「まだもらってないお金」でピンチを脱出!?今すぐ知りたいファクタリング入門
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フリ転編集部 山脇
大手新聞社で編集オペレーターを務めた後、奈良日日新聞社に入社し、制作課主任として編集業務全般(紙面組版をはじめ、記者・広告制作、デザイン業務など)に従事。休刊後はフリーランスとして本格的に活動を開始し、新聞組版のほか、地方紙やウェブメディアでの原稿執筆も行う。
フリーランスとして活動していると、「請求書を出したけれど、支払いまでに時間がかかって資金繰りが厳しい」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そんな時に活用できるのが「ファクタリングサービス」です。ファクタリングは、まだ回収していない売掛金を専門会社に売却することで、支払期日前に現金化できる資金調達の手段です。本記事では、フリーランス初心者の方でも理解しやすいよう、ファクタリングの基本的な仕組みから具体的な活用方法まで、詳しく解説します。

ファクタリングは緊急時にのみ利用すべきです。手数料の安い完全オンライン型を優先し、必ず複数社で比較検討してください。頻繁な利用は収益を圧迫するため、根本的な資金繰り改善に取り組むことが不可欠です。一時的な救済策として賢く活用しましょう。
ファクタリングとは?基本的な仕組みを理解しよう
ファクタリングの基本概念
ファクタリングとは、企業やフリーランスが保有する売掛金(請求書)をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引いた金額を早期に現金化するサービスです。
例えば、クライアントから「100万円の案件、支払いは3カ月後」という条件で仕事を受けた場合、通常であれば3カ月間は現金が手に入りません。
しかし、ファクタリングを利用すれば、手数料を支払うことで数日から即日で現金を受け取ることができます。
資金繰りの一つの手段としてのファクタリング
フリーランスにとって資金繰りは常に課題となります。特に大型案件を受注した際や、複数のプロジェクトが重なった際には、材料費や外注費などの先行投資が必要になることもあります。
ファクタリングは銀行融資とは異なり、借金ではなく売掛金の売却という性質を持つため、信用情報に影響を与えることなく資金調達が可能です。
ファクタリングの流れ
一般的なファクタリングの流れは以下の通りです。まず、フリーランスがクライアントに請求書を発行します。次に、その請求書をファクタリング会社に提出し、審査を受けます。審査に通れば、手数料を差し引いた金額がフリーランスの口座に振り込まれます。
その後、支払期日にクライアントがファクタリング会社に直接支払いを行うか、フリーランスが代理で回収してファクタリング会社に送金する仕組みとなっています。
ファクタリングを利用できる条件
ファクタリングを利用するためには、まず売掛金が存在することが前提となります。つまり、既にクライアントとの間で契約が成立し、請求書を発行済みである必要があります。
また、売掛先の信用度も重要な審査要素となるため、信頼できるクライアントとの取引であることが求められます。
CHECK
・ファクタリングは売掛金を早期に現金化できる
・借入とは異なり信用情報に影響を与えない
・利用には請求書の発行と取引先の信用が必要
ファクタリングの種類と手数料比較
完全オンラインファクタリング
完全オンラインファクタリングは、申込みから契約、資金調達まで全ての手続きをインターネット上で完結できるサービスです。手数料相場は3〜8%と比較的低く設定されており、手続きの簡便性と迅速性が大きな特徴です。書類の提出もオンラインで行えるため、地方在住のフリーランスの方にも利用しやすいサービスといえます。
ただし、対面での相談ができないため、初回利用時は不安を感じる方もいるかもしれません。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、フリーランス(売掛金保有者)とファクタリング会社の2社間で契約を行う方式です。手数料相場は10〜20%とやや高めですが、クライアントに知られることなくファクタリングを利用できるという大きなメリットがあります。継続的な取引関係を維持したいクライアントがいる場合には、この方式が適しています。
回収についてはフリーランスが代行し、ファクタリング会社に送金する形となります。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、フリーランス、ファクタリング会社、そしてクライアント(売掛先)の3社間で契約を行う方式です。手数料相場は2〜10%と最も低く設定されており、コスト面でのメリットが大きいのが特徴です。
クライアントが直接ファクタリング会社に支払いを行うため、回収リスクが低く、その分手数料も抑えられています。
ただし、クライアントにファクタリングの利用が知られてしまうため、関係性への影響を考慮する必要があります。
ファクタリング種類別比較表
以下の表で、3つのファクタリング方式の特徴を比較してご確認ください。
種類 | 手数料相場 | 主なメリット | 主なデメリット | 適用場面 |
完全オンライン | 3〜8% | 手続きが簡単・迅速 | 対面相談不可 | 急ぎの資金調達 |
2社間 | 10〜20% | クライアントに知られない | 手数料が高い | 関係維持重視 |
3社間 | 2〜10% | 手数料が最安 | クライアントに知られる | コスト重視 |
CHECK
・完全オンライン型は手軽で早く地方でも使いやすい
・2社間は手数料が高めだが取引先に知られずに済む
・3社間は手数料が低いが取引先に通知が必要になる
ファクタリング活用のメリット・デメリットと注意点
ファクタリングの主なメリット
ファクタリングの最大のメリットは、即日で資金調達が可能という点です。銀行融資の場合、審査に数週間から数か月かかることもありますが、ファクタリングなら最短即日で現金化できます。
また、「貸し倒れリスク」を防げることも重要なメリットです。万が一クライアントが倒産した場合でも、既にファクタリング会社に売掛金を売却しているため、損失を回避できます。
さらに、保証人や担保が必要ないことも、フリーランスにとって大きな利点です。銀行融資では保証人や担保の設定が求められることが多いですが、ファクタリングは売掛金の売却という性質上、これらは不要です。
加えて、信用情報が傷つかないという点も安心材料となります。借入ではないため、信用情報機関への登録はありません。
ファクタリングのデメリットと注意点
一方で、手数料が高くかかることは大きなデメリットです。特に2社間ファクタリングでは、手数料が売掛金額の10〜20%に達することもあり、頻繁に利用すると収益を圧迫する可能性があります。
また、取引先へ通知される場合もあることを理解しておく必要があります。3社間ファクタリングでは必ずクライアントに通知されますし、2社間であっても契約内容によっては通知される場合があります。
調達できる資金額に制限があることも考慮すべき点です。ファクタリングで調達できる金額は、保有している売掛金の範囲内に限られます。大型の設備投資などには向かない場合があります。
審査に落ちやすいケースと対策
ファクタリングの審査に落ちやすいケースとして、まず売掛先の信用度が低い場合が挙げられます。個人事業主や小規模企業がクライアントの場合、審査が厳しくなる傾向があります。
また、取引実績が少ない新規クライアントとの売掛金は、審査通過が困難になることがあります。
売掛金の支払サイトが長い場合も審査に不利になります。一般的に、支払期日まで3か月を超える売掛金は審査が厳しくなる傾向があります。緊急性が高く審査落ちの可能性があるなら、複数の会社から見積もりを取ることをおすすめします。
フリーランス特有の注意点
フリーランスは、債権譲渡登記を求める会社に注意する必要があります。債権譲渡登記が行われると、公的な記録として残り、他の金融機関からの融資に影響を与える可能性があります。
特に将来的に事業拡大を考えている場合は、登記不要のファクタリング会社を選ぶことが重要です。
長期的な影響への配慮
ファクタリングを利用する際は、キャッシュフローが長期的に悪くなる可能性があることを理解しておきましょう。手数料分だけ実質的な売上が減少するため、頻繁な利用は事業の収益性を低下させます。使うのは慎重に検討し、一時的な資金繰り改善の手段として活用することが大切です。
おすすめファクタリング会社一覧
フリーランス向けにおすすめのファクタリング会社を表にまとめました。
会社名 | タイプ | 主な特徴 |
ラボル | オンライン特化型 | 完全オンライン対応、最短60分で資金調達可能 |
フリーナンス | オンライン特化型 | フリーランス専門、即日払いサービス提供 |
ペイトナーファクタリング | オンライン特化型 | 少額から利用可能、手続き簡単 |
PAYTODAY | バランス型 | AI審査により迅速対応 |
OLTA | バランス型 | 完全オンライン、透明性の高い手数料設定 |
ベストファクター | バランス型 | 柔軟な審査、親身な対応 |
アクセルファクター | 専門サービス型 | 建設業界に特化 |
GoodPlus | 専門サービス型 | 中小企業・個人事業主向け |
バイオン | 専門サービス型 | AI与信システム導入 |
えんナビ | 相談重視型 | 24時間対応、丁寧なサポート |
QuQuMo | 相談重視型 | オンライン完結、手数料の透明性 |
CHECK
・ファクタリングは即日資金化や信用情報に影響しない利点がある
・手数料の高さや通知リスク、審査条件の厳しさに注意が必要
・フリーランスは登記や収益性への影響も考慮して選ぶことが大切
ファクタリングは、フリーランスが売掛金を早期現金化できる資金調達手段です。即日対応や貸し倒れリスク回避といったメリットがある一方、手数料(完全オンライン3〜8%、2社間10〜20%、3社間2〜10%)が高く、長期的なキャッシュフロー悪化のリスクもあります。
緊急時の一時的解決策として慎重に利用し、複数社から見積もりを取って最適なサービスを選択することが重要です。