クリエイター 職種図鑑一覧

クリエイター(Creator)を一言で紹介するなら、技術やスキルを使って新しい作品やコンテンツを生み出す人々のことです。クリエイターが生み出すものには、アニメやマンガ、ゲーム、映像、Web、XRなどがあります。最近ではVTuberも活躍していますね。

多種多様な媒体で活躍しているクリエイターたちは何か特殊なスキルをもっているのだろう、と思うかもしれませんが、そうではありません。持ち前のアイデアやセンスはすぐに使い果たしてしまいます。ではクリエイターたちは何が特別なのでしょう?

実は、憧れのクリエイターも弛まないスキルの習得と良質な経験を積み続けています。毎日の隙間をつかってインプットを増やし、スキルをひとつひとつ身につけて、アウトプット。チームのメンバーとフィードバックを繰り返すことで成果を高められます。

クリエイターは作り手だけではない

クリエイティブな仕事とはアイデアを形にする仕事

アニメやマンガなど日本を代表するコンテンツは世界でも高く評価されています。制作に携わったクリエイターたちのなかには、海外のプロダクションに移籍して働く人も多くあります。スキルさえあれば、国境を飛び越えて、産業の垣根も越えて活躍できるのがクリエイターです。

クリエイターと大きな括りにしていますが、わかりやすいアウトプットを出す職種ばかりではありません。クリエイターたちをまとめる監督、Webディレクター、アートディレクターなどもクリエイターです。企業であれば企画を考える「企画職」もクリエイターといえますね。

営業や人事の仕事の中にも、発想やアイデアを活かせるクリエイティブな仕事があるのではないでしょうか。

意外かもしれませんが、企画中の製品やコンテンツが陳腐化しないように市場をチェックしつづけるアナリストもクリエイティブな仕事のひとつです。

では「クリエイティブな仕事」とは何をさすのでしょう? 言葉の定義に忠実に「新しい価値や意味を生み出す仕事」とまとめると、逆に分からなくなってしまいます。

もう少しわかりやすく、「あっこれ面白い!」「少しだけ要素を足したら分かりやすくなる」、こんなアイデアを出し合ってまとめていく行為。と言い換えれば腑に落ちるでしょうか。

デザイナーはアイデアを視覚的なデザインに落とし込みます。エンジニアはデザイナーが仕事をしやすいように新しい補助プログラムを開発するかもしれません。ラインプロデューサーはクリエイターたちの負荷を減らすべく環境を整えて完成まで導きます。

プロジェクトに関わる全員がアイデアを出し合ってアウトプットを重ねることで、より良い成果を出せます。

クリエイティブな仕事は一人ではできない

映画やビデオゲームのエンドロールに、キャスト・スタッフの名前が並んでいるのを見たことがあるでしょうか。小さなタイトルであっても役割ごとにスタッフ名が記載されています。映像はたくさんの人によって作られる一大プロジェクトです。

そんな映画を夢に描いて、一人で「あっ、これ面白い」を形にしようとすると、途中やめになってしまいませんか?仕事では途中やめはありませんが、個人制作となると完成への道のりは平坦ではありません。モチベーション的にもクオリティ的にも、チームを組むほうが良い成果を出しやすいのは誰しも同じでしょう。

メンバー同士でアイデアを出し合い、アウトプットに対してフィードバックを出し合い、ブラッシュアップしたものは、満足のいく作品として生み出されるはずです。

チームメンバーそれぞれが異なった強みを持っていれば、苦手な工程はメンバー同士で補い合うことができる、というのもチームを組むメリットのひとつです。

プロジェクトで必要となる新しいスキルや知識をあらかじめ習得しておけば、チームメンバーに情報をシェアすることも可能になります。チームで実績を積み続ければ、憧れは現実になるかもしれません。

CHECK

・制作に関わる全員が「クリエイター」
・クリエイティブな仕事とは発想やアイデアを活かすこと
・チームを組むと良い成果を出しやすくなります

クリエイティブな仕事に必要なマインドやスキル

知識や専門性を高めるための知的好奇心

無限にあったと思っていた頭の中のアイデアも、アウトプットを続けるとすぐに枯渇してしまいます。一度は評価されたものでも、繰り返しアウトプットしていてはやがて飽きられてしまいます。クリエイターは常に新しいアイデアを探し求め、貪欲に自分のものにしていく知的好奇心が重要になります。

そして、アイデアを形にするためのテクノロジーやツールを使いこなすスキルも必要とされます。テクノロジーやツールは常に進化していますから、クリエイターは好奇心のままに新しいスキルを習得する向上心も必要になります。スキルが高まれば専門性が生まれますから、チーム内で重宝されます。

好奇心と向上心はすべてのクリエイターに共通する基本的なスキルです。

常に新しい物事に興味を持つためには、心・時間・資産に余裕があることが大切です。せわしない毎日のなかで余裕を持つことは簡単ではありませんが、落ち着ける場所、落ち着ける時間を工夫してつくり、好奇心を育ててあげましょう。

1冊の本、オンラインのレッスン、SNS。知識を得る便利な方法はたくさんあります。自分に合った媒体を選び、向上心を持って、世の中のニーズやトレンドを押さえましょう。現在の自分のスキルに満足せず、常に新しい情報を取り入れて自己を高めていけるクリエイターは、長期的に活躍できます。

チームで円滑に仕事をするためのコミュニケーション

クリエイティブな活動をしていくなら、コミュニケーションはとても大切なスキルのひとつです。クリエイターが仕事をする上でコミュニケーションをとる相手は、大きく三つあります。

  • 見る人
  • クライアント
  • チームメンバー

クリエイターという仕事そのものが、見る人に言葉やデザインを届ける、というコミュニケーションです。

そして、どれほど高いスキルを持っていてもクライアント仕事である以上はクライアントの望むものを提供できなければ、次の仕事につながりません。チームで働いている場合は、チームメンバーと円滑なコミュニケーションを構築することが重要になります。

自分の発想の意図や要求を言語化して明確に伝える必要がありますし、クライアントやメンバーからフィードバックを受けることも成果物のクオリティを上げるときに役立ちます。どちらもコミュニケーションの形態の一つです。

「コミュニケーション」に対して苦手意識を持っている人もいるかもしれませんが、「仕事上でのコミュニケーション」は慣れと訓練で克服できるものです。

クライアントやチームメンバーと会話する際には、相手の要望を正確に汲み取ること、共感すること、自分のクリエイティブを丁寧に言語化して伝えることを意識しましょう。

コミュニケーションが活発化してくるとアイデアが湧き上がり、プロジェクトの成果が高まりやすくなります。やがては自身のキャリアにもつながるでしょう。

本質的な問題をとらえる観察力と解決のための論理思考

クリエイターはクライアントの課題を明確に把握した上で、クリエイティビティをもって解決策となる企画を提案し、成果物として提供することが求められます。

成否の決め手は、クライアントもユーザーも満足いくように本質的な問題を解決すること。

「クライアントの相手は大変そうだから、企画はプロデューサーやディレクター任せ、自分は自分のクリエイティブを爆発させて制作に取り組む」という姿勢のクリエイターがいるなら、クリエイターとして一人前とはいえません。

新しい仕事を前にしてテンションが上がる、そんな自分にブレーキをかけましょう。そしてクライアントが求めているもの、ディレクターが示した方向性、チーム内で自分に求められているものを正確に把握しなおしましょう。アイデア出しでは、自分がクールだと思うアイデアに対して根拠をとことん考え抜いてみる。求められているものとアイデアの間に違和感があれば言語化してみる。

メンバーに相談してフィードバックをもらう。こうした言語化や振り返りの一つ一つが自らの観察力を高め、論理的な思考に導いてくれます。

論理思考とクリエイティブの関係は車の両輪と同じです。どちらが欠けても走りませんが、うまくハマれば憧れの目的地まで運んでくれるでしょう。

CHECK

・知的好奇心はクリエイターの必須スキル
・チームメンバーとは円滑なコミュニケーションを構築しましょう
・本質的な問題を論理的に考えることが、成長につながります

クリエイティブな仕事に必要な専門的経験を積むには

センスよりも経験の量と質

たとえばロゴを30種考えて欲しいと依頼を受けたとします。AIを使えば一瞬ですが、自分のスキルは養われませんし、もっと上手にプロンプトを書けるクリエイターがいれば仕事を一瞬で持っていかれます。

スキルを養うために頭の中のアイデアを元にして考えていくと、アイデアはすぐに枯渇する、というのが現実です。

インプットを増やしましょう。好きなゲームやアニメや映画を見ることから始めましょう。「いいな」と思ったシーンがあれば、そこで止めて「なぜいいと思ったのか」を深掘りします。商業作品はよくできていて、随所に工夫が凝らされています。その工夫を自分の中に知識として蓄え、いざという時に出し入れできるようになっておきましょう。好きなタイトルの知識であれば、いくらでも蓄えられるのではないでしょうか。

見知らぬ土地で新しい遊びを体験するのもよいでしょう。美術館に行って古今東西の傑作に触れることももちろんおすすめです。インプットした情報は言語化して誰かとの会話のネタに出してみましょう。

スケッチのような形でアウトプットしておくことでも、記憶に定着します。遠回りに見えるかもしれませんが、クリエイティブな仕事は膨大で良質なインプットから生まれます。

経験を積むための会社員という選択

クリエイティブな活動を続けるなら働き方も重要です。キャリアの方向性が変わる可能性があるためです。

まずクリエイターとしてのキャリアをスタートさせたいなら、広告会社や制作プロダクションに就職するとよいでしょう。

学生や未経験者、クリエイターとしての実績が少ない人でも、企業に就職してプロジェクトに参加できればスキルアップできますし、最新のテクノロジーやスキルの知識を身に付けられます。数年も働けばクリエイターとしての実績も十分残せるでしょう。

会社員の魅力はほかにもあります。プロジェクトを通して仲間との高揚感や一体感を味わったなら、「仲間」が働く意味になるかもしれません。それに先進的なプロジェクトに関われることも、会社員のメリットでしょう。

フリーランスの世界は意外と狭い範囲に限られており、よほどの実績がある人を除けば、大きなプロジェクトに中心的なクリエイターとして関わることは非常に難しいです。

会社であれば制作を全て引き受けますから、例えば、万博やオリンピックなど記憶に残る仕事に携われるかもしれません。大きな案件を通じた経験を重視するのであれば、会社員という選択はとても現実的です。

スキルを高めるための独立という選択

会社員として同じ会社、同じチームに居続けると、必要以上にはスキルを身につけなくなる、ということがありえます。

その点、会社から独立し、さまざまなクライアントの難しいプロジェクトにコミットするフリーランスは、新しい知識やスキルを求められますから、知らず知らずのうちに成長していくことになります。スキルを高めるために会社を独立する、というキャリアは十分にアリでしょう。

ただし、フリーランスのクリエイターにはいくつかのメリットとデメリットがあります。

メリットは、時間や場所を選ばず、自宅やコワーキングスペースなどで自分のペースで働けることでしょう。各地を旅しながら仕事をするワーケーションという働き方も選べます。仕事を選べるというメリットもあります。

ストレスを感じる仕事は避けられますし、出産や育児の間は仕事をセーブすることができます。会社員が育休を取る際に感じるやましさなどを、フリーランスは感じる必要がありません。また、スキル・実績次第では、会社員より高収入を得られる可能性もあります。

デメリットのほうは、仕事量を減らすと収入が減るということです。進化していくテクノロジーと価値観に合わせて、新しいスキルを身につけ、考え方を刷新していくことが常に必要になります。孤独に耐えられない、営業が向いていないと、会社員に戻っていく人もいます。

自分の適正がどちらにあるのか、ゆっくりと考えてみるとよいでしょう。

CHECK

・クリエイティブな仕事はインプットの量と質から生まれます
・会社員は挑戦的なプロジェクトに携われます
・常に最前線で戦うフリーランスという働き方

企画・マネジメントの代表的な職種と年収相場

クリエイティブ系プロジェクトの上流に位置する企画・マネジメント職の仕事内容と年収相場をまとめました。なかには新卒・未経験から応募・転職可能な職種もあります。

Webプロデューサー

WebプロデューサーはWebサイト制作全般を統括するのが仕事です。IT系のクリエイターの中では最も稼げる職業といわれており、平均年収は約557万円ですが、経験と能力次第では1000万円を超えることもあります。

Webプランナー

WebプランナーはWebサイト制作において、クライアントの希望を具体的な企画に落とし込みます。時には、取材やライティング、原稿チェックを担当することも。平均年収は450万円で、経験と実績に応じて収入が上がる傾向にあります。

Webディレクター

Webサイトに掲載する記事やページの企画・編集や制作のディレクションを行い、クライアントの期待に応えるのがWebディレクターです。平均年収は443万円。年収の差はスキルレベルに大きく依存しています。

デザインの代表的な職種と年収相場

デザイン系の代表的な職種の仕事内容と年収相場をまとめています。デザイナー職は一度手に職をつければ、テレワークやフリーランスなど働き方を選びやすい仕事といえます。

クリエイティブディレクター

クリエイティブディレクターは、広告制作やブランド制作などプロジェクト全体の進行と管理の責任を担っており、多彩なクリエイターをまとめることが主な仕事です。平均年収は500万円ほど。実績に応じて1,000万円を超えることもあります。

アートディレクター

アートディレクターは、広告やグラフィックデザイン、映像、空間デザインなどにおいて、美術分野の総合演出を指揮する役割にあります。年収の平均は約524万円で、認知度や評価が高まると収入も増える傾向にあります。

UIデザイナー

UI(User Interface)とはユーザーと製品やサービスをつなぐ接点のことで、UIデザイナーは見た目のデザインの魅力だけでなく、使いやすいデザインを実現することが仕事です。UIデザイナーの平均年収は約598万円と高い傾向にあります。

UXデザイナー

UX(User Experience)とはユーザーが製品やサービスに触れたときに得られる体験を指します。UXデザイナーはユーザーに「楽しい、心地良い」と感じさせる体験をデザインすることです。 年収は611万円ほどとなっています。

動画クリエイター

動画クリエイターは、テレビ、映画、Webなどのメディアに向けて動画コンテンツを制作しており、制作のプロセスごとにさまざまな役割があります。初心者でも年収300万円から400万円、スキルによって500万円以上の高収入を目指せます。

エフェクトデザイナー

エフェクトデザイナーは、主にゲーム開発において、光、炎、雷、煙、魔法陣、回復シーンなど、さまざまな視覚効果を制作します。年収は企業によって異なりますが約472万円程度で、スキルや経験によって大きく変動します。

モーションデザイナー

モーションデザイナーは、CG作品においてキャラクターに生き生きとした動きをつけていく専門職で、手付けで動きをつける場合と、モーションキャプチャーデータを使用する場合があります。年収は平均で約473万円と言われています。

3Dモデラー

3Dモデラーは、キャラクター、景色、乗り物など、あらゆるオブジェクトを3DCGで表現します。ゲームやアニメだけでなく建設業や製造業など多岐にわたる産業で活躍しています。年収は300万〜500万円ほど。個人制作でも活躍の場所を増やすことができます。

CGデザイナー

CGデザイナーには、モデラー、アニメーター、エフェクトアーティスト、コンポジターなどの仕事があります。CGデザイナーの平均年収は300万〜500万円ほどで、そのスキルは国際的にも通用するため、海外での就業機会も多く存在します。

Webデザイナー

Webデザイナーは、クライアントの要望に基づいてWebサイトをデザインするのが仕事です。レイアウトを組むだけでなく、HTML、CSS、JavaScriptなどを使用してコーディングも行います。平均年収はおよそ386万円で、実績や経験に応じて収入が増える傾向にあります。

アニメーター

アニメーターはアニメーション制作においてキャラクターに動きを与える専門職です。アニメーターの創造性はダイレクトに作品のクオリティに影響します。動画、原画、作画監督とスキルを高めることで収入を増やすことが可能で、作画監督の平均年収は538万円となっています。

イラストレーター

イラストレーターは雑誌や書籍、パンフレットやポスター、商品パッケージなどさまざまな媒体でイラストを制作しています。平均年収は約362万円。フリーランスの場合は仕事量によって収入が大きく変動し、スキルや実績が上がると高収入が期待できます。

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーはクライアントのニーズを踏まえて、広告やブランディング、プロダクトのデザインを手がけています。広範囲にわたるデザインスキルが求められるだけに、平均年収は約478万円と、高い水準にあります。

エディトリアルデザイナー

エディトリアルデザイナーは、雑誌やカタログなど印刷物やデジタルメディアの編集とデザインを担当するデザイナーです。アシスタントからスタートすることが多いエディトリアルデザイナー、平均年収は300万〜400万円がボリュームゾーンになります。

フォトグラファー

フォトグラファーは写真撮影を専門としており、広告やメディア業界のほか、個人向けサービスやアート系など、多岐にわたるジャンルで活動しています。平均年収は一般的に300万〜400万円の範囲にあり、高い技術を持つフォトグラファーは高額な収入を得ることも可能です。

文章・コンテンツ制作の代表的な職種と年収相場

文章・コンテンツ制作系の代表的な職種の仕事内容と年収相場をまとめています。すぐれた言語感覚や、読者の心に届く言葉を選ぶ能力が必要とされますが、未経験者でも参入の可能性が高いのが執筆業です。キャリアプランを計画する際の情報収集にお役立てください。

コピーライター

コピーライターは、ブランドのイメージにフィットした広告文を創造しています。広告コピーは企業の広告戦略の核にもなることから、広告制作の重要な役割を担っているといえます。年収は350万円からスタートし、シニアレベルでは1000万円を超えることもあります。

シナリオライター

シナリオライターは映画やドラマ、アニメ、ゲーム、YouTubeなどさまざまなプラットフォームに向けてストーリーを構築しています。新人シナリオライターの平均年収は約300万円、キャリアを積めば年収800万円以上、という人も珍しくありません。

エディター

エディター(編集者)は、書籍や記事の制作に携わる仕事で、企画の立案だけでなく、取材や校正を行うこともあります。そして編集者やクライアントが執筆を依頼する相手がライターになります。ライター・エディターの平均年収は約382万円で、経験や能力によって変化します。

エンジニアリングの代表的な職種と年収相場

ITエンジニア系の代表的な職種の仕事内容と年収相場をまとめています。エンジニアの活躍の場は幅広く、それぞれ担う役割が異なります。

システムエンジニア

システムエンジニア(SE)の仕事は、クライアントのニーズに応じてITシステムやソフトウェアの設計や開発、運用、保守を行うことです。アプリケーション開発系のSEで平均年収は550万円ほど、要件定義や基本設計といった上流工程の経験を積むと年収が上がる傾向にあります。

プログラマー

プログラマーはプログラム言語をつかい、SEが作成した詳細設計に合わせてプログラミングを行うのが仕事です。プログラマーの年収は433万円ですが、使えるプログラミング言語や取得している資格によって年収は大きく変わっていきます。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーション開発において、ユーザーが直接見る部分や操作できる部分の設計・開発を担うITエンジニアです。平均年収は550万。経験年数が長くなるほど平均年収が高くなっていきます。

HTMLコーダー

HTMLコーダーの仕事は、指定されたデザインの通りになるよう、HTMLやCSSなどを使ってWebページをコーディングすることです。HTMLやCSSは比較的簡単に学べるので、未経験からHTMLコーダーになる人も。平均年収は約410万円といわれています

マーケティングの代表的な職種と年収相場

マーケティング系の代表的な職種の仕事内容と年収相場をまとめています。それぞれの役割ごとに求められるスキルが異なるため、マーケターを目指す方は、それぞれの特徴を正しく理解しておくことが大切です。

上流・戦略設計マーケター

上流・戦略設計マーケターの仕事は、市場やクライアントの分析を行い、商品(サービス)を提供するために適切なマーケティング戦略を練ることといえます。平均年収は約484万円ですが、経験や求められるスキルによって大きく異なります。

広告マーケター

広告マーケターは、ターゲットユーザーのニーズをリサーチし、その結果をもとに自社商品(サービス)を売り出すのに適したメディアを選び、商品(サービス)の広告を出すことを仕事にしています。平均年収は400万円~500万円となっています。

PR・広報マーケター

PR・広報マーケターは、自社サービスの売上を上げることを目的に、自社サービスの情報発信やメディア対応などを行っています。広報戦略とデジタルマーケティングの融合が求められて生まれた新しい職種であり、平均年収は484.5万円ほどといわれています。

コンテンツマーケター

コンテンツマーケターはユーザーが必要としているコンテンツについてリサーチを行い、それに基づいてブログやオウンドメディアなどのコンテンツを企画します。企画によっては制作や運用を担当することもあり、平均年収は400~500万円ほどになります。

SNSマーケター

SNSマーケターはInstagramやTikTok、YouTube 、X(Twitter)といったSNSを活用したマーケティングを担当しています。注目を浴びているSNSマーケターですが、そもそもの顧客単価が低いため、年収相場は300~400万円が中心となっています。

SEOマーケター

SEOマーケターは、検索エンジンにおける検索者のニーズを理解したうえで、彼らが求める価値ある情報を提供し、検索者のアクセス数を増やすことを目的とする仕事です。平均年収は約438万円〜625万円で、フリーランスであれば1,000万円も目指せます。

ATTENTION

どの仕事も経験やスキル、資格の取得によって年収相場は高まっていきます。フリーランスであれば年収1000万円も夢ではありません。自身の適正にあった職種を見定め、経験を詰み、スキルを高め、キャリアを拓いていきましょう。

【2024年12月6日】フリ転 Webクリエイター交流会 – Web制作に携わるフリーランスの方へ –

フリ転 Webクリエイター交流会とは?

Webクリエイター交流会はWebに関するお仕事をしている方々が集まるIT交流会です!

”クリエイター同士が気兼ねなく繋がれる場”をコンセプトとしたクリエイターのための総合コミュニティイベントです。

本イベントは、もともと日本デザインにゆかりのあるフリーランスクリエイター同士の懇親会として始まり、クリエイター同士が互いのスキルやアイデアをシェアし、新たなつながりを築ける場として開催されています。

フリ転 Webクリエイター交流会のコンセプト

少人数制のアットホームな交流会

大人数の「名刺交換会」ではなく、気楽に喋れるWeb仲間を作ることを目的としています。

名刺交換会よりも気軽に参加できる交流会として、息抜きを兼ねて人脈形成ができます。

他業種・他職種の方も含めた交流会

参加者同士でコアな実体験を話せるので、他のポジションが考えていることなど、プロジェクトメンバーには聞けない疑問も解消できます。

このようなお悩みをお持ちのWebクリエイターさんに

Case1 デザイナーさん

フリーデザイナーとして制作会社のディレクターさんから案件をまわしてもらっているが、もっと企画・提案の部分から案件に関わっていきたいと感じている。

Case2 ディレクターさん

独立したので、より上流工程のスキルが必要になってきた。マーケティングの知見も取り入れて更にステップアップしたい。

Case3 マーケッターさん

Webマーケティングの現場で経験を積んできたが、制作ディレクションの経験は無し。マーケティングや制作どちらも勉強会で学び、上流工程に進みたい。

Case4 エンジニアさん

エンジニアとして技術だけで食べていくのはこの先不安。webディレクターとしてエンジニアチームを束ねてマネジメントする道を探りたいが、仲間がおらず、ディレクションを学ぶ機会がほしい。

ご参加資格はWebクリエイターの方

ご職業の例

Webデザイナー,Webマーケター,Webイラストレーター,イラスト制作,UI/UXデザイナー,Webコーダー,HTMLコーダー,Webフロントエンド,Webプログラマー,Web開発エンジニア,Webプロデューサー,Webディレクター,Webライター,Web編集,SEO/MEO,Web動画制作,Web動画,カメラマン,Web営業,Web制作会社,クリエイティブ職 アプリ開発,アプリディレクター,アプリデザイナー,アプリコーダー,アプリ開発エンジニア,アプリ開発プログラマー,グラフィックデザイナー など他

※ 上記以外で「該当するか不明の場合」は参加表明の際、主催者までお問い合わせください。

Webクリエイター職でしたらどなたでもご参加いただけますので、 該当する方は是非ご参加いただき、交流を深めてください!

開催概要

日時2024年12月6日(金)19:00~21:00 
参加費無料
会場439_CLUB-X/BASE池袋
JR山手線 池袋駅 徒歩10分
東京都豊島区池袋2-32-3
お問合せhttps://www.furi-ten.com/contact/
主催株式会社日本デザイン

よくあるご質問

【Q.】運営会社はどこですか?
【A.】株式会社日本デザインです。

【Q.】対象者はどのような方ですか?
【A.】Webに関する職業についている方ならどなたでも参加可能です。
   対象は、Webデザイナー、Webマーケター、エンジニア、ディレクターなど多岐にわたります。

【Q.】初参加、1人参加でも大丈夫ですか?
【A.】問題ありません!1人でもWebクリエイター仲間ができることを目標に、安心して参加できます。

【Q.】Web技術に関しての知識が少ないのですが大丈夫ですか?
【A.】問題ありません。
   是非ご参加いただき、できる人と会話していただきご自身の視野を広げてみてください。

【Q.】人見知りですが、大丈夫ですか?
【A.】この会で1人でもWebクリエイター仲間ができたら目標達成です。
   「全員と喋らなければいけない」ということはありませんので、ご安心ください。

【Q.】友人を誘っても平気ですか?
【A.】是非ご一緒に!Webクリエイター仲間であれば是非誘って一緒に楽しみましょう。
   なお、参加表明はお一人ずつ、専用の応募フォームよりご自身でお申し込みください。

【Q.】途中退室、再入場は可能ですか?
【A.】可能です。受付にてリストバンドをお渡しします。
   再入場の場合はリストバンドを着用いただいた上での入場をお願いいたします。

ご参加、お待ちしております。

フリーランスの仕事につながるSNS運用|案件獲得・ポートフォリオ・人脈形成の活用術と注意点

SNSは今やビジネスにおいても欠かせないツールになりました。フリーランスとして独立したい、フリーランスの駆け出しという方の中には、フリーランスとして活躍するためにはSNSは必ず使わなければならないと思っている方もいるのではないでしょうか。今回はそんな方に向けて、そもそもフリーランスにSNSは必要なのか、またフリーランスならではのSNSの活用法、使用する前に考えてほしい点などをお伝えします。

フリーランスとして活躍したい方の中には、SNSの活用が不可欠と考えている方もいるでしょう。しかしSNS運用には圧倒的な時間が必要な割に、それに見合うリターンが得られない場合もあります。メリット・デメリットをしっかり理解したうえで、SNSを活用するかどうか検討しましょう。

フリーランスのSNS活用は慎重に

フリーランスにとってSNSは必要不可欠なツールという情報もたくさんありますが、実はデメリットもあります。運用に時間をかけても仕事が確実に得られるわけではありません。また、中途半端な情報を発信してしまうと、フリーランスとしての専門性やスキルレベルに対する信頼が薄れる可能性もあります。さらに、特に匿名のSNSの場合は自分の投稿が本意と異なる意味で受けとられてしまい、ネガティブなコメントなどが届いてしまうというようなこともあります。それ自体にひとつひとつ対応する必要はありませんが、ネガティブな反応があると、どうしても気持ちの面でマイナスな影響を受けてしまうでしょう。こういった理由からSNSの活用には、ある程度の覚悟が必要です。SNS運用の目的を明確にして、そのためにSNS以外の方法はないのかを慎重に考えることをおすすめします。

フリーランスのためのSNS活用の目的

案件獲得につなげる、実績をアピールする、人脈を広げるなど、SNSはさまざまな活用の仕方があります。日常を伝えるようなプライベートのSNSとは分けて、フリーランスとして使う目的を明確にしたうえで活用しましょう。

情報発信によるブランディング

SNSはフリーランスの“名刺代わり”に使えるツールです。自分の得意分野や過去の実績、かかわるジャンルの情報発信などを通して自分をブランディングできます。クリエイターの場合、これまでの制作物を見える形で発信することができるので、SNSをアピールの場として使えるでしょう。

DMを使った案件獲得へのアプローチ

SNSで案件獲得をするために、仕事を募集していると思われる人にDM(ダイレクト・メッセージ)を送る方法があります。自分が得意な分野などのキーワードで検索して、メッセージを送ります。その際は、自分ができることや単価なども明記するのがおすすめです。DMで返信がくる確率は高くないので、具体的に業務イメージを持ってもらい、相手が発注の判断をしやすくするのがポイントです。

投稿によるポートフォリオの作成

これまでの実績や制作物を投稿することで、SNS自体をポートフォリオとして活用できます。実績を漏れなく投稿しておけば、新たにポートフォリオを用意する必要もなくなります。そして手渡しをする紙の名刺に、SNSアカウントのリンクをポートフォリオとして記載しておくこともできます。ただしSNSはクローズドのグループ以外は、世の中にオープンになる場なので、実績を投稿する際はクライアントの秘密保持契約など、公開が問題ないか確認のうえ投稿しましょう。

コミュニティへの参加による人脈形成

SNSを通して、フリーランス同士や自分がかかわる業界の人たちのコミュニティを見つけることもできます。SNS上で運営されていて、その中でメッセージのやり取りやオンラインイベントに参加できるものもあります。興味のあるキーワードで検索すると、同じテーマに関心のある人とつながることができるでしょう。

CHECK

SNSで情報発信することで、自分のブランディングができる
SNSのDMを活用して案件獲得につなげることもできる
SNSの投稿をポートフォリオとしての活用することや、人脈づくりもできる

フリーランスのための各種SNSの特徴

今や、たくさんのSNSがあり、すべてを網羅するのは難しいこと。ユーザー数や投稿の方法、使いやすさなどそれぞれ異なるので、自分に合ったサービスを選びましょう。

トレンドの情報発信には(X)Twitter

Twitter(X)は、日本国内のユーザーが特に多いSNSです。140字以内という短い文章の投稿をサクサクと読み進めるSNSなので、最新の情報や自分の専門性を分かりやすいテキストにまとめて投稿するのにマッチします。また、仕事の募集を投稿している人も探しやすいので案件を探す際にも活用できます。

写真や動画など視覚的なコンテンツにはInstagram

Instagramは画像がメインのSNSです。クリエイターであれば、制作物の写真や動画をそのまま載せればアピールになります。1つの投稿で複数枚の画像を掲載できるので、ジャンルごとにまとめる、1度にたくさんの実績を伝えるなどの工夫ができ、ポートフォリオとしても活用できます。クリエイター以外の人は実績を伝える画像を作成して投稿しましょう。

共通の友人など人脈の形成にはFacebook

Facebookは基本的には実名で利用するため、ビジネス上のつながりが欲しい時はおすすめです。Facebookにはクローズドで使えるグループ機能があり、これを活用して運営されているコミュニティがあります。特定の興味関心の人たちとつながることができるので活用してみてください。フリーランス仲間のグループや、フリーランスとしてかかわりたいジャンルのグループを探してみましょう。

テキストによるコンテンツマーケティングにはnote

noteは文章をメインとした記事コンテンツを手軽に発信・共有できるSNSです。文章を書くのが得意な方や、ライターとして活動している方は特に使いたいサービスです。ある程度の分量の文章を書く必要があり、読み手にいかに有用な情報を提供できるかがポイントです。

解像度の高いノウハウの開示にはYouTube

You Tubeは動画で情報を伝えられます。フリーランスの使い方としてはノウハウ提供がおすすめ。自分で解説する動画を投稿すれば、人となりが伝わり親近感や信頼感にもつながるでしょう。スマホで撮影した動画でも簡単に投稿できます。文章や画像を作るのが難しい方はYou Tubeを活用してみてください。

SNS活用は職種と相性が良いSNSに絞り時間をかけ過ぎすぎない

デザイナーであれば制作物を画像で投稿できるInstagramとの相性が良いなど、職種によってマッチするSNSは異なります。たくさんのSNSサービスをすべて活用するのは難しいので、自分の職種に合うのはどれかを見極めてください。また、SNSを活用しなければフリーランスとして活動できないわけではありませんので、使うSNSを絞り、運用にあまり時間をかけ過ぎないことをおすすめします。

CHECK

・SNSサービスはたくさんあるので、すべてを網羅的に使うのは難しい
・テキストメインか画像や動画メインかによって、マッチする職種が異なる
・自分に合ったものに絞って時間をかけ過ぎないことが重要

フリーランスのSNS運用のステップ

使用するSNSを決めた後、より効果的にSNSを運用する方法をお伝えします。投稿内容はもちろん、そのほかにも整えておかなければならない項目や準備すべき点があります。今のご自身の時間的なキャパの中でしっかり運用できるかどうか検討してみましょう。

プロフィールを整える

SNS活用のもっとも重要な個所と言えるのがプロフィールです。どのSNSにもプロフィールがあり、投稿に興味を持った人が必ず見る部分です。自分の専門分野、提供できるサービス、これまでの経歴と実績など、クライアントが必要とする情報を記載しましょう。また、プロフィール画像も重要な個所です。顔写真がおすすめですが、難しい場合は制作物の画像や、自分が提供できることが伝わる画像などを掲載してください。そしてプロフィールには、「仕事のご依頼はこちら」という記載も忘れずに。DMや自身のホームページ、メールなどにリンクさせましょう。

ポートフォリオをまとめて掲載する

これまでの実績はぜひ掲載しましょう。通常、ポートフォリオはPPTなどにまとめますが、1つの仕事を1枚の画像にしてSNSで投稿する方法があります。デザイナーの場合、制作物の画像をそのまま投稿するのもよいですし、デザイナー以外なら案件の概要や成果を画像にして、業務内容がひと目で分かるようにするのがおすすめです。自分のアカウントに興味を持ってくれた人は、過去の投稿を見てくれる可能性も高いので、掲載できる実績は漏れなく投稿しましょう。見ている側も、アカウント内に過去の実績がまとまっていると、仕事を依頼するか判断しやすくなります。

専門性のあるコンテンツを定期的に投稿する

SNSを見る人は、自分にとって有益な情報を求めています。フリーランスとして発信する際には、自分ならではの専門性のある内容を投稿しましょう。さらに、そういった情報を定期的に発信することも大切です。「このアカウントをフォローしていれば、常に有益な情報が手に入る」と思ってもらい、アカウントのフォローにつなげ、仕事の依頼が発生した時に思い出してもらえるのが理想的です。専門的な情報を、分かりやすく伝えるのも意識したいポイント。画像や動画、イメージ図なども活用しながら説明しましょう。

ハッシュタグの運用により露出を増やす

SNSならではの機能としてハッシュタグがあります。投稿にハッシュタグをつけることで、検索で見つけてもらいやすくなるのぜひ活用しましょう。自分の投稿やアカウントに関連するキーワードは広めに設定してください。そうすることで検索結果に表示されることが増え、自分のスキルや得意分野に関心のある人に見てもらえる可能性が高まるでしょう。

発信にかかる手間や時間と比べたリターンを考えてSNSを活用する

当然ながら、SNSを活用すれば必ず案件が獲得できるというわけではありません。SNSで仕事をもらえるようになるには、しっかりとアカウント運用をしなければなりません。投稿内容はもちろん、画像を用意するなどの見せ方、投稿頻度、フォロワー獲得など、かなりの工数をかけてアカウントを育てることに加え、DMなどを通じたこちらからの積極的なアプローチも必要になります。

フリーランスとして活躍するためには、最新情報のインプットなど自分のスキルアップも欠かせません。また、案件獲得においては、エージェントサービスの活用など、SNS以外にも効率的な方法があります。SNSを使いたいと考えている方は、発信や運用にかかる手間や時間と、そこで得られるリターンの大きさを冷静に考えることをおすすめします。

CHECK

プロフィールやポートフォリオを整えるのはSNS運用の欠かせないポイント
専門性のある内容やハッシュタグもしっかり準備しなければならない点
SNS運用に大きな工数をかけるだけのリターンがあるか冷静に検討する

フリーランスがSNSを活用する目的は案件獲得や人脈形成などありますが、たとえば案件獲得はエージェントサービス、人脈形成はコミュニティなど、SNS以外にも方法があります。SNS運用は大きな工数が必要になりますが、それだけの成果が約束されているわけではありません。中途半端に運用を始めると、信頼の面で逆効果ということもあり得ます。フリーランスとして活躍するために、SNSが本当に必要かどうかしっかり検討することをおすすめします。

フリーランスの値決めの仕方|適正価格の決め方と単価アップの交渉術

フリーランスの活動で、もっとも悩むのは「値決め」ではないでしょうか。価格相場があることは知りつつも、自分の適正価格を出すのは難しいことです。値上げしたいと思っても、それによって受注が減ってしまう不安もあるでしょう。今回は、フリーランスとして駆け出しの方、またすでにフリーランスとして活躍中だけど値決めに課題を感じている方に向けて、値決めの方法や値上げの交渉方法も含めて解説します。

フリーランスの値決めのポイントは、安易な値下げや根拠のない値上げ交渉をしないことです。自分にとっての適正価格を決めて、必要以上に遠慮せずにクライアントとしっかり交渉していくことが、自分のためでもあり、クライアントのため、さらには市場全体のためにもなります。正しい価格設定と交渉をしましょう。

特別な目的がない限り、値下げや安請け合いをしない

フリーランスの値決めについて最初にお伝えしたいのは、特別な目的がない限り、値下げや安請け合いはしないということです。安易な値下げは基準価格となり、値上げが難しくなることや、さらなる値下げ交渉をされる可能性もあるでしょう。

また受注価格が相場より極端に低い場合、「安い分、品質も悪い」という先入観をもたれてしまうこともあります。フリーランスにとっての値決めは、いわば自分自身のマーケティングです。

一方で、新しいクライアントを獲得するための実績づくりなど、目的がある場合の値下げは例外です。その場合も「この期間だけ」「この案件だけ」というように限定的にすることをおすすめします。

大きな視点で見ると、案件の値下げは自分だけでなく、業界全体の相場の引き下げにつながります。誰かが値下げをすると、それが基準になって、さらにそこから値引きしないと受注できないというような負のスパイラルが起きてしまいます。だからこそ、値下げや安請け合いはしないことが大切です。

駆け出しのフリーランスが適正価格を自分で決めるステップ

フリーランスとして活動を始めたばかりのころの値決めは、自分にとっての基準価格を決めることになるので特に重要です。受注が欲しいばかりに、漠然と低めに設定してしまうと、その金額を基準に次の案件を受けなければならなくなってしまいます。

適正価格は時給をベースに考える

まず、自分の時給のベースを考えます。たとえば会社員として働いていた時の給与から時給を換算し、フリーランスとしてどれぐらい稼働できて、どれぐらい稼ぎたいかというところから逆算して、ベースとなる時給を決めていきます。

フリーランスの求人紹介をするエージェントも「時給単価×必要時間」の価格で募集しているように、フリーランスの適正価格のベースは時給で一度考えると良いでしょう。

業務にかかる工数毎を必要な時間数まで落とし込む

次に、その業務にかかる工数を時間数まで落とし込みます。業務の難易度や範囲、作業量によって変わってくるところです。駆け出しのころは実績がなく、工数の見積もりが難しいかもしれませんが、これまで取り組んだことのある、似たような業務から対応可能な時間数を検討しましょう。

職種・業務や類似した案件の価格相場を調べる

続けて、職種や業務内容などが類似した案件の相場価格を調べます。フリーランスの求人紹介サイトなどで探しましょう。ただし、相場はあくまで平均なので参考値として、相場に縛られ過ぎないように注意しましょう。

自分の今の経験・実績やスキルといった付加価値を価格相場に上乗せする

市場の相場に自分の経験や実績、スキルなどの付加価値を上乗せします。

たとえばデザイン業務の場合、成果物の納品に加えてマーケティングの視点を持ってペルソナ設計ができるなど、プラスαの要素が提供できる場合は、その分を上乗せします。

駆け出しのころは実績が少ないこともあるでしょう。そのような場合は、たとえばクライアントの想定よりも短納期で対応できる、修正依頼に何度でも対応できるというような点も付加価値にできます。

必要な時間数×付加価値込みの時給単価から見積価格を計算する

最後に、これまでお伝えしてきた「業務に必要な時間数」と「付加価値を含めた時給単価」をかけ合わせて、案件に対する価格を決定します。

いきなり適正価格を出そうとすると、いくらぐらいが正しいのか判断できませんが、時給単価、時間数、相場価格、付加価値と細分化していくと、自分にとっての適正価格が決められるでしょう。

CHECK

駆け出しのフリーランスにとって、その後の基準となる最初の値決めは特に重要
適正価格を決める要素は、時給単価、時間数、相場価格、付加価値
経験や実績、スキルに基づく付加価値が、相場を上回る価格設定のポイント

活躍中のフリーランスが自身の適正価格を見直しするステップ

単価を上げたいけど見直しできないという方の中には、自分にとっての適正価格が分からない方が多いのではないでしょうか。適正価格は、論理的に戦略的に算出することができます。活躍中のフリーランスの方が適正価格を見直す具体的なステップをお伝えします。

自分が市場で取りたいポジションをベースに考える

まずは、市場においてどのポジションを取りたいかを考えます。身近な化粧品の例を交えて、ポジションの違いをお伝えします。

  1. とにかく安い×数も多い
    ディスカウントストアや100円ショップなどで扱っている化粧品をイメージです。大量生産や、パッケージにあまり費用をかけないことなどで価格を下げ、誰でも気軽に購入できるようにしています。フリーランスでいうと、スピード重視で小回りがきき、コスパの良さを売りにしていくポジションですね。
  2. 価格は高い×質も高い
    ドラッグストアや量販店で扱っている化粧品のうち、国内の有名消費財メーカーなどが作っている化粧品のイメージです。知名度のある企業の商品なので一定の信頼感もあり、質も保障されています。フリーランスの場合は、ほかの人に比べて高いスキルがあるので、高単価の案件が受けられる人材です。
  3. 高級×希少
    いわゆるブランド品で、高級デパートやオリジナル店舗でのみ取り扱われている化粧品です。フリーランスに置き換えると、自分にしかできない市場を持っている人材です。特定の領域で圧倒的な知見があり、上流から下流までの幅広い経験があるなど、「この人でなければ」と思われるような人材です。フリーランスにとって最終的に目指したいポジションでしょう。

欲しい手取り額に必要経費を載せて売上目標を決める

適正価格を見直すステップの1つが、欲しい手取り額に必要経費を載せて売上目標を決めることです。家賃や住宅ローンや食費などの生活費にフリーランスとして活動するのに必要な、通信費や交通費などの経費・運転資金をプラスします。それが最低限の売上の目標金額となります。

市場ポジションから売上目標に必要な受注案件の種類と数を計算する

続いて、自分が取りたい市場でのポジションにおいて、売上目標を達成するために必要な案件の種類と数を計算します。当然ながら単価の高い市場であれば、必要な受注数は少なくなりますが、単価が低いほど数をこなさなければなりません。

売上の目標金額を達成するための案件内容と案件数のバランスを戦略的に考えましょう。

案件種類ごとに必要な時間数を見積もり、売上目標で割り、時間単価を出す

受注する案件と数が想定できたら、案件の業務内容ごとに必要な時間数を見積もり、売上の目標金額で割って時間単価を出します。

以下、例をお伝えします。

  • 売上の目標金額:20万円
  • 案件の必要時間数:20時間(※案件の種類が1つの場合)
  • 時間単価:20万円÷20時間=1万円

こちらでは案件の種類が1つの場合でお伝えしましたが、業務の内容によって必要な時間数は変わるので、その場合は時間を合算して計算してください。

計算した時間単価の妥当性があるかクライアント目線で確認する

最後に、算出した時間単価がクライアント目線で妥当かどうか確認します。売上の目標金額と必要だと考える時間数から算出しているので、自分としては納得する金額になると思いますが、それがクライアントにとって妥当性があるかどうかが重要です。

クライアントが発注したいと思う金額でなければ“独りよがり”の価格設定になってしまうでしょう。冷静に、客観的に妥当性を確認してみてください。

CHECK

適正価格の見直しの第1ステップは、市場での自分のポジションを決めること
欲しい手取りから売上目標を決め、案件の種類とかかる時間数から時間単価を割り出す
算出した価格がクライアントから見て妥当性があるかが重要

単価相場に依存し過ぎた値決めはNG

値決めの際に、特に注意したいポイントをお伝えします。それは、単価相場に依存し過ぎた値決めはNGということ。単価の相場は、あくまでも平均値です。また、特定の人がネット上で相場を公開しているケースもありますが、それも「その人の場合」という金額です。

同じ業務内容であっても、それぞれの実績やスキルによって単価はまったく異なります。発注するクライアント側も、金額に見合う、またはそれ以上の成果を出してくれる人であれば、相場の平均より高くても依頼したいと考えるでしょう。

市場の相場に引っ張られ過ぎると自分の適正価格を見失ってしまうので、あくまでも参考値としてとらえてください。

単価アップの交渉手順と抑えるべき提案ポイント

自分にとっての適正価格が設定できたら、次はクライアントと交渉していきます。その際の手順をお伝えします。必要以上に遠慮することなく、また一方的な要求にならないように、根拠を持った金額の提示やタイミングを知って交渉を進めていってください。

最大の予算額を事前に確認しておく

単価アップの手順の1つ目は、最大の予算額をクライアントに確認することです。交渉をする際に、クライアントの想定をあまりにも大きく上回るようだと、単価アップは難しくなります。最大の予算額はクライアントにとって、それに見合うクオリティや成果であれば発注するという金額です。あらかじめ聞いておき、それに近い形で、かつ成果をしっかり出すことを伝えれば交渉しやすくなるでしょう。

提示する価格に対して客観的で正当な理由を持つ

次のポイントは、提示する価格に対して客観的で正当が理由を持つこと。単に、相場と比べて低いから、ほかの案件よりも安いから、などの理由で単価アップの交渉をしてもクライアントはなかなか納得しないでしょう。

たとえば、実務経験が長くなったのでそれだけスキルアップしている、受注当初に比べて業務量が増えているなど、クライアントも共通理解が持てるような理由が必要です。

適切な交渉タイミングを見極めてアプローチする

単価アップの交渉にはタイミングも重要です。闇雲に交渉をしてもタイミングが悪いために単価アップがかなわないこともあります。交渉がうまくいきそうなタイミングを見計らって進めましょう。

業務量や業務スコープが変化するタイミング

量やスコープが増えるということは、クライアントが信頼して業務を任せてくれている証拠でもあります。信頼関係もある中なので単価アップの交渉もしやすいでしょう。

既存クライアントのリピートで契約書を巻き直すタイミング

リピートしてくれるということは継続して業務を依頼したいと思ってくれているということ。前回と同じ業務内容だったとしても、たとえば業務のスピード感が上がっていたり、実績が増えていたり、また、ほかのクライアントでより高い単価で受注しているなどをもとに、単価アップを交渉してみましょう。

提案時の見積もりは品目を細かく、工数と費用を明確に記載する

単価アップの交渉の最後のポイントは、提案の際の見積もりは品目をできるだけ細かくして、品目ごとの工数と費用を明確に記載することです。大まかな見積もりだと、クライアントは何にどれぐらいかかるか分からず、本当は必要な工数があるのに、漠然と割高な印象になってしまうこともあります。業務の工程をできるだけ詳細に分類して、かかる工数と費用を明確にして、妥当性のある価格と明示しましょう。

CHECK

単価アップの交渉のポイントの1つは、提示金額に対する客観的で正当な理由を持つこと
業務範囲の拡大やリピートなど交渉のタイミングが重要
細かな見積もりによってクライアントに納得感を持ってもらうこと

フリーランスとして活動する際に1番悩むポイントである値決め。自分にとっての適正価格の設定の仕方と、それに基づいた単価アップの交渉術をお伝えしてきました。案件獲得のためには単価を下げたほうがいいのでは、と考える気持ちはとてもよく分かりますが、それは自分が苦しくなるだけでなく、フリーランスの市場全体にもよい影響を与えません。工数や時間単価をていねいに分解していけば適正価格は設定できます。ぜひ今回ご紹介した手順に沿って進めてみてくださいね。

フリーランスのオフィス環境を整えるために|集中力アップと仕事効率を高める自宅・レンタル・シェアオフィスの選び方

フリーランスで仕事をする際、働く場所の選択肢は無限です。どこでも働けるのが魅力である半面、効率良く仕事できる場所が確保出来ないと収入が危うくなります。

フリーランスで働く場所の候補や、場所を選ぶ際の考え方をお伝えします。

稼ぐフリーランスは作業環境に投資を惜しまない

会社や組織に属さないフリーランスの大きなメリットは、働く時間や場所を自分で選べることです。自由であるからこそ、プライベートと仕事の線引きが難しく、自身の生産性を意識的に管理する必要があります。

生産性を上げるためには、「作業がはかどる環境づくり」が必要不可欠。家のダイニングテーブルと椅子で仕事をしていては効率は良くないです。

必要な設備が整っていて、集中でき、生産性高く仕事が出来る場所はフリーランスにとってとても大切!海辺のカフェで仕事しているオシャレなイメージなどありますが、日差しでモニターが見づらいし、砂が飛んでくるし、全く効率が上がらないというのが現実です。効率よく稼ぐために、自分にとって働きやすい環境作りを行いましょう。

フリーランスのオフィス事情

子育てをしながらフリーで仕事をしたいと考えるフリーランスの場合、自宅が第一の仕事場候補になるでしょう。他にも、カフェやコワーキングスペースを利用したり、オフィスを借りるのも選択肢に入ります。

フリーランスとして独立したばかりでまとまった資金が確保できていない時点では、まず自宅で働くことから始めるのが無難です。

自宅オフィスで働くフリーランスが多い

「フリーランスの実態に関する調査」によると、フリーランスの約6割が自宅を作業場にしています。

事業を行う場所が「自宅の居室」と回答する割合をみると、フリーランスは61.1%にのぼり、多くが在宅就業である

「フリーランスの実態に関する調査」2018年日本政策金融公庫

フリーランスの登記に事務所を登記する必要はない

事業を行うにあたり、法人を設立した際は「法人登記」として法人名、設立年月日、住所、事業内容などの登記が必要とされていますが、フリーランスの場合は法人登記は必須ではなく「開業届」のみで問題ありません。

CHECK

稼げるフリーランスになるためには効率よく仕事できる環境づくりが不可欠
フリーランスの6割は自宅をオフィスにしている
フリーランスの場合住所を登記する必要はない

フリーランスのオフィスの選択肢とメリット・デメリット

フリーランスで働くにあたって、打ち合わせや作業に集中できるスペースの確保をしておきたいものです。働く場所の選択肢として、自宅、シェアオフィス、カフェなどがあります。

カフェに関しては騒がしかったり席が確保できない可能性があるので、あくまでサードプレイスとして使いましょう。

フリーランスのオフィス選択肢としては、自宅をオフィスとして利用するパターンと、自宅とオフィスを分けるパターンの2つです。それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

通勤の必要がなく時間を有効活用するには自宅オフィス

自宅をオフィスにする大きなメリットは、コストがかからない点と、移動時間が無駄にならない点です。

自宅オフィスのメリット

コストをおさえられる
オフィスを別に借りる費用や交通費をおさえられるだけでなく、自宅の賃料や光熱費の一部を経費として計上可能です。

時間が有効活用できる
オフィスまでの移動時間が不要なので、仕事ができる時間がその分多く確保できます。自宅にいればランチなどの食事も簡単に用意出来るので、時間とお金の節約につながります。

柔軟な働き方ができる
仕事の合間に家事や育児・介護ができ、両立しやすいのが自宅オフィスです。お子さんが学校から帰って来て家でひとりでお留守番しなければならない、ということもないので働く親としては安心です。

自宅オフィスのデメリット

仕事とプライベートの切り替えが難しい
仕事とプライベートを同じ空間で行うため、オン・オフの切り替えがしづらく長時間働きがちになり、体調を崩すことにも繋がります。ジョギングや散歩で外に出る時間を作るなど、積極的に気分転換のルーチンを作る事が大切です。

集中力の維持が課題
仕事に向いていない椅子や机で仕事をすると身体が痛み、集中力が続きません。見える範囲内にテレビがあるなど集中をさまたげるものがあるのも仕事の邪魔になります。また、同居されている家族がいる場合、なかなか集中しづらいのが自宅で働くデメリットです。

孤独感につながりやすい
フリーランスは基本的に1人で仕事をするわけですが、自分から積極的に外に出て人脈を作らないとなかなか輪が広がりません。1日中自宅で仕事をしていると仲間ができず、孤独感につながります。

個人・複数人で集中できる作業環境にはレンタルオフィス・シェアオフィス

レンタルオフィス・シェアオフィスは、自分専用の作業スペースを確保できる場所です。個室や個人ブース単位で契約できるレンタルオフィス、共用スペースをシェアして使うシェアオフィスがあります。

レンタルオフィス・シェアオフィスのメリット

プライバシーの確保ができる
レンタルオフィス・シェアオフィスの住所や電話番号はビジネスで利用することが可能です。自宅の住所やプライベートの電話番号を公開せずにプライバシーを守りながら仕事をすることが出来ます。

ビジネス用住所として使える
例えば渋谷や六本木のレンタルオフィスを契約すればその住所を会社の所在地として表記でき、社会的信用度が上がります。

レンタルオフィス・シェアオフィスのデメリット

比較的高コストである
立地やサービス内容により異なりますが、レンタルオフィスを借りる場合は月額3万~10万円前後の費用が掛かります。売上計画と照らし合わせて支払い可能な範囲内で探しましょう。

契約期間の縛りがある場合もある
契約期間が短期で、即入居可能なのがレンタルオフィスの売りですが、契約期間の縛りがある場合もあるので契約時にきちんと内容を確認しましょう。

他フリーランスとの交流の機会も期待するならコワーキングスペース

コワーキングスペースはシェアオフィスと似ていますが、利用者間の交流を重視している場を指し、人脈づくりの場としても適しています。

コワーキングスペースのメリット

人脈が広がる
新しい出会いや人脈作りが出来るのがコワーキングスペースの大きなメリット。様々な業種の人と交流ができ、新たなアイデアやビジネスチャンスにつながります。

快適な作業環境がある
高速インターネット、プリンター、会議室、カフェサービスなど、自宅オフィスでは実現できない設備が整っているのが魅力です。

柔軟な利用プランである
コワーキングスペースはレンタルオフィスと比べて柔軟な契約プランが用意されており、必要に応じて短期間から長期間まで利用が出来ます。

コワーキングスペースのデメリット

月額の固定費用がかかる
レンタルオフィスよりもリーズナブルですが、コワーキングスペースを利用する場合、月額5,000~3万円程度かかります。

話し声が気になる人には不向き
コワーキングスペースは会話OKな場所であるため、常に誰かしらの話し声が聞こえます。静かな環境でないと集中できない方には向かない可能性が高いです。

CHECK

コストを抑えて時間を有効活用したい場合は自宅オフィス
設備やプライバシーを重視する場合はレンタルオフィスやシェアオフィス
人脈作りも行いたい場合はコワーキングスペース

フリーランスのためのオフィス選び・作業環境作りのポイント

フリーランスにとって効率的に働く環境があるかどうかは売上を左右する大切なポイントです。自宅ではどうしても集中できない場合は、オフィスを借りることも検討しましょう。

立地・アクセスがよいか

家からのアクセスの良さ、利便性は重要です。対面での打ち合わせは昨今少なくなっているので、クライアントとの打ち合わせ場所としての利便性ではなく、自分自身が通いやすい場所を優先して考えましょう。

継続して利用ができる範囲の費用であるか

家賃を含む経費が売上を超えると赤字になるので、月々の費用と売上金額のバランスを考慮して物件を決めましょう。

コワーキングスペースの利用料の目安は月額5,000~3万円程度、オフィスの家賃は3万~10万円前後とさまざまです。

自然光が取り入れられているか

健康的な働き方を実現するには「自然の光」のある環境が必要だと、“Harvard Business Review” 誌で「The #1 Office Perk? Natural Light」として取り上げられました。

自然光のもとで働くことにより、目の疲れが軽減され、良質な睡眠がとれるという研究結果もあります。

静かな環境で集中力を高めるられるか

シェアオフィスでは、他の利用者のオンライン商談が聞こえてくることもあります。ある程度の音があったほうが集中できる人もいれば静かなほうが良い人もいるので、好みの問題ですが、自分自身が集中できる環境が確保できるかは要確認です。

集中ブースや個室ブースがあるシェアオフィスもあるので設備も確認しましょう。

長時間座っても疲れない椅子などがあるか

椅子、モニター、プリンター、スキャナー、デスクライトなど、仕事がはかどる設備が整っているかどうかも忘れずにチェックしましょう。特に椅子は座り仕事がメインのフリーランスにとって大切な存在。

疲れにくい、姿勢が悪くならない、クッション性がある、など様々な椅子がありますので、自分に合った椅子があるところが良いです。

オンライン会議に対応した設備があるか

フリーランスはオンラインで商談や打ち合わせをする機会が多いので、落ち着いてオンライン会議が出来る場所を確保しましょう。

シェアオフィスの場合は予約制でブースを借りられるオプションを設けているところが多いです。

リラックスできる休憩スペースがあるか

フリーランスが集中力を持続させるためのメソッドは様々なものが紹介されていますが、共通するのはきちんと休憩時間を取ることです。

自分の集中ピーク時間を確保すると同時に、リラックスする場所と時間をきちんと確保することも生産性アップにつながります。

他の利用者との交流の機会があるか

フリーランスは自分でチャンスを取りに行くことでビジネスチャンスが広がります。

他のフリーランスの方と協働したり、新しいクライアント開拓につながる交流の機会は積極的に利用したいです。

フリーランスがオフィス・作業環境を作る流れ

フリーランスが働く環境整備にはまず、どこを拠点にして働くのかを決めましょう。

自宅で働く場合の流れ

  1. 仕事用のスペースを確保
  2. デスクや椅子など仕事用のものを新調
  3. モニターやプリンターなど作業に必要な機器を設置
  4. 住所や電話番号を公開したくない場合はバーチャルオフィス併用も検討

オフィスを構える場合の流れ

  1. オフィスの用途を整理し、目的に合った場所を探す
  2. いくつかのオフィスをドロップイン利用し雰囲気を確認
  3. 必要書類を準備して契約をする
  4. 仕事用に必要な機器がプラスで必要であれば設置

オフィス選びはまず実際に内覧に行って検討する

場所と値段だけで決めるのではなく、家と同じようにオフィスもまず内覧に行きましょう。

ドロップインや体験などで1日過ごし、入居者層や雰囲気、BGMの音量、インテリアや設備などを実際に自分の目で確認します。いくつか内覧し、ここなら仕事がはかどりそう、と思ったところに決めます。

作業場だけ欲しい場合はオフィスのサブスクサービスも一手

場所や人脈作りにこだわらず、いろいろなところで作業が出来るようにしたいという場合には、サブスクサービスがあります。

提携する全国のワークスペースを使い放題で利用できるプランで、自宅以外のワークスペースを持ちたい方におすすめです。

ATTENTION

サブスクサービス「NIKKEI OFFICE PASS

フリーランスのオフィスは自宅の場合も家事按分で経費化できる

フリーランスが自宅の一部をオフィスとして使う場合、家賃や光熱費の一部を経費として計上することが出来ます。

家事按分の対象となる主な費用項目としては、家賃、水道光熱費、通信費、交際費、交通費などが挙げられます。確定申告の際には忘れずに計上しましょう。

自宅での作業環境を整えつつも他者との交流の機会は大切に

自宅の一室を自分好みにカスタマイズして環境づくりに投資するなり、オフィスを借りてオンオフのメリットを付けて働くなり、自分なりの働きやすい環境を見つけていきましょう。環境や設備といったハード面の働きやすさだけでなく、人とのつながりのソフト面も実は大切なポイント。自宅で働いてもオフィスで働いても、コミュニティに属しておくことをおすすめします。

CHECK

オフィスに求める条件をまず整理すること
効率的に働く環境に欠かせない条件も整理し、自分にあったオフィスづくりをする
作業場所だけ欲しい場合はサブスクサービスもある
他者との交流の機会はいつまでも大切にする

フリーランスとして効率的に稼ぐためには生産性の管理が必要です。自分が効率よく働きやすい環境を積極的に作り、投資を惜しまないようにしましょう。

フリーランスの会計処理を効率化|経費管理・確定申告・節税対策に役立つクレジットカードの選び方

フリーランスとして独立すると決めたらまず作っておきたいのがクレジットカード。独立後ではなく独立前の準備段階で作ってしまいましょう。

独立前にこそフリーランスはクレジットカードを作るべき

開業準備時にはさまざまなものが必要になります。オフィスを借りる、家具や備品を購入するなど、物を買う機会が出てくる独立前にこそ、クレジットカードを作っておくとポイント利用ができて経費削減につながります。確定申告をしようと思ったら開業時の領収書が見つからないといったことにならないように、独立前に1枚はクレジットカードを作っておいた方がよいでしょう。

プライベートで使うクレジットカードと事業用に使うクレジットカードは別々にするのがおすすめです。事業用のクレジットカードを独立して持つことで、ビジネスにまつわる会計処理がぐっと楽になりますよ!

フリーランスがクレジットカードを使う理由

フリーランスとして事業用クレジットカードを作るべき理由は多くあります。プライベート用と事業用でカードを分けることで、経費の管理や確定申告などの会計処理がスムーズになるのが大きなメリットです。

経費管理の効率化

収支を管理するために使われている会計ソフトには、クレジットカードとの連携機能があります。カード支払いを行った際に自動でデータが蓄積されるため、領収書をもらって会計ソフトに手入力する手間を省くことが出来ます。

確定申告の手続き簡素化

確定申告をスムーズに行うには、日々の収支の記録をいかにわかりやすくまとめているかが重要です。会計ソフトとクレジットカードを連携させて取引明細を自動処理することで、確定申告の書類作成が楽になります。

節税対策(年会費の経費計上、ポイント還元)

事業用クレジットカードの年会費は「支払手数料」として経費計上できます。また、事業に関連する支払いは大きな額のものも多くポイントがたまりやすくなります。貯めたポイントを交換したりキャッシュバックしながら経費節減につなげましょう。

ビジネスに役立つ特典の利用

法人用のクレジットカードにはビジネスシーンを応援するサービスが充実しています。チケット優待サービス、空港ラウンジ利用、会計ソフトの料金優遇、福利厚生サービスの優待利用など、カードごとにさまざまな特典があるので比較検討してみましょう。

キャッシュフローの改善

法人用のクレジットカードは個人向けのクレジットカードと比べて利用限度額が高く設定されており資金繰りに役立ちます。また、カード利用日から実際の支払いまで時間のゆとりがあるので、キャッシュフローをコントロールしやすいのもメリットです。クレジットカードでの支払い設定をすることで、家賃、光熱費、税金などバラバラな経費の支払日も固定化することが出来、支払いの見通しを立てやすくなります。

CHECK

独立準備段階でクレジットカードを作っておくのがおすすめ
ビジネス用のクレジットカードを作ることで経費管理や確定申告の手続きが楽になります
法人カードによってはビジネスシーンに役立つ特典があるので要チェック

フリーランスはビジネスカードを必ずしも選ばなくても良い

クレジットカードには「個人カード」と「法人カード(ビジネスカード)」の2種類が存在します。法人カードは経営者の信用情報に加え、法人としての信用力も審査対象となります。

個人事業主として持っておきたいクレジットカードとしては個人用でも法人用でもどちらでも問題ありません。クレジットカードを使う目的を整理して、ポイントを絞って自分に合ったカードを選びましょう。

フリーランスがクレジットカードを選ぶポイント

クレジットカードを作る際には、次の項目をチェックしながら自分に合ったカードを選ぶことが大切です。

  • 年会費
  • 利用限度額
  • 付帯サービス
  • ポイント還元率
  • 飲食店などの割引サービス

独立したばかりの場合は、年会費無料のカードから始めるのが無難です。事業用の経費が高額になる場合は利用限度額が高いもの、経費削減を意識したい場合はポイント還元率の良いものを選びましょう。

年会費無料のおすすめカード

楽天カード

年会費が永年無料で、楽天市場などの楽天グループでのサービスで利用すると高い還元率でポイントが貯まります。

ポイント高還元のクレジットカード

PayPayカード

最大1.5%のポイント還元を狙える、特典でもらえるポイントが多い、公共料金の支払いでもポイントが貯まる、無期限でポイントを利用できるといったポイントの使いやすさが魅力のカード。

リクルートカード

常時還元率が1.2%と高還元率でポイントがすぐ貯まる、貯まったポイントがPonta・dポイントに即時交換できるところが人気のカード。

旅行保険が充実したカード

エポスカード

取材などで出張が多い人は是非考慮したい旅行保険付きのクレジットカード。海外旅行保険の利用付帯、手厚い補償内容、エポスカード海外サポートデスクが世界各国にありトラブル時も現地で日本語対応が可能です。

付帯サービスがあるカード

クレジットカードの付帯サービスには様々なものがあります。自分の利用シーンに合った特典がついているカードを選びましょう。

特典例

  • ショッピング割引や特典
  • 人気のホテルや旅館にお得に宿泊
  • 空港ラウンジの無料利用
  • 航空マイルやポイントプログラム
  • 割引やキャッシュバック
  • 各種保険

経費管理機能があるカード 

日々の帳簿や確定申告の手続きを楽にしたい場合は、会計ソフト会社が出しているクレジットカードがおすすめ。会計ソフトとのスムーズな連携により、経理の処理にかかる時間を大幅に削減できるだけでなく、年会費・発行手数料無料、開業直後のカード発行可能など使いやすいポイントが詰まっています。

freeeカード Unlimited

マネーフォワード ビジネスカード

分割払いやリボ払いの選択があるカード

分割払い(利用金額の支払回数を指定して支払う方式)やリボ払い(設定した一定の金額を毎月支払う方式)をする可能性があるのであれば、条件や手数料をきちんと確認してカードを選びましょう。リボ払い専用カードというのもあります。

CHECK

クレジットカードには個人用カードと法人用カードがある
法人用カード(ビジネスカード)はビジネスに特化した特典がついている
年会費やポイント還元率などを比較し自身のビジネスサイズに合ったカードを選ぼう

フリーランス向けビジネスにも使えるクレジットカード

法人向けのビジネスカードの大きな魅力は利用限度額が大きいところ。事業用のクレジットカードを作った場合、フリーランス運営に関わるあらゆる経費を支払うことになるのでクレジットカードの利用限度額が大きいほうが安心です。

限度額だけでなく、ビジネスシーンに役立つ特典や優待サービスが多くあるのがビジネスカードの特徴なので、ご自身のビジネス規模や支払いサイクルに合わせて検討しましょう。

三井住友カード ビジネスオーナーズ

スタートアップ企業や副業・フリーランス向けの法人カード。申込時の登記簿謄本などの書類提出が不要で気軽に作りやすい法人カードです。東海道新幹線のネット予約&チケットレスサービスや福利厚生代行サービスなど付帯サービスも充実しています。スタートアップ企業や副業・フリーランス向けの法人カード。申込時の登記簿謄本などの書類提出が不要で気軽に作りやすい法人カードです。東海道新幹線のネット予約&チケットレスサービスや福利厚生代行サービスなど付帯サービスも充実しています。

JCB CARD Biz

個人事業主特化型JCBカード。インターネットで申し込み完結でき、法人カードにも関わらず個人与信なので本人確認書類のみで申請可能です。フリーランスがひとりで使う法人カードとして人気があります。

楽天カード

楽天プレミアムカードの特典に加え、接待・出張・オフィス環境の充実・ビジネスツールなどに使える多彩なサービスが利用可能。ETCカードを複数枚作れるところも魅力です。

セゾンコバルト・アメリカン・エキスプレスカード

個人事業主やスタートアップ企業のために特化した法人カードで、登記簿謄本などの提出不要で開業前でも気軽に申し込めます。レンタルサーバーやクラウドサービスの優待利用などビジネスに特化した特典があります。

オリコ EX Gold for Biz S

フリーランスなど個人事業主向けのオリコ法人カードです。オリコの証書貸付やローンカードの金利が優遇されるサービスがある他、freee会計の有料プランが3ヶ月分お得になります。


フリーランスのクレジットカードに関するFAQ

申し込むカードが決まった後、実際にカードの申し込みをした後によく出てくる疑問への答えをまとめました。

申込時の職業・勤務先はどのように書くべき?

職業欄には「屋号」、勤務先欄には「就業している場所の住所」を記入します。屋号がない場合は個人名や個人事業主と記載することも可能ですが、一般的に屋号がある方が信用度が上がると言われています。

審査に落ちた場合はどうするべき?

すぐにクレジットを使う必要がない場合は、数ヶ月期間を空けてから再度申し込んでみましょう。収入や実績が向上していれば再審査で通る可能性があります。

すぐにでも使いたい場合はクレジットカードではなくデビットカードの検討がおすすめです。デビットカードとは利用と同時に引き落とし口座から利用代金が引き落とされるもので、与信審査がなく作りやすいのがメリットです。

フリーランスは複数枚持つべき?

1人で事業を行っている限り、ビジネス用のクレジットカードは1枚で十分です。カードごとに異なるさまざまな特典や優待サービスを受けたい場合はプライベート用のカードとして契約しましょう。

法人化して社員を雇用する場合は、法人カードのサービス内の追加カードとして社員用に新たにカードを追加できます。

キャッシング機能はつけるべき?

フリーランスがクレジットカードを使う大きな目的は資金調達と会計処理の効率化です。

分割やリボ払いと同じようにキャッシング機能は手数料もかかるため積極的な活用はおすすめしません。

CHECK

登記簿謄本などの提出不要で本人確認のみでつくれるビジネスカードはフリーランスでも作りやすくておすすめ
分割払い、リボ払い、キャッシング機能など手数料がかさむサービスは極力使わない
クレジットカードの審査が通らなかった場合はデビットカードも選択肢に

個人事業主やフリーランスに特化したビジネスカードがあるほど、フリーランスにとって必要不可欠なクレジットカード。ビジネスを加速させ、効率化アップをさせてくれる頼もしい存在です。

フリーランスの仕事につなげる交流会|イベントの探し方・信頼関係の築き方・具体的アクションを解説

今回は、フリーランスとして独立したい、またフリーランスの駆け出しという方向けに、フリーランス同士の交流会の必要性や参加するメリット、交流会の探し方、参加する際の注意点などをお伝えします。

フリーランスとして活躍したい方には交流会に参加することをおすすめします。フリーランス同士のネットワークができるほか、最新の情報収集や案件獲得につながることも期待できます。参加する目的を明確にして有効に活用しましょう。

フリーランスは積極的に外に出て、人とのご縁を作りにいくべき

フリーランスの業務は在宅のものが大半です。一部の企業常駐型のフリーランス以外は、基本的には家で1人で作業を進めることになるので、外部の人との交流の機会は少ないでしょう。会社員のように組織に所属しているわけではないので、「隣の席のメンバーにちょっと話しかける」というようなコミュニケーションはありません。

こういう状況が続くと、モチベーションの維持や業界の最新情報を入手することが難しくなります。そんな時の打開策として活用したいのがフリーランス同士の交流会です。新たな人との縁を作るために自分から行動しましょう。

フリーランス交流会は名刺交換や情報交換を対面・オンラインで実施

フリーランスや個人事業主を対象とした異業種交流のイベントはさまざま開催されています。東京、大阪、名古屋などの主要都市では対面式の交流会が多いほか、最近はオンライン開催も増えています。参加費は2,000円前後のものが大半で、参加者同士の名刺交換や情報交換が目的の場合はほとんどです。

CHECK

在宅のフリーランスは、人との新たなつながりを作る機会がほとんどない
モチベーション維持や情報収集のために活用できるのがフリーランス同士の交流会
名刺交換や情報交換を目的にした交流会が多いので有効に活用する

交流会に参加するメリットや目的

フリーランス交流会に参加するメリットはたくさんあります。孤独感を感じている、フリーランスならではの悩みや不安がある、フリーランスとしてもっとスキルアップしていきたいという方はぜひ積極的に参加してみてください。

孤独になりがちなフリーランスが同じ立場の人々との人脈形成

在宅のフリーランスは人とのコミュニケーションが極端に少ないため、孤独になりがちです。自分で人と交流する機会を作らなければ、誰とも話さずに日々が過ぎることもしばしば。フリーランス同士の交流会には同じ状況の人たちが集まるため、孤独な気持ちを理解し合いながら人脈を形成できます。同じようにがんばっている仲間がいるから自分もがんばろうというモチベーションにもなるでしょう。

業界の最新情報や仕事のノウハウなどを交換する情報交換

フリーランスは、自分がかかわっている業界や職種の情報収集にかたよりがちになります。いろんな業務に取り組んでいる人たちと交流することで、自分1人では集められない業界の最新情報が得られるでしょう。実際にその業界で働いている人たちなので、Web上では集められない「生の情報」に触れられます。また、1人で仕事を進めるフリーランスならではの仕事のノウハウも共有できます。仕事の進め方で悩んでいることがあれば解決できることもたくさんあるでしょう。

他のフリーランスから仕事を紹介や直接仕事の受注などの仕事獲得の機会

案件を紹介してもらえるメリットもあります。実際に会って話ができるので、こちらからアピールすることもできます。参加している人から、いい仕事の探し方を教えてもらうことや、その人から直接仕事を受けられることもあります。すぐの案件紹介につながらなくても、のちのち一緒に仕事をする人脈もできるでしょう。

他の参加者の経験談を聞くことによるスキルアップとモチベーション向上

ほかのフリーランスの人たちがどんな仕事を受けているのかなど実際の経験談を聞くことで、モチベーションアップにつながります。自分と同じような業務をやっている人がどんなふうに仕事の幅を広げているのか、より高単価の案件をどうやって獲得しているのかなどノウハウを知ることができるでしょう。

孤独感の解消や確定申告や単価設定など具体的な悩みの共有と解決

確定申告や単価設定などフリーランスならではの悩みを相談できる相手がいないフリーランスも多いでしょう。交流会ではこういった悩みも相談・解決できます。便利なツールや方法、苦労した点などを共有し合いましょう。Web上にもさまざまなノウハウはありますが、やはり実際に取り組んでいる人の声は貴重な情報です。何かあった時に相談できる仲間ができるのも交流会参加の大きなメリットです。

CHECK

フリーランス交流会に参加するメリットは人脈形成や情報交換
刺激を受けることでモチベーションアップやスキルアップにつながる
交流会での縁が仕事の獲得につながる可能性もあるので積極的に活用する

フリーランス交流会の探し方

交流会に参加したいと思ったら、自分に合うイベントを探してみましょう。イベント告知サイトやSNS、コワーキングスペース、コミュニティを活用した探し方を紹介します。

主な交流会イベント確認サイトから探す

フリーランス交流会に限らず、イベント情報を集めているサイトがあります。イベント告知に特化しているので、テーマや日程、キーワードなどから検索しやすいでしょう。

こくちーずプロ

73万人以上が利用するイベント集客プラットフォームです。「フリーランス交流会イベント特集」という特集もあり、こくちーずプロ内で募集されている交流会が選びやすくなっています。

Meetup

誰でも無料で利用できるプラットフォームで、毎日何かしらのイベントが開催されています。フリーランス交流会の検索には「キャリア&ビジネス」がおすすめです。

ATTENTION

Meetup

Doomo(ドーモ)

東京を中心にテーマ型のビジネス交流会を開催しています。「フリーランス交流会 個人事業主・自営業者の交流イベント」も定期的に開催されています。

Peatix

誰でも簡単にイベント管理できるサービスです。ビジネスのほか、エンタメ・ライフスタイルなど15,000以上のイベントが掲載されていて、フリーランス向けのイベントも多数告知されています。

ATTENTION

Peatix

connpass

エンジニアをつなぐIT勉強会支援プラットフォーム。フリーランスエンジニアに特におすすめで、ITの知識や技術が学べる勉強会や交流会が多く開催されています。

ATTENTION

connpass

TechPLAY

IT系のイベント、勉強会、交流会、カンファレンスなどの情報が掲載されています。「技術キーワード」「タグ」「エリア」「スケジュール」の条件で興味のあるイベントが探せます。

ATTENTION

TechPLAY

Doorkeeper(ドアキーパー)

イベント運営に加えてコミュニティ管理もできるサービスです。イベント終了後に会員同士がつながれるコミュニティもあります。関心のあるキーワードと日程からイベント検索できます。

FacebookグループやX(旧Twitter)でのSNS告知から探す

SNSで探す方法もあります。「フリーランス」「交流会」などのキーワードで検索してみましょう。会社や団体が主催しているものもあれば、個人で開催しているものもあります。SNSで検索すると、交流会の情報だけでなく、フリーランス向けのサービスを提供している会社や、フリーランス個人の情報を得ることもできます。サービス提供会社や業界の著名人をフォローして、最新の交流会情報を見逃さないようにしておきましょう。

コワーキングスペースでのリアルイベントを探す

コワーキングスペースが交流会を主催していることもあります。コワーキングスペースの場合は会場があるため基本的にはリアル開催となります。対面でのコミュニケーションの機会を探している方には特におすすめです。コワーキングスペースの場合、普段そこを利用している人の参加も多いので、普段なかなか出会えないような多様な業界の人とのつながりが作れるでしょう。

フリーランスコミュニティから探す

職種が絞られたものや、仕事のマッチングサービスと一体になったものなど、フリーランス向けのコミュニティがさまざまな交流会を開催しています。案件紹介がセットになっているイベントもあるので、案件獲得を目的としている方は注目です。

Workship LAB

フリーランス・副業向けマッチングサービス「Workship」が運営する完全招待制のフリーランス・副業コミュニティです。参加は無料で、フリーランスならではの悩みやノウハウを会員同士で共有できます。

ATTENTION

Workship LAB

フリーランス協会

自分の名前で仕事をしたい人のためのインフラ&コミュニティ。国内最大級のフリーランスネットワークです。フリーランス向けのさまざまなノウハウが提供されているほか、イベントも定期的に開催されています。

新しい働き方LAB

大手クラウドソーシングサービスのランサーズが運営するフリーランスコミュニティ。全国各地のコワーキングスペースを拠点として、「つながり」「気づき」「学び」の場が提供されています。

FleelanceNow

5,000人以上が所属する日本最大級の実名制フリーランスコミュニティ。「仕事とつながる、仲間とつながる」というビジョンのもと運営されています。クローズドのFacebookグループにてフリーランス同士がやり取りしています。

ATTENTION

FleelanceNow

Home Worker’s Community

クリエイターやエンジニアの活動をサポートするサービスを提供しています。人脈構築サポートとして、募集人数が限られたイベントや勉強会が開催されています。

CHECK

交流会はイベント告知サイトやSNS、コワーキングスペース、コミュニティを活用して探すテーマや日程から探したい場合はイベント告知サイトを、幅広く探したいならSNSを活用
コワーキングスペースは広い業界とのつながりが、コミュニティはクローズドのつながりが期待できる

詐欺紛いの業者主催の「営業目的」の交流会や詐欺に注意

フリーランスの交流会はさまざまなメリットがある一方で注意点もあります。詐欺紛いの勧誘や悪徳商法の業者が主催している場合もあるので、主催者が信頼できる会社・人なのか、連絡先が明記されているかなどを確認しましょう。あわせて、参加条件や参加ルールもチェックしましょう。勧誘などの目的で参加できないようにルールが明文化されていると安心です。過去に開催されたイベントの感想や口コミなども参考になります。

「有意義な交流会イベント」の見極め方

貴重な時間を使って交流会イベントに参加するので、人脈の広がりやスキルアップにつながるなど、メリットが大きいものを見極めましょう。「せっかく参加したのに得るものがなかった…」とならないように、イベント選びも大切なポイントです。

業界の有名人がフリーランス向けにイベントを主催している

自分が活躍したいと思っている業界で実績を上げている人や、こういうふうに活躍したいと思える人など、有名人が開催しているイベントは安心して参加できますし、インプットも大きいでしょう。自分の価値観に近い人も集まってくるので、参加者同士のつながりも期待できます。

地元の経営者がイベントを主催している

地元の経営者が主催するイベントもおすすめです。フリーランスとして活躍するために、人と人とのつながりはとても重要です。地元であれば1つの案件から次の案件につながる可能性の高いため、地元で開催されるイベントはチェックしましょう。

職種などが限定された目的が明確なイベント

職種や業界などが限定されていて自分の得意領域ややっていきたいジャンルにマッチしたイベントは、そこに関心のある人だけが参加するのでより深い情報が得られます。ピンポイントのイベントがあれば逃さずに参加しましょう。

開催実績が豊富にありSNSなどでの評価が良い運営者のイベント

過去に開催したイベントを調べるのも大切です。そのイベントの感想や口コミを見て、評価が高い運営者が主催している場合は安心して参加できます。感想では、実際にどんな内容のイベントで、どんな参加者が集まっているかも分かるので交流会の様子もイメージできるでしょう。

CHECK

交流会の主催者が信頼できる会社・人なのか、連絡先が明記されているかなどを確認
業界の有名人や地元の経営者が主催する交流会がおすすめ
職種が限定されたもの、SNSの評価が高いイベントも要チェック

交流会に向けた準備や心構え

時間を割いて参加する交流会を、より有意義なものにするために事前の準備は欠かせません。交流会の必須アイテムである名刺も、参加するイベントによってどんな情報を載せるかなど工夫できます。このほか、参加した際の動き方やアフターフォローもコツがあります。

自己紹介に必要な名刺やポートフォリオを準備する

交流会に参加する大きな目的が人脈作り。それに欠かせないのが名刺です。相手の印象に残るこだわったデザインにすることや、自分の得意分野を書いておくと、名刺を渡した際の話題作りもできます。ただし、交流会はビジネスの場と違い不特定多数の人が集まるので、電話番号などは省き、自分のHPやメールアドレス、SNSのアカウントを入れるのがおすすめです。また、名刺にポートフォリオに誘導するQRコードを載せるのもよいでしょう。そのためにも交流会前にはポートフォリオもしっかり準備しておいてください。

自分の専門分野や提供できるサービスを簡潔に説明できるようにする

限られた交流会の時間で、できるだけたくさんの人と話すためにも、自分の得意なジャンルや提供できるサービスは簡潔に伝えられるよう準備しておきましょう。相手に「この人はこれができる人」と覚えて帰ってもらえるのがベストです。

明確な目的意識をもとに参加する交流会イベントを探す

貴重な時間を使って参加する交流会なので、はっきりとした目的意識を持ってイベントを探しましょう。なんとなく興味があるから、ほかの人も行ってるから、という曖昧な意識だと、せっかく行ったのに得るものがなかったということになってしまうでしょう。たとえば「この業界の人とのつながりを作る」「フリーランスとして自分の1歩先をいく人の話を聞く」など、目的を整理して参加してください。

当日は積極的に自己紹介や名刺交換に自分から動く

交流会で初対面の人に自分から話しかけるのは勇気がいることですが、ほかの参加者もつながりを求めて来ているので遠慮は必要ありません。むしろ相手も話しかけてくれるのを待っているので、積極的に自己紹介や名刺交換をしましょう。何度か交流会に参加するうちに自分から話しかけることにも慣れていくので、場数を踏むことも大切です。

話すだけではなく他の参加者の話もとにかく聞きに行く

名刺交換だけで終わらずに、相手がどんな仕事をしているのか、どうやって案件を獲得しているかなど、気になることはどんどん聞いてみましょう。自分から聞くことで相手も興味を持ってくれて、自分のアピールもしやすくなります。また、対話することで相手の印象に残り、仕事の話がきた時などに思い出してもらえるでしょう。

参加後のフォローとして気になった人にはお礼メールを欠かさず送る

交流会後のアフターフォローはとても重要です。お礼メールを送るかどうかが、その後のつながりに大きく影響します。お礼メールはぜひ個別の文面を作成して翌日には送りましょう。誰にでも通用する文面だと、相手は一斉配信していることが分かってしまいます。交流会で話したことに触れながらひとりひとりに丁寧に送りましょう。

フリーランス交流会で盛り上がる共通の話題

交流会でどんな話をすればよいか迷う方もいるでしょう。以下の話題は、フリーランスの多くが気になるテーマです。話すことに迷ったらぜひこれらを参考にしてみてください。

  • 仕事の獲得方法
  • 効果的なポートフォリオの作り方
  • クライアントとの良好な関係構築のコツ
  • オンラインプラットフォームの活用法
  • スキルアップと自己投資
  • おすすめのオンライン講座や書籍
  • 最新の業界トレンドや技術動向
  • 資格取得の体験談や効果
  • 時間管理とワークライフバランス
  • 生産性を上げるためのツールや手法
  • 仕事と私生活の切り分け方
  • ストレス管理や健康維持の工夫
  • 確定申告と財務管理
  • 効率的な経費管理の方法
  • 契約書作成時の注意点
  • SNSを活用した自己PR方法
  • 将来のキャリアプラン
  • 事業拡大や法人化の検討
  • 長期的なビジョンの共有
  • モチベーション維持のコツ 
  • リモートワークでのコミュニケーション
  • 効率的な働き方 など 

CHECK

交流会に合わせた名刺やポートフォリオを準備して積極的に話しかける
交流会後は名刺交換した人にお礼メールを忘れずに送る

話題に困ったらフリーランスが共通して関心のあるテーマを話す

フリーランス向けの交流会はたくさん開催されています。何を目的に参加するかを明確にして、自分に合ったイベントを探してみてください。参加したらぜひ積極的に交流をはかり、つながりを広げて自分のスキルアップや案件獲得に活かしましょう。

フリーランスの直案件の営業|価格交渉・営業時の注意点・信頼構築のコツや契約時の注意点

「フリーランスとして独立したいけど、どうやって案件獲得をすればいいか分からない」「営業経験がないので、案件獲得に自信がない」「すでにフリーランスとして活動していて、案件紹介サービス経由で業務を受けている。今後、直案件に切り替えたいけど、やり方が分からない」。こんなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。今回は、フリーランスの方が案件獲得をするための方法をお伝えします。

直営業以外にもフリーランスの案件獲得の方法はさまざまありますが、中でも直案件の獲得を強くおすすめします。直案件を受け続けるためのポイントを知り、フリーランスとして継続的に活躍していきましょう。

フリーランスの案件獲得は直営業・直案件が理想的

フリーランスの案件獲得は「直営業・直案件」が理想的です。フリーランス向けの案件紹介サービスはたくさんありますが、その場合マージンを除いた分が本人の収入となります。直営業・直案件であれば、契約した金額がそのまま入ってくるので、収入面を考えると「直営業・直案件」が理想的です。

とはいえ、これまで営業経験がなく、営業が苦手な場合、自分で案件獲得をするのは難しいと考える方も多いはず。しかし直案件の獲得は、新規に営業をかけて獲得をする方法だけではありません。たとえば知人の紹介、リピートやアップセルなどもあります。これらは営業経験の豊富さや、得意・不得意にかかわらずできること。手順を踏めば案件獲得につながるので、この後お伝えする内容に沿って進めてみてくださいね。

フリーランスの案件獲得のアプローチ方法

では、ここからフリーランスの案件獲得の具体的なアプローチ方法をお伝えしていきます。自分にできそうなものからぜひ取り組んでみてくださいね。

ブログやSNSで情報発信をする

1つ目は、ブログやSNSで情報発信をする方法です。自分のアカウントで、対応可能な業務内容や得意領域、また過去の実績などをアピールしましょう。ただし、ブログやSNSは発注者から必ず見てもらえるわけではないので、こまめに更新し、検索されやすいキーワードを意識するなど、見つけてもらえるように工夫が必要です。

営業メールでアプローチする

次は、発注者に直接メールを送ってアプローチする方法です。自分が受けられそうな案件を探して、企業HPの問い合わせなどからメールを送ります。案件を探す時間がある程度かかることや、問い合わせからのメールは反応率が低いため、数をこなす必要があるでしょう。

求人サイトからアプローチをする

続いて、求人サイトに掲載している企業にアプローチする方法です。求人を掲載しているということはそのポジションの人材を探しているということ。正社員採用の求人サイトであっても、業務委託の契約が取れる可能性もあるので、企業HPなどからアプローチしてみましょう。

勤めていた会社に連絡をする

次にお伝えするのは、勤めていた会社に連絡をする方法です。勤めていた会社であれば、つながりもあるので、業務を依頼してほしいという相談もしやすいでしょう。ただし、必ずしも自分が対応できる業務があるとは限らないので、社内状況などを確認のうえ連絡してみましょう。

知人・友人に相談する

知人・友人に相談する方法もあります。現在フリーランスとしてこんな業務を受けている、というような近況報告も兼ねて、依頼してもらえそうな案件があれば連絡してほしいと伝えてみましょう。

交流会・セミナーに参加する

続いて、交流会・セミナーに参加する方法です。フリーランスの交流会や、職種ごとのセミナーなどでのつながりが案件獲得に結びつくことがあります。交流やインプットを目的としたものが多いので、必ず案件獲得できるというわけではありませんが、同じような状況の人たちとの縁が案件獲得につながることもあるので、積極的に参加してみましょう。

クラウドソーシングやエージェントを活用する

最後は、クラウドソーシングやエージェントを活用する方法です。こちらは直案件ではありませんが、これらをきっかけにリピートやアップセルが受注できる可能性もあります。次の章で具体的なサービスをいくつかご紹介しますので参考にしてみてください。

CHECK

フリーランスの案件獲得は収入面を考えると、直営業・直案件が理想的
直案件の獲得方法には、営業経験がなかったり、営業が苦手でもできるものがある
自分に合っているものから取り組んでみるのがおすすめ

経験・実績を積むためにも積極的に活用したいサービス

直案件を獲得したものの、まだ実績がないという方におすすめしたいのが、フリーランス案件のマッチングサービスです。これらは各サービス会社を経由するためマージンが発生しますが、これから直案件を獲得していくための実績づくりができます。いくつか併用するのもOKなので、各サービスの特徴を踏まえて利用してみてくださいね。ここで受けた案件をきっかけにリピートやアップセルを依頼されることもあるので、ぜひ積極的に活用してみてください。

クラウドソーシングサービスの利用

クラウドソーシングサービスについて、「単価が低い案件が多いのでは…」「案件の質があまりよくないのでは…」というような印象を持っている方もいるかもしれません。しかし、まずは経験を積んでポートフォリオに記載できる実績を増やし、スキルを磨いていくためにはおすすめのサービスです。

CrowdWorks(クラウドワークス)

クラウドワークスは、480万人が登録する業界ナンバーワンのクラウドソーシングサービスです。利用企業も大企業・政府をはじめ全国78万社以上。ホームページ作成・サイト構築、ロゴ作成、記事制作・ライティング、ソフトウェア・アプリ開発、データ入力など、作業系の業務から専門スキルが必要なものまで250種類以上の仕事があります。

Lancers(ランサーズ)

ランサーズは、日本初のクラウドソーシングサイトとして2008年にスタート。エンジニア、デザイナー、ライターなどのクリエイティブ職種、営業、企画、コンサルタント、リサーチャー、広報、経理、人事などのビジネス専門職、入力代行、アンケート回答、口コミ作成などの作業関連の職種まで、350種類以上の幅広い仕事があります。

coconala(ココナラ)

ココナラは、ビジネスからプライベート利用まで、個人のスキルを気軽に売り買いできる日本最大級のスキルマーケットです。イラスト・漫画制作や占い・悩み相談など、得意なスキルが活かせる案件が多いのも特徴です。このほか、WEBサイト制作・デザイン、マーケティングなどの案件もあります。

フリーランスエージェントサービスの活用

Workship(ワークシップ)

デザイナー案件が多いワークシップ。幅広い職種&働き方がかなう、フリーランス・副業人材専門の求人・案件検索プラットフォームです。登録者は50,900人、登録企業は1,200社、案件は2,900件にのぼります。エージェントサービスとプラットフォームサービスの両方の機能があり、デジタル領域を中心に、デザイナー、エンジニア、マーケター、編集者、人事、広報などさまざまな職種の案件があります。

Midworks

エンド/Slerのエンジニア案件が中心のMidworksは、IT系フリーランスエンジニア専門のエージェントサービスです。エンド/Sler直案件が全体の約70%を占めていて、利用者の平均年収は840万円以上。年収アップの事例も多いのが特徴です。公開案件は10,000件以上。また非公開の案件が全体案件数の80%を占めています。エンジニア案件のほか、WEBデザイナーやWEBディレクターの案件も紹介可能です。

ATTENTION

Midworks

レバテックフリーランス

国内最大級フリーランスエージェントのレバテックフリーランスは、IT・Web系のフリーランスエンジニアを支援するエージェントサービスです。取引社は10,000社以上、契約の更新率は93%です。案件の多くは大手企業から直接受けているため業界トップクラスの高単価が実現できています。ITコンサルタントから、インフラ、データエンジニアなど、エンジニア求人に特化しています。

ITプロパートナーズ

エンジニア職種が中心ながら、デザイナーやマーケターの案件も取り扱っているITプロパートナーズ。IT起業家・フリーランスの自立を支える仕事の紹介サービスです。利用企業数2,000社以上で、スタートアップ、ベンチャーの案件が多いのが特徴。週2~3日の案件数はフリーランスエージェントの中でも随一です。間に仲介会社を挟まず、直接クライアントと契約しているため高単価な案件が多くなっています。

フリーランスが直案件を獲得するまでのロードマップ

前章でフリーランス案件のマッチングサービスをご紹介しましたが、ここからあらためて直案件を獲得するまでのロードマップをお伝えします。最初の1歩から、継続的に案件を受けるための方法までまとめていますので、ぜひ以下の流れに沿って直案件の獲得に向けて動き出してみてください。

自分が提供できる価値の棚卸しをする

まず初めに取り組んでいただきたいのが「自分が提供できる価値」の棚卸しです。ここが明確でないと、企業への売り込みもできませんし、自分で案件を探す際もどんな案件に応募すればいいか分からない状態になってしまいます。これまでやってきたことを振り返って身に着いたスキルを整理し、フリーランスとして活躍するために新たに学んだ知識やスキルがあればそれらを言語化しながら、自分は何が提供できるのか棚卸しをしてみましょう。

自分にとっては当たり前と思うようなスキルも、市場や企業からすると価値が高いというケースもあります。持っている知識やスキルを漏れなく、ていねいに洗い出していきましょう。

ポートフォリオを整理・作成する

次はポートフォリオの作成です。ポートフォリオとは、これまでの実績や制作物、かかわったWEBサイトなどをまとめた資料のこと。特にデザイナーなどクリエイティブ領域のフリーランスには欠かせないものです。作成のポイントは「技術力・スキルが分かる」「制作物へのこだわりが伝わる」「どんな成果が出せるか分かる」という3点。以下の動画でポートフォリオの作り方やポイントを詳しく解説していますので、こちらも参考にしながら案件獲得につながるポートフォリオを作成してください。

即受注・採用 ポートフォリオ完全攻略

クラウドソーシングやエージェントを経由して案件に応募する

自分が提供できる価値が整理できて、ポートフォリオが完成したら、次は実績づくりを進めましょう。最初から直案件を獲得するのはなかなか難しいので、クラウドソーシングやエージェント経由で案件に応募してみましょう。サービスごとに、案件の多い職種や業界など特徴があるので、自分にマッチしたものを利用してみてください。また、ひとつのサービスだけではなかなか決まらないケースもあるので、複数のサービスを利用するのがおすすめです。具体的なマッチングサービスは前章(「経験・実績を積む意味でも積極的に活用したいサービス」)を参考にしてみてください。

サービス経由で多様なジャンルの企業案件で実績を積む

フリーランス案件のマッチングサービス経由では、ぜひ多様なジャンルの企業案件を受けて実績を積んでください。得意な領域はもちろん、これまで取り組んだことのない業務でも、自分の知識やスキルを活かせるものがあればぜひチャレンジしてみてください。少しずつ幅を広げて、いろんなジャンルの案件が受けられるようになると、継続的な案件獲得にもつながっていきます。また、多様な案件を経験することで、自分の得意領域も分かってきます。そこを直接営業する際の“売り”にしていくこともできるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

実績をもとに直接営業をしてみる

マッチングサービス経由で実績を積んだら、それをもとに直接営業をしていきましょう。前段(「フリーランスの案件獲得のアプローチ方法」)でもご紹介したように、営業メールを送ったり、勤めていた会社に連絡をするなどの方法でアプローチしましょう。自分の得意領域が活かせそうな企業や、興味・関心のある事業を展開している企業などリサーチしてみてください。すぐにでも営業できる先があり、営業が得意という方は、マッチングサービス経由での実績づくりを待たずにぜひ営業活動を始めてみてください。

クライアントから紹介やリピートを受ける

直接営業をして、直案件をもらえるようになったら、次は継続していくことが大切です。まずは今、受けているクライアントからリピートしてもらうこと。そして、そのクライアントから別の案件や企業を紹介してもらえるようになるとベストです。リピートや紹介につながるということは、クライアントが成果を評価して、信頼してくれているということ。そういった関係性を築けるように業務に取り組むこともフリーランスとして案件獲得をし続けていくために重要です。

また、リピートや紹介の案件は、信頼関係ができた相手との仕事なのでコミュニケーションの取りやすさもありますし、こちらの得意領域を理解したうえでの発注なので、成果も出しやすくなるでしょう。こちらから営業をかけずとも、紹介がつながって安定的に案件獲得できる状態は目指すゴールのひとつです。

CHECK

直案件を受けるための第1歩は、自分が提供できる価値の棚卸し
ポートフォリオをもとにエージェント経由で案件を受けて多様なジャンルで経験を積む
実績をもとに直案件を受けていき、紹介やリピートをもらい続けられるように成果を出す

フリーランスが案件獲得で注意すべきこと

ここまで、フリーランスの案件獲得の方法についてお伝えしてきましたが、最後に案件を獲得するにあたって注意すべきことをまとめます。こんなはずではなかったという思わぬトラブルを招くことがないよう、以下の点に注意してください。

諦めずにまずは場数を踏む

1つ目は、まずはとにかく場数を踏むということです。営業をかけてもなかなか反応がなく、エージェント経由で応募しても選考が通らない、ひとつ案件を受けてもリピートや紹介につながらないというようなこともあるでしょう。でも、特にフリーランスとして活動を始めたばかりのころは、諦めずに場数を踏むことを意識してみてください。

案件獲得だけを目的に安易な安売りはしない

2つ目は、安易な安売りはしないということです。案件がなかなか獲得できないと、金額を下げてでも受注がほしいと思うこともあるでしょう。でも、そこで安易に値下げをしてしまうと、仮に継続してもらえたとしてもそのまま安い金額で受け続けることになってしまいます。また、別の案件を獲得しにいく際も、その金額が基準となってしまって単価を上げていくのが難しくなってしまうでしょう。適正な金額で受注することを心がけてください。

トラブルを避けるためにも契約書は必ず結ぶ

最後は、クライアントとは必ず契約書を結ぶということです。特に直案件の場合は、フリーランスとクライアントが直接契約を結ぶ必要があります。トラブルを避けるためにも、業務内容や期間、報酬、成果物などを、契約書としてきちんと締結しましょう。

CHECK

なかなか案件獲得ができなくても、諦めずに場数を踏む
安易な安売りはせず、適正な金額で案件を獲得する
業務内容や期間、報酬などを明記した契約書を必ず締結する

フリーランスの案件獲得は、直営業・直案件が理想的です。そのための方法やポイントをお伝えしてきました。とはいえ、直営業・直案件がすぐに取れる人はごくわずか。まずは少しずつ実績をつくることが大切です。そこから紹介につながり、直営業の武器となるポートフォリオに記載できる経験が増えていきます。実績づくりのために、クラウドソーシングなどのサービスを利用するのもおすすめです。クラウドソーシングサービスの利用に抵抗のある方もいるかもしれませんが、豊富な案件の中から自分に合ったものを選択でき、スキルのレベルに合わせた案件に取り組めるというメリットもあります。自分に合ったやり方で、できることから、ぜひ取り組んでみてくださいね。

フリーランスが開業届を迷わず提出するために|記入のコツ・押印の有無・控えの保存まで完全対応

「開業届の提出」はオンラインでいつでも提出可能で、事業内容などが決まっていれば簡単に手続きができます。

フリーランスにとって開業届はビジネススタートの記念となるもの。簡単な手続きで、オンラインでいつでも申請可能なので、後回しにせずに早めに提出してしまいましょう。

開業届はフリーランス活動を始めてから原則1月以内に提出

開業届とは個人が事業を開業したことを税務署に申告する書類で、正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」と言います。

営利目的で事業を開始した場合、利益の発生有無に関わらず開始1ヶ月以内に開業届を税務署に提出する義務があります。

開業届を出すことで、フリーランスとして正式に活動を開始したことを示す節目になりますので、きちんと手続きをしておきたいものです。開業届を出すことで得られるさまざまなメリットもありますので、独立を考えている方は準備を進めておきましょう。

開業届を提出しなくとも「罰則」はない

開業届の提出は法律で義務付けられているものの、実は開業届を出さないで事業を行っていても罰則はありません。

その代わり未提出にはデメリットもあります。

開業届を出さないと確定申告は「白色申告」のみ

確定申告は毎年1月1日から12月31日までの所得金額を税務署へ提出し、納税額を確定させるための必要な手続きです。「青色申告」と「白色申告」の2つの方法があります。「青色申告」には要件を満たせば最大で65万円の控除を受けられる特別控除があり、節税の大きなメリットがあります。開業届と同時に青色申告承認申請書を提出していないと控除のない「白色申告」しかできなくなってしまいます。

開業届を出していなくてもインボイス制度には登録できる

2023年10月1日から導入された「インボイス制度」とは、消費税の仕入税額控除の金額を正しく計算するための制度です。適格請求書(インボイス)を発行するには課税事業者となり適格請求書発行事業者の登録が必要となっています。このインボイス制度の登録は、開業届提出有無に関係なく行うことができます。

開業届を提出する目安は「所得が48万円」を超える場合

フリーランスは所得合計が48万円以下であれば確定申告をする必要がありません。所得から基礎控除の48万円を差し引くと課税所得が0円になるためです。所得が48万円を超える見込みがある場合は、開業届を提出しておきましょう。

フリーランスは開業届の提出はメリットが多い

開業届を出した場合に得られるメリットは多くあります。最も大きいのが控除による節税の効果です。それ以外のメリットもしっかり押さえておきましょう。

青色申告の活用で確定申告時の節税につながる

「最大65万円の特別控除が受けられる」「赤字を繰り越せる」などの節税メリットがあるのが青色申告です。青色申告を行うには、開業届を提出した後、青色申告承認申請書を税務署に提出しておく必要があります。

小規模企業共済で退職金替わりのセーフティネットができる

小規模企業共済制度とはフリーランスや経営者向けの共済制度で、事業をやめる際に積立金額に応じた退職金を受け取ることができます。退職金のないフリーランスが万が一の備えに入るこの共済は、開業届を提出している事業者のみが加入することができます。

屋号付きの事業用銀行口座・法人用クレジットカードを作れる

開業届を出すことで、個人名義ではなく屋号が名義になった事業用銀行口座や法人用クレジットカードを作ることができます。プライベートと事業のお金の管理を分けることで、事業収益や経費の管理をしやすくなります。

保育園に就労証明書として提出できる

保育園を利用するためには、親が働いていることを証明する必要があります。フリーランスの場合は就労証明書に加えて業務委託契約書や税務署の受付印が押印された開業届の控えの提出が必要になります。開業届を出すことで、開業届の控えをフリーランスで仕事をしている証拠書類として提出することができます。

CHECK

開業届はフリーランス活動を始めてから1月以内に提出する
開業届を提出することでさまざまなメリットが得られる
青色申告をしたい場合は開業届と同時に青色申告承認申請書も提出する

開業届を提出すると失業手当はもらえなくなるため要注意

会社を退職してからすぐに開業届を提出した場合、失業手当や再就職手当は受給できません。退職後、失業手当を受け取りながら準備の時間を取りたいと考えている場合は実際に事業を開始するまで開業届を出さないほうがよいでしょう。

開業届の提出のスムーズな進め方と必要な準備物

開業届の提出は事前の準備をしておけばオンラインですぐに手続きができます。

開業までの流れ・全体像

項目内容
開業日を決める事業の開始日を決めます。事業用オフィスを借りた日、ホームページを開設した日、など基準は何でもかまいません。
屋号を決める事業の開始日を決めます。事業用オフィスを借りた日、ホームページを開設した日、など基準は何でもかまいません。
開業届の提出管轄の税務署へ、個人事業の開業・廃業等届出(開業届)を提出します。事業開始から1ヶ月以内と定められています。
青色申告承認申請書の提出管轄の税務署へ、青色申告承認申請書を提出します。事業開始から2ヶ月以内と定められています。
国民健康保険・国民年金への加入住んでいる市区町村の役所で手続きを行います。会社員から独立した場合は会社の健康保険からの切り替えを行います。
銀行口座の開設プライベート用とは別に事業用の銀行口座の開設をします。
ホームページの準備集客のためにホームページや自身のポートフォリオページを用意します。
帳簿をつけ始める開業準備費用も経費にできますので、開業手続きにかかった費用を記録に残しておきます。
名刺や印鑑など備品をそろえる実際に事業を行うにあたり必要になるものをそろえておきます。

開業届に必要な書類とスムーズな開業のための準備物

開業届を提出する際に必要なのは以下2点のみです。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)に記入をしたもの
  • マイナンバーカード

マイナンバーカードを持っていない場合は、「マイナンバー通知カード(マイナンバーの番号がわかるもの)」と「マイナンバーを記載した住民票の写し(身元確認ができる書類)」を用意します。

マイナンバーカードがある場合とない場合で、手続きの流れが大きく変わるので注意が必要です。マイナンバーカードがないとオンラインでの申請ができない場合がありますので事前に作っておくことをおすすめします。

屋号名

開業届には屋号を記入する欄があります。屋号とは会社でいう法人名にあてはまるもので、フリーランスが事業を行う際に使用するものです。開業届の提出に屋号の記入は必須ではないですが、フリーランスとしてビジネスを行う上で取引先からの信用獲得や屋号名義での銀行口座開設などのメリットが多いです。

屋号名

開業届には「職業」および「事業の概要」を記入する欄があります。書き方としては特に決まりがないのでありのままを記載します。

書き方例)

職業欄:小売業   事業概要:ハンドメイドアクセサリーの製造販売

職業欄:デザイナー 事業概要:Webサイトのデザインや制作

開業届の職業欄は個人事業税に関係しますので、事業内容を適切に記入する必要があります。個人事業税とはフリーランスが納める税金の一つで、職種ごとに税率が異なります。「法定業種」に該当する場

開業届の作成・提出はオンライン対応で自宅から行う

開業届はオンラインで提出できます。税務署の窓口へ持参や郵送もできますが、オンラインが最もスムーズです。提出方法としては①e-Tax経由で提出、②会計ソフトのサービスを使う、の2つの手段があります。

①e-Tax(国税電子申告・納税システム)で開業届を提出

国税局のe-Taxのページから利用者識別番号と呼ばれる16桁のID番号を取得してログインした後、e-Taxソフトをダウンロードし、必要事項を入力すればオンラインで申請できます。少しややこしく感じるかもしれませんが、窓口の手続きよりもはるかに短時間で手続きできます。

ATTENTION

e-Tax

②会計ソフトのサービスを使う

クラウド会計ソフトの中には、フリーランスに対する開業支援サービスを行っているものがあります。freee開業マネーフォワード クラウド開業届などでは無料で開業届の作成・提出をオンラインで簡単に完了できます。

開業後に会計ソフトの導入を考えている場合は、簿記の知識が不要で簡単に使えるfreeeをおすすめしています。freeeの開業支援サービスを使えば、事業開始後の会計も同じシステムで楽に移行可能です。

青色申告も開業届と同時に提出を行う

控除のある青色申告をするには、開業時に青色申告承認申請書の提出が必要です。開業から2ヶ月以内に提出が必要なもので、開業届と同時に提出ができますので忘れないように一緒に出しておきましょう。

開業届の提出と同時にしなければならない保険の手続き

フリーランスは社会保険のうち労災保険と雇用保険には加入できないので、「健康保険」「年金保険」の2つに自己負担で加入することになります。将来の健康や生活を守るために必要なものですので、開業届を出してフリーランスになると同時に手続きを進めます。

健康保険への加入手続きを行う

フリーランスの健康保険の選択肢は以下の3つです。

  • 国民健康保険

自営業やフリーランスが加入する健康保険です。お住いの市区町村の役所に「退職証明書」「身分証明書」「マイナンバーがわかるもの」を持って手続きを行います。

  • 会社の健康保険を任意継続

勤めていた会社の健康保険を任意継続するためには、退職後20日以内に手続きを行う必要があります。任意継続ができるのは2年間のみで任意継続被保険者となった日から2年を過ぎると自動的に資格喪失となります。

  • 国民健康保険組合

会社員でなくても加入ができる、業種別に組織された健康保険の組合です。ご自身の事業内容で入れるものがないか一度確認してみましょう。

上記以外にも配偶者の扶養に入ることもできます。その場合は加入する健保に確認の上、要件の金額を超えないように注意が必要です。

国民年金への加入手続きを行う

フリーランスになるにあたり、厚生年金から国民年金への切り替えが必要になります。国民年金のみの場合、年金給付額は少なくなるため国民年金基金やiDeCoへの加入も検討しましょう。お住いの市区町村の役所に「年金手帳」「退職証明書」を持って手続きを行います。

CHECK

開業届を提出するにはマイナンバーを活用したオンライン手続きがおすすめ
マイナンバーカードの準備と、屋号・事業内容は早めに決めておくこと
青色申告や保険の手続きも開業届の提出と同時に行うこと

開業届はオンラインでいつでも簡単にできます!開業届の提出と同時に、確定申告の準備や健康保険・国民年金の変更手続きも必要です。フリーランスとして存分に仕事ができる環境整備のため、初めの手続きは抜かりなく行いましょう!

開業届や会計作業はツールで時短。活動の幅を広げる「仕事」に専念

開業届の提出はゴールではなくスタートです。取引先の開拓や実績作りなどやらなければならないことがたくさん始まります。

フリーランスで仕事をするうえで大切にしたい考えが「効率化」と「人脈づくり」です。事務手続きや経費処理など自分がやる必要のない作業は積極的に業務効率化させて時間を作っていきましょう。

効率化によりできた時間を有効活用し、案件獲得や実績作り、スキルアップを図ることに使います。フリーランスは人とのつながりが業界の情報収集や案件紹介につながるので、積極的にコミュニティや勉強の場に入っていると安心です。

フリーランスの印鑑作成完全ガイド|用途別の種類・契約書での使い方・電子印鑑の活用法

フリーランスとして仕事をスタートするときに印鑑を作ったほうが良いのか、必要ないのか?と疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。「印鑑を新しく作らなくてもフリーランスとして始めることができるが、あったほうが便利なので作ったほうが良い」というのが結論です。では、どのような場合に必要なのか?どんな種類の印鑑が必要なのか?をこの記事でわかりやすく説明します。

フリーランスであっても印鑑を作りましょう!法人登記と異なり必ず必要ではありませんが、事業用の印鑑を使うことでビジネス上の信頼度がアップして取引先とのやりとりが好印象になりますよ。

フリーランスは「個人の実印と銀行印」だけでも始められる

フリーランスとして仕事を始めたい場合、印鑑が必要な場面は大まかに以下2つに分類されます。

  • 事業用の銀行口座を開設する
  • 事業を行う中で発生する書類捺印に使う

まず、フリーランスとして事業を始めるにあたり、プライベートの口座と分けた新しい銀行口座が必要です。個人の銀行口座とビジネスの銀行口座を兼用すると、お金の管理がしづらくなり、会計ソフトとの連携や確定申告の手続きの手間が大きくなります。事業用に分けた口座開設のためにまず「事業用の銀行口座を開設するための銀行印」が必要です。

実際に事業を始めた際、契約書や請求書などさまざまな書類に捺印をする場面が出てきます。ビジネスとしての信用度アップのためには屋号(ビジネス名、ブランド名)の入った事業用の印鑑で捺印ができれば良いですが、屋号がなく新しく印鑑を作る余裕がない場合は「個人の実印」を使っても問題ありません。

なお、2021年4月以降は税制改正により税務署に提出する書類への押印が不要になりました。開業届も確定申告書も印鑑なしで提出できるようになっています。会社間のやりとりでも電子署名やデジタル文書による契約が一般的になってきており、契約の際に印鑑を使う機会が減りました。これらの理由により最近では事業用の印鑑がなくても「個人の印鑑(個人の実印)」で事業を行うことが可能になっています。

フリーランスが作るべき印鑑は「事業用の丸印・角印・銀行印」

新しい印鑑を作らなくてもフリーランスとして事業を始めることは出来ますが、私用と事業用で用途を分けて印鑑をそろえておくことをおすすめします。

事業用の印鑑を使い分けることで以下のようなメリットが生まれます。

  • フリーランスとしての信用度が上がる

事業用の印鑑を使うことによりビジネスの信頼性や信用度が高まります。プロフェッショナルとして事業を行っていることを相手に印象付け、安心して取引をしてもらうことが出来ます。屋号を持っている場合は屋号が記された印鑑を使うとさらに良いでしょう。

  • プライバシー保護や紛失時の損害防止になる

印鑑を一つにまとめることで、個人情報が漏れやすくなり紛失時のリスクが高まります。私用と事業用で印鑑を使い分けることにより、不要な個人情報が漏れるリスクを回避することが出来ます。

事業用に印鑑を新調する際、フリーランスとして持っておきたいのは「丸印」「角印」「銀行印」の3点。ちなみに銀行印と個人の実印は兼用可能なので「丸印」と「角印」の2点のみでも手続き面では問題ないのですが、印影の悪用などのリスクがあるのでおすすめできません。「丸印」も「角印」も「銀行印」もインターネットの印鑑専門店で買うことが出来ます。

将来法人化を考えている場合は、法人設立登記の際に「丸印」「角印」「銀行印」の3点セットが必要になるので、今のうちに作っておくと良いでしょう。

CHECK

印鑑を新しく作らなくても「個人の実印」と「銀行印」でフリーランスは始められる
信頼確保やリスク防止の観点からは個人用の印鑑と事業用の印鑑は分けたほうが良い
フリーランスとして作るべき印鑑は「丸印」「角印」「銀行印」の3点セット

フリーランスが日常的に使用する事業用印鑑「丸印」と「角印」の役割の違い

フリーランスとして日常的に使う「丸印」と「角印」の違いを説明します。ちなみに「銀行印」は銀行などの金融機関で口座開設をする為の印鑑ですので、日常的に使うものではありません。

屋号名と代表者名が記載される「丸印」は重要な契約に使う印鑑

丸印はその名の通り丸い形の印鑑です。二重構造になっており、外枠に屋号、内枠に代表取締役之印という文字が入る作りになっています。実印、代表印とも呼ばれ、契約書や取引書類などの法的な文書に使います。屋号がない場合は、プライベートの印鑑とは別に事業用の丸印を個人名で作れば問題ありません。

屋号名のみ記載される「角印」は見積書・請求書など対外書類に使う印鑑

角印は四角い形の印鑑で、屋号だけが入ったもので屋号印とも呼びます。丸印が二者間の正式な契約書など重要な書類に使われるのに対して、角印は領収書や請求書といった対外書類に使います。

企業によっては「角印が押されていない見積書は受け付けない」といったルールもあるので、フリーランスであっても作っておいて損はないでしょう。

角印は印鑑登録をするものではないので法的効力はなく、種類としては認印(確認した旨を示すためのもの)に分類されます。

屋号がない場合は角印を作らなくても事業用の丸印で代用可能です。ただ、角印があったほうが対外的な信用度が上がるので屋号と角印の作成はぜひ検討しましょう。

CHECK

「丸印」は屋号と代表者が記載されており契約書など法的な書類に使う
「角印」は屋号が記載されており見積書・請求書など対外書類に使う
「角印」は種類としては法的効力のない認印に分類される

「実印」の手続きが必要な場合は個人の実印と印鑑証明書で対応する

フリーランスとして事務所を設けるため不動産契約をしたい、自動車を使う仕事をするので自動車を購入してローンを組みたいといった際に「実印」が必要になることがあります。「実印」とは、役所に印鑑登録している公的に認められた印鑑のことを指し、重要な契約や手続きをする時に欠かせないものです。

フリーランスは法人登記の印鑑登録がないので会社としての実印というものがなく、実印が求められる取引の際には印鑑登録している「個人の実印」と「印鑑証明書」で対応します。

印鑑登録は住民票登録されている市区町村の窓口にて、本人確認できる証明書と申請書を提出すれば手続き出来ます。もし個人の印鑑登録が済んでいない場合はフリーランスを始める時に手続きをしておくと良いでしょう。

フリーランスが印鑑を購入する時に注意すべきポイント・ルール

それぞれの印鑑を作る際に最低限押さえておきたいポイントや、一般的な仕様を説明します。まず印鑑の大きさですが、丸印>銀行印>角印の順にサイズが小さくなるのが一般的です。効力が大きな印鑑ほど大きく作られます。

男性用は大きめ、女性用はやや小さめが推奨されることが多いですが、その通りに作らないと使えないということはありません。自分の好みや使いやすさに合わせて作りましょう。

印鑑に使う書体ですが、選び方があります。事業で使うものは「偽造されにくさ」「耐久性」「読みやすさ」などを考慮したフォントを選ばなければいけません。また、作る際には自分の目でデザイン確認を行いましょう。

素材に関しては、動物の角や牙、木材、チタンなどの金属など様々なものがありますので、予算や好みに応じて選ぶことが出来ます。

「丸印」は欠けにくい「吉相体」で13.5〜15.0mm以上の大きさにする

  • サイズ

13.5〜15.0mm以上

  • 書体

重要な取引で使う丸印に良く使われるのが「吉相体」です。「印相体」とも呼ばれます。文字の線が外枠に向かって広がるようなデザインになっており、末広がりで縁起が良いとされています。線が太く、文字と枠が接する部分が多いので欠けにくいというメリットがあります。

<<吉相体 のイメージ画像>>

「角印」は見やすい「隷書体」で18.0〜24.0mmの大きさにする

  • サイズ

18.0〜24.0mm

  • 書体

角印は記載されている法人名が読みやすいようにシンプルな「隷書体」がおすすめです。バランスの取れたデザインの文字は明瞭で堅実な印象を与えてくれ、文字数に合わせて縦横のアレンジがしやすい書体です。

「銀行印」は偽造しにくい「篆書体」で12.0〜13.5mm以上の大きさにする

  • サイズ

12.0〜13.5mm以上

  • 書体

銀行印は悪用を防ぐため、偽造や盗用防止に効果の高い「篆書体」にしましょう。日本国パスポートやお札にも採用されている書体です。

「電子印鑑」の準備も電子契約のために同時に進めておく

電子契約で契約を取り交わすケースも増えているため、印鑑を作るタイミングで電子印鑑も同時に作ってしまいましょう。「電子印鑑」とは、パソコン上の文書に印鑑を押印できるようにするものです。「電子印鑑」の準備方法は2通りあります。

  • 印影画像を自分でスキャンする

印鑑を白い紙にきれいに押印し、スキャナーでスキャンをしてパソコンに取り込みます。正方形にトリミングをし、背景を透過させればオンライン捺印として使える電子印鑑画像が出来上がります。

  • 電子印鑑作成ソフトを使う

自分で作った電子印鑑画像データは簡単に複製されやすくリスクが高いものです。セキュリティ対策として画像データに使用者情報を持たせた「電子印鑑」がおすすめです。誰が押印したのかを識別することで、偽造や悪用のリスク軽減効果があります。「電子印鑑GMOサイン」や「My電子印鑑」など識別情報付きの電子印鑑を作成する有料サービスに申込をし、印鑑のデータを送るだけで作成することができます。

CHECK

フリーランスの活動で実印が求められる場合は個人の実印を使う
事業用印鑑は大きさやフォントにはルールがある
電子印鑑はセキュリティの高い識別情報付きのものがおすすめ

印鑑を作る費用は「消耗品費」として事業経費に全額計上できる

印鑑の購入や印鑑登録にかかった費用は事業経費として計上可能です。勘定科目は定められていませんが、消耗品費として処理されることが一般的です。確定申告の際に漏れのないように収支にまとめておきましょう。

フリーランスが事業用印鑑を紛失した場合は「銀行・警察」へすぐに連絡

印鑑は会社の顔となる大切なもの。持ち歩くものではないので紛失することは少ないはずですが、紛失・盗難には十分注意が必要です。紛失した場合は、印鑑の種類によって対応が変わってきます。

  • 銀行印を紛失した場合

すぐに銀行と警察に届け出ます。銀行には早めの連絡が必要なので、夜間など窓口が開いていない時間帯は「紛失受付センター」へ連絡します。銀行へ印鑑紛失の旨が伝わると該当の印鑑での入出金や取引が停止され、悪用を防ぐことが出来ます。その後新しい印鑑を用意して銀行印の登録をしなおします。警察には紛失届を提出します。

  • 印鑑登録している実印を紛失した場合

印鑑登録をしている市町村と警察へ届け出ます。印鑑登録書と本人確認が出来る証明書と共に、印鑑登録亡失届を役所へ提出します。これにより印鑑証明書が不正に発行されるのを防ぐことが出来ます。もし印鑑が見つからない場合は、以前の印鑑登録を廃止し新しい印鑑の登録も行います。同時に警察には紛失届を提出します。

  • 印鑑登録していない印鑑(丸印、角印)を紛失した場合

会社の取引時に使う大切な印鑑なので、きちんと警察に届け出をします。誰かが落とし物として届けてくれた際にすぐに連絡がもらえるように警察署で紛失届出証明書や盗難届出証明書をもらっておきます。

新たな気持ちでスタートする決意も込めて、フリーランスを始める際には「丸印」「角印」「銀行印」の3点セットを作りましょう。電子契約が主流になってきているので同時に電子印鑑の用意もおすすめします。

本格的な活動を視野に入れて事業用の印鑑を作る

印鑑を使う機会が減ってきているとはいえ、信用度を上げるために欠かせない事業用の印鑑。WEBデザイナーなどWEB案件が中心のフリーランスであっても是非作っておきましょう。

フリーランスにとって、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力と並び事務処理力も大切なスキルの一つです。取引先へ提出する書類の見やすさや印鑑の有無によって信用力が左右されることも留意すると安定的な案件獲得につながります。

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