現金出納帳はエクセルで作成でき、6項目の入力と1つの数式で残高を自動計算できます。簿記の知識がなくても、無料テンプレートを活用すれば30分以内に運用を開始できます。
この記事では作り方から科目別集計まで5ステップで解説します。
この記事の結論
現金出納帳は「取引日・勘定科目・摘要・入金・出金・差引残高」の6列をエクセルで作成し、残高欄に「=前残高+入金-出金」の数式を入れるだけで完成します。無料テンプレートを使えば関数設定済みのため、日付と金額を入力すれば現金を管理できます。
会計ソフト導入前の個人事業主・フリーランスでも、この方法で確定申告に必要な現金記録を正確に残せます。
今日やるべき1つ
freeeまたは弥生の無料テンプレートをダウンロードし、直近1週間分の現金取引を入力する(15分)。
状況別ショートカット
| あなたの状況 | 読むべきセクション | 所要時間 |
| 現金出納帳の基本を知りたい | 現金出納帳の基本は6項目で構成 | 5分 |
| エクセルでゼロから作りたい | 現金出納帳のエクセル作成は4手順 | 10分 |
| 自分に合う方法を診断したい | 現金出納帳の作成方法を3分で診断 | 3分 |
| 無料テンプレートを比較したい | 現金出納帳のテンプレートは3種で比較 | 5分 |
| 実務で役立つコツを知りたい | 現金出納帳のエクセル管理は5つの仕組みで効率化 | 10分 |
| 科目設定で迷っている | 現金出納帳の勘定科目は10種で対応 | 5分 |
現金出納帳の基本は6項目で構成

現金出納帳は日々の現金の入出金と残高を記録する補助簿であり、確定申告や資金管理の基礎となる帳簿です。ここでは基本的な構成と記入ルールを解説します。
現金出納帳は補助簿の1つで残高管理が目的
現金出納帳は会計帳簿の中で「補助簿」に分類され、主要簿(仕訳帳・総勘定元帳)を補完する役割を持ちます。現金の増減を時系列で記録することで、実際の現金残高と帳簿上の残高が一致しているかを確認できます。
不正防止やミス発見にも役立つため、事業規模を問わず作成をおすすめします。
6項目は取引日・勘定科目・摘要・入金・出金・残高
現金出納帳に記載する基本項目は以下の6つです(現金出納帳をエクセルで作成する方法)。
| 項目名 | 記載内容 | 記載例 |
| 取引日 | 現金の入出金があった日付 | 2025/1/15 |
| 勘定科目 | 取引の原因となった科目 | 売上、消耗品費 |
| 摘要 | 取引の具体的内容 | A社への売上入金 |
| 入金 | 現金が増えた金額(税込) | 50,000 |
| 出金 | 現金が減った金額(税込) | 3,300 |
| 差引残高 | 前残高+入金-出金の結果 | 146,700 |
入金欄と出金欄は税込金額で記入
現金出納帳の各行には、現金が増えた取引の場合「入金」欄に、現金を支払った取引の場合「出金」欄に金額を税込で記入します。
消費税の内訳は摘要欄に「(税込)」と注記するか、別途消費税管理表で管理する方法が一般的です。
CHECK
・現金出納帳は補助簿の1つで残高管理が目的
・記載項目は取引日・勘定科目・摘要・入金・出金・残高の6つ
・金額は税込で記入し、消費税は摘要欄に注記
現金出納帳のエクセル作成は4手順

エクセルで現金出納帳をゼロから作成する場合、4つの手順で完成します。30分程度で作成でき、一度作れば毎月使い回せます。「テンプレートを使わずに自分で作りたい」という方は、この手順に沿って進めてください。
手順1は項目名の入力で5分
エクセルを開き、A列から順に「取引日」「勘定科目」「摘要」「入金」「出金」「差引残高」の見出しを1行目に入力します(エクセルでの現金出納帳の作り方)。
列幅は「取引日」10文字、「勘定科目」12文字、「摘要」30文字、金額系は12文字程度に設定すると見やすくなります。
手順2は罫線と書式設定で5分
見出し行を太字にし、全体に格子罫線を引きます。金額列(入金・出金・差引残高)には「桁区切りスタイル」を適用し、カンマ区切りで表示されるようにします。
取引日列は「日付」の表示形式に設定してください。
手順3は期首残高の入力で1分
2行目のF列(差引残高)に期首時点の現金残高を入力します。たとえば、1月1日時点で手元現金が10万円なら「100000」と入力します。
この金額が以降の計算の起点となります。
手順4は差引残高の数式入力で5分
3行目のF列に「=F2+D3-E3」という数式を入力します。これは「前の残高+今回の入金-今回の出金」を意味します。
この数式を下方向にコピー(オートフィル)すれば、以降の行すべてで残高が自動計算されます。
ユーザーからは「見出し行の設定から残高セルに『前残高+入金−出金』の数式を入力し、下方向へコピーすることで自動計算できるようになった」という声も上がっています(エクセルで現金出納帳を作る方法を初心者向けにわかりやすく解説!)。
CHECK
・6項目の見出しをA列から順に入力
・期首残高を入力し、数式で自動計算を設定
・オートフィルで数式をコピーすれば完成
現金出納帳の作成方法を3分で診断

以下の診断で3分以内に最適な方法を判定できます。
Q1: エクセルの関数(SUMやIFなど)を使った経験がありますか?
- はい → Q2へ
- いいえ → 【結果A】テンプレート利用推奨
Q2: 勘定科目を自分でカスタマイズしたいですか?
- はい → Q3へ
- いいえ → 【結果B】テンプレートをそのまま使用
Q3: 科目別集計や月別分析を行いたいですか?
- はい → 【結果C】自作+SUMIF関数で集計表作成
- いいえ → 【結果D】自作の基本テンプレートで十分
診断結果の活用方法
| 結果 | 次のステップ |
| 結果A | 弥生またはfreeeのテンプレートをダウンロードし、そのまま使用する |
| 結果B | テンプレートをダウンロードし、科目名だけ自分の業種に合わせて変更する |
| 結果C | 本記事のハックセクションを参考に、SUMIF関数で集計表を追加作成する |
| 結果D | 本記事の「4手順」を参考に、基本的な現金出納帳を自作する |
CHECK
・エクセル関数の経験がなければテンプレート利用がおすすめ
・カスタマイズしたい場合は自作を検討
・科目別集計が必要ならSUMIF関数を活用
現金出納帳のテンプレートは3種で比較

無料で使える現金出納帳テンプレートの中から、特に使いやすい3種を比較します。どれを選ぶか迷う方は、自分の用途に合ったものを選んでください。
freeeのテンプレートは関数設定済みで初心者向け
freeeが提供する無料テンプレートは、残高計算の関数が設定済みです。ダウンロードしてすぐに使い始められます(現金出納帳をエクセルで作成する方法)。
勘定科目のプルダウンリストも用意されており、入力ミスを防げます。
弥生のテンプレートは印刷レイアウトが整っている
弥生が提供するテンプレートは、A4用紙への印刷を想定したレイアウトになっています(現金出納帳の無料エクセルテンプレート)。
紙で保管したい方や、税理士に提出する際に便利です。
TemplateBank等の配布サイトは種類が豊富
TemplateBank等の配布サイトでは、業種別や用途別のテンプレートが多数公開されています(出納帳の無料テンプレート(書式)一覧)。
飲食店向け、小売店向けなど、業種に特化したものを探している方におすすめです。
CHECK
・初心者はfreeeの関数設定済みテンプレートがおすすめ
・印刷重視なら弥生のテンプレートを選択
・業種別テンプレートはTemplateBankで探す
現金出納帳のエクセル管理は5つの仕組みで効率化

現金出納帳を日々運用する中で、入力ミスや作業の手間を減らす5つの仕組みを紹介します。どれも10〜30分程度で設定でき、長期的に時間を節約できます。
仕組み1はプルダウンリストで科目入力を効率化
【効果】入力ミスを約90%削減し、作業時間を短縮できます
勘定科目欄にプルダウンリストを設定すれば、毎回手入力する必要がなくなります。エクセルの「データの入力規則」機能を使い、よく使う科目(売上、消耗品費、交通費など)を登録しておきます。
仕組み2は条件付き書式で残高マイナスを警告
【効果】残高不足を即座に把握でき、資金繰りミスを防止できます
残高がマイナスになった場合にセルが赤く表示されるよう設定します。「条件付き書式」で「セルの値が0より小さい場合」に赤背景を適用すれば完了です。
仕組み3はシート分けで月別管理を実現
【効果】検索・印刷・集計が効率化されます
1つのブックに12枚のシートを作成し、月別に管理します。シート名を「1月」「2月」のように設定し、各シートに同じフォーマットをコピーしておきます。
年度ごとにファイルを分ければ、保存期間7年分の管理も容易です。
仕組み4は週次で帳簿と現金を照合
【効果】差異の原因を効率的に特定できます
毎週金曜日など、決まったタイミングで帳簿残高と実際の現金を照合します。差異がある場合は、直近1週間の取引を重点的に確認してください。
現金差異の原因の多くは直近1週間の取引に集中する傾向があります。
仕組み5はテーブル機能で自動拡張
【効果】入力時間が短縮されます
エクセルの「テーブル機能」を使えば、新しい行を追加するたびに書式と数式が自動的に適用されます。範囲選択して「Ctrl+T」でテーブル化できます。
CHECK
・プルダウンリストで科目入力ミスを防止
・条件付き書式で残高マイナスを警告表示
・週次で帳簿と現金を照合して差異を早期発見
現金出納帳の勘定科目は10種で対応
現金出納帳で使う勘定科目は、個人事業主であれば10種類程度で十分です。業種によって異なりますが、ここでは代表的な科目を紹介します。
収入系科目は売上と雑収入の2つ
現金が増える取引の科目は、主に「売上」と「雑収入」の2つです。売上は本業の収入、雑収入は受取利息や還付金などの臨時収入に使います。
売上と雑収入を区別しておくと、確定申告時に収入の内訳が明確になります。
支出系科目は消耗品費・交通費など8種が基本
現金が減る取引で使う科目は、消耗品費、交通費、通信費、接待交際費、旅費交通費、水道光熱費、租税公課、雑費の8種類が基本です。
事業主貸は、事業用の現金を生活費などプライベートに使った場合の科目です。経費ではないため、確定申告の収支に影響しません。
CHECK
・収入系は売上と雑収入の2科目で対応
・支出系は8科目程度で個人事業主は十分
・事業主貸は経費ではなく生活費の引き出し記録
まとめ:現金出納帳はエクセルで30分作成可能
現金出納帳は「取引日・勘定科目・摘要・入金・出金・差引残高」の6列を作り、残高欄に数式を入れるだけで完成します。
無料テンプレートを活用すれば、関数設定済みですぐに運用を開始できます。また、プルダウンリストや条件付き書式を追加すれば、入力ミスの防止や作業効率化が可能です。
取引件数が月50件を超える場合や、仕訳帳・総勘定元帳との連携が必要な場合は、会計ソフトの導入を検討してください。
よくある質問
Q. 現金出納帳はエクセルと会計ソフトどちらがいい?
取引件数が月20件以下であればエクセルでも十分対応できます。月50件を超える場合や、仕訳帳・総勘定元帳との連携が必要な場合は、会計ソフトの導入を検討してください。
Q. 現金出納帳の保存期間は何年?
青色申告の場合、所得税法施行規則第63条に基づき帳簿は7年間の保存義務があります。電子データでの保存も認められていますが、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。
詳細は国税庁のホームページで確認してください(国税庁 帳簿書類の保存期間)。
Q. 確定申告時に現金出納帳は提出が必要?
通常は提出不要です。ただし、税務調査の際には提示を求められる場合があります。
日々の記録を正確に残し、いつでも提示できる状態にしておいてください。
【出典・参照元】
本記事は以下の情報源をもとに作成されています。
公的機関
- 国税庁「帳簿書類の保存期間」
民間調査/企業
- freee「現金出納帳をエクセルで作成する方法(無料テンプレート付き)」
- 弥生「現金出納帳の無料エクセルテンプレート」
- invoy「エクセルでの現金出納帳の作り方 テンプレート付きで詳しく解説」
- TemplateBank「出納帳の無料テンプレート(書式)一覧」
- マネーフォワード「経理で使えるエクセル基礎知識・関数10選」
体験談/ユーザーの声
- 総務の森「Excel(エクセル)で現金出納帳を作ってみよう」
- YouTube「エクセルで現金出納帳を作る方法を初心者向けにわかりやすく解説!」
※記事内容は2026年1月時点の税制・法令に基づいています。
