急に住民票や印鑑証明が必要になったとき、「平日に役所へ行く時間がない」「土日でも取得できる方法はないか」と困った経験はありませんか?
実は、マイナンバーカードがあれば全国のコンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書を夜間・休日でも取得できます。また、収入印紙も多くのコンビニで販売されています。
ただ、収入印紙は店舗によって取り扱い状況が異なるため、事前の確認が必要です。
この記事でわかること
- コンビニで住民票・印鑑証明・収入印紙が取得・購入できる条件と方法
- マイナンバーカードを使った証明書取得の具体的な5ステップ
- 利用時のトラブル対処法と自治体が未対応の場合の代替手段
住民票・印鑑証明は取得可能、収入印紙は店舗により販売
住民票の写しや印鑑登録証明書は、マイナンバーカードがあれば全国の主要コンビニで取得できます。
セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップなど、マルチコピー機が設置されている店舗であれば、朝6時30分から夜23時00分までの時間帯に取得可能です。平日だけでなく土日祝日も利用できるため、役所の開庁時間に間に合わない方にとって非常に便利なサービスです。
一方、収入印紙はコンビニ交付サービスとは別の商品として販売されています。大手コンビニチェーンで購入できますが、基本的に200円の印紙のみの取り扱いです。
高額の印紙や複数種類が必要な場合は、事前に店舗へ電話確認するか、郵便局や法務局での購入を検討しましょう。
コンビニ交付サービスが利用できる理由
このサービスは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営する全国共通のシステムを通じて提供されています。
お住まいの市区町村がコンビニ交付サービスに参加していれば、マイナンバーカードに搭載された電子証明書を使って本人確認を行い、住民票などの証明書を安全に取得できる仕組みです。
コンビニ交付サービスを導入する市区町村は順次拡大中ですが、サービスの実施状況やサービス内容は市区町村により異なります。
(参考)総務省「コンビニ交付サービス」
CHECK
マイナンバーカードで全国のコンビニから住民票・印鑑証明を6時30分から23時00分に取得可能
収入印紙は基本200円のみ、高額印紙は郵便局・法務局が確実
自治体ごとに対応状況が異なるため事前確認が必須
コンビニで取得できる証明書の種類と条件
コンビニのマルチコピー機では、住民票の写しや印鑑登録証明書のほか、いくつかの公的証明書を取得できます。
ここでは、取得可能な証明書の種類と、それぞれに必要な条件を整理します。
取得できる主な証明書一覧
コンビニ交付サービスで取得できる証明書は、以下のとおりです。
ただし、自治体によって取り扱う証明書の種類が異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
| 証明書の種類 | 必要なもの | 備考 |
| 住民票の写し | マイナンバーカード | 本人分・世帯全員分を選択可能 |
| 印鑑登録証明書 | マイナンバーカード | 事前に印鑑登録が必要 |
| 戸籍証明書 | マイナンバーカード | 本籍地の自治体が対応している場合のみ |
| 戸籍の附票の写し | マイナンバーカード | 本籍地の自治体が対応している場合のみ |
| 課税証明書・納税証明書 | マイナンバーカード | 一部自治体のみ対応 |
住民票の写しは、本人のみの記載か世帯全員の記載かを選択できます。また、マイナンバーや住民票コードの記載の有無も選べるため、提出先の要件に応じて柔軟に対応できます。
印鑑登録証明書を取得する場合は、事前に市区町村の窓口で印鑑登録を済ませておく必要があります。登録していない場合は、コンビニでは取得できないため注意しましょう。
利用できる時間帯と手数料
利用可能時間は、原則として6時30分から23時00分で、土日祝日でも証明書を取得できます。
仕事や家事で忙しい方でも、早朝や夜間に証明書を取得できる点が大きなメリットです。
ただ、年末年始(12月29日から1月3日)やシステムメンテナンス時は利用できません。自治体によっては利用時間が異なる場合もあるので、急ぎの場合は事前に確認しておくと安心です。
手数料は市区町村によって異なりますが、市区町村によっては窓口より交付手数料が安くなることもあります。
たとえば、東京都府中市では2024年4月1日から2027年3月31日の期間、コンビニ交付サービスを利用して証明書を請求すると、手数料が100円(税込)になります。お住まいの市区町村の公式サイトで確認しましょう。
対応している自治体の確認方法
コンビニ交付サービスは、全国すべての自治体で利用できるわけではありません。
お住まいの市区町村または本籍地がコンビニ交付サービスを提供しているかを確認できます。地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の公式サイトにある「コンビニ交付利用可能市区町村一覧」をチェックしてください。
(参考)コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付【コンビニ交付】
利用できるコンビニエンスストア等店舗数は全国約56,000店舗(2025年11月末現在)となっており、多くの自治体でサービスが導入されています。
東京23区や政令指定都市のほとんどが対応していますが、小規模な町村では未対応のところもあります。
また、戸籍証明書や課税証明書など、一部の証明書は対応自治体が限られています。住民票や印鑑証明以外の証明書が必要な場合は、自治体の公式サイトで取得可能な証明書の種類を確認しておきましょう。
CHECK
住民票・印鑑証明のほか戸籍証明書・課税証明書も自治体により取得可能
手数料は自治体ごとに異なり、窓口より安い場合もある
対応自治体はJ-LIS公式サイトで確認、全国約56,000店舗で利用可能
マイナンバーカードを使った証明書取得の手順
実際にコンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書を取得する際の手順を、画面操作の流れに沿って解説します。
初めて利用する方でも、この手順どおりに進めれば5分程度で証明書を取得できます。
STEP1:マルチコピー機で「行政サービス」を選択
コンビニに設置されているマルチコピー機のトップ画面から、「行政サービス」ボタンを押します。
セブン-イレブンやローソン、ファミリーマートなど、各コンビニチェーンで画面のデザインは若干異なりますが、「行政サービス」または「証明書交付サービス」という項目を探してください。
次に、「証明書の交付」を選択し、続けて「証明書交付サービス」を選びます。利用上の同意事項が表示されたら、内容を確認して「同意する」を押しましょう。
STEP2:マイナンバーカードをセットして本人確認
画面の指示に従い、マルチコピー機の所定の場所(カード置き場)にマイナンバーカードを置きます。
カード置き場は機種によって場所が異なりますが、画面に図解で表示されるため、迷うことはほとんどありません。
カードをセットしたら「次へ」を押し、「マイナンバーカード」(または住基カードをお持ちの場合は「住基カード」)を選択します。次に、お住まいの市区町村の証明書を選択する画面が表示されるので、該当する自治体を選びましょう。
ここで、マイナンバーカード交付時に設定した数字4桁の暗証番号(利用者証明用電子証明書の暗証番号)を入力します。
この暗証番号は、マイナンバーカードを受け取った際に自分で設定したもので、署名用電子証明書の6桁以上の暗証番号とは異なるため注意してください。
本人確認が完了したら、マイナンバーカードを取り外します。この後の操作ではカードを使わないため、忘れずに取り外して財布やカードケースにしまいましょう。取り忘れによる紛失トラブルを防ぐため、ここで必ずカードを回収する習慣をつけてください。
STEP3:取得したい証明書と記載内容を選択
お住まいの市区町村で取得可能な証明書の一覧が表示されます。住民票の写し、印鑑登録証明書、戸籍証明書など、必要な証明書を選択してください。
たとえば、住民票の写しを選んだ場合、次に交付種別を選びます。「本人のみ」「世帯全員」「世帯の一部」などの選択肢が表示されるので、用途に応じて選択しましょう。
続いて、マイナンバーや住民票コードの記載の有無を選びます。提出先からマイナンバーの記載を求められていない場合は「記載なし」を選ぶのが安全です。
マイナンバー入りの住民票は取り扱いに注意が必要なため、不要な場合は記載しないことをおすすめします。
記載事項を確定したら、必要な部数を入力します。通常は1部で十分ですが、複数の提出先がある場合は必要部数を入力してください。
STEP4:内容確認・支払い・印刷
これまで入力した内容が画面に表示されるので、最終確認を行います。
証明書の種類、記載内容、部数に間違いがないか確認し、問題がなければ「確定する」ボタンを押します。
次に、交付手数料が表示されます。マルチコピー機のお金の投入口に現金を入れてください。支払いは現金のみです。使用できる紙幣や硬貨は機種によって異なるため、できるだけ小銭を用意しておくと安心です。
入金を終えたら「プリントスタート」ボタンを押します。数秒で証明書が印刷されるので、忘れずに受け取ってください。
印刷された証明書には、自治体の公印が印刷されており、窓口で取得したものと同じ効力があります。
この手順どおりに進めれば、初めての方でも5分程度で証明書を取得できます。操作中に不明な点があれば、画面に表示される案内や、コンビニ店員に確認しましょう。
CHECK
行政サービス→証明書交付→マイナンバーカードセット→暗証番号入力の4ステップ
暗証番号は4桁の利用者証明用、6桁以上の署名用とは異なる
支払いは現金のみ、印刷後は自治体公印付きで窓口取得と同じ効力
コンビニで収入印紙を購入する方法と注意点
住民票や印鑑証明書はコンビニ交付サービスで取得しますが、収入印紙はコンビニ交付サービスとは別の商品として、レジで直接購入します。
ここでは、収入印紙をコンビニで購入する際の実務的なポイントと注意点を解説します。
収入印紙を取り扱っているコンビニチェーン
以下の大手コンビニでは収入印紙を取り扱っています。
- セブンイレブン
- ファミリーマート
- ローソン
- ミニストップ
- コミュニティストア
- デイリーヤマザキ
- ポプラ
(参考)収入印紙はコンビニでも買える?額面や買うときの注意点を解説!
コンビニで取り扱いがあるということは、24時間年中無休営業であれば土日祝日でも手に入れられるということになります。
ただし、店舗によっては取り扱いがない場合もあります。特に、駅構内のコンビニや個人経営の非フランチャイズ店では収入印紙を扱っていないことが多いです。
取り扱っている収入印紙の種類と購入方法
コンビニで取り扱っている収入印紙の金額は基本的に200円のみです。
収入印紙は万引き防止などの観点から商品棚には並べられていませんので、レジで直接購入する必要があります。
購入手順
- レジにいる店員に「収入印紙を○○円分、○枚ください」と伝える
- 店員が収入印紙を出してくれるので、金額と枚数を確認
- 現金または対応している電子マネーで支払う
200円以外の金額が必要な場合、店舗によっては事前連絡をすれば200円以外の収入印紙を取り寄せてもらえる場合もあるようです。
ただし、1,000円や2,000円のような高額な収入印紙はコンビニでは取り扱っていません。
支払い方法と注意点
収入印紙を買うときは、基本的に現金のみ支払い可能で、電子マネーやクレジットカードでは支払いできません。ただ、一部のコンビニでは例外があります。
セブンイレブンではnanaco、ミニストップではWAONで購入が可能です。ファミリーマートではファミマTカードを利用することでクレジットカード払いにより購入可能です。ローソンでは現金でしか収入印紙を購入できません。
注意すべき点
- 店員が収入印紙と切手を間違えてしまう場合があるので、購入した際は必ず確認したほうがよいです
- 領収書が必要な場合は、購入時にレジで申し出る
- すぐにでも収入印紙が必要な場合は、事前に問い合わせをして在庫を確認しておくとよいでしょう
高額印紙が必要な場合の購入場所
郵便局では31種類の収入印紙すべてを取り扱っています。高額の印紙や複数種類を組み合わせて購入したい場合は、郵便局のほうが確実です。
法務局の窓口や局内売店でも収入印紙を購入できます。登記申請書などの公的な書類を受け付けている法務局であれば、郵便局と同じく31種類すべての収入印紙を取り扱っており、購入してすぐ申請書に貼ることが可能です。
ただし、法務局は17時00分までしか営業していないことが多く、土日祝は閉まっているので、訪れるタイミングによっては収入印紙を購入できません。
CHECK
大手コンビニで24時間購入可能だが基本200円のみ、駅構内や非フランチャイズ店は未対応が多い
支払いは基本現金、セブンはnanaco、ミニストップはWAON、ファミマはファミマTカードで購入可能
高額印紙や複数種類は郵便局(31種類)・法務局が確実、ただし営業時間に注意
利用時のよくあるトラブルと対処法
コンビニで証明書を取得する際、いくつかのトラブルが発生することがあります。ここでは、実務でよくあるトラブルとその対処法を紹介します。
暗証番号を忘れた・間違えた場合
マイナンバーカードに設定されている暗証番号は、連続3回間違えるとロックがかかります。解除する際は、本人がマイナンバーカードを持参し市役所で暗証番号の初期化の手続きをしてください。
コンビニのマルチコピー機では暗証番号のリセットはできません。お住まいの市区町村の窓口で暗証番号の再設定が必要です。
暗証番号を忘れないように、マイナンバーカード交付時に設定した暗証番号は、安全な場所にメモしておくことをおすすめします。ただし、カードと一緒に保管すると紛失時のリスクが高まるため、別々に管理してください。
マイナンバーカードが読み取れない場合
マルチコピー機にマイナンバーカードをセットしても読み取れない場合、いくつかの原因が考えられます。
カードの置き方が正しくない場合、ICチップが読み取り部分に接触していない可能性があります。画面に表示される図解を確認し、カードを正しい向きで置き直してください。
カードが破損している場合、ICチップが物理的に損傷していることがあります。カードに大きな傷や折れ曲がりがある場合は、市区町村の窓口で再発行の手続きが必要です。
再発行には手数料がかかり、マイナンバーカードの再交付手数料は1,000円(税込)(電子証明書の発行を希望しない場合は800円(税込))です。
機械のトラブルの場合、マルチコピー機自体に不具合が生じていることもあります。この場合は、別のコンビニで試すか、店員に報告してください。
証明書の印刷ミス・記載内容の誤り
証明書が正しく印刷されなかった場合や、記載内容に誤りがあった場合の対処法は、状況によって異なります。
印刷ミス(用紙のズレ、インク切れなど)が発生した場合、店員に報告すれば、多くの場合は無料で再印刷してもらえます。ただし、すでに手数料を支払っているため、再度手数料を請求されることはありません。
記載内容に誤りがあった場合(住所や氏名の記載ミスなど)は、自治体のシステム上のデータに問題がある可能性があります。この場合は、お住まいの市区町村の窓口に連絡して確認してください。
データの誤りであれば、窓口で訂正手続きを行い、正しい証明書を再発行してもらう必要があります。
一方、自分で選択した記載内容を間違えた場合(例:マイナンバー記載なしを選ぶべきところを記載ありで選んでしまった)は、再度手数料を支払って取り直す必要があります。印刷前の最終確認画面で、記載内容をしっかりチェックすることが重要です。
自治体が対応していない場合の代替手段
お住まいの市区町村がコンビニ交付に対応していない場合、以下の代替手段を検討しましょう。
郵送請求を利用すれば、自宅にいながら証明書を取得できます。市区町村の公式サイトから申請書をダウンロードし、必要事項を記入して返信用封筒と手数料(定額小為替)を同封して郵送します。証明書が届くまでには日数がかかるため、余裕を持って申請してください。
オンライン申請に対応している自治体もあります。マイナポータルや自治体の専用サイトから申請し、証明書を郵送で受け取る形式です。手数料の支払いもオンラインで完結するため、郵送請求よりも手軽です。
窓口に直接行くのが最も確実ですが、平日の開庁時間(通常8時30分から17時15分)に限られるため、仕事や家事で忙しい方には難しい場合があります。一部の自治体では、土曜日や夜間に窓口を開いていることもあるため、事前に確認してみましょう。
CHECK
暗証番号3回連続ミスでロック、市区町村窓口で初期化が必要
カード破損時の再発行は1,000円(税込)、電子証明書なしは800円(税込)
自治体未対応時は郵送請求・オンライン申請・窓口直接の3つの代替手段
よくある質問(FAQ)
コンビニで証明書を取得する際に、多くの方から寄せられる代表的な質問とその回答をまとめました。
Q1:マイナンバーカードを持っていない場合、コンビニで証明書を取得できますか?
コンビニ交付サービスは、マイナンバーカードが必須です。
住基カード(現在は新規発行停止)を持っている場合は利用できますが、マイナンバーカードを持っていない場合は、市区町村の窓口で取得するか、郵送請求を利用する必要があります。マイナンバーカードの発行には通常1か月程度かかるため、早めに申請しておくことをおすすめします。
Q2:コンビニで取得した証明書は、窓口で取得したものと同じ効力がありますか?
はい、同じ効力があります。
コンビニ交付で取得した証明書には、自治体の公印が印刷されており、窓口で取得したものと法的に同等の効力を持ちます。提出先の機関(銀行、法務局、会社など)でも問題なく受理されます。
Q3:収入印紙はどのコンビニでも買えますか?
多くの大手コンビニで取り扱っていますが、すべてのコンビニで取り扱っているわけではありません。
セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートなどの大手チェーンでも、店舗によって在庫の有無や種類が異なります。200円の印紙は比較的多くの店舗で取り扱っていますが、高額の印紙は在庫が限られています。確実に購入したい場合は、事前に店舗へ電話で確認するか、郵便局を利用することをおすすめします。
まとめ:コンビニ交付で24時間いつでも証明書取得
コンビニで住民票や印鑑証明を取得できるのは、忙しい現代人にとって大きなメリットです。マイナンバーカードさえあれば、早朝や夜間、土日祝日でも証明書を取得でき、自治体によっては窓口よりも手数料が安い場合もあります。
収入印紙についても、多くのコンビニで200円の印紙を購入できますが、高額の印紙や複数種類が必要な場合は、郵便局や法務局の利用も検討しましょう。
今日から実践できる3つのアクション
- お住まいの自治体がコンビニ交付に対応しているかJ-LIS公式サイトで確認する
- マイナンバーカードの4桁暗証番号を安全な場所にメモして管理する
- 収入印紙が必要な場合は事前に店舗へ電話で在庫を確認する
急な引っ越しや就職、契約手続きなどで証明書や収入印紙が必要になった際は、ぜひコンビニを活用してください。24時間営業のコンビニで、必要なときに必要な証明書や収入印紙を取得・購入できる便利さを、ぜひ体験してみてください。
出典・参照元
本記事は以下の情報源をもとに作成されています。
※記事内容は2025年11月24日時点の税制・法令に基づいています。税制改正等により内容が変更される場合がありますので、最新情報は国税庁または税理士にご確認ください。
