れなく、受注可能な仕事の内容を書きましょう。たとえば、ひと言で「デザイン業務」と言っても、Webなのか紙媒体なのか、Webの場合はWebサイト全体なのかSNSのバナーのみなのか、ラフの作成から対応できるのかなど、業務内容は細かく分かれます。受注できる業務をできるだけ細かく洗い出して記載しましょう。

実績・経験数

細かく洗い出した業務ごとに、実績と経験数をまとめます。実績はできるだけ具体的に書くことを意識してください。受注した事例の記載に加えて、その業務での成果がアピールできると、なおよいでしょう。たとえばWebサイトのデザインリニューアルの場合、リニューアル前後の数値の比較などがあると分かりやすいです。また、もしすでにポートフォリオがある場合は、ポートフォリオを添付してもよいでしょう。

稼働時間

フリーランスの場合、週何時間・月何時間ぐらい稼働できるかがポイントになります。副業で活動する際は、本業の合間に稼働することになるので、実際どれぐらい手を動かせるか検討のうえ記載してください。稼働可能な時間が長いほど案件獲得のチャンスは広がりますが、無理をして受注しても結果的に対応できなくなってしまうので、問題なく稼働できる時間を書きましょう。

返信可能な時間帯・曜日

クライアントが、実際に業務を依頼するとなった場合、フリーランスの方といつ連絡が取れるのかは気になる点です。一般的なビジネスタイムである平日日中に連絡が取れるのがベストです。副業などの場合で平日日中のやり取りが難しい場合も、たとえば「昼休みの時間は対応可能」「簡単なチャットの確認であれば平日日中も可能」など、できる限りクライアントの稼働時間に合わせることをアピールしましょう。

持っているスキル・技術、得意なテーマ・ジャンル

フリーランスとして駆け出しのころは、実績が少ないこともあるでしょう。その際は業務の実績はなくても、持っているスキルや技術を記載しましょう。さらに得意なテーマやジャンルも書いておくことで、自分のやりたい業務を受ける可能性が高まります。ニッチな分野でもニーズがあれば仕事につながりますので、「これを書いてしまっていいかな…」と迷わずに、自信を持って書きましょう。

小さな案件からコツコツと実績を積み、クライアントからの高評価を獲得

クラウドソーシングで継続的に案件を受けていくために、まずは小さな案件から受注して、着実に実績を積み上げていきましょう。最初は自分の希望に100%マッチするものではなくても、受注できた業務にていねいに取り組んで、クライアントから高い評価を得ていくことを意識してください。ひとつひとつの積み重ねで徐々に単価が上がり、自分が本当にやりた業務の受注につながっていきます。

実績をもとにしたプロフィールとポートフォリオにブラッシュアップ

案件を終えるごとに、プロフィールとポートフォリオを更新しましょう。クラウドソーシングで自分をアピールできるのがプロフィールとポートフォリオです。せっかく受けた業務を記載しないのはもったいないことです。常にブラッシュアップをして、自分のスキルや経験、実績が漏れなく記載されている状態にしておきましょう。

スキルアップしてさらに単価が高いプロジェクトに応募

クラウドソーシングの案件には、単発のものから長期的なプロジェクトまで幅広くあります。当然プロジェクト型のもののほうが単価は高くなります。単発の案件を着実にこなしてスキルアップをして、その先はプロジェクト案件の受注を目指しましょう。そのためにもまずは小さな案件でしっかりと実績を残していくことが大切です。

クラウドソーシングで実務経験・自信をつけてエージェントサービスに挑戦

フリーランスの案件獲得の方法として、クラウドソーシングのほかにエージェントサービスがあります。クラウドソーシングが、フリーランスとクライアントがプラットフォーム上で直接マッチングするサービスなのに対して、エージェントはフリーランスとクライアントを仲介するサービスです。

サイト上に公開されていない案件もあり、エージェントが該当の案件を依頼できると判断したフリーランスにのみ求人が紹介されます。クラウドソーシングに比べて難易度の高い=単価の高い案件が多いので、フリーランスとして活躍していきたい方は、まずはクラウドソーシングで経験を積んで、エージェントサービスで案件を紹介してもらえる状態を目指していきましょう。

CHECK

クラウドソーシングでの案件獲得のポイントはプロフィールでの実績のアピール
まずはクラウドソーシングで着実に実績を積んで、クライアントからの高評価を得る
単価の高い業務が多いエージェントサービスでの案件獲得を目標に自信をつけていく

クラウドソーシング活用の注意点と対策

クラウドソーシングサービスはフリーランスの案件獲得にとって欠かせないサービスです。一方で、利用にあたって注意点がいくつかあります。クライアントとの直接のやり取りのため相場よりも低い単価で受注してしまうことや、一部の悪質なクライアントとのトラブルに巻き込まれてしまうなどの事例が起きています。注意点と対策をまとめたので、しっかり対策をしたうえで安心して利用してください。

案件内容と報酬の適正価格を知り目的のない安売りを防ぐ

クラウドソーシングでの案件受注でもっとも注意したいのが、適正価格にそぐわない安売りをしないことです。フリーランスを始めたばかりのころは、自分のスキルの適正価格が分からないこともあるでしょう。そういった場合は、ほかのフリーランスがいくらぐらいで受注しているのか、いくつかのクラウドソーシングサイトを見るなどして市場の相場を把握してください。案件を受注したいばかりに安売りして低単価で受注してしまうと、その価格が自分の基準となってしまって、継続的に低い単価で受けなければならなくなってしまいます。

契約前後の事前確認で悪質なクライアントとの不要なトラブルを避ける

残念ながら、一部の悪質なクライアントによるクラウドソーシングでのトラブルは起きています。こういったトラブルに巻き込まれないように、受注側として注意すべき点をお伝えします。

契約前にクライアント情報(口コミ・登記情報)を確認する

クラウドソーシングの場合、発注者の情報が公開されていることがあります。社名などをWeb検索すれば会社の信頼性なども確認できるので、契約をする前にクライアントの情報をきちんと確認しておきましょう。

報酬なしのトライアル案件は受けない

トライアルと称して、報酬なしでデザインやライティングなどを依頼されるケースがありますが、これは受けないようにしましょう。トライアルのつもりが、単に「ただ働き」をされられたという事例もあります。実際に手を動かす場合は、きちんと報酬をもらう形で契約しましょう。

払い込み前に仕事を開始しない

クラウドソーシングサービスには、仮払いシステムを取り入れているものがあります。クラウドソーシング会社が、クライアントから報酬を受け取っておき、業務が終了した時点でクラウドソーシング会社からフリーランスに報酬が支払われる仕組みです。

この場合、仮払いの前に仕事を開始してしまうと、最悪、報酬が支払われないことも起こり得るので、仮払いがされたことを確認してから業務を開始するようにしましょう。

契約後も個人が特定できる情報を共有しない

個人情報の取り扱いについても要注意です。受注案件のやり取り以外で、また業務が終了した後などに、たとえば勧誘などの別の目的で情報が使われてしまう可能性もゼロではありません。クライアントとのコミュニケーションは、クラウドソーシング上、または先方指定のツールなどに限定しましょう。

CHECK

クラウドソーシングの案件獲得でもっとも注意したいのは、適正価格にそぐわない安売り
契約前に、クライアントが信頼できる相手なのかしっかり確認する
報酬なしのトライアルや仮払い前の仕事はしない

クラウドソーシングでの報酬は次の案件獲得の自己投資に回す

フリーランスとして仕事を受け続けていくためには、常にスキルアップしていくことが大切です。そのためには自己投資が欠かせません。クラウドソーシングを活用して報酬を得られたら、ぜひその一部を自己投資に回してください。

クラウドソーシングでも所得が20万円以上の場合は確定申告が必須

クラウドソーシングで案件を受ける際の注意点の1つが確定申告です。所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。これはフリーランスとして独立している人はもちろん、副業の人も同様です。

ただし収入が20万円を超えていても、経費を抜いた分が20万円以下になる場合の確定申告は不要です。経費にはフリーランスとして活躍するための自己投資に必要な費用を含まれます。次の案件獲得や自分自身の成長のためにも、クラウドソーシングで得た報酬を自己投資に回していきましょう。

スキルアップのための書籍や生産性を上げるデスクなど作業環境作りへの投資

自己投資にはいろいろな方法があります。書籍を購入して専門知識や市場動向を学ぶことや、生産性を上げるためにデスク回りを整えることも含まれます。仕事用のデスクや椅子、文房具類などを使いやすいものにして、成果を出せる環境作りをしましょう。

案件紹介やトレンド情報を取得するためのコミュニティー・人とのつながりへの投資

フリーランスの自己投資としてもう1つおすすめなのが、人と会うことです。インターネット上でさまざまな情報が手に入る時代ではありますが、やはり人と会って“一次情報”に触れることが大切です。自分がかかわりたい分野の専門家や、すでにフリーランスとして活躍している人、興味のある業界の人などと実際に会っていろんな話を聞いてみましょう。

市場のトレンドが分かることもありますし、そこから案件獲得につながることもあるはずです。常にアンテナを立てて、そういった人たちが集まるコミュニティーに積極的に参加してみてください。

CHECK

報酬の一部を自己投資に回すサイクルを作り、フリーランスとして成長し続ける
フリーランスとしての自己投資の費用は確定申告の際の経費に含まれる
書籍、デスク回りの環境作り、人と会うこともフリーランスにとって重要な自己投資

まだ実績の少ないフリーランスの方にぜひ利用いただきたいクラウドソーシング。まずはここで着実に実績を作り、得た報酬を自己投資に回しながらスキルアップをして、次はより難易度の高い高単価の案件を受注する、そしてさらにレベルアップして今度はクライアントから直案件を受けるという状態をつくっていきましょう。長期的にしっかり稼げるフリーランスを目指して、クラウドソーシングを活用してください。

直案件獲得を一つのゴールに。まずは登竜門としてのクラウドソーシング

フリーランスにとってクラウドソーシングはいわば登竜門です。クラウドソーシングはサービス提供会社への手数料が発生しますので、ゆくゆくはクラウドソーシングを卒業して、クライアントから直接案件を受けられるようになるのが理想です。「直案件獲得」をゴールに定めて活動していきましょう。

そして、直案件の場合、工数的に1人では受けきれない場合もあるでしょう。そういった際に活用したいのが、フリーランスが集まるコミュニティーです。多様なスキルを持ったフリーランスが集まる場でつながりをつくり、チームを組んで案件を受けることもできます。ぜひフリーランスのコミュニティーを有効活用してください。

フリーランスがエージェントを安心して使うために|初心者が直案件を取るコツと登録前に必ず知るべき注意点

今回は、フリーランスとして独立したい、またフリーランスの駆け出しという方向けに、エージェントサービスをおすすめする理由や、エージェントサービスでの案件獲得の方法と注意点などをお伝えします。

フリーランスとして独立したい、フリーランスの駆け出しという方、またより単価を高い案件に挑戦したいフリーランスの方には、エージェントサービスがおすすめです。エージェントとクライアント間での仲介手数料がある分、採用難易度の高い案件=単価の高い案件が多く扱われています。エージェントサービスを使えば自分で営業をかける必要がなくなり、業務に集中できます。有効に活用してより高単価の案件を受けられるフリーランスを目指しましょう。

スキルアップ、プロジェクト案件経験にエージェントは最適なサービス

フリーランスのエージェントサービスは、仕事を探すフリーランスと発注企業との間に介在して、案件をマッチングするサービスです。運営会社によって名称は異なりますが、キャリアカウンセラーなどと呼ばれる担当者がフリーランスとの面談を通して、スキルのレベルや希望の条件にマッチする案件を紹介します。

クライアントはその分の仲介手数料を支払って、フリーランスを探すことになるので、ほかのマッチングサービスに比べてスキルレベルの高い案件や、プロジェクト型の案件が多くなります。フリーランスとしてスキルアップしたい、より高い単価の案件を受けたい方には特におすすめです。

エージェントサービスの利用が向いている人とサービスの仕組み

「エージェントサービスは、マージンがあったり、担当者によって当たり外れがあるからあまり使わないほうがいいのでは…」と考える方もいるかもしれませんが、エージェントサービスの仕組みを正しく理解することで営業チャネルの1つとして、ぜひ有効に活用してください。

営業活動のアウトソースとして案件業務に集中したい人におすすめ

フリーランスとして独立したい方がもっとも不安を感じるのは、継続的に案件を獲得できるかという点でしょう。また、実績や人脈が少ない状態でクライアントに直接営業をして案件を受けるのはなかなか難しいことです。

エージェントサービスを使えば、自分で営業をかける必要がなくなります。そして売り込みにかける時間を、自分の本業にあてることができるほか、案件獲得の心配をせずに業務に集中することができます。

クラウドソーシングとの違いは営業サポート・マージンの有無と案件単価

もう1つの案件獲得サービスであるクラウドソーシングが、プラットフォーム上で求職者とクライアントが直接やり取りするのと違って、エージェントサービスは求人をマッチングする、キャリアカウンセラーやコンサルタントと呼ばれる人が仲介します。

一般的に求職者であるフリーランスの利用は無料で、求人を出すクライアントが案件の費用に応じたマージンを支払います。クライアントからすると、コストをかけてフリーランスを採用するので、クラウドソーシングでは見つけられないような高いスキルが必要な案件など、採用難易度の高い案件=単価の高い案件を募集することになります。

エージェントサービスのキャリアカウンセラーは、フリーランスの経験やスキル、希望に合った求人を紹介してくれるほか、クライアントへの提案も代行してくれます。

企業に応募する書類の作成や面談のアドバイスをしてくれることもあるでしょう。また単価や稼働時間など、直接伝えにくい条件についてもクライアントと交渉してくれます。エージェントサービスを利用して効率的に、高単価の案件を受けていきましょう。

CHECK

エージェントサービスはフリーランスとクライアントを仲介するサービス
エージェントサービスを使えば、自分で営業をかける必要がなくなる
クライアントはコストをかける分、採用難易度の高い案件を出すため高単価の案件が多い

職種別のフリーランス向けエージェントのおすすめサービス

フリーランス向けのエージェントサービスは幅広い領域の求人数が圧倒的に多いもの、特定の職種に特化したもの、初めてフリーランスとして受注するサポートが手厚いもの、より高いレベルの案件がそろっているものなど、特徴がそれぞれ異なります。

自分に合ったサービスを見つけて活用してください。また、エージェントはクライアントともやり取りをしているので、案件に対して求める人材の詳細を把握しています。受注後のミスマッチを防ぐためにもぜひエージェントを活用しましょう。

業界大手のフリーランス向けエージェント

幅広い業界や職種の案件の豊富さを求める場合は、業界大手のエージェントがおすすめです。運営会社が比較的大きく、エージェントサービス以外にもクラウドソーシングサービスなどほかの求人サービスを包括的に提供していることが多いため、多様な案件がそろっています。

ランサーズエージェント

クラウドソーシングサービス「ランサーズ」を提供する株式会社ランサーズが運営するエージェント。開発PM、デザイナーなどITフリーランスが週4日以上働ける案件を継続的に提案サポートするのが特徴です。「専門性を活かして興味のある案件に参画したい」「報酬を上げるために企業と交渉してほしい」という実力派ITフリーランスにおすすめです。

レバテックフリーランス

国内最大級フリーランスエージェントのレバテックフリーランスは、IT・Web系のフリーランスを支援するエージェントサービスです。取引社は10,000社以上、契約の更新率は93%と高いです。案件の多くは大手企業から直接受けているため業界トップクラスの高単価が実現されています

業界大手のエージェントで網羅的に案件を探すことはできますが、やりたい仕事が明確な場合は、職種に特化したエージェントを活用してください。

webディレクター・デザイナーにおすすめのフリーランスエージェント

webディレクター・デザイナー向けのエージェントをご紹介します。ディレクターやデザイナーは、案件レベルの幅が上流から下流まで広い職種です。求人内容だけでは分からないレベル感を、エージェントを活用して確認して、自分がやりたい案件を見つけていきましょう。

レバテッククリエイター

Web・ゲーム業界のクリエイター専門フリーランスエージェント。ディレクター、デザイナー、開発の案件が中心です。レバテックは総合型のエージェントも運営していることから契約社数は多く、レバテッククリエイターの取引企業も10,000社を超えています。プロのコーディネーターによる無料のフリーランス相談会も実施しています。初めてエージェントを使う方にもおすすめです。

Workship(ワークシップ)

デザイナー案件が多いワークシップ。幅広い職種&働き方がかなう、フリーランス・副業人材専門の求人・案件検索プラットフォームです。登録者は50,900人、登録企業は1,200社、案件は2,900件にのぼります。エージェントサービスとプラットフォームサービスの両方の機能があり、デジタル領域を中心に、デザイナー、エンジニア、マーケター、編集者、人事、広報などさまざまな職種の案件があります。

geechs job(ギークスジョブ)

大手企業との取引も多いギークスジョブ。即日で稼働したいという方にも専任の担当者がついて案件紹介やサポートをしてくれます。無料独立相談会などフリーランスを目指す人向けのイベントも開催しているほか、「初心者向け案件」というカテゴリで案件検索できるなど、これからフリーランスとして独立する方向けのサポートが用意されています。

エンジニアにおすすめのフリーランスエージェント

続けてエンジニアに特化したエージェントです。エンジニアはフリーランスの案件も多いのでその分、使える言語などより細かいスキルで案件を探すのがポイントです。検索条件で絞り込むこともできますが、いくつかのスキルをかけ合わせることで、より高い単価の案件が受けられるので、エージェントの担当者には持っているスキルを漏れなく伝えることを意識しましょう。

クラウドテック

大手クラウドソーシングサービスを提供する株式会社クラウドワークスが運営するサービスです。リモートワークの案件に注力しているのが特徴で、その数は業界トップクラス。全体の97%がリモート案件です。登録社数は91.7万社にのぼり、個人ではアプローチが難しい大手企業の案件を受けるチャンスもあります。

ITプロパートナーズ

エンジニア職種が中心ながら、デザイナーやマーケターの案件も取り扱っているITプロパートナーズ。IT起業家・フリーランスの自立を支える仕事の紹介サービスです。利用企業数2,000社以上で、スタートアップ、ベンチャーの案件が多いのが特徴。週2~3日の案件数はフリーランスエージェントの中でも随一です。間に仲介会社を挟まず、直接クライアントと契約しているため高単価な案件が多くなっています。

Midworks

エンド/Slerのエンジニア案件が中心のMidworksは、IT系フリーランスエンジニア専門のエージェントサービスです。エンド/Sler直案件が全体の約70%を占めていて、利用者の平均年収は840万円以上。年収アップの事例も多いのが特徴です。公開案件は10,000件以上。また非公開の案件が全体案件数の80%を占めています。エンジニア案件のほか、WEBデザイナーやWEBディレクターの案件も紹介可能です。

テクフリ

「エンジニアファースト」のポリシーにもとづき、充実したサポートと高い還元率でフリーランスエンジニアのキャリアアップ・年収アップを支援することを謳うテクフリ。案件数は10,000件を超え、面談での情報提供や参画までのスピードとマッチングの質を意識したカウンセリングのほか、就業後の条件交渉の相談など働きやすい環境の長期サポートが特徴です。お役立ちコンテンツも充実しており、初心者にもおすすめのサービスです。

ATTENTION

テクフリ

マーケターにおすすめのフリーランスエージェント

マーケターとひと言で言っても、広告、SNS、コンテンツマーケティング、PRなど業務の幅はとても広く、さらにこの中で企画系の仕事から運用系のものまであります。だからこそ、クライアントが求めていることを把握しているエージェントを活用して、自分に合う案件をマッチングしてもらいましょう。

キャリーミー

キャリーミーは、企業の中核を担う案件を業務委託契約で紹介する、ビジネス界におけるプロ契約のマッチングサービスです。デジタルマーケティング(広告運用、SNS、SEO、ECなど)、広報、事業開発、法人営業、採用など事業のグロースを担う案件が強みです。週1日のプロジェクトからCXO案件まで幅広く取り扱っています。登録時の経歴とスキルのデータをもとに企業からスカウトや相談が届くのが特徴です。

ATTENTION

キャリーミー

ミエルカコネクト

Webマーケティング支援歴18年の株式会社Faber Companyが運営するマーケター専門の業務委託マッチングサービスです。マーケティング歴15年以上の知見のある役員クラスのスタッフが案件を紹介します。フリーランスの実績を深堀することで、新たな才能の発見や得意領域に合ったマッチングが可能です。

マーケティングプロパートナーズ

週2~3日の案件数はフリーランスエージェントの中でも随一で、リモートや時間がフレキシブルな案件など柔軟に働きやすい案件に強みを持つマーケティングプロパートナーズ。利用企業は3,000社以上、登録者は60,000人です。成長中のスタートアップの新サービスのグロース案件など高い単価の案件に注力しているのも特徴です。

ライターにおすすめのフリーランスエージェント

ライターに完全特化したエージェントはありませんが、Webディレクターなどの枠でライターの求人が出されていることがあります。全体の求人数を見て、ライターの案件があるかを実際に検索してみたうえで、利用するエージェントを選んでください。

フォスターフリーランス

1996年のサービス開始以降、22,000人を超えるフリーランスをサポートしてきた実績があります。ITエンジニア案件が多数を占めますが、ディレクションを含めたライター案件も扱っています。ライターからディレクターにスキルアップしたいと考えている方にもおすすめです。フリーランスとして独立する人向けの記事コンテンツも充実しています。

CHECK

求人が多いもの、職種に特化したものなどエージェントにはそれぞれ特徴がある
サポート体制もさまざまなので、初めて使う際はサポートが手厚いサービスを利用
ミスマッチを防ぐために、求人ニーズを把握しているエージェントを使うのがおすすめ

エージェントサービスでの案件受注までの流れ

これからフリーランスとして独立しようという方や、かけ出しのフリーランスの方が、案件を獲得し続けて、さらに単価も上げていくためには、プロフィールやポートフォリオでしっかりと自分をアピールすることと、エージェント内で実績を積み上げて業務の幅を広げていくことが大切です。

何が得意な人材か。プロフィールとこれまでの実績をポートフォリオとともに提出

エージェントサービスはキャリアカウンセラーがこれまでの経験やスキルをヒアリングしたうえで、クライアントに紹介をしてくれますが、事前にいかに自分をアピールできるかが案件受注のポイントです。基礎項目、および追加項目として以下の情報を漏れなく記載しましょう。

<基礎項目>

  • 受注可能な仕事内容

より具体的に、そして漏れなく、受注可能な仕事の内容を書きましょう。たとえば、ひと言で「デザイン業務」と言っても、Webなのか紙媒体なのか、Webの場合はWebサイト全体なのかSNSのバナーのみなのか、ラフの作成から対応できるのかなど、業務内容は細かく分かれます。受注できる業務をできるだけ細かく洗い出して記載しましょう。

  • 実績・経験数

細かく洗い出した業務ごとに、実績と経験数をまとめます。実績はできるだけ具体的に書くことを意識してください。受注した事例の記載に加えて、その業務での成果がアピールできると、なおよいでしょう。たとえばWebサイトのデザインリニューアルの場合、リニューアル前後の数値の比較などがあると分かりやすいです。また、もしすでにポートフォリオがある場合は、ポートフォリオを添付してもよいでしょう。

  • 稼働時間

フリーランスの場合、週何時間・月何時間ぐらい稼働できるかがポイントになります。副業で活動する際は、本業の合間に稼働することになるので、実際どれぐらい手を動かせるか検討のうえ記載してください。稼働可能な時間が長いほど案件獲得のチャンスは広がりますが、無理をして受注しても結果的に対応できなくなってしまうので、問題なく稼働できる時間を書きましょう。

  • 返信可能な時間帯・曜日

クライアントが、実際に業務を依頼するとなった場合、フリーランスの方といつ連絡が取れるのかは気になる点です。一般的なビジネスタイムである平日日中に連絡が取れるのがベストです。副業などの場合で平日日中のやり取りが難しい場合も、たとえば「昼休みの時間は対応可能」「簡単なチャットの確認であれば平日日中も可能」など、できる限りクライアントの稼働時間に合わせることをアピールしましょう。

  • 持っているスキル・技術、得意なテーマ・ジャンル

フリーランスとして駆け出しのころは、実績が少ないこともあるでしょう。その際は業務の実績はなくても、持っているスキルや技術を記載しましょう。さらに得意なテーマやジャンルも書いておくことで、自分のやりたい業務を受ける可能性が高まります。ニッチな分野でもニーズがあれば仕事につながりますので、「これを書いてしまっていいかな…」と迷わずに、自信を持って書きましょう。

ポートフォリオポイント

  • これまでの実績

ポートフォリオにはまず、これまでの実績を書きましょう。どんなクライアントのどんなジャンルの案件を受けたのか、取り組んだ実績はもちろん、できる限り数値面での成果もあわせて記載しましょう。クライアントが業務を依頼するか判断するポイントは、「この人に依頼した場合、どれぐらいの成果を出してくれるか」また「成果を意識しながら仕事をしてくれるか」という点です。実績はしっかりとアピールしましょう。

  • 得意な業界、ジャンル、テーマ

エージェントサービスは自分で案件を探すのではなく、キャリアカウンセラーが求人を探して紹介してくれます。そのため、得意でやってみたい業界やジャンル、テーマがあるなら、ここをしっかり記載しておきましょう。経験はない分野であっても紹介してもらえる可能性が広がります。

  • 案件に対する自分の費用感

希望の費用感をエージェントに伝えておくことは、単価を上げていくためにも重要です。市場の相場や過去の実績から算出しましょう。ただし当然ながらクライアントとしてはできるだけコストを押さえて依頼したいのが本音です。独りよがりの価格設定にはせずに、自分のスキルレベルに合った費用を設定しましょう。

  • 成果に対してこだわった自分なりの工夫

クラウドソーシングよりもレベルの高い業務が多いエージェントサービス。ルーティンの作業的な業務よりも、より上流の企画系のものや、自分で考えながら取り組む案件が多くなります。そのため成果を出すために自分なりにどんな工夫をしたか、その工夫が再現性のあるものなのか、という点が案件を紹介してもらうための重要な視点です。数値面での成果に加えて、仮説立てしたことや思考錯誤したこと、施策を決めた背景など、工夫した点をしっかりアピールしましょう。

  • 仕事上の進め方(コミュニティケーションやタスク管理などの基礎)の工夫、心がけ

フリーランスとしてクライアントワークをしていく際の基本的なところでもありますが、コミュニケーションの取り方やタスク管理も発注側としては気になるポイントです。過去に取り組んだ事例をもとに、たとえば、判断に迷うような際はなるべく早く連絡を入れるようにしている、タスク管理はツールを使って漏れがないようにしている、など工夫していることや心がけていることを記載しましょう。この情報があるとクライアントは安心して業務を任せることができます。

小さな案件から実績を重ね、まずはエージェントからの信頼を獲得

エージェントサービスで継続的に案件を受けていくために、まずは小さな案件から受注して、着実に実績を積み上げていきましょう。最初は自分の希望に100%マッチするものではなくても、受注できた業務にていねいに取り組んでください。そしてまずはエージェントから信頼を獲得することを意識しましょう。しっかり成果を出すことで、キャリアカウンセラーは「この方にまた業務をお願いしたい。より難易度の高い案件を任せたい」と思ってくれます。単価アップもスキルアップもかなうようになっていくでしょう。

プロジェクト実績をもとにポートフォリオをブラッシュアップしていく

案件を終えるごとに、プロフィールとポートフォリオを更新しましょう。エージェントサービスで自分をアピールできるのがプロフィールとポートフォリオです。せっかく受けた業務を記載しないのはもったいないことです。常にブラッシュアップをして、自分のスキルや経験、実績が漏れなく見栄え良く記載されている状態にしておきましょう。

スキルアップしてさらに提案・受注が可能な業務の幅を増やしていく

エージェントを活用する目的は単発の案件を受けることではありません。案件を受けることでスキルアップして、エージェントとの信頼関係を構築して、次の案件につなげていくというサイクルが重要です。案件を受けるたびに自分の“武器”を増やしていくようなイメージで、業務の幅を広げていきましょう。

CHECK

エージェントでの案件獲得のポイントはプロフィールでの実績のアピール
実績はもちろん得意なジャンルなどをアピールすることで希望の案件獲得につなげる
小さな案件の経験を積み重ねてエージェントと信頼関係を築くことが大切

エージェントではエンドクライアントとエージェント双方が喜ぶ仕事を意識

これまでお伝えしてきたように、エージェントはクライアントが採用コストをかけて、フリーランスに案件を発注するサービスです。

エージェントにとっては、クライアントから案件をもらい続けることが事業継続に欠かせません。そして当然ながら単価の高い案件のほうがエージェントの収益も上がります。単価アップや業務範囲を広げて報酬を増やすことがエージェントのマージンアップにつながるのです。これは案件単価に関係なくプラットフォームの利用料でなり立っているクラウドソーシングサービスとの大きな違いです。

また、エージェントのキャリアカウンセラーや、クライアントとやり取りする法人担当は、受注案件数や単価などが実績となります。

エージェントを使うフリーランスは、サービスの仕組みを理解して、エンドクライアントである発注企業からだけでなく、エージェントからも「業務を依頼したい」と思ってもらえる信頼関係を築くことが重要です。そのためには、足元の仕事を着実に完遂することはもちろん、できることを増やして受注金額のアップを意識し、万一トラブルが起きた際にはすぐにエージェントに「報・連・相」するなど、「エージェントから仕事を受けている」という意識での行動も必要です。

エージェントサービス登録時の注意点と良いエージェントの見極め方

エージェントを選ぶ際の1番のポイントは自分にマッチする案件があるかどうかです。加えて担当者との相性やマッチング精度なども大切なポイントです。実際に利用する際の留意点や良いエージェントサービスの見極め方をお伝えします。

複数のエージェントサービスに登録をしつつコミットは絞る

総合型で求人が多いものから特定の職種に特化したものなど、それぞれ特徴があるため、複数のサービスを利用しましょう。選べる案件の選択肢が広がります。また複数利用することで、業務ごとの相場や市場価値の高いスキルが分かってきます。そのため、紹介された案件の単価が相場よりも安い場合は、根拠を持って交渉できるでしょう。

一方で、案件を探す時にはいくつかのエージェントの利用がおすすめですが、実際に案件を受けるのは1つに絞りましょう。複数利用すると事務手続きなどが増えるというデメリットもありますが、1番の懸念は実績が分散してしまうことです。

受注するサービスを1つにしておけば、過去の案件もひと目で分かる状態になり、エージェントの担当者もそれを踏まえて、次のステップの案件を紹介してくれる上に、クライアントにも実績をベースにアピールしてくれます。案件を探す際は複数のエージェントを使い、受注はできるだけ1つに絞るようにしましょう。

キャリアを踏まえた案件があるサービスかどうかを確認する

利用するエージェントを決める1番のポイントは、やりたい案件があるかどうかです。案件を選ぶ際は、今のスキルでできるものだけでなく、これからのキャリアを広げていくためにチャレンジできるものがあるかどうかも大切な判断軸です。

フリーランスとしてスキルアップして、継続的に案件を受け、単価を上げていくために、今すぐに取り組めるものだけでなく、よりレベルの高い案件があるかどうかもしっかり見極めてください。

また働き方も大事なポイントです。エージェントによって、週1日からの案件が多い、リモートワークが多い、など働き方の特徴もあります。希望の働き方がかなう案件があるかどうかもチェックしましょう。

営業・サポート担当との相性を確認する

キャリアカウンセラーなどと呼ばれるサポート担当者との相性も重要です。案件をただ紹介するばかりだったり、経験やスキル、希望にマッチしない案件を紹介してきたり、専門的なスキルの理解が乏しかったり―。

逆に良い担当者は、フリーランスの経験やニーズをしっかりヒアリングしたうえで、キャリアの幅を広げられるような案件を紹介してくれます。

相性を確認するためにも、実稼働は別としてまずは複数のエージェントに登録して、いろんなキャリアカウンセラーと話してみてください。

マージン相場・サービスのマージンについて事前確認する

エージェントサービスは、案件の単価に応じたマージンをクライアントが支払う仕組みです。マージンの比率はサービスごとに異なります。そのため、同じ業務であっても使うエージェントによって、フリーランスが受け取る報酬は変わります。サービスのマージン比率についても確認して、利用するエージェントを決めていきましょう。

支払いサイクルやインボイス請求の対応について事前に確認する

支払いの仕組みもエージェントによって違います。たとえば数カ月のプロジェクト案件の場合、月ごとに支払いがあるのか、プロジェクト完了したタイミングで支払われるのか。また請求についても、エージェントのシステムを介して送付することもあります。また、直接クライアントに請求するケースもあります。請求の際に注意しなければならないのがインボイス制度です。エージェントによってはインボイス対応でないと請求できない場合もあるので事前に確認しましょう。

<<内部リンク インボイス>>

エージェントサービスの最大の報酬は信頼・実績による仕事の継続

フリーランスとして活躍するためには、途切れることなく仕事を受け続ける必要があります。エージェントから継続的に仕事をもらえる状態を目指しましょう。ひとつひとつの仕事を着実にこなして信頼関係を築いていけば、次の案件を紹介してもらえるようになります。

1度仕事を依頼して、高いクオリティで取り組んでもらえる人にまたお願いしたいと思う心理はエンドクライアントもちろん、エージェントも同じです。エージェントにもファンをつくり、次もお願いしたいと思ってもらえるようにしましょう。

目の前の報酬も大切ですが、長期的な関係構築のためには実績による信頼が何より大切です。「仕事の報酬は仕事」ととらえて、ひとつの仕事を通して次の仕事を得る、というスタンスでエージェントを活用していきましょう。

CHECK

求人を探す際は複数のエージェントを利用して、案件を受けるのは1つに絞る
・働き方も含めたやりたい案件があるか、それを紹介してくれるかが見極めのポイント
・エンドクライアントだけではなく、エージェントからも信頼を得ることが大切

より高単価の案件を受注したいと考えるフリーランスの方にぜひ利用いただきたいエージェントサービス。クライアントとエージェントとの間でマージンが発生するからこそ、高いレベルの案件が受けられる仕組みです。キャリアカウンセラーがていねいにマッチングしてくれる点を活かして、キャリアの幅を広げられる案件にチャレンジしていきましょう。

エージェントサービスで活躍をした後、人脈から直案件に挑戦

まずはエージェントを活用して、さまざまな案件にチャレンジしてみましょう。そして次のステップとして、エージェントでの案件を通して培った人脈をもとに直案件にぜひ挑戦してください。マージンや業務の自由度などを考えた際には直案件に勝るものはありません。

エージェントにはチームで取り組む案件も多数あります。直案件の場合、工数的に1人では受けきれない場合もあるでしょう。そういった際に活用したいのが、フリーランスが集まるコミュニティです。多様なスキルを持ったフリーランスが集まる場でつながりをつくり、チームを組んで案件を受けることもできます。ぜひフリーランスのコミュニティを有効活用してください。

フリーランスの確定申告はいくらから?|確定申告が必要な所得と対応に必要な書類・控除・修正申告方法

フリーランスは会社に属さず、自分の好きなタイミングで仕事をすることができる働き方です。自由があることがメリットですが、税金や保険などの手続きもすべて自分自身で行わなければなりません。

お金の手続きの中で大きなものが確定申告。「難しい」「面倒くさい」といったイメージがありますが、個人事業主向けの会計ソフトの多様化や、申請手続きのオンライン化などによって以前と比べて楽になりました。どこから手を付けてよいのか全く分からない方でもわかりやすく、確定申告についてまとめています。

確定申告は会計ソフトを使えば簡単!そんなに大げさにとらえる必要はありません。準備するべきことをしっかりと把握し、毎月の収支を記録付けしておけばスムーズに手続きができます。

年間20万円以上の事業所得がある場合には確定申告が必要 

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日の1年間の所得(収入から経費を引いた額)をもとに所得税額を確定する手続きのことです。

売上から経費を引いた所得が年間20万円を超える場合は副業であっても確定申告が必要になります。

個人事業主やフリーランスの場合は、所得が48万円を超えると確定申告をする必要がありますが、所得が満たない場合や赤字の場合は申告が不要になります。ただし、不動産投資や株取引をしている場合は本業に関わらず申告が必要です。

CHECK

確定申告とは所得税等の額を計算して確定させる手続きのこと
フリーランスなどの事業所得がある人や会社員の副業で年間20万円を超える人が対象
赤字の場合は確定申告の義務はありません

確定申告の必要書類や具体的な申告の流れと準備

青色申告と白色申告の大きな違いは「控除があるかどうか」です。控除とは、所得税を計算する際に所得金額から差し引ける金額のことです。控除があることで、所得税や住民税などの税金を低く抑えることができます。

青色申告で提出したほうが、はるかに節税のメリットが大きいので、青色申告の準備が間に合わなかったといった場合以外は基本的に青色申告での手続きをおすすめします。

青色申告と白色申告では必要書類や記帳方法が異なる

青色申告をするためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」と「開業届」を所管の税務署に提出する必要があります。白色申告をするために必要な申請はないので、上記2点を提出していなければ自動的に白色申告になります。

白色申告のほうが簡単といわれていますが、会計ソフトを利用すれば手間はほとんど変わりません。

青色申告白色申告
提出に必要な書類所得税の確定申告書
収支内訳書
※家計簿のようなかんたんなもの
所得税の確定申告書
青色申告決算書
※会計ソフトを使った帳簿のかたちのもの
記帳方法勘定科目で仕訳をした帳簿形式売上と経費が分かればよい
節税メリット最大で65万円控除の優遇措置
住民税、健康保険料も引き下げ
遇措置なし
その他メリット赤字を3年間繰り越しできる
家族への給料、家賃や電気代を経費にできる
30万円未満の固定資産を全額経費にできる
開業時期に関係なく申告できる

青色申告と白色申告の確定申告の流れ

青色申告と白色申告は、事前準備の有無と提出書類が異なりますが、スケジュールはどちらも同じです。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告する必要があります。

青色申告白色申告
事前準備開業届を提出
青色申告承認申請書を提出
なし
月々のお金の管理複式簿記
※会計ソフトで管理可能
単式簿記
※会計ソフトで管理可能
必要書類の準備青色申告決算書の作成
※会計ソフトで作成可能
控除証明書の準備
収支内訳書の作成
※会計ソフトで作成可能
確定申告書の作成※会計ソフトで作成可能※会計ソフトで作成可能
確定申告書を税務署へ提出
※2月15日から3月15日まで
※年によって期限日が異なる場合があります
税務署の窓口に直接or郵送にて提出もしくはe-Taxからオンラインで提出税務署の窓口に直接or郵送にて提出もしくはe-Taxからオンラインで提出
税金の納付・還付預金口座の引き落としor振込履歴を確認
※税務署から納付書などのお知らせはありません
預金口座の引き落としor振込履歴を確認
※税務署から納付書などのお知らせはありません

確定申告後に間違いが見つかった場合は修正申告も行う

提出済みの確定申告の内容にミスが見つかった場合は、できるだけ早く修正申告を行います。よくあるケースとしては、「計上するべき売上が漏れていた」「利用できる控除を入れ忘れた」というものがありますので、提出前にいま一度確認しましょう。

申告内容の修正はe-Taxページの「確定申告書等作成コーナー>新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」のボタンから申請可能です

領収書の保管や会計ソフトによる記帳を毎月行っておく

事前の申請や毎月の帳簿作成、そして確定申告に必要な項目を自動でまとめてくれるのが会計ソフトです。事務処理の効率が各段にアップしますので、法人化していないし売上額がまだまだだと思っていても、会計ソフトは早い段階で導入することをお勧めします。

会計ソフトを導入するメリット

  • 確定申告の負担を大幅に軽減できる
  • 経理業務を自動化できる
  • 簿記の知識がなくても経理業務ができる
  • 日々の収支管理を楽にできる
  • 会計ソフトにかかる費用は経費にできる
  • 見積書・請求書作成機能もある
  • スマホでも操作が可能

会計ソフトには「freee会計」や「マネーフォワードクラウド確定申告」などがあり、ニーズに合わせて選ぶことができますので詳しくは以下のリンクをご覧ください。

CHECK

青色申告と白色申告の違いは控除があるかどうか
青色申告は控除があり、必要書類を整えれば簡単に手続きできる
会計ソフトを導入すると確定申告の手続きだけでなく日々の記帳が楽になる

確定申告の対象となる所得や支払う税金の種類

確定申告の対象となるのは「事業所得」「不動産所得」「山林所得」の3つです。会社員は給与所得ですが、フリーランスの場合は「事業所得」となり、確定申告の対象となります。

収入から経費を引いた事業所得が確定申告の対象

事業所得とは小売業やサービス業もしくは自営業で生じる所得を指します。個人事業主やフリーランスの所得が該当します。「所得とは収入から必要経費を引いた金額」のことなので、事業所得とは事業収入から必要経費等を差し引いた金額です。所得税はさらに所得控除を差し引いた額に課税されます。

フリーランスが計上できる経費の例

経費とは、事業を行う上で発生した費用のことです。フリーランスの場合ビジネスとプライベートの線引きが難しく判断に迷うこともありますが、客観的に事業に関わる費用であると説明できるかどうかを基準として判断しましょう。

<毎月発生する経費>

家賃:地代家賃
水道光熱費:水道光熱費
インターネット費:通信費
スマホや電話の通信費:通信費
レンタルオフィス費:賃借料
業務ソフトの使用料:消耗品費

<都度発生する経費>

ホームページ作成を外注した代金:広告宣伝費
パソコンなどを購入した代金:10万円未満は消耗品費、10万円以上は減価償却資産
打合せのカフェ代金:会議費
勉強会に参加した代金:教育費
文房具購入費:消耗品費
ガソリン代:消耗品費
電車やバス代:交通費

確定申告で支払う主な税金の種類

個人事業主やフリーランスにかかる税金は「所得税」「住民税」「消費税」「事業税」の4種類です。どの税金にどのような控除が使えるか知ることで、節税につながりますのでそれぞれしっかり把握しましょう!

所得税

毎年1月1日から12月31日の期間に得た収入から、経費を差し引いた所得に課税される税金です。

所得税=(所得 – 所得控除)× 税率 – 税額控除

住民税

住民税とは、納税者の住所や事業所を置いている都道府県及び市町村に納める税金のことです

住民税 = 均等割(一定額)+所得割(※所得に自治体の税率をかけたもの)

事業税

各都道府県に支払う事業を行っていることに対して支払う税です。年間の事業所得が事業主控除額である290万円以下になる場合は、事業税を納付する必要はありません。

事業税額=(所得-各種控除)×税率

消費税

個人事業主の売上高が1000万円を超えた場合、その2年後から消費税の納税義務が発生します。

消費税額=売上金額に含まれる消費税額-仕入れ・経費に含まれる消費税額

税金がかかる所得は所得控除後の課税所得金額が対象 

所得税の額を計算するもとになる「所得」とは、所得から所得控除を差し引いた残りの金額を指します。以上のことから、確定申告の際には控除額の大きさが重要になってきます。

所得控除と税額控除の違い

税率をかける前の課税所得から控除を行う「所得控除」とは別に、計算した税額から直接控除する「税額控除」というものもあります。配当控除、住宅ローン控除、外国税額控除などが該当します。

フリーランスが活用する代表的な所得控除

基礎控除、配偶者控除(特別控除)、扶養控除、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、寄附金控除

所得控除は15種類あり、内訳は以下の通りです。丸がついているものが、よく使われている控除になります。

物的控除人的控除
雑損控除
〇医療費控除
〇社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
〇生命保険料控除
地震保険料控除
寄附金控除
〇基礎控除
〇配偶者控除
配偶者特別控除
〇扶養控除
障害者控除
寡婦控除
ひとり親控除
勤労学生控除

CHECK

所得とは収入から必要経費を引いた金額のこと
事業を行う上で発生した費用を経費とすることができる
フリーランスで使える控除はきちんと知っておくと良い

確定申告をしなかった場合・忘れてしまった場合の対処法

確定申告の提出が漏れるとペナルティが課されることがあるため毎年の申告期間は忘れないようにカレンダーに書き込んでおきましょう。

確定申告を忘れると無申告加算税や重加算税などペナルティがある場合も

法定期間内に確定申告を行わなかった場合、ペナルティとして追加で税徴収されることがあります。

加算税と言われ、「期限までに確定申告をしなかった」場合は無申告加算税、「期限後に修正をした」場合は過少申告加算税、「悪質な隠ぺいがあった」とされた場合は重加算税が課される可能性があります。

確定申告を忘れたことに気づいたらできる限り早く申告を行う

確定申告の提出を忘れてしまった場合。また、提出内容に不備があることに気づいた場合はできるだけ早く手続きを行いましょう。

確定申告を忘れていたとき

確定申告をすることを忘れていたときは、できるだけ早く申告するようにしてください。申告の必要があるにもかかわらず、申告をしなかった場合には、税務署長が所得金額や税額の決定を行う場合があります。
なお、税務署長が決定を行う場合や申告期限に遅れて申告した場合などには、加算税が賦課される場合があるほか、法定納期限の翌日から納付日までの延滞税を併せて納付しなければなりませんので、ご注意ください。

税額を少なく申告していたとき

確定申告書を提出した後で、税額を少なく申告していたことに気付いたときは、「修正申告書」を提出して正しい税額に修正する必要があります。
修正申告書は、税務署長から更正を受けるまではいつでも提出できますが、なるべく早く申告してください。
修正申告によって新たに納める税額は、修正申告書を提出する日(納期限)までに、延滞税と併せて納めてください。

フリーランスでも税務調査で追徴課税がかかる場合も

確定申告終了後も、関係書類は保存が必要です。青色申告の場合、帳簿・決算関係書類は7年間、請求書、見積書などの書類は5年間の保存が義務付けられています。

実はフリーランスであっても税務調査が入ることがあります。

特に関係のない経費が多く計上されている、申告漏れが多い、といった場合は指摘が入る可能性があるので注意しましょう。確定申告は個人で完結できる作業ですが、不安な方は税理士にお願いすることもできます。

確定申告には「青色申告」と「白色申告」がありますが、メリットの多い「青色申告」がおすすめです。毎月の帳簿付けは是非会計ソフトを活用し、事務手続きを効率化しましょう。

確定申告は青色申告・白色申告どちらがいい?|フリーランスに最適な選択と控除・申告の際の注意点と時短テクニック

確定申告をスムーズに時短で済ませる方法をまとめています!経理の専門知識がなくても、ソフトやツールを駆使すれば以外に簡単にできますよ。

確定申告は年度末に必ず行う、税金を納付する手続きです。申告をしないとペナルティが課せられるので必ずやりましょう。「青色申告」と「白色申告」で申請書類や使える控除などが異なり自分に合った申告方法を選ぶことが出来ますが、フリーランスの場合は青色申告がおすすめです。

白色申告は所得330万円がボーダーライン。フリーランスなら迷わず青色申告 

白色申告をしても青色申告をしても所得税率は変わりません。所得の金額に応じて所得税は計算されます。この所得額を大きく左右するのが控除です。

所得金額ごとに税率と控除額が決まってきます。330万円を超えると控除額が大きく増加していますよね。

同じ収入であっても、控除を使う(青色申告で申請する)方が、控除を使わない(白色申告で申請する)場合よりも納税金額を低くすることができるのです。

所得330万円を超えるのであれば控除や赤字繰り越し、減価償却特例などのメリットが多い青色申告にしましょう。事業を開始したばかりで売上が少ない場合や、3年以上赤字が続いている場合は白色申告が向いています。帳簿をつけるのが難しそうだからなんとなく白色申告にしている方は、会計ソフトを使えば手間はほとんど変わらないので青色申告への切り替えを検討してみましょう。

白色申告に必要な書類

白色申告とは、帳簿の作成が簡単な申告方法ですが、基本的に税制上のメリットがありません。以前は記帳しなくても手続き可能だったのですが、2014年の法改正より白色申告も記帳が義務化されました。

フリーランスの白色申告では「収支内訳書」「確定申告書」の提出が必要です。

①収支内訳書

収入や支出の流れ、所得金額の詳細をまとめたものを指します。

②確定申告書

1年間の所得額や控除額をまとめ、税金の金額を算出するものを指します。

準備~提出方法

毎月のお金の流れをまとめるために、売上や経費が発生したら記録を残しておきます。これを記帳と呼びますが、白色申告のフォーマットは特に決まっていないので自分が分かりやすいようにまとめておきましょう。

会計ソフトを使うと効率化ができて便利です。

確定申告の時期になったら、必要書類の準備を進めます。ひとつひとつの取引について数量や単価、金額を正しく記帳し、それをもとに収支計算書、確定申告書と作成を進めます。
必要書類は国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。会計ソフトを使っている場合は、会計ソフト上で確定申告に必要な書類を作成し、オンラインで提出可能です。

白色申告のメリット・デメリット

メリットデメリット
・事前申請が不要
・簡易な記帳で良い
・節税効果は見込めない
・赤字が繰り越しできない

青色申告を控除と経費の扱いの違いからおすすめする理由

青色申告は最大65万円の特別控除が受けられるなど、メリットの大きい申告方法です。仮に同じ収入だった場合、青色申告で確定申告をすれば税金がかかる所得を最大65万円少なくでき、その分納税額も少なくなり得になります。

また、経費に関しても白色申告よりも幅広く計上できることもメリットです。自宅で使うパソコンなど30万円未満のものは一括で経費計上、家賃や家族への給与も経費にできます。

青色申告に必要な書類

青色申告とは、原則として複式簿記で帳簿をつけることが義務付けられている手続き方法です。青色申告特別控除をはじめ、様々なメリットがあります。

フリーランスの青色申告では「青色申告決算書」「確定申告書」の提出が必要です。

①青色申告決算書

日々の帳簿付けの結果を決算書の形式で記入する書類です。1年間の利益を計算した「損益計算書」と、期末時点での資産状況を示す「貸借対照表」からなります。

②確定申告書

1年間の所得額や控除額をまとめ、税金の金額を算出するものを指します。

準備~提出方法

まず事前に「青色申告承認申請書」の申告をする年の3月15日までに提出します。間に合わなかった場合は、次年度のために早めに申請書を出しておきましょう。

青色申告は仕訳をした複式簿記の準備が必要です。自分で0から帳簿付けをするためには勉強が必要ですが、会計ソフトを使えば自動仕訳できれいにまとめてくれるので、やりながら学ぶこともできます。

確定申告の時期になったら、会計ソフトで必要書類の準備を進めます。画面上で入力が必要な項目をひとつひとつ埋めていけば、書類を自動作成しオンラインで提出まで完了できます。

青色申告のメリット・デメリット

メリットデメリット
・最大で65万円の特別控除で、税負担を減らせる(青色申告特別控除)
・減価償却なしで30万円までを一括全額経費計上で節税できる
・3年間の赤字の繰り越しができる
・家族への給料を経費にできる
・事務所兼用として自宅の家賃や電気代など生活費の一部を経費にできる
・事前の申請が必要
・細かい帳簿の作成が必要

CHECK

所得330万円を超えるのであれば青色申告がおすすめ
青色申告はさまざまな控除があり経費計上の幅が広がる
事業を開始したばかりや赤字の場合は白色申告

白色申告の最大のメリットは経理事務の手間が必要ないこと

白色申告の最大のメリットは、事務手続きがシンプルで簡単なことです。白色申告をするために必要な事前申請は不要、お金の流れを管理する記帳も簡単にまとめてあれば問題ありません。

経理の知識がなくても、家計簿をつける感覚で「収入」と「支出」を分けて管理してまとめておけば手続きが可能です。

事業所得がまだ少なく経理作業に苦手意識があり、とにかく手間をおさえたい人に向いています。

青色申告で確定申告を行う流れ

確定申告書類を作る際には、適用される控除の証明書を手元に用意しておきます。流れとしてはまず帳簿をもとに「青色申告決算書」を作成し、決算書をもとに「確定申告書」を作成します。出来上がった書類を税務署に提出すれば、確定された額が引き落としされます。

会計ソフトで売上や経費の記帳を済ませる

フリーランスが使える会計ソフトはいくつかあります。青色申告に対応しており、初心者でも簡単に操作できるものを選びましょう。

会計ソフトに契約したら、まず名前や所在地などの事業情報と、銀行口座などの情報を登録します。その後、売上が発生した際や、経費が出た際に会計ソフトに入力をしていきます。銀行振込やクレジットカード支払いの場合は自動反映できますし、紙のレシートの場合はスキャンして読み込みすることが可能です。仕訳は自動仕分けができるように設定しておきましょう。

確定申告に必要な確定申告書と青色申告決算書を作成する

日々の記帳をきちんと行っていれば、確定申告の書類は簡単に作れます。会計ソフト内の「確定申告書類の作成」から指示に沿って、ステップごとに必要事項を入力していけば完成です。

確定申告書の書き方

会計ソフトで自動作成された内容は、以下項目がきちんと反映されているか最終チェックしましょう。

1ページ目・日付
・事業主の個人情報
・収入金額等
・所得金額
・所得から差し引かれる金額
・税金の計算
・延納の届出
・還付される税金の受取場所
2ページ目・年・住所・氏名
・所得の内訳
・譲渡所得、一時所得に関する事項
・特例適用条文等
・保険料控除等に関する事項
・本人に関する事項
・雑損控除に関する事項
・寄附金控除に関する事項
・配偶者や親族に関する事項
・事業専従者に関する事項
・住民税に関する事項
・個人事業税に関する事項

青色申告決算書の書き方

会計ソフトで自動作成された内容は、以下項目がきちんと反映されているか最終チェックしましょう。

1ページ目・3つの日付記入欄
・事業者情報
・売上(収入)金額・売上原価
・経費
・各種引当金・準備金等, 青色申告特別控除, 所得金額
2ページ目・月別売上(収入)金額 及び 仕入金額
・給料賃金の内訳
・専従者給与の内訳
・地代家賃の内訳
・貸倒引当金繰入額の計算
・青色申告特別控除額の計算
3ページ目・売上(収入)金額の明細
・仕入金額の明細
・減価償却費の計算
・利子割引料の内訳
・税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳
・本年中における特殊事情
4ページ目・貸借対照表 – 資産の部
・貸借対照表 – 負債・資本の部
・製造原価の計算

e-Tax、もしくは郵送・税務署窓口から資料を提出する

会計ソフトで作成した確定申告書類は、税務署窓口に直接提出or郵送提出か、オンラインでの提出が可能です。会計ソフトで作成し書類をもとに、自分でe-Taxにログインして書類提出もできますが、事前に会計ソフトとe-Taxを連携させることで、会計ソフト上から電子申請を済ませることもできます。

ATTENTION

e-Tax

税制改正で確定申告の書式・記入方式の変更に注意

確定申告の書類記入方法や提出方法など、毎年少しずつ変更があります。特に最近ではDX化で押印が不要になり、マイナポータルとの連携がなされるなど、手続きがどんどん簡単になっています。最新の情報は国税庁のホームページでチェックしましょう。

CHECK

会計ソフトで日々の記帳を自動化するとスムーズ
確定申告の書類も会計ソフトから自動作成できる
事前連携をすれば、オンラインでそのまま提出も可能

確定申告をもっと効率化する手間削減のリアルテクニック

ちょっとした工夫で確定申告の手続きを楽にするテクニックはいくつかあります。

銀行口座をあらかじめ公私で分けて経費の仕分けの手間を無くす

事業用の銀行口座を作り会計ソフトに同期しておけば、カード決済の内容を自動で入力できます。

クレジットカードで経費決済をして紙の領収書の対応を減らす

紙の領収書は保管や整理に手間がかかります。なるべくオンラインでの決済でペーパーレス化しましょう。

領収書やレシートはスキャナーでデジタル化し会計ソフトに取り込む

紙でもらった領収書やレシートがある場合は、スマホのカメラで写真にし、スキャナーでデジタル化し保存します。会計ソフトに取り込むと自動で読み取りをしてくれるので便利です。

e-Taxで提出書類を省略しつつオンラインで確定申告を終わらせる

e-Taxでは控除証明書など申告の内容を証明する書類の添付をせずにオンライン申告ができます。e-Taxで電子申告することで青色申告特別控除額65万円が適用されます。

会計ソフトの自動仕訳のパターンを早めに設定しておく

毎月決まった支払いなどがある場合、会計ソフトの「自動仕訳ルール一括編集」の機能で仕訳パターンを設定しておくとあとから修正する手間を省くことができます。

会計ソフトの確定申告必要書類の自動作成機能を使う

自分で国税庁から書類をダウンロードして記入作成をしなくても、会計ソフトで確定申告書類の自動作成機能があるので活用しましょう。

受発注管理と会計ソフトを連携させ売上の自動取り込みをさせる

業務委託など複数の委託先から仕事を受けていて受注管理ツールなどを使っている場合、会計ソフトと連携させることで売上を自動で取り込みできます。

マイナポータル連携機能を活用して控除証明書を一括でダウンロードする

控除証明書を取り寄せてチェックをするのは手間がかかりますが、マイナポータル連携機能を使うとオンラインで管理可能になります。

分からないことは悩む前に国税相談専用ダイヤルに電話相談する

国税局のホームページでは税の相談を様々な形で受け付けています。タックスアンサー(よくある質問集)、税相談チャットボット、また電話での相談も可能です。

国税相談専門ダイヤル…0570-00-5901

確定申告は会計ソフトを使えばスムーズ!効率化のための様々なコツもあるので、知識のある人に積極的に質問しながら業務をアップデートしていきましょう。期限内にしっかり提出できるように日々の記帳も忘れずに!

青色申告でも節税と事務作業は徹底して効率化してコア業務に集中

確定申告などの事務処理はなるべくスムーズに終わらせ、売上をつくるコア業務に集中したいですよね。いかに効率的に、損なく済ませるかが重要になってきます。

会計ソフトを導入するのはもちろんですが、最新の情報やちょっとしたコツなどはネットからの情報ではなく人づてで入ってくることが多いです。フリーランスだからこそ、人とのつながりを積極的に作っておくことが業務効率化につながります。

フリーランスのキャリアプラン。理想の働き方を叶えるキャリアプラン・キャリアパスの言語化と達成手法を解説

フリーランスとして独立したいと思っていても、「自分のスキルで食べていけるのか」「この先ずっとフリーランスとしてやっていけるのか」「何から始めればいいか分からない」「そもそも自分の強みやスキルが分からない」などの不安を抱えている方は多いでしょう。今回は、そんな方たちのために、具体的なキャリアプランの立て方をまとめていますので、ぜひ実際に考えてみて、キャリアに対する長期的な不安の解消にお役立てください。

キャリアプランはフリーランスとして長く活躍していくために必要なものです。キャリアプランとは、どんな案件を受けていくかということだけではなく、フリーランスとしてどんな生活をしていきたいかを考えること。ほかの人と比べずに、自分のやりたいことやありたい姿を言語化して、あなただけのキャリアプランを実現しましょう。

フリーランスのキャリアプランは自分自身がどう生きていくかを考えること

キャリア=仕事や職歴とイメージすることが多いと思いますが、実はキャリアという言葉には、仕事や働き方にとどまらない、その人がたどる道や生き方、人生そのものという意味も含まれているのです。

フリーランスにとってのキャリアプランとはどのようなものでしょうか。会社員の人が会社の中でどんな仕事をしていきたいか、どんなポジションに就きたいかなどを考えるのと違って、組織に属さないフリーランスのキャリアプランは、まさに自分自身がどう生きていくかを考えることです。

フリーランスとして活躍していけるか不安な方も、将来のプランを立てることで目指す方向が見えて、安心して活動していけるようになるでしょう。

キャリアパスは特定の職種や職位になるためのロードマップ

キャリアプランができたら、次はそれをより具体化したキャリアパスを考えていきます。キャリアパスとは、かなえたいキャリアに向けたプロセスを示したもの、言い換えると、キャリアプランというゴールに向けたロードマップです。

たとえば、社内で到達したい役職がある会社員の場合、そこに向けた昇進の計画や、昇進のために必要なステップなどがキャリアパスとなります。会社員であれば、会社側からキャリアパスが示されるケースもあり、キャリアのステップは比較的分かりやすいでしょう。

一方、フリーランスのキャリアパスは、誰かが示してくれるものではありません。自分自身で、かなえたいキャリアプランから逆算して考える必要があります。

たとえば、ゆくゆくはクライアントの事業そのものに貢献できるフリーランスになりたいというキャリアプランの場合、「今回の案件はメンバーレベルの業務なので、次はマネジメントレベルの業務を受けよう」など、案件によって身につく経験やスキルからステップを踏んでいくという形です。

フリーランスのキャリアパスは、ひとつひとつの案件の内容やレベルを職位と置き換えて、たどり着きたいゴールから逆算して受注していくこととも言えます。

キャリアプランとキャリアパスは別物です。フリーランスとして理想のキャリアをかなえていくためにはどちらも必要なもの。長期的な目標であるキャリアプランと、それを達成するためにキャリアパスの両方を考えることが大切です。

CHECK

フリーランスのキャリアパスは誰かが示してくれるものではない
案件によって身につく経験やスキルから、ステップを踏んでいくことがキャリアパス
長期的なキャリアプランと、それを達成するためにキャリアパスを考えることが大切

フリーランスにとってのキャリアプランの立て方

「こうなれたらいいな」などと、闇雲に将来をイメージするのではなく、まずはこれまでの経験を洗い出して、そこから自分のやりたいことやありたい姿を考える。それをかなえるために必要なものを整理して、そして実行のスケジュールに落とし込む。

ひとつひとつていねいに掘り下げていけば、あなただけのキャリアプランが描けます。

過去の仕事を棚卸し、得意なこと、やりがいを感じたこと、自分のスキルを書き出す

まずは、これまでやってきた仕事をていねいに振り返ってみましょう。その際のポイントは、得意なこと、やりがいを感じたこと、身についたスキルを漏れなく洗い出す点です。過去を振り返ることで、この先も継続してやっていきたい仕事や、かかわりたい分野、活かしたいスキルなどが見えてくるでしょう。

現在の「理想としている働き方」を具体化する

続いて今現在、理想だと思う働き方を明確にしていきます。受注したい案件の内容や、案件の数、稼ぎたい収入、働く時間や場所、仕事とプライベートのバランスなどをできる限り具体的に考えましょう。

将来の「理想としている働き方」を想像する

目の前の理想が見えてきたら、次は将来的にかなえたい働き方をイメージしていきます。1つ前のステップでは、現状のスキルレベルで現実的な働き方を具体化しましたが、ここでは自分が本当に理想とする状態を想像します。フリーランスとして日々どんな生活を送っていたいか、仕事とプライベートを満足に過ごしている姿を思い描いてみてください。

「理想としている働き方」に対して不足している能力を書き出す

将来の理想が描けたら、それに対する現状とのギャップ、主に「不足しているスキル」を書き出していきます。

たとえば、より上流のデザイン提案業務を受注して、案件単価を上げていき、必要な収入を十分に確保しながら、家族との時間も大切に過ごしていきたい、という将来の理想に対して、まだまだデザインの提案スキルが足りないというような形です。理想の働き方を手にするために必要なものを明確にしましょう。

「能力」と「収益」を両立させる短期・中期・長期の計画に落とす

理想の働き方をかなえるために、身につけなければならないスキルが分かったら、それをスケジュールに落としていきます。その場合も、いきなりすべてを身につけるのは難しいので、「数ヶ月~1年以内の短期目標」「1~3年の中期目標」そして「3年以上の長期目標」と、3段階に分けるのがおすすめです。

先ほどの例の場合、以下のようなイメージです。

  • 短期目標:まずはデザイン案件をたくさん受けて経験を積む
  • 中期目標:自分にとってチャレンジングな案件を受けて業務の幅を広げていく
  • 長期目標:自信を持って提案領域の案件を受けられるようになる

このように、目指す姿に近づくために、スキルのレベルに合わせて期間を区切りながらプランニングしてみましょう。

CHECK

まずは、得意なこと、やりがいを感じたこと、身についたスキルを漏れなく洗い出す
次に、現在と将来の理想の働き方を具体化する
理想に近づくために必要なスキルを整理して、スケジュールに落とし込む

フリーランスがキャリアプランを考える際のポイント・注意点

キャリアプランを考える際のポイントと注意点をまとめます。活用したいフレームワークや、やりたいことがまだ明確ではない方におすすめの方法、自分だけのキャリアプランを考えるヒントなどをお伝えします。これらのポイントを押さえて検討を進めてくださいね。

生活も含めた「Will・Can・Must」で考える

キャリアプランを考える際に活用したいのが「Will・Can・Must」というフレームワーク。ビジネスにおいてモチベーションを保ち、成果を出しやすくするためのものです。

  • Will=ありたい姿、やりたいこと
  • Can=できること、強み
  • Must=やらなければならないこと、求められる役割

この3つの観点で整理します。

そして「Will・Can・Must」の3つが重なり合う部分が、自分の満足度も高く、周りからの評価も高い状態ということになります。この部分の仕事をいかに増やしていくかが、満足できるキャリアをかなえるポイントです。

このうちCanについては、自分1人ではなかなか言語化が難しい場合もあるでしょう。そんな時は、家族や友だち、仕事仲間、またはプロのキャリアカウンセラーなどと対話をしてみてください。自分では見えなかった強みに気づくこともあるでしょう。

また、Mustについては、フリーランスの場合、会社員と違って自分がやるべきことや役割は比較的自由に選べる状態です。WillとMustの重なりができるだけ大きくなるような案件を選ぶことも、理想のキャリアプランをかなえるポイントです。

フリーランスにとってのキャリアプランは生き方そのものを考えることです。

そのため、「Will・Can・Must」を整理する時には、仕事だけではなく、生活も含めて考えましょう。

たとえば、Willの場合は仕事としてやっていきたいことだけではなく、仕事とプライベートの理想的なバランスから、Mustの場合も仕事上で求められる役割だけではなく、家庭で担う役割も含めて考えましょう。

「やりたくない」ことから考え始めるのも一手

やりたいことがある方は、先ほどの「Will」をベースにしたキャリアプランをおすすめしますが、まだやりたいことが明確ではないという方もいるでしょう。そういう場合は、「やりたくない」ことを軸にキャリアプランを考えてみてください。

やりがいを感じないことや苦手なことを避けるのは決して悪いことではありません。フリーランスとして長期的に活躍していくためにも、「やりたくない」ことも整理してみてください。

自分の願望ありきで、市場ニーズを考慮しないのはNG

フリーランスとして特に考慮したいのが市場のニーズです。かなえたいキャリアばかりが先行して、需要のない分野だった場合、案件がなく収入も得られない状態になってしまいます。こうなると、フリーランスとして活動を続けられず、せっかくのキャリアプランも意味のないものになってしまいます。先ほどの「Will・Can・Must」のうちの「Must」に近い話ですが、市場視点からも自分が必要とされているのはどこなのかを把握することが大切です。

あくまでも自分の意見を大事にして、他人と比べ過ぎない

キャリアプランは人それぞれ違うものです。たとえば同じ職種のフリーランスでも、理想の働き方や得意な領域などはそれぞれです。

どれぐらい稼ぎたいのか、仕事に使える時間がどれぐらいあるか、プライベートとのバランスはどれぐらいかなど、その人の希望や状況によって異なります。だからこそ、キャリアプランは周りのフリーランスの人など誰かと比べるものではありません。あなただけのキャリアプランを描いていってください。

CHECK

キャリアプランを考える際に活用したい「Will・Can・Must」のフレームワーク
やりたくないことを軸に考えるのも方法の1つ
「市場ニーズを考慮しない」「周りと比べる」のは要注意

独立した後のスキル・キャリアアップにもキャリアプランは有効

キャリアプランは、フリーランスとしての独立する前にだけ使うものではありません。独立後のフリーランスのスキルアップやキャリアアップにも有効です。

会社員であれば昇進・昇格など、スキル・キャリアアップの分かりやすい指標がありますが、フリーランスは組織内での目標というのはありません。また、日々案件を獲得しなければならないため、確実に収入が得られる「今できること」に業務がかたよりがちです。

しかし同じような案件ばかり受けていては、スキル・キャリアアップはできません。そしてそれは収入アップつながらないということにもなってしまいます。

だからこそフリーランスは、自分で経験の幅を広げ、スキルを磨いていかなければなりません。その時の指針になるのがキャリアプランです。自分がどうしたいか、どこを目指したいのかを明確にしておくことで、次にチャレンジすべき案件が見えてくるでしょう。

キャリアプランはその時々で変化するものです。フリーランスとして活動していく中で、強みとなるスキルが身についたり、やりたいことが見えてきたり、プライベートの変化など、状況によって将来のプランは変わるでしょう。

キャリアプランは1度つくったら終わり、ではありません。フリーランスとしてのありたい姿に近づけるように、常にブラッシュアップを続けていきましょう。

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