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フリ転編集部

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「今月も仕事が来ない」「会社辞めなきゃよかったかも」「誰にも相談できない」……フリーランスをやっていると、こんな思いがふと頭をよぎりませんか?

収入の波、孤独、将来への漠然とした不安。会社員時代には想像もしなかったストレスに押しつぶされそうになっている人は、実はかなり多いのです。

株式会社テックビズが2024年8月に実施した調査(対象:20〜60歳のフリーランス600名)によると、フリーランスの約40%が仕事中に孤独を感じているそうです。

特にフリーランス歴1年未満の方では約63%がその傾向を示しました。また、約42%がメンタルヘルスの不調を経験したことがあると回答しています。

(参考)株式会社テックビズ「フリーランスのメンタルヘルスに関する調査」(2024年8月)

この記事では、フリーランスが辛いと感じる本当の理由を明らかにしたうえで、メンタルダウンを防ぐための具体的な対処法を解説します。フリーランスを続けるか会社員に戻るかの判断材料までお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事でわかること

  • フリーランスが「辛い」「後悔」と感じる5つの根本原因
  • メンタル崩壊寸前から立て直す7つの実践的対処法
  • フリーランス継続か会社員回帰かを判断する3つのチェックポイント
目次

フリーランスの「辛い」は構造的な問題——努力不足じゃない

フリーランスが辛いと感じる根本原因は、「働き方そのものが持つ構造的な問題」にあります。収入の不安定さ、孤独感、自己管理の負担。これらは個人の能力や努力の問題ではありません。フリーランスという働き方自体にある課題なのです。

多くのフリーランスが「自分の努力が足りない」「もっと頑張らなきゃ」と自分を責めてしまいがちですが、それは正しい認識ではありません。会社員であれば組織が担ってくれる営業、経理、人事、メンタルケア、これらすべてを一人で背負うことの負荷は、想像以上に大きいものです。

まずは「辛いのは自分のせいじゃない」と認識することが、メンタルを守る第一歩になります。そのうえで、具体的な対処法を知り、自分に合った選択をしていきましょう。

CHECK

フリーランスの辛さは「構造的問題」であり自己責任ではない
営業・経理・人事を一人で担う負荷は想像以上に大きい
「自分のせいじゃない」と認識することがメンタル防衛の第一歩

フリーランスが「辛い・後悔する」5つの根本原因

フリーランスとして働くことの辛さは、単なる「気の持ちよう」で解決できるものではありません。その背景には、構造的な要因が複雑に絡み合っています。

多くのフリーランスが共通して感じる根本原因を整理すると、以下の5つに集約されます。

原因概要主な心理的影響
収入の不安定さ月ごとの収入変動が大きい「来月への恐怖」で眠れない
境界線の消失仕事とプライベートが混在常に仕事のことが頭から離れない
事務負担請求書・確定申告を一人で本業に集中できないストレス
孤独なトラブル対応後ろ盾なしで問題解決「誰にも相談できない」孤立感
断れない過労キャパ超えでも引き受ける限界を超えても走り続ける

それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。

原因1:収入の不安定さと「来月への恐怖」

フリーランスの辛さとして最も多く挙げられるのが、収入の不安定さです。これは単に「お金が足りない」という問題ではありません。「先が読めない」ことによる心理的負担が大きな要因となっています。

会社員であれば、毎月決まった日に決まった金額が振り込まれます。来月の生活費を心配する必要はほぼないでしょう。一方、フリーランスは案件の有無によって収入が大きく変動します。今月は忙しくても来月は暇、あるいはその逆というケースが頻繁に起こります。

年間で見れば安定していても、月単位で見ると激しい波があることが、メンタルに与える影響は無視できません。特に「今月は仕事が少ない」と感じる時期には、将来への不安が一気に膨らみます。夜も眠れなくなるという声は少なくありません。

この不安定さは、クライアントのスケジュールに依存するという構造的な問題から生じています。自分でコントロールできる部分は限られているため、どれだけ努力しても完全に解消することは難しいのが現実です。

原因2:仕事とプライベートの境界線が消える問題

フリーランスの「自由」は、裏を返せば「区切りがない」ことを意味します。会社員のように「出社したら仕事モード、退社したらオフモード」という明確な切り替えがないため、常に仕事のことが頭から離れない状態に陥りやすくなります。

在宅ワークの場合、この問題はさらに深刻です。仕事をする場所と生活する場所が同じであるため、物理的にも心理的にも仕事から離れることが困難になります。休日と決めた日でもクライアントから連絡が入れば対応せざるを得ず、「今日は休み」という意識を持つこと自体が難しくなります。

なかには365日働いているというフリーランスもいます。本人は「自分で選んでいる」と思っていても、実際には「止める方法がわからない」「止めたら収入が途絶えるかもしれない」という恐怖から抜け出せなくなっているケースも少なくありません。

この状態が続くと、心身の疲労が蓄積し、バーンアウト(燃え尽き症候群)やうつ状態のリスクが高まります。

原因3:事務手続き・税金関係の負担

フリーランスになると、本業以外の業務が想像以上に多いことに気づきます。請求書の作成、経費の管理、確定申告、保険の手続き。会社員時代には経理部や総務部が担当していた業務を、すべて自分一人でこなさなければなりません。

特に税金関係は複雑で、知識がないまま放置すると後から大きな負担となって返ってくることがあります。「初年度に稼ぎすぎて、翌年の税金支払いで苦しんだ」という声は、フリーランスの間では珍しくありません。

これらの事務作業は、クリエイティブな仕事や専門的な業務とは異なるスキルを要求されます。「コードだけ書いていたいのに」「デザインに集中したいのに」という思いを抱えながら、苦手な事務作業に時間を取られることは、大きなストレス要因となります。

収入が上がれば税理士や事務代行サービスを利用する選択肢も出てきますが、駆け出しの時期にはその余裕がないことが多く、この負担がメンタルを圧迫する要因となります。

原因4:クライアントとのトラブルを一人で抱える孤独

フリーランスとして働くなかで、クライアントとのトラブルは避けて通れません。サービスで対応していた作業が際限なく増えていく、納品したのに支払いがされない、急に連絡が取れなくなる。こうした問題が発生したとき、フリーランスは一人で対処しなければなりません。

会社員であれば、上司や同僚に相談したり、会社として組織的に対応したりできます。法務部や顧問弁護士のサポートを受けられることもあるでしょう。でもフリーランスには、そうした後ろ盾がありません。

トラブルによる金銭的な損失も大きいですが、それ以上に精神的なダメージが大きいケースが多くあります。「信頼して仕事を受けたのに裏切られた」という思いは、次の案件を受ける際にも影響し、クライアントを信じることへの恐怖につながることがあります。

それに、トラブルが発生しても愚痴をいえる相手がいないことが、孤独感を一層深めます。

原因5:負担の偏りと「断れない」ことによる過労

フリーランスの自由は、責任の裏返しでもあります。仕事が増えたとき、会社員であれば上司が調整したり、チームで分担したりできます。でもフリーランスの場合、すべての負担が自分一人にのしかかります。

特に問題なのが、「断れない」心理です。「この仕事を断ったら、二度と依頼が来なくなるのではないか」「せっかく信頼して発注してくれたのに、期待に応えなければ」。こうした思いから、キャパシティを超えた仕事を引き受けてしまうフリーランスは少なくありません。

紹介で仕事が増えることはフリーランスにとって喜ばしいことです。しかし、急に案件が集中したときに対応できる体制がないと、長時間労働が常態化してしまいます。徹夜が当たり前になり、家族との時間が取れなくなり、最悪の場合は家庭崩壊につながるケースもあります。

会社員であれば、過度な残業は上司が止めてくれることもありますが、フリーランスにはブレーキをかけてくれる存在がいません。すべてが自己責任であるがゆえに、限界を超えても走り続けてしまうのです。

CHECK

収入不安定・境界線消失・事務負担・孤独・過労が5大原因
クライアントトラブル時に後ろ盾がないことが精神的ダメージを増幅
「断れない」心理がキャパオーバーと長時間労働を招く

メンタルダウンを防ぐ7つの実践的対処法

フリーランスの辛さは構造的な問題に起因しますが、対処法がないわけではありません。

ここでは、メンタルダウン寸前の状態から立て直すための具体的な方法を解説します。「頑張れ」「前向きに」といった精神論ではなく、実際に行動に移せる手法に焦点を当てます。

7つの対処法の全体像を先に確認しておきましょう。

対処法目的即効性
収入の「見える化」漠然とした不安を数値目標に変換★★☆
物理的な境界線オンオフの強制的な切り替え★★★
事務作業の仕組み化本業以外の負担を最小化★★☆
人との接点設計孤独感の解消★★☆
「断る力」の習得過労の防止★★★
初心の振り返りモチベーション回復★☆☆
専門家への相談客観的なケア★★★

それぞれの具体的な実践方法を見ていきます。

対処法1:収入の「見える化」で不安を数値に変える

収入の不安は、漠然としているからこそ大きく感じられます。この不安を軽減するための第一歩は、状況を数値として「見える化」することです。

具体的には、以下の3ステップで進めます。

ステップ1:

まず過去1年間の収入と支出を月別に記録します。すでに記録がある場合はそれを集計し、ない場合は銀行口座の入出金履歴や領収書から可能な範囲で再現します。

ステップ2:

次に「安全ライン」を設定します。記録をもとに、「最低限これだけあれば生活できる」という月額を算出します。家賃、光熱費、食費、保険料、税金の積立、これらの必須支出を合計した金額が安全ラインです。

ステップ3:

最後に「緊急資金」の目標を立てます。安全ラインの3〜6か月分を緊急資金として確保することを目標にします。この金額を貯蓄できていれば、仮に収入がゼロになっても数か月は生活を維持できるという安心感が生まれます。

数値化することで、「なんとなく不安」という状態から「あといくら貯めれば安心」という具体的な目標を持てるようになります。漠然とした不安よりも、明確な数字を追いかけるほうが精神的な負担は軽くなります。

対処法2:仕事と生活の「物理的な境界線」をつくる

オンオフの切り替えが難しいフリーランスにとって、意識だけで境界線を引くことは困難です。そこで効果的なのが、物理的な仕掛けを利用する方法です。

在宅ワークの場合でも、「仕事をする場所」と「リラックスする場所」を明確に分けることから始めましょう。理想は仕事専用の部屋を設けることですが、それが難しければデスクの向きを変える、パーティションを置くなど、視覚的な区切りをつくるだけでも効果があります。

「終業時間」を物理的に強制することも有効です。毎日決まった時間にパソコンの電源を切る、スマートフォンの仕事用アプリの通知をオフにするなど、強制的に仕事を終わらせる仕組みをつくります。最初は不安を感じるかもしれませんが、慣れてくると「この時間以降は対応しなくていい」という安心感に変わります。

通勤がないことで失われる「切り替えの儀式」を、意図的につくることもおすすめです。朝の散歩、昼食を外で取る、夕方にジムに行くなど、仕事の前後に外出するルーティンを組み込むことで、オンオフの切り替えがしやすくなります。

対処法3:事務作業の「仕組み化」で負担を最小限に

事務作業は避けられませんが、仕組み化することで負担を大幅に軽減できます。

まずクラウド会計ソフトの導入を検討してください。freeeやマネーフォワードなどを利用すれば、銀行口座やクレジットカードと連携して自動的に記帳されます。初期設定に時間はかかりますが、一度設定すれば日々の経理作業は大幅に削減されます。

「事務作業の日」を固定することも効果的です。請求書の発行、経費の整理、書類の管理などは、毎週・毎月の決まった日にまとめて行うようにします。毎日少しずつ処理するよりも、まとめて処理するほうが効率的で、心理的な負担も軽くなります。

収入が増えてからではなく、早い段階で税理士に相談することも検討してみてください。年1回の確定申告時期だけ依頼するスポット契約であれば、費用を抑えながら専門家のサポートを受けられます。

税金対策や節税の知識を得られるだけでなく、「専門家に任せている」という安心感がメンタルの安定につながります。

対処法4:「人との接点」を意図的に設計する

フリーランスの孤独感を解消するには、意識的に人との接点をつくる必要があります。待っていても接点は生まれないため、自ら行動を起こすことが求められます。

同じ境遇の人々が集まるフリーランスコミュニティに参加することで、悩みを共有したり、情報交換したりする機会が得られます。オンラインであればSlackやDiscordで運営されているコミュニティが多数あり、地理的な制約なく参加できます。対面のイベントや勉強会に参加すれば、より深いつながりを築くこともできます。

毎日でなくても、週に数日はコワーキングスペースで作業することで、物理的な孤立を避けられます。直接会話をしなくても、周囲に人がいる環境で作業するだけで、孤独感は軽減されます。常連になれば、自然と顔見知りが増え、雑談を交わす相手もできてきます。

フリーランスになると、仕事関係以外の人間関係が希薄になりがちです。会社員時代の友人、趣味のサークル、地域のコミュニティなど、仕事と関係のない人間関係を意識的に維持することが大切です。仕事の話ができなくても、日常的な会話を交わすことで精神的な支えになります。

対処法5:「断る力」を身につける実践手順

断れないことによる過労を防ぐには、「断る力」を意識的に身につける必要があります。

まず、1週間に何時間を仕事に充てられるかを明確にします。理想ではなく、健康的に働ける現実的な時間数を設定します。次に、抱えている案件がその時間内に収まっているかを確認します。

断る際の定型文をあらかじめ用意しておくと、心理的なハードルが下がります。「現在、ほかの案件で手一杯のため、今回はお受けすることが難しい状況です。次回ご依頼いただける際には、ぜひお声がけください」。このような文面を用意しておけば、断る際の罪悪感が軽減されます。

依頼を受けた際に即答せず、「確認してから返答します」と一度持ち帰る習慣をつけることも大切です。冷静に考える時間を設けることで、衝動的に引き受けてしまうことを防げます。

断ることで機会を失うという恐怖は根強いものです。でも実際には、キャパシティを超えて引き受けた結果、質の低い成果物を納品したり、納期に遅れたりするほうが、信頼を損なうリスクは高くなります。適切に断ることは、長期的には自分の信頼を守る行為でもあります。

対処法6:「フリーランスの初心」を振り返るワーク

メンタルが落ち込んでいるときには、なぜフリーランスになったのかを思い出すことが有効です。

フリーランスになろうと決めたとき、何を求めていたのかを紙に書き出してみてください。自由な時間、嫌な上司からの解放、スキルを活かした働き方、収入の上限をなくすこと。動機は人それぞれですが、それを言語化することで、現在の辛さと引き換えに得ているものを再認識できます。

特に効果的なのは、会社員時代の辛かった経験を思い出すことです。「あの上司のもとでは二度と働きたくない」「満員電車に毎日乗るのは耐えられない」。こうしたネガティブな動機は、困難な時期を乗り越える強力なモチベーションになります。

月に1回、あるいは四半期に1回、上記のワークを行う習慣をつくることをおすすめします。順調なときにはスキップしても構いませんが、辛さを感じたときにすぐ実行できるよう、やり方を記録しておくとよいでしょう。

対処法7:専門家への相談を選択肢に入れる

メンタルの不調が続く場合は、専門家への相談を選択肢に入れることが重要です。

前述のテックビズ調査では、フリーランスの67.8%が「メンタルヘルスの専門家に相談しにくい」と感じているという結果も出ています。でも、専門家への相談は決して恥ずかしいことでも、弱さの表れでもありません。むしろ、自分の状態を客観的に把握し、適切な対処を行うための合理的な選択です。

心療内科やカウンセリングに抵抗がある場合は、まずオンラインの相談サービスや、厚生労働省が提供する「こころの健康相談統一ダイヤル」などの公的サービスを利用することも検討してください。

フリーランスには、会社員のような産業医やEAP(従業員支援プログラム)がありません。そのため、自分でメンタルケアを設計する必要があります。専門家への相談を「最後の手段」ではなく、「選択肢のひとつ」として早い段階から認識しておくことが大切です。

CHECK

収入の見える化・物理的境界線・事務仕組み化が基本の3本柱
「断る力」は長期的な信頼を守る行為でもある
専門家への相談は「最後の手段」ではなく「選択肢のひとつ」

フリーランス継続か会社員回帰か?判断のための3つのチェックポイント

フリーランスとしての辛さが続く場合、会社員に戻るという選択肢も視野に入れる必要があります。ただし、この判断は感情的に行うべきではありません。

ここでは、冷静に判断するための3つのチェックポイントを解説します。

チェックポイント1:辛さの原因は「解決可能」か「構造的」か

まず、現在感じている辛さが、自分の努力や工夫で解決できるものなのか、フリーランスという働き方に内在する構造的なものなのかを見極める必要があります。

解決可能な辛さと構造的な辛さを整理すると、以下のようになります。

辛さの種類具体例対応策
解決可能スキル不足で案件の質に追いつけない学習・スキルアップ
解決可能事務作業のやり方がわからない仕組み化・外注
解決可能孤独感が強いコミュニティ参加
構造的収入の不安定さそのものに耐えられない環境変化を検討
構造的オンオフの切り替えがどうしてもできない環境変化を検討
構造的一人で責任を負うことに強いストレス環境変化を検討

構造的な辛さの比重が大きい場合は、会社員に戻ることが合理的な選択になり得ます。

チェックポイント2:「一時的な落ち込み」か「慢性的な状態」か

メンタルの落ち込みが、特定のイベント(大きな案件の失敗、クライアントとのトラブルなど)に起因する一時的なものなのか、それとも慢性的に続いているものなのかを判断します。

一時的な落ち込みであれば、時間の経過とともに回復する可能性があります。その場合は、すぐに大きな決断をせず、少し時間を置いて状況を見守ることをおすすめします。

しかし、数か月以上にわたってメンタルの不調が続いている場合は、環境を変えることを真剣に検討すべきです。フリーランスという働き方が自分に合っていない可能性もありますし、無理を続けることでより深刻な状態に陥るリスクもあります。

チェックポイント3:「フリーランスで得たもの」は何か

フリーランスを続けるか会社員に戻るかを判断する際には、フリーランス生活で得たものを棚卸しすることも重要です。

スキルの向上、自己管理能力、営業経験、幅広い人脈、多様なプロジェクト経験。これらはすべて、会社員に戻った場合にも強みとなります。フリーランス経験を持つ人材を高く評価する企業も増えており、「一度フリーランスになったら会社員には戻れない」という認識は過去のものになりつつあります。

2024年12月20日付の日本経済新聞の報道によると、大手人材会社(リクルート、パーソルキャリア)を通じたフリーランスから会社員への転職仲介人数が、2024年4〜9月期で5年前の約3倍に達したとされています。「会社員回帰」は珍しいことではなく、むしろ「スキルアップのためにいったん会社員に戻る」「家庭の状況に合わせて働き方を変える」といった戦略的な選択をする人も増えています。

(参考)日本経済新聞「フリーランス→会社員、5年で転職3倍」(2024年12月20日)

フリーランスを続けることだけが正解ではありません。自分の状況と向き合い、最適な働き方を選ぶことが大切です。

CHECK

辛さが「解決可能」か「構造的」かで対応が変わる
数か月続く慢性的な不調は環境変化を検討すべきサイン
フリーランス経験は会社員復帰後も強みになる

FAQ:フリーランスの辛さに関するよくある質問

ここでは、フリーランスの辛さに関するよくある質問についてまとめてみました。

Q:フリーランス1年目ですが、毎日不安で仕方ありません。これは普通ですか?

フリーランス歴が浅い時期に強い不安を感じることは珍しくありません。テックビズ調査では、フリーランス歴1年未満の方の約63%が孤独を感じているという結果が出ています。

経験を積むにつれて、収入の波やクライアントとの付き合い方に慣れ、不安は軽減されていく傾向があります。ただし、不安が日常生活に支障をきたすレベルであれば、専門家への相談を検討してください。

Q:会社員に戻りたいと思うことは「負け」ですか?

会社員に戻ることは負けではありません。フリーランスと会社員はどちらが優れているというものではなく、それぞれにメリット・デメリットがあります。

人生のステージや価値観の変化に応じて、働き方を変えることは合理的な選択です。実際、多くの方がフリーランスと会社員を行き来しながらキャリアを築いています。

Q:収入が不安定すぎてメンタルが持ちません。どうすればいいですか?

まず、収入と支出を数値化して現状を把握することが重要です。そのうえで、生活費の3〜6か月分を緊急資金として確保することを目標にします。

また、単発案件だけでなく、継続的な案件を増やす努力も有効です。それでも不安が解消されない場合は、フリーランスという働き方自体が合わない可能性も考慮し、会社員への転職を検討することも選択肢です。

まとめ:フリーランスの辛さは構造的問題、自分を責めないで

フリーランスが「辛い」「後悔している」と感じることは、決して珍しいことではありません。収入の不安定さ、孤独感、オンオフの切り替えの難しさ。これらはフリーランスという働き方に内在する構造的な問題であり、あなたの努力不足ではありません。

辛さを感じたときには、この記事で紹介した対処法を試してみてください。収入の見える化、物理的な境界線の設定、人との接点づくり、断る力の習得。これらは即効性のあるものではありませんが、継続することで確実にメンタルの安定につながります。

そして、フリーランスを続けるか会社員に戻るかは、どちらも正解になり得ます。大切なのは、自分の状況と向き合い、感情的ではなく冷静に判断することです。

今日から実践できる3つのアクション

  • 過去1年の収支を記録し「安全ライン」を算出する
  • 終業時間を決めてPC電源を切るルールを設ける
  • フリーランス向けコミュニティに1つ参加してみる

一人で抱え込まず、必要であれば専門家やコミュニティの力を借りながら、自分に合った働き方を見つけていきましょう。

出典・参照一覧

本記事は以下の情報源をもとに作成されています。

※記事内容は2025年11月26日時点の情報に基づいています。法制度や社会状況の変化により内容が変更される場合がありますので、最新情報は各機関にご確認ください。

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