瑕疵担保責任(契約不適合責任)の期間は、民法566条により知った時から1年以内に通知が必要です。国土交通省の解説資料に基づき、契約書の特約記載や免責の書き方まで5つの実践術で解説します。
この記事の結論
瑕疵担保責任は2020年の民法改正で契約不適合責任に変更され、契約書に特約を明記しない場合は民法の1年通知期間が適用されます。売主が責任期間を短縮したい場合は、契約書に「通知は知った時から6ヶ月以内」と明確に記載し、宅建業者の場合は最低2年の保証を遵守してください。本記事では契約書の書き方、判断フロー、実例まで5つの実践術で具体的に解説します。
最初の一歩
契約書の瑕疵担保責任の条項を確認し、「契約不適合責任」の文言に修正されているか、期間の特約が明記されているかを確認してください(約10分)。
状況別ショートカット
| あなたの状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| 契約書に記載されていない場合の対応を知りたい | 瑕疵担保責任は法令で3つの期間が適用 | 約5分 |
| 売主として責任期間を短縮したい | 売主側の特約記載で期間が変わる | 約7分 |
| 自分の契約に該当するか不明 | 瑕疵担保責任の対応を3分で診断 | 約3分 |
| 引き渡し後の不具合発覚時の対応 | 瑕疵担保責任の実例は2ケースで比較 | 約8分 |
| 契約書に何を書けば良いか | 瑕疵担保責任は5つの仕組みで管理 | 約15分 |
| 引き渡し前に確認すべき項目 | 売買契約前は6項目でチェック | 約5分 |
瑕疵担保責任は法令で3つの期間が適用

法律がどのような期間を設けているかを把握しておくことが、後の判断の基盤になります。
民法566条による1年通知期間が原則
2020年の民法改正により、旧「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変更されました。買主は、目的物が契約に適合しないことを知った時から1年以内に売主に通知してください(参考:国土交通省:瑕疵担保責任の解説)。
契約書に期間について特別な記載がない場合は、この民法の1年が自動的に適用されます。売主にとっては長期間にわたって通知を受ける可能性があるため、特約の記載が売主側の最初のポイントとなります。
商事売買では商法526条の6ヶ月発見ルールが適用
企業間の売買(商事売買)の場合は、商法526条により、不適合を発見した時から6ヶ月以内に通知する義務が課されます(参考:契約不適合責任の期間と対応)。
この6ヶ月ルールは「商事売買」に限定されるため、個人間の売買には適用されません。売買の種類を明確に把握しておくことが、期間リスクの回避の第一歩です。
宅建業者は宅建業法による2年最低保証
宅建業者が売主となる場合は、宅建業法の規定により、最低2年間の契約不適合責任を負う義務があります。特約で期間を2年未満に短縮しようとすると、その特約は無効になります(参考:瑕疵担保責任期間の2年保証)。
宅建業者として2年保証を忘れ、特約で短縮した結果、後から無効となったケースがあります(瑕疵担保責任期間の2年保証)。
CHECK
・売主の種類(宅建業者・企業・個人)を確認し、該当する期間ルールを記録する(約5分)
瑕疵担保責任期間に関するよくある質問
Q. 契約書に何も書かれていない場合、売主に不利ですか?
はい、不利です。記載がない場合は民法の1年通知期間が適用され、売主側には長期間の責任が残ります。特約で期間を明確にすることが、売主側の最初の対策です。
Q. 商事売買かどうかどう判断しますか?
双方が「商人」(事業者)であり、その事業と関連する売買であれば商事売買です。不明な場合は、契約書に「商事売買として商法526条を適用する」と明記してください。
売主側の特約記載で期間が変わる

契約書の特約記載は売主側の責任リスクを変えるポイントです。売主側が実務で使われる特約記載のパターンを解説します。
「知った時から6ヶ月以内」の特約は条件付きで有効
売買契約書に「買主の通知義務は、不適合を知った時から6ヶ月以内」と明確に記載すれば、民法の1年より短縮されます。ただし、売主が不適合の事実を知っていて開示しなかった場合は、この特約が無効になります(参考:契約不適合責任の期間と対応)。
売主側で免責特約を入れる際には、開示義務との両立を事前に確認してください。
追完請求の範囲は修補のみに限定可能
売買契約書では、買主の権利を「修補のみ」と明確に限定することで、代金減額や損害賠償請求の範囲を縮小できます。この記載は売主側の負担を軽減する有効な手段です(参考:契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い)。
個人売主の場合は消費者契約法により、買主の権利を過度に制限する特約が無効になるリスクがあります。売主・買主の関係性に応じた記載が必要です。
個人売主と企業売主では免責の書き方が異なる
個人売主の場合は、免責特約を明確に記載しても、消費者契約法による無効化のリスクが残ります。企業売主の場合は比較的自由に特約を設定できますが、宅建業者の場合は2年保証の義務を遵守してください(参考:契約書条項の民法改正対応)。
売主側で特約を入れる際には、売主の属性と買主の属性を組み合わせて判断してください。
CHECK
・売主の種類と買主の属性を確認し、該当する免責・特約のパターンを記録する(約7分)
売主側特約に関するよくある質問
Q. 特約を入れたのに買主から損害賠償請求をされた場合はどうなりますか?
特約が無効になった可能性があります。以下の2点を確認してください:①売主が不適合の事実を知っていて開示しなかったか、②消費者契約法に反する内容か。
Q. 「6ヶ月特約」が無効になる具体的なケースは?
売主が不適合の事実を知っていて開示しなかった場合、または消費者契約法に反する場合に無効になります。
瑕疵担保責任の対応を3分で診断

売買契約のタイプと当事者の関係を把握しないと、適用されるルールが変わります。以下の診断で、自分の状況に該当するルールを3分以内で確認できます。
Q1: あなたの売買は企業間(双方が事業者)の売買ですか?
- はい → Q2へ
- いいえ → Q3へ
Q2: 売主は宅建業者ですか?
- はい → 【タイプ1】宅建業法2年保証が適用
- いいえ → 【タイプ2】商事売買の6ヶ月発見ルールが適用
Q3: 売主は宅建業者ですか?
- はい → 【タイプ3】宅建業法2年保証+消費者契約法の両方を確認
- いいえ → 【タイプ4】民法1年通知期間が適用(特約で短縮可能)
診断結果と次のステップ
| 結果 | 次のステップ |
| タイプ1 | 売買契約書に2年保証の記載があるか確認 → 短縮特約がなければOK |
| タイプ2 | 商法526条の6ヶ月発見ルールを契約書に明記 → 売主側の期間リスクを軽減 |
| タイプ3 | 2年保証を守りつつ、消費者契約法に反しない範囲で特約を入れる |
| タイプ4 | 契約書に「知った時から6ヶ月以内」と特約記載 → 開示義務も果たす |
CHECK
・診断結果を確認し、該当する「次のステップ」を今日中に実行する(約3分+行動時間)
瑕疵担保責任診断に関するよくある質問
Q. 企業間でも消費者契約法が適用されるケースがある?
いいえ、通常は該当しません。ただし売買の実態が実質的に個人向けの場合は適用される可能性があります。
Q. 診断結果が変わった場合はどうすればいい?
売買の当事者や契約の内容が変わった場合は、再度判断を行ってください。
瑕疵担保責任の実例は2ケースで比較

実際の売買で不適合が発覚した場合、売主側がどのような判断をしたかによって結果が変わります。報告されている事例をもとに、成功と失敗のポイントを解説します。
事例①: 事前開示と早期対応で修繕負担を軽減
状況: 中古住宅の売主として売買契約を締結した。引き渡し前に雨漏りの履歴があることを確認した。
判断: 売買契約書に雨漏りの履歴を明確に記載し、買主にインスペクション結果も事前に共有した。
結果: 引き渡し後に同じ箇所で雨漏りが再発したが、事前開示の事実から売主側の責任が限定され、修繕費用の負担が最小限に抑えられた。
中古住宅引き渡し後に雨漏りが発覚し、契約不適合責任で修繕負担になったケースもあります(中古住宅雨漏り瑕疵担保事例)。
分岐点: 事前に雨漏りの履歴を開示していなかった場合は、売主側の隠蔽行為として、特約も無効になった可能性があります。
事例②: 心理的瑕疵の隠蔽で解除請求に
状況: 中古マンションの売主として売買契約を締結した。物件には自殺歴があるが、契約書には記載がなかった。
判断: 売主側は心理的瑕疵の開示を省略し、契約書の免責条項にも心理的瑕疵は含めなかった。
結果: 買主が自殺歴を後から知り、契約不適合責任を根拠に契約解除を請求した。売主側は解除を拒否できず、損害賠償にもなった。
中古マンションで自殺歴を隠蔽し、買主が瑕疵担保責任で解除請求したケースがあります(不動産瑕疵事例)。
分岐点: 心理的瑕疵を事前に開示し、契約書に明確に記載していれば、買主からの解除請求は認められなかった可能性があります。
CHECK
・ 自分の状況が事例①・②のどちらに近いか確認し、該当する対応策を今日中に1つ実行する(約8分)
瑕疵担保責任実例に関するよくある質問
Q. 心理的瑕疵の開示義務は必ず発生するのか?
はい、発生します。売主が心理的瑕疵の事実を知っている場合は、開示義務が発生します。契約書に免責対象として明記しても、売主側の知覚の事実が確認されると無効になります。
Q. インスペクション費用は売主側が負担する必要がある?
いいえ、法的義務はありません。ただし、売主側が自主的に対応すると信頼関係に寄与し、後のトラブルを防ぐ効果があります。
売買契約前は6項目でチェック

売買契約書を締結する前に確認すべき項目を、チェックリストで事前に用意しておくと漏れが少なくなります。契約書の記載漏れが後のトラブルの原因になるため、以下の項目を確認してください。
売主側の事前確認チェックリスト
- 契約書の文言が「契約不適合責任」に修正されている
- 期間の特約が明確に記載されている(例:知った時から6ヶ月以内)
- 売主の種類に応じた保証期間が遵守されている(宅建業者は2年以上)
- 追完請求の範囲が限定されている(例:修補のみ)
- 隠れた瑕疵の履歴(雨漏りなど)が契約書に記載されている
- 心理的瑕疵(自殺歴・事件歴など)が免責対象として明記されている
買主側の事前確認チェックリスト
- インスペクション(ホームインスペクション)を実施した
- インスペクションで発見した瑕疵が契約書に記載されている
- 期間の特約が消費者契約法に反していない
- 通知義務の期限が明確に記載されている
CHECK
・チェックリストの内容を確認し、契約締結前に1項目ずつ確認する(約5分)
売買契約チェックリストに関するよくある質問
Q. インスペクションを省略してもいい?
法的義務はありませんが、省略すると引き渡し後の不適合が「売主の開示漏れ」とみなされるリスクが高まります。省略する場合 → 契約書にその事実を明記してください。
Q. チェックリストを自分でカスタマイズしてもいい?
はい、問題ありません。売買の種類や物件の特性に応じて項目を追加・削除してください。
瑕疵担保責任は5つの実践術で管理
契約書の記載と事前対策を組み合わせれば、瑕疵担保責任のリスクを軽減できます。対策の組み合わせは売買の種類と売主の属性によっても変わるため、以下の5つの実践術を参考にして、自分の状況に合うものを選んでください。

実践術その1: 契約書特約で通知期間を期限限定で短縮
【こんな方に】売主として売買契約を締結し、期間リスクを短縮したい個人・企業
【期待できる成果】通知期間を民法の1年から6ヶ月に短縮し、売主側の長期間責任リスクを軽減
【所要時間】約30分
【インパクト】高
【やり方】
- 売買契約書の契約不適合責任の条項を確認する(約5分)
- 「買主の通知義務は、不適合を知った時から6ヶ月以内」という特約文言を作成する(約10分)
- 売主側の開示義務と矛盾しないか確認する(約5分)
- 売主・買主の双方に特約を共有し、合意を得る(約10分)
【成功のカギ】開示義務との両立を事前に確認してください。特約だけでは売主の隠蔽行為を原因とする無効化リスクが残ります。
【なぜ効くのか】特約は売主側の責任期間を明確に画定するツールです。開示義務を果たしつつ特約を入れることで、売主側は「知った時から6ヶ月以内」という明確な基準で争いを軽減できます。
【気をつけること】売主が不適合の事実を知っていて開示しなかった場合は、この特約が無効になります。開示と特約は必ず両方で対応してください。
【最初の一歩】今日中に契約書の条項を確認し、「6ヶ月以内」の特約文言を草案にまとめる(約20分)。
実践術その2: 事前インスペクションで発見瑕疵を免責にする
【こんな方に】売主として売買契約を締結し、引き渡し後の不適合リスクを事前に対策したい方
【期待できる成果】インスペクション発見時点での不適合を免責対象とし、引き渡し後の請求リスクを軽減
【所要時間】約2〜3時間
【インパクト】高
【やり方】
- 売買契約書締結前にホームインスペクションを依頼する(約1〜2時間)
- インスペクション結果を書面にまとめる(約30分)
- インスペクション結果を売買契約書の添付書類として記載する(約15分)
- 「インスペクションで発見された不適合は売主の責任対象外」と特約記載する(約10分)
- 売主・買主の双方で結果を確認し、合意する(約15分)
【成功のカギ】インスペクションは売主側の免責の根拠になります。書面化されたインスペクション結果は、後の争いで売主側の有利な証拠になります。
【なぜ効くのか】インスペクションで事前に物件の状態を可視化し書面化すると、引き渡し後に同じ不適合が発覚した際には「事前に開示されていた」という事実が争いの根拠になります。
【気をつけること】 インスペクションで発見されなかった隠れた不適合が後に発覚した場合は、依然として売主側の責任が発生します。
【最初の一歩】今日中にホームインスペクション業者に連絡し、検査の日程を確認する(約15分)。
実践術その3: 追完請求の範囲を「修補のみ」に限定する
【こんな方に】売主として売買契約を締結し、買主からの請求範囲を最小限に抑えたい企業・個人
【期待できる成果】買主の権利を修補のみに限定し、代金減額や損害賠償請求の可能性を軽減
【所要時間】20分で完了
【インパクト】中
【やり方】
- 売買契約書の契約不適合責任の条項を確認する(約5分)
- 「買主の救済手段は修補のみとする」という特約文言を作成する(約10分)
- 売主・買主の双方で特約の内容を確認し、合意を得る(約5分)
【成功のカギ】修補のみに限定するスコープ限定のアプローチを取ってください。全面否定は法的争いになりやすい一方、修補限定は双方が受け入れやすい落ち着き地点です。
【なぜ効くのか】追完請求の範囲を限定すると、売主側の金銭負担のリスク(代金減額・損害賠償)が軽減されます。
【気をつけること】個人売主の場合は、消費者契約法により「修補のみ」という特約が無効になるリスクがあります。売主・買主の属性を事前に確認してください。
【最初の一歩】今日中に売買契約書の条項を確認し、「修補のみ」の特約文言の草案をまとめる(約15分)。
実践術その4: 隠れた瑕疵の履歴を事前に書面開示する
【こんな方に】売主として中古物件の売買契約を締結し、隠蔽リスクを回避したい個人・企業
【期待できる成果】隠れた瑕疵の履歴を事前に開示し、売主側の隠蔽による特約無効化リスクを軽減
【所要時間】すぐにできる(約45分)
【インパクト】高
【やり方】
- 物件の過去の修繕履歴(雨漏り等)を確認する(約15分)
- 心理的瑕疵(自殺歴・事件歴など)の有無を確認する(約10分)
- 確認した履歴を「物件情報開示書」として書面にまとめる(約10分)
- 売買契約書の添付書類として開示書を契約書に添付する(約5分)
- 売主・買主の双方で開示書の内容を確認し、合意する(約5分)
【成功のカギ】開示は売主側の特約を強化する根拠になります。開示が事実として記録されると、後の争いで売主側の信頼性が高まります。
【なぜ効くのか】売主側の特約が無効になる最大のリスクは「隠蔽行為の事実」です。事前に書面で開示すると、「売主は知っていて開示した」という事実が争いの根拠になり、特約の有効性を維持しやすくなります。
【気をつけること】開示書に記載していない不適合が後に発覚した場合は、依然として売主側の責任が発生します。開示は限界まで徹底してください。
【最初の一歩】今日中に物件の修繕履歴と心理的瑕疵の有無を確認し、開示書の骨格をまとめる(約20分)。
実践術その5: 通知受領後の対応フローを24時間以内で動かす
【こんな方に】売主として売買契約を締結し、買主から不適合の通知を受けた際の対応を速いタイミングで始めたい方
【期待できる成果】通知受領後24時間以内に書面確認・3日以内に現地調査を実施し、争いが長期化するリスクを軽減
【所要時間】初回は約1日半程度
【インパクト】中
【やり方】
- 買主からの不適合通知を受け取り、受信日時と内容を記録する(約15分)
- 通知受領後24時間以内に、書面で「受領を確認した」と返信する(約30分)
- 返信後3日以内に現地調査を実施し、不適合の事実を確認する(約半日)
- 調査結果をもとに対応方針(修補・代金減額など)を決定する(約1日)
- 対応方針を買主に書面で通知する(約15分)
【成功のカギ】通知の受領確認を24時間以内に書面で行ってください。慎重に動く時間が長いほど、買主側の「売主が対応しない」という事実が積み重なり争いが長期化しやすくなります。
【なぜ効くのか】売主側の対応の遅延は、買主側が「売主には対応の意思がない」と判断し損害賠償請求や契約解除に進む原因になります。早期に対応の意思を示すと、争いの長期化リスクが軽減されます。
【気をつけること】24時間以内の書面確認は「受領の事実」を伝えるものであり、「売主側が不適合を認める」という意味にはなりません。確認書の文言に注意してください。
【最初の一歩】今日中に「通知受領時の返信テンプレート」を作成し、社内・自身で共有する(約15分)。
CHECK
・上記5つの実践術を確認し、自分に合う1つを選んで今日中に最初の一歩を実行する(約10〜30分)
瑕疵担保責任に関するよくある質問
Q. 5つの実践術を全部やる必要がある?
いいえ、必要ありません。自分の売買の状況に合うものを優先してください。最も効果が大きいのは「事前開示」と「特約記載」の組み合わせです。
Q. 実践術その1の「6ヶ月」は商事売買以外でも使える?
はい、使えます。商事売買以外にも特約として記載すれば有効になります。ただし売主側の開示義務を果たしていることが前提です。
まとめ:瑕疵担保責任は特約で管理
瑕疵担保責任(契約不適合責任)の期間は、法令の種類と売主の属性によって異なる3つのルールが適用されます。契約書に特約を明確に記載し、事前開示と組み合わせることで、売主側のリスクを軽減できます。
宅建業者は2年保証の義務を遵守し、個人売主は消費者契約法の影響を事前に確認してください。本記事で解説した判断フロー・ケーススタディ・チェックリストを活用し、売買契約書の準備を進めてください。
売買契約書の準備には「何を確認し、何を記載すればよいか」という明確なフローがあります。本記事で示した5つの実践術の中で、まず動けるものを1つ選んで実行してください。売主側の責任リスクは、事前の書面対策で変わります。最も重要なのは「開示と特約の両方を組み合わせる」という視点です。
状況別・次の一歩
| あなたの状況 | 次の一歩 | 所要時間 |
| 売買契約書の期間特約がない | 実践術その1で「6ヶ月以内」の特約を草案にまとめる | 約20分 |
| 物件に隠れた瑕疵がある可能性 | 実践術その4で履歴を開示書にまとめる | 約45分 |
| インスペクションを未実施 | 実践術その2で業者に検査の日程を確認する | 約15分 |
| 買主から不適合通知を受けた | 実践術その5で24時間以内に書面確認を送信する | 約30分 |
| 売買の種類が不明 | 判断フロー「瑕疵担保責任の対応を3分で診断」を実行する | 約3分 |
瑕疵担保責任期間契約書に関するよくある質問
Q. 契約書に瑕疵担保責任の記載がなければ売主にとっても問題になるのか?
はい、問題になります。記載がなければ民法の1年通知期間が自動的に適用され、売主側には長期間の責任が残ります。特約で期間を明確にすることが売主側の最初のポイントです。
Q. 期間経過後に買主から請求がある場合はどうなる?
通知期間を過ぎた場合は、買主側の通知義務の期限が消滅します。ただし、売主側の隠蔽行為がある場合は損害賠償請求として別途問題になります。
Q. 旧「瑕疵担保責任」の文言を残してもいい?
いいえ、修正してください。2020年の民法改正で「契約不適合責任」に変更されたため、旧文言を残すと契約書の解釈が不明確になります。
Q. 宅建業者以外でも2年保証を設けるべき?
法的義務はありませんが、売主側が自主的に長期間の保証を設けると信頼性が高まります。年間売買件数10件以上 → 2年保証を検討、10件未満 → 民法1年で十分です。
Q. インスペクション結果を契約書に添付するだけで免責になる?
いいえ、添付だけでは不十分です。インスペクションで発見された不適合が契約書に明確に記載されていれば、その不適合は免責対象になりやすいです。特約で明確に「発見瑕疵は売主の対象外」と記載してください。
本記事の情報は2026年2月時点のものです。
【出典・参照元】
本記事は以下の情報源をもとに作成されています。
公的機関
- 国土交通省:瑕疵担保責任の解説 – 国土交通省
- 契約書条項の民法改正対応 – 弁護士ドットコム
民間調査/企業
- 契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い – 弁護士ドットコム
- 契約不適合責任の期間と対応 – 契約法務サイト
- 瑕疵担保責任期間の2年保証 – 不動産法務ブログ
体験談/ユーザーの声
- 中古住宅雨漏り瑕疵担保事例 – ifudousan.net
- 不動産瑕疵事例 – crezac.jp
※記事内容は2026年2月3日時点の税制・法令に基づいています。
