「白色申告なら帳簿はいらない」──その認識は、平成26年1月に終わっています。今、すべての白色申告者に記帳・帳簿保存が義務化されており、法定帳簿は7年間の保存が必要です。
帳簿がないまま税務調査を受ければ、推計課税の対象になります。つまり、実際の経費より少ない額で計算され、本来払わなくていい税金を納めることになります。この記事では、必要な帳簿の種類・書き方・保存期間から、週1回30分で完結する記帳の仕組み化まで、具体的に示します。
※記事内容は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については税理士等の専門家にご相談ください。
この記事でわかること
・白色申告で必要な帳簿の種類と保存期間
・手書き・エクセル・会計ソフトの選び方
・週1回30分で完結する記帳の仕組み化
この記事の結論
白色申告の帳簿は、収入と経費を記載した法定帳簿を単式簿記で作れば要件を満たします。保存は法定帳簿が7年、領収書等が5年です。手書き・エクセル・会計ソフトのどれでも構いません。
帳簿がなければ、税務調査で取引実態を説明できず、推計課税の対象になります。今から週1回30分の記帳習慣を作れば、確定申告時に慌てることはありません。
今日やるべき1つ
手元のレシート・通帳を1か月分だけ集め、「日付・内容・金額」の3項目でエクセルに入力します(30分)。
状況別ショートカット
| 帳簿の種類を知りたい | 白色申告の帳簿の種類と基本 | 5分 |
| 書き方を具体的に知りたい | 白色申告の帳簿の書き方は3パターン | 8分 |
| 今の記帳が正しいか確認したい | 白色申告の帳簿は7項目でチェック | 5分 |
| 自分に必要な対応を判断したい | 白色申告の帳簿対応を3分で診断 | 3分 |
| 成功・失敗事例を参考にしたい | 白色申告の帳簿実例は2パターンで比較 | 5分 |
| 効率的な管理方法を知りたい | 白色申告の帳簿管理は5つの仕組みで解決 | 10分 |
白色申告の帳簿の種類と基本

国税庁の「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(No.2080)によると、事業所得・不動産所得・山林所得がある方は記帳義務の対象です。収入金額と必要経費を帳簿に記載し、一定期間保存しなければなりません。
白色申告で作成する帳簿には「法定帳簿」と「任意帳簿」があります。法定帳簿は収入・経費を記録した帳簿で、7年間の保存が義務です。任意帳簿は業務に応じて作る補助帳簿で、5年間の保存が必要です。実務でよく使われる帳簿としては、現金出納帳・売上帳・経費帳・固定資産台帳などがあり、事業内容に応じて必要なものを選びます。
現金出納帳は日々の現金収支を記録
現金出納帳は、事業の現金の入出金を日付順に記録する帳簿です。現金売上や現金での経費支払いがあるたびに記入し、残高を常に把握できる状態にします。
記載項目は「日付」「摘要(取引内容)」「収入」「支出」「残高」の5つが基本です。
売上帳は取引先別の売上を管理
売上帳は、売上の発生日・取引先名・金額・内容を記録します。請求書発行のタイミングで記入し、月末には取引先ごとの売上合計を集計してください。収支内訳書への転記がスムーズになります。
経費帳は勘定科目別に支出を分類
経費帳は、仕入以外の必要経費を「旅費交通費」「通信費」「消耗品費」などの勘定科目別に記録します。レシートや領収書と紐づけて管理すれば、税務調査時にも説明しやすくなります。
固定資産台帳は10万円以上の資産を記録
固定資産台帳は、取得価額10万円以上のパソコンや機械設備などを記録し、減価償却費を計算するための帳簿です。取得日・資産名・取得価額・耐用年数・償却方法を記載します。
保存期間は「法定帳簿7年・領収書5年」──起算日は3月16日
帳簿の保存期間は種類によって異なります。法定帳簿が7年、任意帳簿や領収書・請求書などは5年です(国税庁 No.2080)。保存期間の起算日は確定申告期限の翌日(原則3月16日)となります。
| 法定帳簿 | 7年 | 収入・経費を記録した主要な帳簿 |
| 任意帳簿 | 5年 | 業務に応じて作成した補助帳簿 |
| 領収書・請求書等 | 5年 | 取引を証明する書類 |
個別の状況によって判断が異なる場合があります。不明点は税理士にご確認ください。
CHECK
・白色申告でも記帳・帳簿保存は義務
・法定帳簿7年、領収書等5年の保存期間
・事業内容に応じて必要な帳簿を選択
白色申告の帳簿の種類に関するよくある質問
Q. すべての帳簿を作成しないとペナルティがある?
帳簿の種類ごとに明確な罰則はありません。ただし、税務調査時に取引の実態を説明できなければ、推計課税や加算税の対象になります。最低限、収入と経費を記録した法定帳簿は作成してください。
Q. 売上が少なくても帳簿は必要?
売上金額にかかわらず帳簿の作成・保存は義務です。副業で年間20万円以下の雑所得であっても、住民税申告の際に帳簿があると有利になります。
白色申告の帳簿の書き方は3パターン

帳簿は、手書き・エクセル・会計ソフトの3パターンから選べます。取引量が月20件以下なら手書き、20〜50件ならエクセル、50件以上なら会計ソフトが目安です。
手書き帳簿は初期コストゼロで始められる
市販の帳簿ノート(500~1,000円)やルーズリーフで代用できます。記入ルールは「日付は必ず記入」「摘要は具体的に(例: ○○商店で文具購入)」「金額は税込で統一」の3点を守れば問題ありません。月20件以下の取引量に向いています。
エクセル帳簿は集計が自動化できる
エクセルで帳簿を作成する場合、列構成は「日付」「勘定科目」「摘要」「収入」「支出」「残高」の6列が基本です。SUM関数で月次集計、SUMIF関数で科目別集計を自動化できるため、手書きより作業時間を短縮できます。
エクセル帳簿の列構成例:
| 1/5 | 売上高 | A社デザイン料 | 50,000 | – | 50,000 |
| 1/8 | 消耗品費 | 文具購入 | – | 1,500 | 48,500 |
会計ソフトは記帳ミスを防止できる
freee・マネーフォワード・弥生などのクラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携して取引を自動取得できます。月額費用はかかりますが、勘定科目の提案機能や収支内訳書の自動作成機能があり、記帳ミスを大幅に減らせます。
3パターンの比較で自分に合う方法を選ぶ
| 手書き | 500~1,000円 | 月間取引20件以下 |
| エクセル | 0円(既存PC) | 月間取引20~50件 |
| 会計ソフト | 月額費用あり | 月間取引50件以上 |
CHECK
・手書きは月間取引20件以下の方に最適
・エクセルは関数で集計を自動化できる
・会計ソフトは取引自動取得で記帳ミス防止
白色申告の帳簿の書き方に関するよくある質問
Q. 手書きとエクセルを併用してもいい?
問題ありません。たとえば現金取引は手書きの現金出納帳に記録し、売上や経費の集計はエクセルで行う併用も可能です。
Q. 会計ソフトの無料プランでも白色申告に対応できる?
多くの会計ソフトは白色申告向けに無料プランを提供しています。ただし機能制限がある場合もあるため、収支内訳書の作成機能が含まれているか確認してください。
白色申告の帳簿は7項目でチェック

記帳が正しいかどうか不安──その判断は、以下の7項目チェックリストで可能です。すべてにチェックが入れば、税務調査にも対応できるレベルに達しています。
日次記帳チェックリスト
取引の年月日を正確に記録しているか
摘要欄に取引先名と取引内容を具体的に記載しているか
金額は税込で統一しているか(または税抜と消費税を分けて記載)
現金残高と帳簿残高が一致しているか
月次管理チェックリスト
領収書・レシートを日付順にファイリングしているか
売上の計上漏れがないか(請求書発行控えと照合)
家事按分が必要な経費は按分割合を明記しているか
チェックリストの活用方法
月末に7項目を確認し、すべてにチェックが入る状態を目指します。特に「現金残高と帳簿残高の一致」は、税務調査で最も重点的に確認される項目です。
CHECK
・日次は日付・摘要・金額・残高の4項目を確認
・月次は領収書整理・売上照合・按分記載の3項目
・現金残高と帳簿残高の一致は最重要
白色申告の帳簿チェックリストに関するよくある質問
Q. 家事按分の割合はどうやって決める?
事業に使用している面積または時間の割合で計算します。たとえば自宅の一室を仕事部屋として使用している場合、その部屋の面積が全体の20%であれば、家賃の20%を経費にできます。
Q. レシートを紛失した場合はどうすればいい?
クレジットカードの利用明細や出金伝票で代替できます。ただし、高額な経費については再発行を依頼するか、取引先に確認書を発行してもらうことを検討してください。
白色申告の帳簿対応を3分で診断

今どのレベルの対応が必要なのか──以下の診断で判定できます。3つの質問に答えるだけで、次に取るべき行動が明確になります。
Q1: 現在、何らかの帳簿をつけていますか?
- はい → Q2へ
- いいえ → 【結果A】
Q2: 帳簿に日付・摘要・金額の3項目を記載していますか?
- はい → Q3へ
- いいえ → 【結果B】
Q3: 領収書・請求書を整理して保管していますか?
- はい → 【結果C】
- いいえ → 【結果D】
診断結果の活用方法
| 結果 | 今日やること | 所要時間 |
| 結果A | 帳簿フォーマットを作成し、直近1か月分を記帳 | 60分 |
| 結果B | 記載項目を見直し、3項目(日付・摘要・金額)が揃う形式に修正 | 30分 |
| 結果C | 年末に向けて集計作業の準備を進める | 15分 |
| 結果D | 領収書・請求書を日付順にファイリング | 45分 |
この診断はあくまで目安です。個別の状況については税理士等の専門家への相談も検討してください。
CHECK
・結果Aは帳簿作成から着手
・結果B・Dは記載項目または書類整理を改善
・結果Cは現状維持で年末準備へ
白色申告の帳簿診断に関するよくある質問
Q. 結果Aになったが、過去の分も遡って記帳する必要がある?
確定申告の対象となる1月1日からの取引はすべて記帳が必要です。レシートや通帳履歴から可能な範囲で復元してください。
Q. 結果Cでも青色申告に切り替えた方がいい?
売上が年間500万円を超える場合や、今後事業を拡大する予定がある場合は、青色申告への切り替えを検討する価値があります。青色申告特別控除(最大65万円)を受けられるため、所得税の軽減につながる可能性があります。
白色申告の帳簿実例は2パターンで比較
成功パターンと失敗パターンを、実例で比較します。
ケース1: 会計ソフト導入で記帳が定着
状況: フリーランスのWebデザイナーとして開業。初年度は白色申告を選択し、手書き帳簿で記帳を始めた。
判断: 2か月目に記帳が溜まり始めたため、クラウド会計ソフトを導入。銀行口座とクレジットカードを連携し、取引の自動取得を開始。
結果: 月末のまとめ記帳が短時間で完了するようになり、確定申告時には収支内訳書が自動で作成できた。翌年から青色申告に切り替え、65万円控除も受けられるようになった。
白色申告と青色申告を比較した情報によると、会計ソフトを活用すれば青色申告の複式簿記も自動化でき、控除額の差を考えると青色申告の方がメリットが大きいという見方があります(白色申告と青色申告、結局どっちが得?)。。
分岐点: 会計ソフトを導入していなければ、記帳が滞り、確定申告直前に1年分を処理する事態になっていました。
ケース2: 帳簿未作成で推計課税のリスク
状況: 副業でライター業を始めた会社員。白色申告は帳簿不要と勘違いし、レシートの束だけを保管していた。
判断: 確定申告の時期になって初めて帳簿義務を知り、1年分のレシートを一気に整理することになった。
結果: 整理に丸3日かかり、一部のレシートは紛失していたため経費計上を諦めた。
白色申告でも帳簿作成は義務であり、帳簿がない場合は税務調査時に推計課税のリスクがあることが指摘されています(白色申告をするのに帳簿はなくてもいいの?)。
分岐点: 最初から週1回の記帳習慣をつけていれば、確定申告時期に慌てることなく、経費の計上漏れも防げました。
この事例はあくまで参考例であり、同様の結果を保証するものではありません。
CHECK
・会計ソフト導入で記帳の習慣化が容易に
・帳簿未作成は推計課税リスクあり
・月1回の記帳習慣が確定申告時の負担を軽減
白色申告の帳簿実例に関するよくある質問
Q. ケース2のように帳簿がない場合、税務調査でどうなる?
帳簿がない場合、税務署は収入金額や経費を推計して課税する「推計課税」を行う可能性があります。推計課税では、同業者の平均的な経費率などを基に計算されるため、実際より高い税額になることがあります。
Q. 会計ソフトを導入するタイミングはいつがベスト?
開業時または年初がベストです。途中から導入すると、過去分の入力が必要になります。ただし、今から導入しても次回の確定申告には間に合うため、思い立ったタイミングで始めてください。
白色申告の帳簿管理は5つの仕組みで解決

帳簿管理は「習慣」ではなく「仕組み」で解決します。以下の5つの方法から、自分に合うものを選び、今日から実行してください。
ハック1: 週1回30分の記帳タイムで記帳漏れを防止
【対象】 月間取引20~50件程度で、日々の記帳が習慣化できていないフリーランス
【効果】 週1回の定期記帳で記帳漏れを防止し、確定申告時の作業を大幅に短縮
【導入時間】 15分
【見込める効果】 高
【手順】
- 毎週同じ曜日・時間に30分の「記帳タイム」をカレンダーに登録する(2分)
- その週に発生した取引のレシート・請求書を1か所に集める(5分)
- 帳簿に日付・摘要・金額を入力し、現金残高を確認する(20分)
- 領収書を日付順にファイリングする(3分)
【ポイント】 「毎日コツコツ記帳する」と考えがちですが、週1回まとめて記帳する方が継続しやすくなります。毎日の記帳は1日サボると挫折しやすい一方、週1回なら予定に組み込みやすく習慣化できます。
【注意点】 現金取引が多い場合は、現金残高の突合を毎回行ってください。1週間分の誤差を見つけるのは難しくなるため、残高を意識する習慣も並行して必要です。
【最初の一歩】 今日中にカレンダーアプリで「毎週○曜日 記帳タイム」の予定を登録してください(2分)。
ハック2: 決済手段別の記帳ルールで混乱を解消
【対象】 現金・銀行振込・クレジットカード・スマホ決済など複数の決済手段を使い分けているフリーランス
【効果】 決済手段ごとの記帳タイミングを明確化し、二重計上や計上漏れを防止
【導入時間】 1時間
【見込める効果】 高
【手順】
- 自分が使用している決済手段を一覧にする(5分)
- 各決済手段の「記帳タイミング」を決める(下記表参照)(10分)
- 決済手段別に帳簿のシートまたはページを分ける(30分)
- 月末に各決済手段の残高と帳簿を突合する(15分)
| 現金 | 支払時 | レシート |
| 銀行振込 | 入出金時 | 通帳・ネットバンク |
| クレジットカード | 利用時(発生主義) | 利用明細 |
| スマホ決済 | 利用時 | アプリ履歴 |
【ポイント】 「すべての取引を1つの帳簿にまとめる」のが教科書的ですが、実務では「決済手段別に分けて管理する」方が混乱を防げます。会計ソフトでも、口座別に取引を管理するのが標準です。
【注意点】 クレジットカードは「利用日」と「引落日」が異なります。発生主義(利用日で計上)を採用し、引落日には再度計上しないよう注意してください。
【最初の一歩】 今日中に自分が使用している決済手段を一覧にし、それぞれの「確認資料」を特定してください(10分)。
ハック3: レシート撮影アプリで紛失リスクをゼロに
【対象】 領収書やレシートを紛失しがちで、経費の計上漏れが発生しているフリーランス
【効果】 レシート取得直後に撮影することで紛失リスクを大幅に低減し、経費計上漏れを防止
【導入時間】 10分
【見込める効果】 中
【手順】
- スマホにレシート撮影アプリをインストールする(freee、マネーフォワード、CamiAppなど)(3分)
- レシートを受け取ったらその場で撮影する習慣をつける(1分/件)
- 週1回の記帳タイムで撮影データを確認しながら記帳する(10分)
- 紙のレシートは撮影後、月ごとにまとめて封筒に保管する(5分)
【ポイント】 「レシートを財布に入れて後でまとめて処理する」は挫折しやすくなります。「受け取ったら即撮影」から始めた方が継続できます。財布の中でレシートが溜まると処理が億劫になり、結局紛失します。
【注意点】 撮影アプリのデータだけでは証憑として不十分な場合があります。紙のレシートも5年間保存する義務があるため、撮影後も原本は捨てないでください。
【最初の一歩】 今日中にスマホにレシート撮影アプリをインストールし、試しに1枚撮影してください(5分)。
ハック4: 勘定科目の早見表で迷う時間を削減
【対象】 経費をどの勘定科目に分類すればいいか迷い、記帳に時間がかかっているフリーランス
【効果】 よく使う経費の勘定科目を事前に決めておくことで、1件あたりの記帳時間を短縮
【導入時間】 20分
【見込める効果】 中
【手順】
- 過去3か月分のレシートを見て、よく発生する経費を10種類リストアップする(10分)
- 各経費に対応する勘定科目を決める(下記表参照)(5分)
- 早見表を印刷またはスマホのメモに保存する(3分)
- 記帳時に早見表を参照しながら入力する(2分)
| 電車・バス代 | 旅費交通費 | ○○駅-△△駅 打合せ移動 |
| 携帯電話代 | 通信費 | 1月分携帯電話料金(按分50%) |
| 文房具購入 | 消耗品費 | ボールペン・ノート購入 |
| 書籍購入 | 新聞図書費 | ○○関連書籍購入 |
| 喫茶店での打合せ | 会議費 | ○○社△△氏と打合せ |
【ポイント】 勘定科目に唯一の正解はありません。「一度決めたら変えない」が最適解です。同じ経費を毎回違う科目に分類するより、一貫性を保つ方が税務調査で説明しやすくなります。
【注意点】 10万円以上の物品購入や、飲食代の分類(会議費・接待交際費・福利厚生費)は税務上の扱いが異なる場合があります。高額な経費や判断に迷う経費は、税理士に確認してください。
【最初の一歩】 今日中に直近1か月分のレシートを見て、よく発生する経費5種類をリストアップしてください(10分)。
ハック5: 月末30分の突合作業で申告ミスを事前発見
【対象】 記帳はしているが、数字の正確性に不安があり、確定申告時に慌てて修正しているフリーランス
【効果】 月末に帳簿と実際の残高を突合することで、申告ミスを早期に発見し、修正コストを削減
【導入時間】 30分/月
【見込める効果】 高
【手順】
- 月末に銀行口座の残高を確認し、帳簿の残高と照合する(5分)
- 差異があれば、その月の取引を1件ずつ確認する(10~20分)
- クレジットカードの利用明細と帳簿を照合する(5分)
- 現金残高を数え、現金出納帳の残高と照合する(5分)
【ポイント】 「年末にまとめて突合する」は避けてください。「月末に30分だけ突合する」を推奨する理由は、年末に1年分の差異を見つけても取引の記憶が曖昧で、原因特定が困難だからです。月末なら記憶が新鮮で、すぐに修正できます。
【注意点】 クレジットカードは締め日と利用明細の反映タイミングにずれがあります。「利用日」ベースで管理している場合は翌月にずれ込む取引に注意してください。
【最初の一歩】 今日中にカレンダーアプリで「毎月末 帳簿突合」の予定を登録し、今月分を試しに突合してください(30分)。
CHECK
・週1回30分の記帳タイムで習慣化
・決済手段別に管理して二重計上を防止
・月末30分の突合で早期にミスを発見
白色申告の帳簿管理に関するよくある質問
Q. 5つの方法をすべて実践する必要がある?
最初は1~2つから始めてください。特に「ハック1: 週1回30分の記帳タイム」と「ハック5: 月末30分の突合作業」は効果が高く、多くの方に適用できます。
Q. 会計ソフトを使っていても突合作業は必要?
自動連携が正しく動作しているか確認する意味でも月末の突合は有効です。特に現金取引は手入力になるため、計上漏れがないかチェックしてください。
まとめ:白色申告の帳簿は法定帳簿7年保存が基本
白色申告の帳簿は、収入と経費を記載した法定帳簿を基本とし、7年間の保存が義務です。手書き・エクセル・会計ソフトのいずれでも対応できますが、取引量が増えるほど会計ソフトの効率が高くなります。
帳簿未作成の状態は税務調査時のリスクになるため、今から記帳を始めてください。週1回30分の記帳タイムと月末30分の突合作業を仕組み化すれば、確定申告時の作業負担を大幅に軽減できます。
青色申告への切り替えは、売上規模や今後の事業計画を踏まえて判断してください。65万円控除のメリットは大きいですが、複式簿記への対応が必要になります。
個別の状況については、税理士等の専門家にご相談ください。
今すぐできる3つの実践ポイント

- 手元のレシート1か月分を集め、日付・内容・金額をエクセルに入力する(30分)
- カレンダーに「毎週○曜日 記帳タイム」「毎月末 帳簿突合」を登録する(5分)
- 7項目チェックリストで現状の記帳状況を確認する(10分)
状況別/次の一歩
| 帳簿をまったくつけていない | 直近1か月分のレシートを集め、エクセルに入力する | 60分 |
| 手書き帳簿に不安がある | 7項目チェックリストで現状を確認する | 15分 |
| 会計ソフト導入を検討中 | 無料プランで1週間試用してみる | 30分 |
| 青色申告への切り替えを検討中 | 税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する | 30分 |
白色申告の帳簿に関するよくある質問
Q. 白色申告でも帳簿は必ず必要?
平成26年1月から白色申告者にも記帳・帳簿保存が義務化されています。売上金額にかかわらず、事業所得・不動産所得・山林所得があれば全員対象です(国税庁 No.2080)。
Q. 帳簿をつけないとどうなる?
帳簿がない場合、税務調査時に取引の実態を説明できず、推計課税や過少申告加算税の対象になります。推計課税では同業者の平均経費率を基に税額が計算されるため、実際より高い税金を支払うケースもあります。
Q. 白色申告の帳簿はエクセルでも大丈夫?
問題ありません。帳簿の形式に法的な指定はなく、手書き・エクセル・会計ソフトのいずれでも、必要な記載事項(日付・内容・金額)が含まれていれば有効です。
Q. 白色申告と青色申告の帳簿の違いは?
白色申告は単式簿記(収入と支出を記録)で足りますが、青色申告で65万円控除を受けるには複式簿記(仕訳形式)が必要です。会計ソフトを使えば複式簿記も自動化できるため、実務上の負担差は縮まっています。
Q. 領収書は何年保存すればいい?
領収書・請求書などの証憑書類は5年間の保存義務があります。法定帳簿(収入・経費を記録した帳簿)は7年間です。保存期間の起算日は確定申告期限の翌日(原則3月16日)となります。
【出典・参照元】
本記事は以下の情報源をもとに作成されています。
公的機関
- 国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」
- 国税庁「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」
民間調査/企業
- マネーフォワード「白色申告の帳簿のつけ方や保存義務についてわかりやすく解説!」
- freee「白色申告であっても帳簿作成は義務!書き方や保存期間および記帳しないリスクも紹介」
- 弥生「白色申告の帳簿の書き方は?記載例や記帳のポイントを解説」
参考情報
- note「白色申告と青色申告、結局どっちが得?」
- タックスナップメディア「白色申告をするのに帳簿はなくてもいいの?」
※記事内容は2025年1月13日時点の税制・法令に基づいています。税制改正等により内容が変更される場合がありますので、最新情報は国税庁または税理士にご確認ください。
