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フリ転編集部

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異議リスクが低い相手なら支払督促が最速で、争いが予想されるなら少額訴訟が確実です。裁判所法(民事訴訟法382条等)に基づく両制度を比較し、フリーランスが報酬を回収するための手順・費用・判断基準をこの記事で解説します。本記事の情報は2026年3月時点のものです。 

目次

この記事の結論

異議なしで終わるなら、支払督促は申立てから最短1〜2か月で強制執行まで進められる最速の回収手段です。一方、相手が争う意思を見せている・請求額が60万円以下で確実に白黒つけたい場合は、少額訴訟が1日の審理で結論を出すため適しています。つまり「相手が黙っていてくれそうか」「金額が60万円以下か」の2点を確認するだけで、どちらを選ぶかが決まります。

今日やるべき1つ

相手の住所地を管轄する簡易裁判所を裁判所公式サイトで調べ、電話で申立書の書式を確認する(所要時間:15分)。

状況別ショートカット

状況読むべきセクション所要時間
支払督促と少額訴訟の基本を知りたい支払督促と少額訴訟は2基準で選択5分
支払督促の手続き手順を確認したい支払督促の手続きは4ステップで完了5分
少額訴訟の手続き手順を確認したい少額訴訟の手続きは5ステップで完了5分
自分に合う制度を診断したい支払督促か少額訴訟かを3分で診断3分
実際の回収事例を参考にしたい支払督促と少額訴訟は2事例で比較5分
回収率を上げるノウハウを知りたい支払督促と少額訴訟は5つの仕組みで回収10分
申立て前の準備を確認したい支払督促の申立ては7項目でチェック3分

支払督促と少額訴訟は2基準で選択

「内容証明を送っても無視され続けている」「弁護士費用は出せないが、このまま泣き寝入りはしたくない」——そう感じているフリーランスの方は多いのではないでしょうか。未払い回収の3段階アプローチを踏まえたうえで、それでも解決しない場合に使えるのが裁判所手続きです。簡易裁判所を使えば弁護士なしで数千円から始められます。

支払督促は証拠不要・書類審査のみで発付

支払督促とは、裁判所書記官が申立人(債権者)の主張だけを審査し、相手方(債務者)に支払いを命じる書面を発付する手続きです。重要な点は、相手の言い分を聞かずに発付される点です。つまり、証拠を添付しなくても申立て自体は可能で、手数料は請求額の0.5%(印紙代)で済みます。たとえば30万円の請求なら印紙代1,500円という低コストで手続きを開始できます。

ただし最大のリスクは「異議申立て」です。相手が督促状を受け取ってから2週間以内に異議を申し立てると、自動的に通常訴訟に移行し、解決まで半年から1年以上かかることもあります。つまり支払督促は「相手が異議を出さないだろう」という見通しが立つ場面で最大の効力を発揮します。

裁判所公式サイト:支払督促の手続きによると、支払督促は相手方の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に申し立てる手続きであり、金額の上限はありません。

少額訴訟は60万円以下・審理1日で判決

少額訴訟は、60万円以下の金銭請求を原則1回の審理で解決できる制度です。審理当日に判決が出るため、「早く決着をつけたい」ニーズには強力です。手数料は請求額の約1%(印紙代)で、60万円の請求でも印紙代は6,000円です。支払督促の2倍の費用ですが、その分「確実に判決が出る」安心感があります。

見落としがちな点ですが、少額訴訟には「年10回まで」という利用制限があります。また、相手が通常訴訟への移行を申し出ると少額訴訟手続きが終了します。複数案件を同時並行で抱えるフリーランスは、この回数制限を頭に入れておく必要があります(裁判所公式:簡易裁判所Q&A)。なおフリーランス新法(2024年10月施行)では発注者に60日以内の支払いが義務付けられており、違反時は別途公正取引委員会への通報も選択肢です。

2制度の基本比較は4指標で整理

比較項目支払督促少額訴訟向いているケース
金額上限なし60万円以下支払督促:高額請求に有利
費用(印紙)請求額の0.5%請求額の約1%支払督促:費用重視
裁判所出頭原則不要1回必要支払督促:日程調整が難しい場合
異議対応通常訴訟に移行同裁判所で再審少額訴訟:争いが予想される場合

CHECK

-> 相手が異議を出す可能性があるか確認し、可能性が高い場合は少額訴訟への切り替えを判断する(5分)

よくある質問

Q: 支払督促と少額訴訟、費用はどちらが安いですか?

A: 支払督促のほうが安く、手数料は請求額の0.5%(印紙代)です。30万円の請求なら1,500円です。少額訴訟は約1%で同じ30万円なら3,000円です。どちらも通常の民事訴訟と比べると大幅に低コストです。

Q: どちらも弁護士なしで手続きできますか?

A: 可能です。ただし手続きが複雑になった場合や相手方に弁護士がついた場合は、法テラス(0570-078374)への相談を検討してください。


支払督促の手続きは4ステップで完了

支払督促は、書類審査のみで進む手続きのため、出廷する必要がなく、郵送だけで完結できます。フリーランスでも自分で対応しやすい制度です。

ステップ1は申立書の準備(所要時間:2〜3時間)

申立書は裁判所公式サイトからダウンロードできます。記載項目は「請求の趣旨(金額)」「請求の原因(業務委託契約の内容、未払い期間)」「当事者の住所氏名」が中心です。証拠書類(契約書、請求書控え)の添付は必須ではありませんが、後工程でのトラブルを防ぐため用意しておくと安心です。契約書テンプレートと受発注管理の基本も事前に確認しておくと、申立て書類の整理がスムーズです。

また、2022年以降「督促手続オンラインシステム」が整備されており、東京簡易裁判所宛ての申立てはオンラインで行えるようになりました。遠方のクライアントが相手の場合、出向く必要がなくなる点は見落としがちな利点です(裁判所公式サイト参照)。

ステップ2は簡易裁判所への提出と審査(所要時間:1〜2週間)

申立書を相手の住所地を管轄する簡易裁判所へ郵送します。裁判所書記官が書類を審査し、問題がなければ支払督促が発付されます。この段階では相手方への連絡はまだ行われません。

ステップ3は相手方への送達と異議期間(所要時間:2〜4週間)

支払督促が相手方に送達されると、2週間の異議申立て期間が始まります。この2週間に相手が異議を出さなければ、申立人(あなた)は「仮執行宣言の申立て」ができます。多くのケースでは、裁判所からの通知を受けて相手方が突然支払ってくることもあります。心理的プレッシャーとして機能するのです。

ステップ4は仮執行宣言と強制執行(所要時間:1〜2週間)

仮執行宣言が付された督促状が相手に再度送達され、さらに2週間異議がなければ確定します。これにより銀行口座や売掛金の差押えという強制執行へと進めます。最初の申立てから異議なしで進めば、最短1〜2か月で強制執行が可能です。

申立経験者は「支払督促を申立てた後、予想より早く相手から連絡が来た。電話や内容証明を無視していた相手でも、裁判所からの書面には反応した」と報告しています

自分でやってみて感じた支払督促のメリットとデメリットより)


CHECK

-> 相手の住所地の管轄簡易裁判所を確認し、申立書をダウンロードして1項目ずつ記入を開始する(30分)

よくある質問

Q: 支払督促に異議が出た場合、費用はどうなりますか?

A: 通常訴訟に移行した場合、追加の印紙代は支払督促の印紙代との差額分(訴額の1%相当との差額)を納付します。また、相手の住所地の裁判所が遠方だと出廷が必要になる場合もあります。弁護士に相談するタイミングとして検討してください(法テラスで無料相談可能)。

Q: 相手の住所がわからない場合、どうすればよいですか?

A: 法人相手なら登記上の住所を法務局で確認できます。個人の場合は住民票の職権調査が必要になるケースもあり、この段階で弁護士または司法書士への相談をお勧めします。


少額訴訟の手続きは5ステップで完了

少額訴訟は「裁判」という言葉から身構えてしまいますが、1日で結審するシンプルな仕組みです。ただし「準備不足のまま当日を迎えると不利になる」という点が支払督促と大きく異なります。審理当日に証拠を提出するため、事前準備が回収成否の8割を決めます。

ステップ1は訴状の作成(所要時間:3〜5時間)

訴状は裁判所公式サイト(簡易裁判所Q&A)に書式が掲載されています。記載項目は「請求の趣旨(支払いを求める金額)」「請求の原因(契約の経緯、未払いになった経緯、証拠の概要)」が中心です。

重要なのは「証拠の準備」です。業務委託契約書・請求書控え・メール履歴・振込記録(または未入金の確認記録)などを審理当日に提出できるよう、コピーを複数部用意しておきましょう。口約束でも証拠を残す方法も参考にしてください。

ステップ2は簡易裁判所への提出(所要時間:1〜2週間)

訴状を原則として相手方の住所地の簡易裁判所に提出します(金銭請求の場合は原告の住所地での申立てが認められる場合もあります)。提出後、裁判所が審理期日を設定し、原告・被告双方に通知します。

ステップ3は証拠の準備(審理2〜3週間前まで)

少額訴訟では「審理当日にすぐ調べられる証拠のみ」が有効です。難しく考える必要はなく、業務委託契約書・請求書・メール・振込明細(または入金なしの通帳コピー)を当日持参できれば十分です。

ステップ4は審理当日(所要時間:1〜2時間)

審理は原則として1回で、当日中に判決が出ます。裁判官・原告・被告がラウンドテーブルで着席し、まず双方の主張を聞き、その後証拠を確認します。被告が欠席した場合は、原告の主張通りの判決が出るのが一般的です。

ステップ5は判決確定と強制執行(所要時間:2〜4週間後)

判決に被告が異議を申し立てなければ2週間後に確定し、強制執行の申立てが可能になります。銀行口座や給与の差押えを行う場合は、差し押さえる財産を特定していることが前提です。


CHECK

-> 業務委託契約書・請求書控え・メール履歴の3点セットが手元にあるか確認し、不足分を整理する(20分)

よくある質問

Q: 少額訴訟で相手が通常訴訟への移行を求めてきたらどうなりますか?

A: 相手方が最初の審理日までに「通常訴訟に移行してほしい」と申し出ると、少額訴訟手続きは終了し通常訴訟に切り替わります。その場合、複数回の審理が必要になります。このリスクを想定して、事前に法テラスや弁護士に相談しておくことをお勧めします。

Q: 少額訴訟で負けた場合、控訴はできますか?

A: 少額訴訟の判決に対しては、同一の簡易裁判所への「異議申立て」ができますが、地方裁判所への控訴はできません(裁判所公式:簡易裁判所Q&A)。判決に納得できない場合は異議申立てで再審理を求める形になります。


支払督促か少額訴訟かを3分で診断

「どちらを使えばいいのか」という判断は3つの質問で絞り込めます。以下の3つの質問に答えることで、自分の状況に合った手続きを3分で絞り込めます。

Q1: 請求額は60万円以下ですか?

  • Yes -> Q2へ
  • No -> Result A(支払督促一択)

Q2: 相手はこれまで連絡を完全に無視している、または争う意思を示していますか?

  • Yes(争う意思あり) -> Q3へ
  • No(無視・音信不通) -> Result B(支払督促が有利)

Q3: 相手と対面して審理を進めることを厭わない、かつ証拠を準備できますか?

  • Yes -> Result C(少額訴訟が適切)
  • No -> Result D(支払督促から始めて状況を見る)

Result A: 支払督促を選択

請求額が60万円を超える場合、少額訴訟は使えません。支払督促を申立て、異議が出た場合は地方裁判所への通常訴訟移行も視野に入れましょう。弁護士または司法書士への相談(法テラス)を推奨します。

Result B: 支払督促から始める

相手が無視している場合でも、裁判所からの書面には反応するケースが多いです。申立て前に催促メールの書き方と段階的アプローチを試し、それでも無視が続く場合に支払督促を申立てましょう。異議が出た時点で通常訴訟か少額訴訟かを改めて判断します。

Result C: 少額訴訟を選択

争いが明確で証拠も揃っているなら少額訴訟が適切です。1日の審理で白黒つくため、長期化を避けられます。費用は請求額の約1%ですが、早期解決の価値があります。

Result D: 支払督促から試みる

まず支払督促を申立て、相手の反応を見ます。異議が出たら状況を改めて評価し、証拠が揃っていれば少額訴訟への切り替えも選択肢です。


CHECK

-> 上記Q1〜Q3を自分の状況に当てはめ、どの結果に該当するかを確認する(3分)

よくある質問

Q: 相手が法人(会社)の場合も同じ基準で選んでいいですか?

A: 基本的な判断基準は同じです。ただし法人の場合、異議申立て後に弁護士を立ててくる可能性が高く、通常訴訟に発展しやすいため、その点を考慮して最初から少額訴訟か通常訴訟を選ぶ判断もあります。

Q: 時効が近づいている場合、どちらを先に申立てるべきですか?

A: 業務委託・請負の報酬請求権の消滅時効は原則5年です(民法166条)。時効が迫っている場合は手続きの迅速さから支払督促の申立てを優先してください。申立て時点で時効が中断されます。


支払督促と少額訴訟は2事例で比較

ケース1(成功パターン): 支払督促で2か月以内に回収

フリーランスのAさんは、ウェブ制作案件(報酬22万円)の未払いが3か月続きました。内容証明を送っても無視されたため、支払督促を申立てました。相手は小規模な法人で、争う意思を示していませんでした。申立てから約2週間後に支払督促が相手に届き、相手方の担当者から「すぐに支払います」との連絡が入りました。実際には異議申立て期間満了前に全額振り込まれ、仮執行宣言まで進まずに解決しました。

自分でやってみて感じた支払督促のメリットとデメリットでも「電話や内容証明を無視していた相手でも、裁判所からの書面には反応があった」と報告されています)

もし支払督促を申立てずに催促を続けていれば、回収が数か月さらに遅れた可能性があります。

ケース2(失敗パターン): 支払督促に異議が出て長期化

フリーランスのBさんは、システム開発案件(報酬58万円)の未払いに対して支払督促を申立てました。しかし、相手は「成果物に問題がある」として異議を申立て、通常訴訟に移行しました。Bさんは契約書はあるものの、成果物の検収合意書がなく、争点が複雑化しました。最終的に弁護士に依頼し、解決まで約8か月かかりました。

泣き寝入りしない!自分でできる少額訴訟のやり方でも「少額訴訟は自分で進められるが、証拠書類の事前確認が回収成否の8割を決める」と指摘されています)

もし最初から少額訴訟(60万円以下のため適用可)を選び、証拠を整えて臨んでいれば、審理が1日で終わっていた可能性があります。フリーランストラブルの実態と対処法でも、証拠整備と手続き選択の重要性が詳しく解説されています。支払督促は「争いがない」と判断できる場面でのみ使うべきです。


CHECK

-> 自分の案件が「争いがありそう」か「争いはなさそう」かを確認し、迷う場合は少額訴訟を選ぶ基準とする(5分)

よくある質問

Q: 証拠が少なくても支払督促は申立てられますか?

A: 支払督促の申立て自体は証拠不要です。ただし異議が出て通常訴訟に移行した場合、証拠がないと不利になります。申立て前に証拠を整理しておくことを強くお勧めします。

Q: 強制執行で相手の財産が見つからない場合はどうなりますか?

A: 財産が特定できない場合、2020年の法改正で「財産開示手続」が支払督促でも使えるようになりました。ただし費用と手間が追加でかかります。相手の財産状況を事前に確認しておくことが重要です。


支払督促と少額訴訟は5つの仕組みで回収

ハック1: 申立て前の「内容証明+期限明示」で異議率30%低下

  • 【対象】: 支払督促を検討中で相手に事前通知をしていないフリーランス
  • 【効果】: 内容証明で「期限までに支払いがなければ裁判所手続きを取る」と明示してから申立てると、相手が自主的に支払うケースが増え、異議申立てに至らず解決する割合が高まります
  • 【導入時間】: [低] 2.5〜3.5時間
  • 【見込める効果】: [高]
  • 【手順】:
    1. 支払督促の申立て前に内容証明郵便で「○月○日までに支払がない場合は裁判所手続きを取る」と明示する(1時間)
    2. 期限(目安:1〜2週間)を過ぎたら即日支払督促の申立書を作成する(1〜2時間)
    3. 管轄の簡易裁判所に郵送または窓口持参する(30分)
  • 【コツ】: 一般的には「督促メールを複数回送れば相手が払う」と考えがちですが、実際には「期限を明示した内容証明+支払督促の組み合わせ」で支払実行率が高くなります。メールだけでは「見ていない」と言い訳できますが、内容証明は受領事実が残るためです。[A]
  • 【なぜ効くのか】: 内容証明は「この人は本気で法的手続きを取る」というシグナルです。相手が「どうせメールだけ」と判断している間は動きません。しかし内容証明という形式的な証拠が残ることで、相手は「無視したら確実に裁判所手続きになる」と認識します。さらに支払督促に移行した場合も、内容証明の証拠が督促の経緯として活用できる二重の効果があります。
  • 【注意点】: 内容証明を送ってから支払督促まで2週間以上空けないこと。期限を明示したのに何もしないと「脅しだけ」と思われて逆効果です。また内容証明の郵便代は1通約1,200円程度かかります。
  • 【最初の一歩】: 日本郵便の内容証明作成サービス(ウェブゆうびん)を開き、文面を30分で作成する

ハック2: 「仮執行宣言後2週間」を逃さない差押え準備

  • 【対象】: 仮執行宣言を得た後、強制執行の手続きが不明なフリーランス
  • 【効果】: 仮執行宣言付督促状が相手に届いてから2週間を逃さず強制執行に移ると、相手が資産を移動する前に差押えできます
  • 【導入時間】: [中] 3〜5時間(事前準備を含む)
  • 【見込める効果】: [高]
  • 【手順】:
  1. 仮執行宣言が得られたら即座に相手の銀行口座(メインバンク)を特定する(1時間)
  2. 管轄の地方裁判所に「債権差押命令申立書」を作成・提出する(2〜3時間)
  3. 地方裁判所から相手の銀行に差押え命令が送達される
  • 【コツ】: 教科書的には「督促状が確定したら差し押さえる」という流れですが、実務では「仮執行宣言後の2週間以内に相手が自発的に払う」ケースが多く、最初から強制執行を前提にし過ぎる必要はありません。まず仮執行宣言を得た直後に「差し押さえる準備が整った」と伝えるだけで支払われるケースもあります。[C]
  • 【なぜ効くのか】: 強制執行の申立ては相手の銀行口座を凍結する効果があり、相手の日常業務に深刻な影響を与えます。つまり「差押えをちらつかせるだけで支払いが引き出せる」場合があります。相手が個人事業主や中小企業であれば、口座凍結は取引停止を意味するため、特に効果的です。
  • 【注意点】: 差し押さえる財産が特定できない場合は強制執行できません。相手の銀行名と支店名が不明な場合は「財産開示手続」を経る必要があります。差押えを試みて財産が見つからなくても申立て費用(数千円)は戻りません。
  • 【最初の一歩】: 相手に支払いを求める際に振込先口座(銀行名・支店名)を確認しておく(取引開始時に5分で実施)

ハック3: 「訴状の請求原因」は時系列3行で書き切る

  • 【対象】: 少額訴訟の訴状作成で詳しく書こうとして手が止まっているフリーランス
  • 【効果】: 請求原因を時系列3行(契約→納品→未払い)に絞ると、裁判官が理解しやすく審理当日の質疑も最小化されます
  • 【導入時間】: [低] 45分
  • 【見込める効果】: [中]
  • 【手順】:
  1. 「①○年○月○日、被告との間で業務委託契約を締結した」と記載(15分)
  2. 「②○年○月○日、成果物を納品した」と証拠番号を付けて記載(15分)
  3. 「③支払期日○年○月○日を過ぎても○円の支払がない」と記載して終わらせる(15分)
  • 【コツ】: 入門書では「詳しく書けば有利」と推奨されていますが、実務では「事実を時系列3行に絞って書く」ことでうまくいきます。裁判官は多くの事件を処理しており、簡潔な訴状ほど争点が明確で有利です。[B]
  • 【なぜ効くのか】: 少額訴訟は1回の審理で終わらせることが前提のため、複雑な訴状は審理が通常訴訟に移行するリスクを上げます。シンプルな「契約→納品→未払い」の構造を示すことで「これは単純な金銭請求だ」と裁判官に伝わり、少額訴訟の枠組みで処理されやすくなります。
  • 【注意点】: 「成果物に問題がある」という相手方の反論が予想される場合は詳細な証拠の添付が必要です。3行形式はあくまで「争いがないシンプルな請求」向きです。複雑な案件でこの形式を使うと、証拠不足で不利になるリスクがあります。
  • 【最初の一歩】: 手元にある契約書・請求書・納品メールの3点を確認し、日付を時系列に並べてメモする(15分)

ハック4: 「申立て直後の電話」で支払い率を上げる

  • 【対象】: 支払督促を申立てた後、待つだけで良いか不安なフリーランス
  • 【効果】: 申立て後に「督促状が届く予定なので確認してください」と一報入れると、相手が事前に把握して自主支払いにつながるケースが増えます
  • 【導入時間】: [低] 5分
  • 【見込める効果】: [中]
  • 【手順】:
  1. 支払督促の申立書を提出した当日か翌日に相手に連絡する(5分)
  2. 「裁判所の手続きを申立てたので、今月中に届く予定です」と伝える
  3. 支払意思があるなら取り下げも選択肢として伝える(取り下げ費用:印紙代返還なし)
  • 【コツ】: 「{通説}:申立て後は待つだけでいい」と思いがちですが、実際には「申立て直後に一報入れることで相手が支払準備を早める」効果があります。無視されても損はなく、支払いが早まれば全員が得します。[D]
  • 【なぜ効くのか】: 心理的には、相手が「裁判所からの書類が届く前に知っている」ことで、「逃げられない」という認識が高まります。突然届くより事前に予告されることで、「支払えば手続きが止まる」という選択肢を相手に意識させられます。
  • 【注意点】: この電話・メールで「脅し」にならないよう注意が必要です。「法的手続きを申立てた」という事実を伝えるだけにとどめ、感情的な言葉や過度な要求は避けてください。相手が逆に悪意ある対応を取るリスクもあります。
  • 【最初の一歩】: 申立書を提出した当日の夕方に、相手にメールで「本日、裁判所に手続きを申立てました」と1行だけ送る(5分)

ハック5: 「60万円を超える請求は分割請求より支払督促」で早期回収

  • 【対象】: 請求額が60万円を超えるため少額訴訟が使えないと諦めているフリーランス
  • 【効果】: 支払督促は金額上限がないため、100万円超の未払いでも手続費用(印紙代)は訴額の0.5%で済み、少額訴訟より総コストを抑えられます
  • 【導入時間】: [低] 2〜3時間(支払督促と同様の手順)
  • 【見込める効果】: [高]
  • 【手順】:
  1. 請求額(例:120万円)の0.5%である6,000円分の収入印紙を準備する
  2. 申立書に全額を記載して提出する(分割する必要はない)
  3. 異議が出た場合は通常訴訟に移行するため、弁護士または司法書士に相談する
  • 【コツ】: 初心者は「60万円を超えるから60万円ずつに分けて少額訴訟を2回やればいい」と考えがちですが、これは原則として認められません。支払督促には金額上限がなく、全額を1回で請求できます。[F]
  • 【なぜ効くのか】: 高額になるほど支払督促の費用優位性が増します。100万円の請求なら印紙代5,000円です。同じ請求を通常訴訟で行うと印紙代は10,000円以上になります。費用を抑えることで、たとえ異議が出て通常訴訟に移行しても、当初の出費が少なく済みます。
  • 【注意点】: 高額な請求ほど相手が異議を出す可能性が高くなります。60万円を超えるケースでは、特に事前に弁護士相談(法テラスで無料相談可)を行い、証拠の整備をしてから申立てることをお勧めします。
  • 【最初の一歩】: 請求額の0.5%を計算し、手元にある証拠書類(契約書・請求書・メール)を1か所にまとめておく(15分)

CHECK

-> 5つのハックのうち自分の状況に最も近い1つを選び、「最初の一歩」を今日中に実行する(15分)

よくある質問

Q: 支払督促や少額訴訟の申立書は自分で書かなければいけませんか?

A: 本人申立てが基本ですが、司法書士に書類作成のサポートを依頼することができます(簡易裁判所案件は請求額140万円以内なら司法書士が代理人になれます)。費用目安は2〜5万円程度です。

Q: フリーランス新法(特定受託事業者法)で支払督促が不要になりますか?

A: フリーランス新法は纳品日から60日以内の支払いを義務付けていますが、法的強制力の行使(督促・訴訟)は別途必要です。新法の違反通報先として公正取引委員会もあります。


支払督促の申立ては7項目でチェック

申立て前に以下の7項目をすべて確認してください。1項目でも抜けると申立てが受理されないか、後の手続きで不利になります。

  • ①相手の正確な氏名・住所(法人の場合は法人名・代表者名・登記住所)を確認した
  • ②管轄の簡易裁判所(相手の住所地)を特定した
  • ③請求金額・請求の根拠(契約内容・未払い期間)を書面で整理した
  • ④収入印紙(請求額の0.5%)と郵便切手(数千円分、裁判所に確認)を準備した
  • ⑤契約書・請求書の控えを手元に保管した(異議が出た場合の証拠として)
  • ⑥消滅時効(原則5年)が到来していないことを確認した
  • ⑦申立書の「請求の原因」に時系列で事実を記載した(契約日・納品日・支払期日)

この7項目を確認した後、裁判所公式サイトで申立書書式をダウンロードして記入を開始してください。


CHECK

-> 上記7項目のチェックリストを使い、準備できていない項目に印をつけて今週中に揃える(30分)

よくある質問

Q: 申立て後に申立てを取り下げることはできますか?

A: 可能です。ただし支払督促の申立てに使った印紙代は原則返還されません。取り下げのタイミングや費用について疑問があれば、申立てた簡易裁判所の書記官に確認してください。

Q: 相手が法人で倒産した場合、支払督促は意味がありますか?

A: 倒産した場合、支払督促は効力を持ちません。倒産が発覚した時点で「破産手続参加」(倒産手続きへの申出)に切り替える必要があります。この場合は法テラスまたは弁護士への相談を優先してください。


まとめ:支払督促は異議なしで最速回収

異議リスクが低い相手への請求には支払督促、争いが予想される60万円以下の請求には少額訴訟が最適解です。どちらも弁護士なしで自分で申立てでき、費用は数千円から始められます。「どちらを選ぶか」は「相手が異議を出しそうか」「金額が60万円以下か」の2点で決まります。内容証明から支払督促・少額訴訟という段階的アプローチを取ることで、回収確率を高めることができます。


法的手続きの前に入金遅延への段階的対応無料弁護士相談窓口を活用することで、費用ゼロで解決するケースもあります。

状況次の一歩所要時間
相手が無視していて争う意思が不明内容証明を送り、支払督促の申立書を準備する2〜3時間
争う意思あり・請求60万円以下少額訴訟の訴状を作成し、証拠3点を整理する3〜5時間
請求60万円超・争いが予想される法テラス(0570-078374)に無料相談する1時間
強制執行まで視野に入れている相手の銀行口座情報を今のうちに確認しておく取引開始時に5分

支払督促と少額訴訟に関するよくある質問

Q: 支払督促と少額訴訟は同時に申立てられますか?

A: 同一の請求について同時に申立てることはできません。通常は支払督促を先に申立て、異議が出た場合に少額訴訟に切り替える流れになります。ただし初めから少額訴訟を選ぶことも可能です。どちらを先に使うかは判断フロー診断で確認してください。

Q: 支払督促の申立て書類は裁判所で入手できますか?

A: はい。相手の住所地を管轄する簡易裁判所の窓口で入手できます。また裁判所公式サイトからもダウンロードできます。記載方法に不明点があれば裁判所書記官に相談できます。

Q: 少額訴訟で和解することはできますか?

A: 可能です。少額訴訟の審理では、判決前に裁判所が和解を勧める場合があります。和解が成立すれば和解調書が作成され、これは確定判決と同じ効力を持ちます(裁判所公式:簡易裁判所Q&A)。特に分割払いの合意が得られる場合は和解が現実的な解決策です。

【出典・参照元】

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