予定納税の通知書が届いたものの「今年は所得が減りそうだ」と感じたら、減額申請の準備を始めてください。手続きは申請書の作成・計算書の記入・税務署への提出の3ステップで終わります。
前年の所得税が15万円以上だと対象になり、提出期限は7月1日〜15日です(国税庁)。書き方からe-Tax手順まで、この記事で一通りカバーしています。
この記事の結論
予定納税の減額申請は、申告納税見積額が予定納税基準額を下回る見込みがあれば誰でも申請できます。申請書と計算書の2点を期限内に提出すれば手続きは完了です。e-Taxなら自宅から送信でき、紙の場合は税務署への持参か郵送で対応できます。
所得減少・廃業・扶養控除の増加など理由は幅広く認められるため、該当する方は7月上旬までに着手してください。
今日やるべき1つ
国税庁HPから「所得税の予定納税額の減額申請書」をダウンロードし、通知書の金額と今年の見込み所得を手元に用意する(15分)
状況別ショートカット
| あなたの状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| 予定納税の仕組みを知りたい | 予定納税減額申請の基本は3用語で整理 | 3分 |
| 申請書の書き方を知りたい | 予定納税減額申請の書き方は3パターンで対応 | 5分 |
| e-Taxで提出したい | 予定納税減額申請のe-Tax手順は5ステップ | 5分 |
| 自分が申請対象か判断したい | 予定納税減額申請の対象を3分で診断 | 3分 |
| 成功・失敗事例を見たい | 予定納税減額申請の実例は2パターンで比較 | 4分 |
| 提出前の確認をしたい | 予定納税減額申請は8項目でチェック | 3分 |
| 実務のコツを知りたい | 予定納税減額申請は5つの工夫で効率化 | 7分 |
予定納税減額申請の基本は3用語で整理

押さえるべき用語は3つだけ。この3つを理解すれば、自分が申請対象かどうか、いつまでに何をすべきかが明確になります。
予定納税基準額は前年の所得税で決まる
予定納税基準額とは、前年の確定申告で算出された所得税額のうち、予定納税の計算に使われる金額です。この基準額が15万円以上の場合に予定納税の対象となります(国税庁 予定納税の減額申請手続)。
対象者には6月中旬ごろに税務署から通知書が届きます。第1期(7月)と第2期(11月)にそれぞれ基準額の3分の1ずつを納付する仕組みである。
申告納税見積額は今年の見込み所得から算出
申告納税見積額とは、今年1年間の所得を見積もり、所得控除や税額控除を差し引いて計算した税額です。この見積額が予定納税基準額を下回る場合に、減額申請の対象になります。計算には速算表を使ってください。事業所得や給与所得など各所得の見込み額を合算したうえで控除を差し引きます。
減額申請の期限は7月15日が原則
第1期・第2期分の減額申請は7月1日〜7月15日が提出期限です。第2期分のみの申請は11月1日〜11月15日が期限となります(国税庁 予定納税の減額申請手続)。提出期限が土日祝日に当たる場合は翌営業日が期限です。なお、令和6年分では定額減税の影響で7月31日まで延長されたケースもあったため、年度ごとに国税庁の告知を確認してください。
CHECK
・通知書に記載された予定納税基準額を確認した
・今年の所得が前年より減少する見込みがあるか判断した
よくある質問
Q. 予定納税の対象にならない人は?
前年の所得税額(予定納税基準額)が15万円未満の方は対象外です。給与所得のみで源泉徴収されている会社員も対象になりません。
Q. 減額申請をしないとどうなる?
通知書どおりの金額を期限までに納付してください。納付が遅れると延滞税が発生します。
Q. 予定納税基準額と申告納税額は同じ?
いいえ、異なります。臨時的な所得(退職所得・山林所得等)がある場合は、その分を差し引いた金額が予定納税基準額です。
予定納税減額申請の書き方は3パターンで対応

申請書の記入方法は、大きく3パターンに分かれます。自分の状況に合ったパターンを選べば、記入すべき箇所が明確になり、迷わず進められます。以下でそれぞれの記入ポイントを整理しました。
パターン1は第1期・第2期の同時申請で記入
最も多いパターンが、第1期分と第2期分を同時に申請する方法です。申請書の上部に住所・氏名・納税地・整理番号を記入し、通知された予定納税額と減額を求める金額を記載します。減額の理由は「所得の減少」「廃業・休業」「業績不振」などから該当するものに〇を付け、具体的な理由を記述してください(予定納税減額申請の書き方)。
パターン2は第2期分のみの申請で11月が期限
第1期は通知どおり納付したものの、その後に所得が減少した場合は第2期分のみの減額申請ができます。記入内容はパターン1と同じですが、申請書の該当欄で「第2期分のみ」を選択する点が異なる。提出期限は11月1日〜11月15日です。
パターン3は計算書の所得見積もりで正確に記入
申請書と一緒に提出する「申告納税見積額等の計算書」は、減額申請の根幹となる書類です。事業所得・給与所得・不動産所得など各所得区分ごとに今年の見込み額を記入し、所得控除(社会保険料・扶養控除・基礎控除等)を差し引いて申告納税見積額を算出します。速算表を使えば税額計算は10分程度で終わります。申請時には計算の基礎となる書類(損益計算書や売上台帳の写しなど)の添付も求められるため、あわせて準備してください。
CHECK
・申請書と計算書を国税庁HPからダウンロードした
・通知書の金額と見積額を記入した
・計算の基礎となる書類(損益計算書等)を添付した
よくある質問
Q. 減額理由はどの程度具体的に書く?
「主要取引先との契約終了により売上が前年比50%減少の見込み」のように、所得が減少した事実と程度を数値で書いてください。曖昧な表現だと審査で追加確認が入ります。
Q. 計算書の所得見積もりが正確でなくても問題ない?
はい、あくまで「見込み」のため多少のずれは問題ありません。ただし確定申告時に大幅に乖離していると、翌年以降の予定納税額に影響します。
Q. 添付書類は何を用意すればいい?
損益計算書・売上台帳の写し・廃業届の控え・医療費の領収書など、減額理由を裏付ける書類を準備してください。
予定納税減額申請のe-Tax手順は5ステップ

e-Taxを使えば、税務署に行かず自宅から減額申請を完結できます。PC版e-Taxソフトの操作が前提ですが、画面の指示に沿って入力すれば、初めてでも30分程度で送信まで終わります。各ステップの流れを確認してください。
ステップ1はe-Taxソフトで新規作成を選択
e-Taxソフト(PC版)を起動し、「作成」メニューから「新規作成」を選択します。申告・申請等の種類で「所得税」を選び、帳票一覧から「所得税の予定納税額の減額申請書」を選択してください(e-Tax手順詳細)。スマホ版e-Taxでは減額申請書の作成に対応していないため、PC版を使ってください。
ステップ2は基本情報と通知額を入力
氏名・住所・納税地・整理番号などの基本情報を入力します。続いて通知書に記載された予定納税額を入力し、減額を求める金額と理由を記載してください。
ステップ3は計算書で見積額を入力
申告納税見積額等の計算書の画面に進み、各所得区分の見込み額と所得控除額を入力します。e-Taxは自動計算機能があるため、紙の申請書より転記ミスが起きにくい。
ステップ4は電子署名で送信
入力内容を確認し、電子証明書(マイナンバーカード等)で電子署名を付与して送信します。送信後は受信通知で受付状況を確認できます。
ステップ5は承認結果を電子通知で確認
申請後、税務署から承認・一部承認・却下のいずれかの通知が届きます。電子通知での受け取りを選択した場合はe-Taxで結果を確認でき、承認された金額で予定納税を行ってください。
CHECK
・e-Taxソフト(PC版)をインストールした
・マイナンバーカードとICカードリーダーを手元に準備した
・電子証明書の有効期限を確認した
よくある質問
Q. スマホで申請できる?
いいえ、スマホ版e-Taxでは減額申請書の作成に対応していません。PC版e-Taxソフトまたは紙での提出を選んでください。
Q. e-Taxで送信後、承認までどのくらいかかる?
数週間程度で承認通知が届きます。7月の提出期限直前は混雑するため、7月上旬に送信してください。
Q. ICカードリーダーがない場合は?
マイナンバーカード対応のスマートフォンをICカードリーダーの代わりに使えます。e-Taxソフトの「二次元バーコード認証」機能を利用してください。
予定納税減額申請の対象を3分で診断

自分が減額申請の対象になるかどうかは、3つの質問で判定できます。通知書を手元に置いて、以下のフローに回答してください。
Q1: 予定納税の通知書が届いた?
- はい → Q2へ
- いいえ → 【結果A】予定納税の対象外
Q2: 今年の所得が前年より減少する見込みがある?(所得減少・廃業・休業・扶養控除増加・医療費増加など)
- はい → Q3へ
- いいえ → 【結果B】通知どおり納付
Q3: 申告納税見積額が予定納税基準額を下回る?
- はい → 【結果C】減額申請の対象
- いいえ → 【結果D】減額申請は不可、通知どおり納付
診断結果の活用方法
| 結果 | 次のステップ |
| 結果A | 予定納税の対象外 → 手続き不要 |
| 結果B | 通知書の金額どおりに7月・11月に納付 |
| 結果C | 国税庁HPから申請書をダウンロード → 7月15日までに提出 |
| 結果D | 見積額が基準額以上 → 通知どおり納付 |
CHECK
・診断結果を確認した
・該当する「次のステップ」の実行日を決めた
よくある質問
Q. 所得が少しだけ減りそうだが申請できる?
はい、申告納税見積額が予定納税基準額を1円でも下回れば申請できます。ただし差額が小さい場合は手続きの手間と減額効果を比較して判断してください。
Q. 扶養家族が増えた場合も申請できる?
はい、扶養控除の増加により申告納税見積額が下がる場合も減額申請の対象です(予定納税における減額申請)。結婚・出産・親の扶養開始などが該当します。
Q. 所得は減っていないが控除額が増えた場合は?
はい、医療費控除や社会保険料控除の増加により見積税額が下がる場合も、減額申請の対象です。
予定納税減額申請の実例は2パターンで比較

減額申請を実際に行った2つのケースを紹介します。事前準備をした場合と期限直前に動いた場合で、結果にどんな差が出るのかを比較してください。体験談のURLも記載しているため、詳細を確認できます。
ケース1: 事前準備で承認をスムーズに獲得
状況: フリーランスとして活動する個人事業主。前年は高額の売上があったが、今年は主要取引先との契約が終了し、売上が大幅に減少する見込みだった。
判断: 通知書が届いた時点で申請書と計算書のドラフトを作成し、不明点を税務署で確認したうえで7月上旬に提出した。
結果: 申請が承認され、予定納税額が半分以下に減額された。資金繰りの不安が軽減し、事業運営に集中できた。
事前準備をした個人事業主は「申請書持参で投函、承認され予定納税半分以下に減額。収入減だが経験になった」と語っています(予定納税減額申請実践記)。
分岐点: 申請せずに通知どおり納付していたら、手元資金が不足し、事業継続に支障が出ていた。
ケース2: 書き方不安で税務署に直行して解決
状況: 初めて予定納税の通知を受け取った個人事業主。申請書の書き方がまったくわからず、記入ミスへの不安が大きかった。
判断: 自力での記入を諦め、申請期限ギリギリになってから税務署に相談に行った。
結果: 税務署の職員に書き方を教えてもらい、その場で記入ミスを回避できた。ただし期限直前のため待ち時間が長く、半日を費やした。
税務署で直接相談した個人事業主は「書き方わからず税務署直行、記載ミス回避で安心」と報告しています(税務署訪問で減額申請体験)。
分岐点: 7月初旬に訪問していれば、待ち時間も短く余裕を持って提出できていた。
CHECK
・自分の状況がケース1・2のどちらに近いか確認した
・該当する対応策を実行する日を決めた
よくある質問
Q. 税務署の相談窓口は無料?
はい、無料です。申請書の書き方や計算方法を教えてもらえるため、記入に不安がある場合は活用してください。
Q. 減額申請が却下されることはある?
はい、見積額の根拠が不十分な場合や計算に誤りがある場合は一部承認や却下になります。却下された場合でも確定申告で税額が精算され、過納分は還付されます。
Q. 7月上旬と7月中旬で税務署の混雑度は違う?
はい、7月10日以降は申告期限直前で混雑します。待ち時間を短くするなら7月1日〜5日に訪問してください。
予定納税減額申請は8項目でチェック

申請書を提出する前に確認すべき項目は8つです。提出後に「あの書類を忘れた」と気づいても、期限を過ぎていればやり直しがきかないため、このリストで漏れなく確認してください。
申請書提出前チェックリスト
- 予定納税の通知書が手元にある
- 申請書に住所・氏名・納税地・整理番号を記入した
- 通知された予定納税額を正しく転記した
- 減額を求める金額と申告納税見積額を記入した
- 減額理由(所得減少・廃業・扶養控除増加等)を記載した
- 計算書を作成し、計算の基礎となる書類(損益計算書等)を添付した
- 提出期限(第1・2期分: 7/1-15、第2期のみ: 11/1-15)を確認した
- 提出方法(e-Tax/税務署持参/郵送)を決めた
CHECK
・チェックリストの全項目を確認した
・提出日を決めた
よくある質問
Q. 郵送の場合、消印は有効?
はい、提出期限日の消印があれば有効です。余裕を持って期限の3〜5日前に投函してください。
Q. 控えは必要?
はい、税務署に持参する場合は2部用意し、1部に収受印をもらってください。郵送の場合は返信用封筒を同封します。
Q. 記入ミスに気づいた場合は?
提出期限内であれば再提出で差し替えできます。期限を過ぎている場合は管轄税務署に連絡してください。
予定納税減額申請は5つの工夫で効率化

減額申請の手続きをスムーズに進めるための実務テクニックを5つ紹介します。すべてを実行する必要はなく、自分の状況に合うものを1つ選んで取り組んでください。
工夫1: 速算表で見積税額を10分で算出
【対象】
計算書の税額算出に時間がかかる個人事業主
【効果】
所得税の速算表を使えば、税額計算が10分以内に終わる
【所要時間】約10分
【手順】
- 今年の各所得(事業所得・給与所得等)の見込み額を合算する(3分)
- 所得控除(基礎控除48万円・社会保険料・扶養控除等)を差し引き課税所得を算出する(3分)
- 国税庁の速算表に課税所得を当てはめ、税率と控除額から所得税額を計算する(2分)
- 算出した税額を計算書に転記し、予定納税基準額と比較する(2分)
【コツ】
速算表に課税所得を当てはめるだけで税額が出ます。掛け算と引き算の1回で計算が確定するため、累進課税の段階計算を省略できます。
【なぜ効くのか】
所得税の計算は累進課税で税率が段階的に変わり、手計算では各段階の計算が必要です。速算表は税率と控除額が一覧化されており、1回の計算で正確な税額が確定します。
【注意点】
速算表は所得税のみに対応しており、復興特別所得税(所得税額の2.1%)は別途加算してください。
【最初の一歩】
国税庁HPで速算表を確認し、今年の見込み課税所得を概算で算出する(10分)。
工夫2: 税務署への事前相談で記入ミスをゼロに
【対象】
減額申請が初めてで、記入方法に不安がある個人事業主
【効果】
提出前に税務署で確認すれば、記入ミスによる差し戻しを防ぎ、1回の提出で承認されやすくなる
【所要時間】約1〜2時間(移動時間含む)
【手順】
- 申請書と計算書をダウンロードし、わかる範囲で下書きを記入する(20分)
- 前年の確定申告書の控えと通知書を持参資料として準備する(5分)
- 管轄税務署に訪問し、相談窓口で書き方を確認する(30分〜1時間)
- 指摘された箇所を修正し、その場で提出する(10分)
【コツ】
ドラフト段階で税務署に相談してください。相談しながら仕上げると、完成品を持っていくより手戻りが少なくなります。
【なぜ効くのか】
税務署の職員は減額申請の審査基準を把握しているため、「この理由の書き方では不十分」「この計算は間違い」といった具体的な指摘を受けられます。
【注意点】
7月10日以降は税務署が混雑します。7月1日〜5日の訪問を推奨。
【最初の一歩】
管轄税務署の場所と受付時間を確認し、訪問日を決める(5分)。
工夫3: e-Taxの自動計算で転記ミスを防止
【対象】
PCの操作に抵抗がなく、税務署に行く時間を節約したい個人事業主
【効果】
e-Taxの入力画面で自動計算されるため、手書き時の転記ミスを防げる
【所要時間】初回セットアップ30分、申請自体20分
【手順】
- e-Taxソフト(PC版)をインストールし、利用者識別番号を取得する(初回のみ、20分)
- マイナンバーカードとICカードリーダーを準備する(5分)
- 「新規作成」から「所得税の予定納税額の減額申請書」を選択し、画面の指示に従い入力する(15分)
- 入力内容を確認し、電子署名を付与して送信する(5分)
【コツ】
e-Taxの画面入力から始めてください。入力項目にガイドがあり、計算も自動で行われるため、紙より記入漏れが起きにくい。
【なぜ効くのか】
紙の申請書では所得控除の計算や税額の算出を手作業で行いますが、e-Taxでは金額を入力すれば自動計算されます。送信記録が残るため、提出済みの確認も容易です。
【注意点】
スマホ版e-Taxでは減額申請に対応していないため、PC版を使ってください。電子証明書の有効期限切れにも注意。
【最初の一歩】
e-Taxソフトの公式サイトにアクセスし、インストール状況と利用者識別番号の有無を確認する(10分)。
工夫4: 減額理由の具体的記述で承認率を向上
【対象】
減額理由の書き方に迷い、抽象的な表現で済ませてしまう個人事業主
【効果】
理由欄に具体的な数値と事実を記載すれば、審査担当者の理解が早まり、承認までの期間を短縮できる
【所要時間】約15分
【手順】
- 所得が減少した原因を特定する(取引先減少・廃業・病気・扶養増加など)(3分)
- 減少額を概算する(前年売上○万円→今年見込み○万円、差額○万円)(5分)
- 理由欄に原因と数値を具体的に記述する(5分)
- 記述内容が計算書の数値と整合しているか確認する(2分)
【コツ】
「主要取引先A社との契約が3月末で終了し、年間売上が約300万円減少の見込み」のように書いてください。審査担当者が「なぜ減額が妥当か」を即座に判断できる記述が承認率を高めます。
【なぜ効くのか】
税務署の審査担当者は1日に多数の申請書を処理します。理由が具体的であれば確認の手間が減り、スムーズに承認されやすくなる。曖昧な記述は追加確認を招き、承認が遅れます。
【注意点】
理由の誇張や虚偽記載は厳禁です。確定申告時に実態と大幅に乖離していると、信頼性に影響します。
【最初の一歩】
今年の売上減少額を概算し、減額理由を1文で下書きする(10分)。
工夫5: 承認後の納付書対応で二重納付を防止
【対象】
減額申請が承認されたものの、納付書の金額修正方法がわからない個人事業主
【効果】
承認通知後に正しい金額で納付すれば、二重納付や過納付による還付手続きの手間を回避できる
【所要時間】約10分
【手順】
- 承認通知書を受け取り、減額後の予定納税額を確認する(2分)
- 当初届いた納付書の金額と承認後の金額を比較する(2分)
- 金額が異なる場合、税務署に納付書の再発行を依頼するか、自身で修正して納付する(5分)
- 納付後、領収証書を保管する(1分)
【コツ】
承認通知が届いたら自分から税務署に連絡して納付書の再発行を依頼してください。承認通知が届いても新しい納付書が自動送付されないケースがあるため、能動的に動く必要があります。
【なぜ効くのか】
減額申請の承認と納付書の発行は別の事務処理であり、タイムラグが発生します。承認通知を受け取った時点で自分から動けば、期限内に正しい金額での納付が確実になる。
【注意点】
承認前に当初の金額で納付した場合でも、確定申告で税額が精算され、過納分は還付されます。ただし還付に時間がかかるため、承認通知が届くまで納付を待つかどうかを税務署に確認してください。
【最初の一歩】
承認通知書が届いたら、管轄税務署に電話して納付書の再発行または修正方法を確認する(5分)。
CHECK
・5つの工夫から自分に合うものを1つ選んだ
・最初の一歩を今日中に実行する
よくある質問
Q. 5つ全部を実行する必要がある?
いいえ、自分の状況に最も合う工夫を1つ選び、最初の一歩から始めてください。
Q. 所得構成が複雑な場合はどうする?
不動産所得+事業所得など複数の所得区分がある場合は、税理士への依頼も選択肢です。費用は1〜3万円程度が目安となります。
Q. 速算表はどこで入手できる?
国税庁HPの「所得税の税率」ページに掲載されています。「速算表」で検索するとPDFをダウンロードできます。
予定納税減額申請の計算は見積所得から起算
減額申請で最もつまずきやすいのが、申告納税見積額の計算です。計算の起点を間違えると見積額がずれ、承認後に想定外の追徴が発生するケースもあります。ここでは計算の流れとシミュレーション例を示します。
計算の起点は1月〜6月の実績所得
第1期・第2期分の減額申請では、その年の6月30日の現況により年間の申告納税見積額を算出します(国税庁 予定納税の減額申請手続)。1月1日〜6月30日の実績所得をベースに、7月以降の見込み所得を加算して計算してください。実績が確定している上半期分は正確に記入し、下半期分は合理的な見積もりを行います。
シミュレーションで減額効果は年間25万円超の差

減額申請の効果を具体例で試算します。たとえば前年の課税所得が500万円(所得税額約57万円、予定納税基準額約57万円)の個人事業主が、今年の課税所得を300万円と見積もった場合を試算します。申告納税見積額は約20万円となり、減額申請により予定納税額が約19万円(基準額の1/3)から約7万円(見積額の1/3)に減額されます。
第1期分だけで約12万円の資金が手元に残り、第2期分も含めると年間で約25万円の資金繰り改善になる。※所得控除の金額により試算結果は変動します。
復興特別所得税は別途2.1%を加算
計算書の記入で忘れやすいのが復興特別所得税(所得税額の2.1%)です。減額申請における申告納税見積額の計算は、所得税額に復興特別所得税額を加えた合計額で行います(国税庁 予定納税の減額申請手続)。この加算を忘れると見積額が過少になり、確定申告時に追徴が発生します。
CHECK
・今年の見込み課税所得を算出した
・速算表で申告納税見積額を計算した
・復興特別所得税(2.1%)を加算した
よくある質問
Q. 上半期の所得がまだ確定していない場合は?
6月末時点で確定していない所得がある場合は、合理的な見積もりで記入してください。確定申告時に実際の所得と差異があっても、見積もり時点で合理的であれば問題ありません。
Q. 赤字の場合も申請できる?
はい、今年の見込み所得が赤字(申告納税見積額がゼロ)の場合も申請できます。予定納税額の全額免除を申請してください。
Q. 課税所得と所得金額の違いは?
所得金額は収入から経費を引いた金額、課税所得は所得金額から各種所得控除を差し引いた金額です。計算書では両方を記入します。
まとめ:減額申請は3手順で7月完了
予定納税の減額申請は、申請書のダウンロード・計算書の記入・期限内の提出という3つの手順で完了します。e-Taxなら自宅から送信でき、紙の場合は税務署持参か郵送で提出できます。
申請の鍵は「申告納税見積額の正確な計算」と「具体的な減額理由の記述」の2点です。速算表の活用や税務署への事前相談を組み合わせれば、初めてでもスムーズに手続きを進められます。
提出期限は第1期・第2期分が7月15日(年度によっては延長あり)、第2期のみが11月15日です。期限を過ぎると申請自体ができなくなるため、通知書が届いたら7月上旬までに着手してください。
今すぐできる3つの実践ステップ
- 国税庁HPから申請書と計算書をダウンロードする(5分)
- 速算表で今年の見込み税額を計算し、予定納税基準額と比較する(15分)
- 提出方法(e-Tax/税務署持参/郵送)を決めて、提出日をカレンダーに登録する(3分)
この記事の内容を参考に、まず申請書のダウンロードから始めてください。一度経験すれば翌年以降はスムーズに進められます。
状況別/次の一歩
| あなたの状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
| まだ通知書の内容を確認していない | 通知書を手元に用意し、予定納税基準額を確認 | 5分 |
| 申請対象かわからない | 本記事の診断フローで該当結果を確認 | 3分 |
| 書き方がわからない | 国税庁HPから申請書と計算書をダウンロードし、下書きを作成 | 30分 |
| e-Taxで提出したい | e-Taxソフト(PC版)をインストールし、マイナンバーカードを準備 | 20分 |
| 承認後の納付方法がわからない | 管轄税務署に電話して納付書の対応を確認 | 5分 |
予定納税減額申請やり方に関するよくある質問
Q. 予定納税の減額申請は毎年必要?
はい、毎年自動的に適用されるものではありません。所得が減少する見込みがある年度ごとに、その都度申請してください。
Q. 減額申請をしたが却下された場合はどうする?
却下理由を確認し、計算書の修正や理由の補足を行ったうえで再申請してください。却下されても確定申告で税額が精算されるため、過納分は還付されます。
Q. 廃業した場合も予定納税は発生する?
はい、廃業届を提出していても前年の所得税が15万円以上であれば通知が届きます。減額申請で全額免除を申請してください(減額申請流れと記入例)。
本記事の情報は2026年2月時点のものです。
【出典・参照元】
本記事の作成にあたり、以下の公式情報および信頼性の高い資料を参照しています。
公的機関
- 国税庁 予定納税の減額申請手続 – 国税庁
民間調査/企業
- 「所得税の予定納税額の減額申請書」の書き方 – 佐々木オフィス
- 予定納税の減額申請とは?e-taxソフトによる申請手順 – 筒井税理士事務所
- 予定納税における減額申請書の書き方 – こやの公認会計士事務所
- 予定納税額って?減額申請書の書き方や記入例 – ペイトナー
体験談/ユーザーの声
- 予定納税減額申請実践記 – note
- 税務署訪問で減額申請体験 – note
